2017年も早いもので4月を迎えてしまいましたね。当ブログは漫画考察などを行っていることもあり、読者さんも10代〜20代くらいの方が多めです。となると、今週あたりから、新入生、新社会人として新しい生活を迎えたという方も多いのではないでしょうか。私が勤める会社でも新卒社員が入社してきました。いやはやフレッシュですね。みんな目が輝いてますね。私のような「野良犬の目」をしている子は一人もいませんでしたよ。でもね、だいたいみんな野良犬の目になるんだよ。
こうやって新入生、新卒社員が入ってくるとですね、先輩たちは顔には出さないものの内心ソワソワしてしまうのです。新人並みに緊張していて、普段の素直な自分が出せなくなってしまいます。
そうなると先輩達はみんな
ハンターハンターのヒソカみたいになってしまう
のです。
ちょっと何言っているかわからないという方が多いと思いますので、詳しく解説していこうと思います。
ヒソカとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 2巻24P/冨樫義博)
週刊少年ジャンプで絶賛休載中連載中の漫画「HUNTER×HUNTER」に登場するキャラクターの一人にヒソカがいます。主人公ゴンを戦いたいターゲットとし、弱者から強者まで殺害して回る戦闘狂の奇術師です。ゴンにとってのラスボス的存在になるかと思ったら、なんだかそうでもなさそうな雰囲気を最近は醸し出しています。
トランプと「伸縮自在の愛(バンジーガム)」、「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」という念能力を使い、敵を欺き、小馬鹿にするかのような戦い方をする(自称)最強のキャラクターです。
4月ごろになると先輩たちはヒソカになります。もちろん人を殺害して回るようなことはしませんよ。態度が完全にヒソカ、いやヒソ化します。
試験官ごっこ
ヒソカはハンター試験の一次試験の最中に「試験官ごっこ」と称してヒソカ的に気に入らない受験生を大量に殺害しました。さらにゴンとレオリオに対しては「合格」といい、高い評価をつけて殺さないという行動に出ました。ヒソカは退屈しのぎにやっていたようです。このようなヒソカの試験官ごっこさながらに「謎の自分基準で人を評価する」ということを先輩たちは新人にやってしまうのです。
会社の先輩A
「昨日入社した○○くんどう思う?」
会社の先輩B
「そうだなぁ・・・俺としては、なかなかいい感じだと思うよ。明るそうだし、礼儀正しいし、営業に向いてるんじゃない?」
とか
部活の先輩A
「今年の1年生どうよ?」
部活の先輩B
「高校まで運動部だった奴らも多いし、だいぶ飲み込みも早いよな。1年にしては、合格じゃね?」
という会話をしてしまうのです。
うん、完全にヒソカですね。
先輩たちもみんな「いいんじゃない?」とか「合格」とかいう謎の判断基準でもって新人達に「試験官ごっこ」をしてしまうのです。本当の試験官は学校ならば先生たちが、会社ならば人事たちが務めるのです。それに対して一般の学生や社員が評価をするのはハンター試験の試験官でないヒソカが行った「試験官ごっこ」同然なのです。しかもこの試験官ごっこは仕事の合間や部活の休憩時間など先輩たちが暇なときの退屈しのぎとして行われるので、まさに動機もヒソカと同じです。
この「試験官ごっこ」をやっている時の「先輩としての余裕」は一度味わうと気持ちよくなってしまうので、毎年やってしまいます。みんな「試験官ごっこ」が大好きになってしまうのです。
採点はNG
ヒソカはターゲットに対して、またもや自分の中の謎の基準でもって「採点」もします。相手の強さや戦った時の面白さ、熱意などからターゲットに点数をつけます。様々な観点がありそうですが、ヒソカはいまいち信憑性があるのかないのかわからない採点を下して、戦いたいターゲットを決めているのです。点数が高いほど戦いたい相手になるということです。
この採点を新人に対してやりだす先輩も中にはいます。が、個人的に採点はやるべきではないと私は思っています。なぜなら超失礼だからです。
会社の先輩A
「今年新卒で入った○○くんどうよ?」
会社の先輩B
「う〜ん・・・3点♣️」
とかいうのは新人に対してとはいえ超失礼です。この会話を聞かれでもしたらさすがの新人もブチ切れてゴンさん状態になりますよ。
「ふざけんな!そもそもお前何点なんだよ!」
ってね。
(引用:HUNTER×HUNTER 28巻112P/冨樫義博)
ゴンがいきなりゴンさんになったらヒソカも敵うわけがないですからね。採点はやってはダメです。先輩とはいえど、節度をもって、ヒソカになりすぎないように新人に接するべきです。
そんな先輩たちの心情は
ヒソカみたいな先輩を見ると、新人としては
「なんだよこいつ、偉そうに人のこと評価しやがって!」
と嫌な気持ちになるかもしれませんが、先輩の心情としては「新人に対して非常に興味ありまくり」なのです。先輩という立場があるのでついついヒソカになってしまいますが、それでも新人のことが気になって仕方がないのです。
私自身もそうなのでよくわかります。もう「ヒソカ先輩」って呼ばれてた時期もあるのではないかってくらいヒソ化していた時期がありました。会社ではやりませんが、大学のサークル時代はヒソカでした。でもそれは後輩たちに対して関心があるからで、うまく表現できずにいただけなのです。まぁ、最終的に今の親しい大学の後輩たちからはほぼタメ口聞かれるくらいなめられちゃってますけどね。このなめられっぷりもヒソカそのものです。
先輩はみんな中二病
ヒソカになってしまう先輩に共通するのは間違いなく「中二病を患っている」ということです。ヒソカに限らず多くの、特にバトルやスポーツ漫画で「格上のキャラが格下のキャラの才能を見抜く」みたいなシーンってほぼ間違いなくあるので、知らず知らずのうちにそのシーンに感化されてしまい、無意識に新人が入ってきたタイミングで漫画のシーンさながらの会話を先輩たち同士でしたくなってしまうのです。原因は中二病にあります。
新人への関心×中二病=ヒソカ
なのです。せっかくの新人への関心が中二病によって良からぬ方向へ軌道をずらされてしまうのです。
ただ、逆に新人に関心を示さないのもまた中二病です。なんていうんでしょう、ドラゴンボールのベジータっぽいです。クリリンとか悟飯とかが楽しく話しているところからちょっと離れた場所にある木に寄りかかり、
「俺はお前たちのお遊びに付き合っている暇などない。俺はドラゴンボールで不老不死の力を手に入れフリーザを倒すことにしか興味はないぜ。」
的なことを言い放つみたいな。新人に対して「俺は無関心」感を出しているのもベクトルが違うだけで結局は中二病なのです。もう先輩という生き物はみんな中二病です。
安心しなよ❤️
この記事を読んだ新入生、新入社員の皆さんの中には「先輩」という存在に嫌気がさしてしまった人も多いことでしょう。「いい年こいて中二病患って、ヒソカぶって試験官ごっこなんてして。もうむかつくわ!」と。でも安心しなよ♥1年後・・・
君たちもヒソカになっているから!
みんなそう!1年経って先輩になるとみんなヒソカになっている!あんなに嫌ってた先輩の中二病をみんなが患ってしまう。これは不思議なもので、ヒソ化の流れは止まらないのです。まぁ悪いことしているわけではないから、直さなくてもいいのですが、その甘えた考えが原因なのか、みんなヒソカになっちゃいます。もはや先輩になる際の通過儀礼になっている気さえします。
ヒソカにならない人はベジータになりますよ。このヒソカとベジータの中間になるっていうのは非常に難しいです。多分中間などないですね。ヒソカかベジータどっちかになりますよ。で、ヒソカになる先輩がとても多いです。
まぁヒソカ先輩から謎の評価を受け続けるのはこの1年間の辛抱です。来年になったら自分がヒソカになれるので、そんなに不安にならずに安心してほしいです。
これが私が伝えたかった
「新人が来ると先輩たちがヒソカになる」
ということの詳細です。
新入生、新卒社員の方々は先輩のヒソ化以外にも新生活においていろいろ不安があるかもしれませんが安心してほしいです。先輩たちは何だかんだ、優しく見守ってくれているはず・・・果実が美味しく実るまで・・・♥
(引用:HUNTER×HUNTER 5巻51P/冨樫義博)