キメラ=アント編は最強の念能力者ネテロと、蟻の王にして作中最強とされるメルエムの戦いが読める、私の好きな章です。
メルエムと真っ向から張り合えたのはネテロかゴンさんくらいなものでしょう。他のハンターでは殺されていた可能性が極めて高いです。
やはりネテロは最強の念能力者だ!
と読者に思わせた一戦でしたが、ネテロはメルエムと戦う前に、まだ生まれて間もなく念も使えるようになったばかりのピトーを見て、
「あいつワシより強くねー?」とこぼしています。
ネテロは飄々としていてつかみどころのない性格をしていますから、この言葉が本当なのかどうかはわかりません。ネテロとピトーは一瞬だけ相対しましたが、しっかりとした戦闘にはなっていません。
そのことを考えると、ネテロの言葉もあながち嘘ではないのかな?と思えてきてしまいます。
そこで今回は、「ネテロとピトーはどっちが強かったのか?」を考察したいと思います。
ネテロの腕が鈍っていただけ?
ネテロはメルエムとの戦闘を前にして、山籠りをして改めて修行をしました。
これは、ネテロのオーラを見たコルトに「王はおろか護衛軍にすら敵わない」という旨の言葉を言われたためです。
ちょっとショックだったのかもしれませんね。
さらに先述の、巣の周りを警戒するピトーを見て力量の差を感じたことも要因です。
ただ、おそらくネテロはしばらく実践を退き、ハンター協会会長としての業務に従事してきたことが想定できますので、デスクワークのし過ぎで腕が鈍っていた可能性が高いです。
ネテロ本人曰く、「実力は全盛期の半分以下」「良くてモラウ、ノブとどっこい程度」と語っていますので、修行前の状態ではピトーには敵わなかったと思われます。
ネテロの謙遜?
修行前のウォームアップとして、ノブの「四次元マンション(ハイドアンドシーク)」の中で兵隊蟻たちを惨殺しまくるネテロ。
その傍らでノブは「やはり会長はまだまだオレたちより強い」と語っていました。
モラウとノブの実力は同等程度であると思われます。モラウは師団長2体を撃破し、さらに護衛軍のプフとサシの状況に持ち込めるくらいの自信がありましたから、全力から護衛軍に少しは対抗できるのかもしれません。
そんなモラウ、ノブより強いネテロは、この時点でピトーを倒せなくても、同じくらいの強さは持ち合わせていたかも。
単純なオーラ量などはネテロが劣っていても、実戦経験は生まれて数週間〜数ヶ月程度の蟻とは比較にならないでしょうから、知恵と経験で上回れた可能性は十分あります。
修行後もネテロはピトーや護衛軍との戦闘を避けたが、その理由は…
宮殿侵入時、ネテロはゼノの協力を仰ぎ、護衛軍と王の分断を計画していました。
さらにネテロに突っ込んできたピトーを「そのまま彼方へ消えてくれると有難い」と戦うことなく不可避の速攻で払いのけていました。
ネテロはピトーとの戦闘を避けたものと思われます。
このネテロの行動は、単にピトーに敵わないから戦闘を避けたのではなく、メルエムとの一戦を前にしてピトーに余計な体力を避けたくなかったからだと推測されます。
護衛軍に邪魔されないためにゼノを雇ったわけですし。
実際戦っていれば、修行後のネテロであればピトーには勝てたものと思います。
百式観音の攻撃をピトーは目で捉えられていませんでした。
ダメージはないようでしたが、目で見えないということは避けることもできないでしょう。「不可避の速攻」って言われてますからね。
メルエムがネテロの百式観音を攻略できたのは、自身の硬さと軍儀で戦略を練る頭脳を得たためです。特に軍儀の要素が大きい。これがなければ、一方的にネテロに攻撃され、メルエムの硬い体も突破されていたことでしょう。
ピトーの体もメルエムに匹敵するくらい硬そうですが、ピトーにはメルエムが軍儀で培ったような戦略を練る能力がないため、いくら戦ってもネテロに攻撃が届かなかった可能性が高いです。
本気ならネテロの方が強いけど…
以上のことから考えると、ネテロのピトーの力関係は、
腕が鈍ったままのネテロでは、ピトーに負けていた。しかし修行後のネテロであれば、ピトーを時間はかかるものの倒すことはできた。
という関係になると思います。
「百式観音・零の掌」をピトーに使ったら、ピトーもさすがにやられそうですね。
もしネテロが全盛期だったら、作中の倍の強さがあったということですから、ピトーどころかメルエムすらも倒せていたかもしれません。
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