私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ハンターの日常】俺の肌に刺さるとは、なかなかいい注射器だな。

 

私の名前はジロギン。

 

大人になるにつれて、「恐怖を表現すること」を許されなくなってくる。過剰に怯えたり叫んだりすると「大人のくせに何を泣き喚いているんだ情けない」と揶揄されてしまうのだ。

なおかつ私はプロハンターにして念能力者。たくさんの修羅場を潜ってきている以上、情けない声など挙げれば本当に泣くのは肩書きの方だ。だが、熟練のプロハンターであってもおしっこを漏らしそうになる程怖いものはあるし、それはもうどうしようもならない。

今日は私が恐れているものと対峙しなければならなくなってしまった。そう、

注射

だ。採血のための注射を受けなければならなくなってしまったのだ。

屋外で泣き喚くわけにはいかなかったが、内心

いやだいやだ注射いやだよぉっ!!

という気分だった。

仕方ないな。僕が付いて行ってやるよ

あ、ありがとう、青べこ・・・

 ということで私は青べこについてきてもらう形で、先ほど病院で注射を受けてきた。

 

 

 

対応してくれたのは看護師のお姉さん。笑顔が可愛らしい人だった。できればこんな、血を採り採られるような形での出会いはしたくなかった。別の形で出会いたかったものだが、私とお姉さんの関係は、まさに注射器の針のように、この瞬間だけの取りに足らない細い関係しかない。残念だ。

だがこうなるとだ、なおさら怯えるわけにはいかない。女の人の前だと強がる。それは男である以上、念能力者であろうがなかろうが関係ないのだ。

どちらの腕がいいですか?

 看護師さんは注射する腕がどちらがいいか尋ねてきた。私は「左だ」と答えた。

だがこれは不幸中の幸い。針を刺す場所がわかるのであれば、オーラの攻防力を移動させればいい。左の肘の部分に全オーラを集中させ、防御力を高めれば、まず注射器の針は刺さらない。

ちょっとチクっとしますよー

刺せるものならな・・・私は余裕を見せていた。採血はできないが、それでも痛いのよりはマシだ。この病院にある注射針がずべて折れるまで、この肘に集めたオーラは解除しない・・・そういう気でいた。しかし

ズブリッッ!!

と、注射器は私の皮膚を貫いてきた。

オレの肌に刺さるとは、なかなかいい注射器だな。

デザインから見てベンズの中期型、あの形状、採血か・・・ 

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(引用:HUNTER×HUNTER 11巻99P/冨樫義博)

まさかとは思ったが、非常に希少で切れ味の鋭い「ベンズ注射器」をここで拝めるとは・・・私は痛み以上に、その注射器の鋭さに驚愕していた。まさかオーラの防御を貫いてくるなんてな・・・

平気か?

問題ない。

(問題ないっすか。0.1秒刺すだけで、クジラの血液も吸い尽くす注射器なんだけど・・・)

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(引用:HUNTER×HUNTER 11巻100P/冨樫義博)

などとういやりとりが行われた、ような気がする。正直、注射の恐怖と鋭さへの驚嘆でよく覚えていない。

確かにオーラで針が刺さるのは防ぎきれなかった。だが、採血されるスピードを遅くすることがはできた。オーラをまとっていなければ、一瞬で私の血液は吸い出され、ミイラになっていたかもしれない。転ばぬ先の杖、備えあれば憂いなしだ。

そしてどんどんとわたしの血が吸われていった。

注射の針の痛みも怖いが、試験官に血が溜まっていく感じもなんだか怖い。

・・・くっ、もう我慢できない、怖すぎる!

正直、女性に手をあげるなんてことは絶対にしたくなかったが、ここは仕方がない、看護師さんにはしばらく眠っていてもらおう!能力を使うぜ!

「虚空拳(エアブロウ)」!!

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(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ33号/冨樫義博)

・・・何!?能力が発動しない!?

一体どういうことだ?

これはまさか・・・オーラが吸われている!?

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(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ33号/冨樫義博)

私はすべてのオーラを肘に集中させることで、採血のスピードを遅くさせた、しかしそれが仇となった。看護師さんが念能力者だという可能性が頭から欠落し、「凝」を怠ってしまった。

吸われていたのは血液だけではない、私のオーラも吸い出されていたのだ!

看護師さんが注射器を常に具現化していたのは、実物の注射器だと思い込ませるため!

これは看護師さんの能力・・・

「盗む人指し指の注射器(ス血ールチェーン)」

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(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ30号/冨樫義博)

 

 

 

結局私は採血を防ぐことはできなかった。

そしてオーラと能力を奪われ、看護師さんに返してもらうまでは「絶」の状態が続いてしまうことになった・・・

まぁいいか。

念能力が使えないことよりも、検査しないまま危ない病気とか見つかる方がよっぽど問題だし。きちんと検査してもらった方が絶対いい。念能力がなくても全然生きていけるし。こうして私の採血は終わった。

 

プロハンターでも怖いことはある。逃げ出したいこともある。でもそんな時は、「念」を使ってみよう。念能力者でない人は「念を使えるんだ」と自分に言い聞かせてみよう。念は精神が大きく影響する。念を使えるんだと強く祈る心があれば大抵の恐怖は乗り越えられるはずだ。

そして恐怖を乗り切った君は、念能力者になっているはず。裏ハンター試験合格だ!

採血中の私の顔は恐怖で歪んでいただろうな・・・看護師さんにその顔を見られていたとしたら恥ずかしい。完全に克服できるよう頑張ろう。