私の名前はジロギン。

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理想とは程遠い上司と部下の関係

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自分にも会社の後輩が出来たことで、「上司の難しさ」をつくづく感じています。
大学の後輩みたいに友達のように接していいわけではない。
けれど、あまりにも仕事だけの付き合いをしていたのでは部下の発しているSOS信号に気がつかず蔑ろにしてしまう…

近からず遠からずみたいな関係のバランスの取り方にかなり難しいなと感じる今日この頃…もっと部下との年が離れれば、もっと難しくなるんだろうなと思います。



基本的に部下はプライベートで何をしているかわかりませんし、本当はどんな人間なのかも正直わかりません。
これが会社という距離感であり、上司と部下の理解しえない距離感になるんでしょうね。
まるで泣きわめく我が子をどうすれば泣き止むかわからず怒鳴ったり、はたまた暴力を振るったりしてしまう母親のように、上司は

「何でこんなことも出来ないんだ!!」

なんていうふうに部下を怒ります。
私は怒りませんよ。仕事に対しては熱意なき激ユル体制で挑んでおりますので、まず叱ることはないです。
でも、こういう風に上司が部下を叱る光景って誰しもが見たことがあると思います。

分かり合えない部分があるから攻撃的になる上司。そしてそれを受ける部下…
私が上司の立場となったからわかりましたが、なかなか、何者かよくわからない相手に対して攻撃的になるということは、危ないことですよ。

例えば、こんなことだってあるわけですから…






都内の某印刷会社
デスクでパソコンのキーボードを叩く男、
犬上。

犬上『私の名前は犬上浩二(いぬがみこうじ)。27歳。正確には犬上浩二の皮を被ったこの地球の者ならざる存在。すなわち宇宙人と呼ばれる存在だ。本当の名前は…思い出せない。
UFOに乗って地球に来訪したが、地球の軍隊の者と思われる戦闘型飛行物体によって、私のUFOは墜落。ここ日本の近海に落ちた。この時に、自分の名前を忘れてしまった。
命からがら冷たい海とかいう水たまりを泳ぎ切り、私は陸地にたどり着いた。
しかし、地球の人間どもにとっては私は異形の存在。すぐに警察とかいう青い服を着た連中がやってきて、銃弾とかいうすごい痛い弾を私に浴びせてきた。
なんとか逃げた私は、このままの姿ではいけないと、近くにいたこの犬上浩二という男を殺害し、脳ミソとかいう味噌ではないミソから犬上という男の記憶を抜き取り、今は犬上浩二として生きている。地球時間でいうと、私は犬上として既に2日ほど生きている。』

そこに怒号が聞こえてくる。

柿下「犬上っ!お前ちょっとこいっ!」

犬上『この男は柿下正重(かきしたまさしげ)という。この会社では課長とかいう偉いんだか偉くないんだかよくわからない役職の小太りな男だ。年齢はおそらくこの犬上より20歳ほど上と思われる。
とにかく何かと犬上を怒鳴り散らしていた男で、今の私の最も大きなストレス源だ。
しかしこの犬上という男、ここまで怒られるようなことを毎日のようにしていたのか…よくクビにならなかったものだ。』


犬上「はいっ!課長!何でしょう?」

立ち上がり、柿下が座る席に向かう犬上。

柿下「お前何だこれ!?この発注書!1万部印刷しろって言ったのに、これお前1…10…100…10億部になってるじゃねえーか!?
誰がビリオンセラーにしろっつったんだよ!
あぁっ!?」

犬上「はいっ!申し訳ありません、課長!
私の不注意です!直ちに訂正いたしますので…」

柿下「すぐにやれ!間に合わなくなるぞ!」

犬上「申し訳ありません!」

改めてデスクに向かう犬上。

犬上『このミスは私のミスではない。私が犬上の体を奪う前にしでかした犬上自身のミスだ。
1万部を10億部と間違えるなんて、小学生でもしないミスだぞ。こんなミス犯すとは、一体どれほど無能な男だったんだこいつは?
柿下の苦労も窺えるが、他人のミスを理不尽に被らなければならない私の気持ちも考えて欲しい…』

犬上の電話が鳴る。内線だった。

犬上「はい犬上です。」

受付「犬上さん、〇〇広告の吉田様からお電話です。かなり怒っていらっしゃいます…」

犬上「かしこまりました、ありがとうございます。」

電話に出る犬上

犬上「お電話変わりました、犬上です。」

吉田「犬上さん?あんたさぁ、本当いい加減にしろよ何度も何度も!!だからさぁ、見積書の金額間違えてるんだよ!!何で7兆円の見積書送ってきてるんだよ!70万じゃねぇのかよ!?」

犬上「申し訳ありません!すぐに訂正した物を送ります…」

電話を切る犬上。

犬上『この吉田という男からのクレーム電話で、私が犬上になってから52件目。2日で52件クレームが来るなんてまずありえない…
何をすればそんなことになるんだ?というよりこの犬上という男、どうやって27歳まで生きてきたんだ?相当な箱入り息子だったんだろうな。クソ…イライラする…
だが1つわかったこともある。この犬上という男は数字が苦手のようだ。数字のミスが多い…苦手というより、数字ってものを知らないのかもしれない。0をいっぱいかけば良いと思ってるのかもしれない…』




深夜0時

全ての仕事を終えて帰宅した犬上
妻が出迎える

妻「おかえりあなた。」

犬上「た…ただいま。まだ起きてたのか?」

犬上『この犬上という男、ムカつくことに妻がいる。会社であれだけ無能を晒しているというのに、プライベートではやることやっているあたりがムカつく。この妻は犬上が会社でとんでもないミスをしでかしてばかりの男だと知っているのだろうか?
いいのか?この男に人生任せて?間違いなく損するぞ、のび太くんと結婚したしずかちゃんより間違いなく損するぞ?!』

妻「今日は一段と疲れているわね?また怒鳴られたの?あの…ブタ下に?」

犬上「あ、ああ…まぁね。」

犬上『ブタ下…?ブタ下っていうのは…課長の柿下のことか!?この犬上という男、散々上司に迷惑をかけておきながら、影ではくだらないあだ名をつけて蔑むというクソ同然の行為を働いていたのか!自分のことを棚に上げ…腹が立ってきたぜ…犬上にも、そして運悪く犬上になってしまった私にも…』

妻「あれ?そういえば今日はやらないの?
『ただいまぺっぽーぺっぽっぽー』ってやつ!やってよぉ〜」

犬上「いやぁ、今日はかなり疲れちゃってさ。」

犬上『何だ今の…ただいまなんとかなんとかとかいうやつ…わかったぞ、この妻、犬上に負けず劣らずとんでもないアホだ!地球の文化は知らんが、こんなことはやるわけがない!この犬上家独自の文化だ!わかったぞ、この家の奴らアホだ!』

犬上「今日はお風呂に入ってもう寝るよ。夜も遅いしさ。お前も早く寝ろよ。おやすみ。」

妻「なんだぁ、今日のあなたつまらないー。もぉー、おやすみ。」

犬上『とはいえこの妻の前での一挙手一投足まで私にとっては危険なのだ。迂闊にいつもの犬上の行動を取ろうものなら間違いなく違和感を覚えられ、私が犬上でないと勘づくだろう…この妻がいくらアホでも、日常に習慣化されたことが少し異なっただけで違和感に気がつく…だからありきたりな行動しか出来ない。窮屈な生活ではあるが、しばらくの我慢だ。』



風呂から出た犬上は、ベランダに出て夜空に向かって目を閉じている。

犬上『誰か…私の信号を感知してくれ…この信号を感知したものはすぐに地球まで迎えのUFOをよこしてくれ…
と宇宙に信号を飛ばしているものの、なかなか迎えのUFOは現れない…早くこの地球を飛び出したい…というか明日会社行きたくない…」

その日もUFOは現れず、犬上は諦め、寝ることにした。




翌朝
起床し、スーツに着替える犬上。
そこに妻が手紙を持ってくる。

妻「ゴメン、昨日渡しそびれてた。コレ、お義母さんからお手紙。」

犬上「あぁ、ありがとう。」

犬上『犬上の母…即ちこの犬上という男の元祖みたいな存在だ。こんなとんでもないDNAを残すほどだ、母もとんでもない輩であることが想像される…大丈夫か?手紙に強力な毒とか染み込ませたりしてないよな?』

手紙を広げて読み始める犬上

母「浩二へ
元気でやってますか?何だか突然浩二のことが心配になって、手紙を書いてしまいました。
昔からこういうお母さんからの手紙とか贈り物とか嫌がってたけど、もう思春期も終わったし大丈夫よね?
浩二はお母さんと同じでそそっかしい性格だから、仕事で失敗ばかりしてるかもしれないね。
けどね、お前ももうすぐで立派なお父さんになるんだから、頑張らなきゃダメだよ。
死んだお父さんは頑固な人だったから、今では浩二とろくに口も聞かないけど、浩二が生まれる前は「家族は俺が守るんだ」ってカッコ良かったんだから。浩二も生まれてくる子のために頑張るんだよ。奥さんも大切にね。
たまには連絡ちょうだい。お母さんも最近体調が良くなくて、病院を行ったり来たり、いつ死んじゃうかわからないから、最後にお前の声を聞いておきたいな。
もういらないだろうけどお小遣い。
10000000000000円!入れとくね。
                                                             母より」

手紙が入っていた封筒には、手紙とともに1万円札が入ってた。

犬上『…良いお母さんじゃあないか。なんでこんな母親からこの犬上のような男が生まれてくるのだ?人間というものはわけがわからない…
数字が苦手なのは遺伝のようだが。
…手紙によると犬上の母はなかなか犬上と会えていないようだし、体も良くないようだ…
私で良ければ…仕事前に電話でもするか…』

家を後にしようとする犬上。
犬上を見送る妻。

妻「いってらっしゃ〜い、パパって!」

お腹をさすりながら見送る妻。

犬上「い、いってきます。」




最寄駅の人混みを避けた柱の横で、犬上は携帯電話を操作した。
犬上本人の携帯電話。おそらく母親の連絡先があるはず…あった。
犬上は電話をかけた。

犬上「もしもし!母さん?俺!いぬが…浩二だけど。」

母親「は?母さん!?うちの浩二はね、私のこと『ママ』って呼ぶのよ!あんた浩二じゃないね!?誰?」

犬上『クソ…この犬上という男、良い歳して母親をママと呼ぶのか!なんていうやつだ、意外性がすごいぞ!私が宇宙人であることはバレないだろうが…どう誤魔化せば…?』

母親「ウソよ。その声は浩二ね。仕事前で時間ないんだろう?声聞けて嬉しかったよ。あんたは自分の家族のために頑張んな。いってらっしゃい。」

犬上「なんだよ…元気じゃないか。」

電話を切った。犬上。

犬上『父親、母親、妻、子供、この犬上のような一見無能な男にも、背負うものがあったんだ。生前の犬上がどんな男だったかは全てわからないが、精一杯生きようとしていたことは間違いないようだな。
…このまま私が宇宙に帰れば犬上はいなくなり、悲しむ人が多いな…私ができる限りではあるが、もうしばらく犬上として生きてみるか…それに、私は犬上と違って優秀だぞ!』

会社に着いた犬上だったが、会社は電話の嵐。クレーム対応に追われる社員たち。
犬上の元に柿下がやってくる。
怒り狂った様子の柿下。

柿下「やってくれたなぁ!犬上ぃ!!テメーのミスのせいでなぁ、クレーム電話が止まらねぇ!このままじゃあ提携企業様に総額500億以上の損失与えちまうんだよぉ!」

犬上「そ、そんな…」

柿下「お前はクビだ!社長から直々に声がかかる!」

犬上「それだけは…家族もおりまして…」

柿下「じゃあテメェが死んで詫びるか?テメェ1人の命じゃあ足りねぇから、家族みんなで首くくれるか?」

犬上の顔に怒りの色が見え隠れする。

柿下「お前みたいなヤツをこの世に生み出しちまった親の顔を見てみてぇよ!!!!」

犬上が怒りの顔から冷静な顔に戻る。

犬上「親の顔ですか…父は既に他界しております。母もそう長くはないようです。
ですから課長…あの世で見てきてください。」

犬上の右腕が緑色の鋭い触手に変わり、柿下の体を貫いた。

柿下「…!!」

柿下が声を上げるより早く犬上は、会社の開いた窓から柿下を抱えて飛び降りた。
4階だったが犬上にとってはなんてことはない高さ。
あまりの速さにクレーム対応をしていた社員は全員気がつかなかった。

柿下は息絶えていた。

犬上『しまった…カッとなって殺してしまった…何を感情的になっているんだ…柿下を殺した証拠は残っていないだろうが、明日柿下が出社しなくなれば、すぐにバレる。
私がこんなことをしてしまっては、犬上の家族も生きていけないぞ。淡々と犬上を演じるだけで良かったのに、余計な情を抱いてしまったんだ…』

犬上は柿下を連れて、人目のつかない高架下に逃げていた。
誰にも見つからなかったが、夜になっていた。

犬上『これからどうする…どうする…?』

悩む犬上のそばに光が注いだ。
低空飛行の中型のUFOだった。犬上の信号を受けてやってきたのだった。
UFOから真下に光が注ぎ、3人の宇宙人が降りてきた。全身緑色の子供のような宇宙人だった。

宇宙人A「助けに来たぞ。って…あらら、地球人殺しちゃったのね。その様子だと2人も。」

犬上「すまない…せっかく助けに来てもらったのに。それに私はこれからこの男、犬上として生きていくことにした。犬上とその家族に多大な迷惑をかけてしまった償いに。」

宇宙人B「それは構わないが…その太った人間はどうするんだ?死体を人形に、腹話術でもやるのか?殺したのがバレれば、お前も地球の法で裁かれて死罪じゃあないかな?」

犬上「なんとか…ならないか?」

犬上の問いかけに3人は後ろを向いてコソコソ話をする。

宇宙人C「俺かよー、マジで?」

宇宙人A「だってお前彼女も何もいないじゃん」

宇宙人B「定期的に遊びにくるからさ」

宇宙人C「わかったよ仕方ないなぁ。そういうことだから、俺がその小太りの地球人の中に入って生きるよ。地球には昔から興味あったからね。あんたはその犬上?だってけ?その男として生きろよ。殺した証拠が残ってないなら、それで何事もなかったことになるだろう?」

犬上「本当か?…ありがとう!ありがとう!けど…地球の暮らしは大変だし、この小太りの男…柿下というんだが、この男にも家族がいて…」

宇宙人C「わかってるよ。バレないように、愛を注ぎながら生きるよ。」

犬上「………」





翌朝

柿下「犬上!どうだ?今回の損失、なんとかなりそうか?」

犬上「はい!課長!現在各社と調整中で、今からご発注などとり消すとこは可能な当たるところでございます!」

柿下「そうか!任せたぞ!」

犬上「はい!」

会社員A「何だか…課長と犬上、仲良くなったっていうか、信頼し合ってるっていうか…?」

会社員B「理想の上司と部下の関係じゃね?」


〜終〜





というようなことになってしまうかもしれませんねぇ。
怖いことですよ。部下は本当に人間なのでしょうか?頭ごなしに叱ってしまうと、もしかしたらあなた自身にも…
って、私も部下を持つ身ですから、他人事じゃなかった!理想の上司と部下の関係を気づくのってなかなか大変ですね。



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