私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

大学時代、ゴキブリ駆除をしに女子の家に行った話

 

私の名前はジロギン。

 

今回は、昔話をしたいと思う。

あれは私が大学3年生の時だったので、今からだいたい4年ほど前のことになる。

 

ある夏の日の、確か水曜日の朝6時。

大学の授業が1時限目からあった私は目を覚ました。

スマホを見てみると、1時間くらい前に同じサークルの同級生の女子からLINEが来ていた。

 

折り入ってお願いがあります

どうしたの?もしかして
「今一人暮らしをしている家に昨夜ゴキブリが出て、洗面器か何かで捕まえたけど動かすのが怖いから駆除してほしい」のかい?

え?なんでわかるの?キモッ!ゴキブリと大差ないくらいキモッ!

オレがされる頼みごとといえば「害虫駆除」か「高いところにある物を取る」くらいだからね。
君の彼氏の方が俺より背は高いけど、彼はゴキブリが苦手だと言っていたから、前者だと思ったんだよ。

どんな人生送ればそんな考え方できるようになるの!?
キモいけど、助けて〜!

いいだろう。ゴキブリハンターのオレに任せておきな。

こうして私はその女子の家に向かった。 

 場所などは知っていたし、大学からもそう遠くなかったので、通学がてらゴキブリを始末する形になった。

 

 

 

7時30分ごろ、女子の家に到着。

 

匂う・・・匂うぞ・・・ゴキブリの道しるべ・・・
ここが今回の現場である薄汚ぇゴキブリ屋敷か

そんな言い方やめてよ!

で?奴(やっこ)さんはどこだい?

あそこ!キッチンの洗面台!

洗面台に洗面器が逆さに置かれていた。 

この中にゴキブリがいるとのこと。

 

早速私は、洗面器を少し持ち上げ、隙間に持参したカビキラーアルコール除菌スプレーを、大量噴射した!

アルコール除菌スプレーをゴキブリにかけると、体表の油が取れ、ゴキブリが動けなくなり、小さいサイズのゴキブリならばそのまま死んでしまうのだ。

 

しかもアルコール除菌スプレーはすぐに蒸発するので、今回のようにキッチンでゴキブリが出て、除菌スプレーを吹きかけまくって食器に付着しても、食器は問題なく使える。

殺虫面、衛生面ともに優れた代物なのだ!

素晴らしい・・・❤︎

 

吹きかけてから約1〜2分後、そろそろ死んだだろうと思い洗面器を開いてみた。

しかしそこにゴキブリの姿はなかった。

 

いない?・・・もしかして、朝ごはんとして食べちゃったとかない?

そんなことするわけないでしょ!もうふざけてないで探してよ!

女子の部屋を物色するなんて気がひけるが、今回は仕方ない・・・ゴキブリが逃げそうな場所を探させてもらうよ

ゴキブリってどこに逃げるの?

棚の中だね。ゴキブリはエロいから、大体棚のどこに逃げるか予想ができる・・・
この棚の何段目に下着類が入っているのかな?そこにゴキブリがいる!何段目?言わないなら上から順に開けていくけれども!?

もう本当にやめて!真面目に探して!

 

 

 

私は怒られながらもゴキブリを探した。

しかし、いくら探しても見当たらない。

当然といえば当然で、もし彼女が昨夜ゴキブリを捕まえたと勘違いしていて、ゴキブリが逃げていたとしたら、いつまでも同じところにいるわけがない。

そう、カラオケでオールしている大学生ではないのだから、同じ場所に夜通しいるわけなどないのだ。

 

ゴキブリを探す中で、私は女子に、こんな話をした。

 

知ってる?ゴキブリはたった数ミリの隙間があれば家に入れるそうだよ。扉や窓、ちょっとした隙間があれば侵入できる

うそ?塞げないの?

ああ塞げないね。いくら扉や窓を塞げたとしても、一番大きな隙間は塞げないんだよ

え?嫌なんだけど!どこどこ?どこにあるのその隙間!?

それは「心の隙間」だよ。
窓を閉め忘れたり、戸締りをし忘れたり、ゴミ出しや皿洗いを後回しにしたり・・・
そういった心の隙間を狙ってゴキブリは侵入してくるんだよ

・・・ちょっと何言ってるのかわからないんですけど・・・

 

 

 

結局ゴキブリは、キッチンの排水溝の中で死んでいた。

しかもものすごい小さいやつ。彼女も昨夜殺虫剤を洗面器付近に吹きかけはしたとのことで、それが死因になったのかもしれなかった。

 

恐ろしくあっけない結末、オレでなきゃ見逃しちゃうね・・・だがこれにて一件落着だな。今回の報酬はいらねぇ!

金取るつもりだったの!?何もしてないじゃん!私の下着探ろうとしただけじゃん!

ああその通りだ!でも、あんたの安心した笑顔を見れたなら、それが一番の報酬だ

・・・なんでジャンプの読み切りマンガの締めみたいなこと言ってんの?

オレはこれで失礼するよ。授業があるんでね。
おっと、一つ忘れていた。オレはいつもいつでも駆除に来れるとは限らない。オレの代わりに、部屋にこいつを置いておくといい

 

ブラックキャップ・・・?

12個の黒い容器を部屋のすみや家具の裏など、ゴキブリが出そうなところに置いておくんだ。
容器の中に入っている薬を食べたゴキブリが巣に帰ると死んで、その死体を食べたゴキブリたちも連鎖的に死んでいく。
これを置いてから、うちでも数年間ゴキブリを見ていないよ。

へぇー!すごい!ジロギンの239倍役立ちそう!置いておくね!

また何かあったら依頼してくれ!あばよ!

 

その後彼女からゴキブリ駆除の依頼はなかった。

それはブラックキャップが効いたからなのか、

私が戦力外と認められてしまったからなのか、

いまだに答えは出ていない。

 

こんな昔話を少し話してみたくなった。