ハンターハンターのキメラ=アント編を読み返していまいした。
メルエムたちが占拠した宮殿にゴンたち討伐隊やネテロ、ゼノが突入してからは、急転直下の展開が続きます。
非常にスリルあるシーンの連続で、私たち読者も手に汗握ってしまします。興奮しちゃうじゃないか♡という状態になってしまいます。
でも、冷静になって読んでみると、キメラ=アント討伐作戦において、残念ながらトラブルメーカーになってしまているキャラがいるのです。
正直「仕事だったらクビレベル」かもしれませんね・・・
そのキャラクターとは・・・ナックル=バインさんです。
なぜナックルは仕事だったらクビレベルなのか、そのやらかしポイントを見ていくことにしましょう。
ナックル=バインとは?
ナックルは、リーゼントに学ラン姿で、見るからに不良そのものといったキャラクター。
一見すると普段から態度が悪く、言葉遣いも荒いですが、実は人一倍情に熱いく、心優しい性格でもあります。
残念なことに、ナックルのこの性格が非常に厄介な状況を引き起こしてしまうことになるのですが・・・
ナックルはビーストハンターとして、活動しています。
しかし動物を狩るというより、動物を守るためにハンターとして活動しているそうです。
動物好きでもあり、キメラアント討伐に参加したのも、問答無用で相手を狩るのではなく、きちんと理解した上で狩るべきか否かを判断したかったためでした。
初登場時はのゴンたちとは比較にならないほどの体術と念の技術を備えていました。
奇策と対策を練っていたとはいえ、サシでゲンスルーと戦ったゴンですら手も足も出ない状態でした。
最終的にゴンはナックルに勝つことはできなかったものの、ナックルは途中からゴンを鍛えるために協力してくれるようになり、陰ながら師匠的な役割をしていました。
ナックルの念能力「天上不知唯我独損(ハコワレ)」
ナックルの念能力は「天上不知唯我独損(ハコワレ)」。殴った相手に「ポットクリン」と呼ばれる、数字をコールする念獣(マスコット)を取り付けます。
この殴った瞬間にナックルは自分のオーラを相手に分け与えています。
そのため殴られたダメージは相手にないのですが、オーラはナックルが自分の経験から数字化しており、そのオーラの1割が10秒ごとにどんどん相手に貸し与えられます。
相手のオーラ総量をナックルが貸し与えたオーラ量が超えたとき、ポットクリンは「トリタテン」に変わり、相手は強制的に30日間「絶」状態になり、オーラを練ることすらできなくなります。
まるで借金のような能力です。ナックルが貸したオーラの利息がどんどん増えていき、返せなくなったら相手は破産。返すためにはナックルを攻撃する必要があります。
ナックルのやらかし列伝
ナックルは間違いなく仲間思いでいい奴です。友達に一人は欲しいタイプでしょう。
しかし、このナックルの仲間思いなところや情に熱い部分が、時に冷酷な判断が求められたキメラ=アント討伐作戦において「やらかし」と捉えられかねない行動につながってしまったのです。
もちろん、100%完璧に達成できるとは限らない綱渡りな作戦であったことには間違いないのですが、ナックルの行動はややアドリブが過ぎていたかもしれません。
ここではナックルの主な行動を「やらかし烈伝」と称して紹介します(他にも、ナックルにはかっこいいところがたくさんあるのは承知しています・・・)。
姿を現してしまった
討伐隊の作戦の一部として、ナックルはメレオロンの能力で姿を隠しながら、ハコワレの能力で護衛軍のユピーにオーラを貸し与え、シュートが時間を稼ぐうちにユピーを絶状態にするというものがありました。
しかし、ユピーのオーラ量がナックルがこれまでに対峙してきたことのない想像以上の量であったこと、そしてシュートとユピーとの実力差が絶望的に開いており、シュートが絶体絶命に陥ってしまったことから、身を隠し続けるはずのナックルは、姿を現し、囮になることでユピーの意識を自分からシュートに切り替えました。
シュートを助けるために仕方がなかったとはいえ、ナックルが登場してしまったことによりユピーがハコワレの能力がナックルによるものだと感づいてしまいました。
逃げ続けるナックルでしたが、途中でキルアの助けが入らなければ死んでいたことを考えれば、討伐隊全体を追い込みかねない行動でした。ユピーの足止め役がいなくなりますからね。
シュートの代わりにユピーをぶん殴りに行く
ユピーから逃げるナックルでしたが、ユピーにとってナックルは別に殺さなくてもいい相手であり、メルエムの無事さえ確保できればどうだっていい存在でした。
それに気がついたナックルは、ユピーが自分の追跡をやめたことで、一時安堵します。
そして傷だらけのシュートを抱えて戦線離脱しようとしますが、ユピーが虫の息のシュートに気がつきながらとどめをささずに立ち去ったことに怒りを感じ、またシュートからの懇願もあり、作戦を無視してユピーを殴りに行こうとしてしまいます。が・・・
この行動が原因で死にかけるナックル。いやいや、急いでシュートと身を隠していればよかったのに・・・
ユピーを爆発させれば大量のオーラを消費するので、ハコワレで絶にするまでの時間を早められると踏んだナックルは、あえてユピーの爆発を促すよう挑発するのですが、結局ユピーの策にはまり殺されかけるという危険な目にあいます。
怒りのあまりまたユピーの前に
キルアの助けで死なずに済んだナックル。しかし、シュートのところに戻ると、シュートがいなくなってしました。
ナックルはシュートがユピーによって連れ去られたと思い込み、ユピーの前にまた姿を現してしまいます。
実際シュートは、ノヴにより医療チームのもとに運ばれていただけでした。ユピーも飛んだとばっちりです。
勘違いの行動により、ナックルの師匠・モラウからは、「一旦頭を冷やして冷静に考えろ」という指示を暗に受けてしまいます。
さっきシュートを無視したユピーがなんでシュートを連れ去るんですかねぇ・・・?
ハコワレ解除
キメラ=アント編終盤、モラウ、メレオロン、ナックルの3人でユピーに立ち向かいます。
圧倒的なオーラ量を誇るユピーでしたが、絶にしてしまえば3人にまだ勝機はあったかもしれません。
しかし、モラウがユピーの攻撃を受け、致命傷を負ったことで、ナックルの情がまた揺れ動いてしまいます。
さらにユピーから「ハコワレを解除すれば命は助ける」という交渉を切り出されたことで・・・
モラウの作戦実行の意思に反し、ナックルはハコワレを解除してしまいます。
約束通りユピーは命を助けてくれましたし、ユピーを絶にしたところで、素の力だけでもナックルたちが勝てたかどうかは100%ではありませんでした。
モラウも早く治療しなければ危険な状況であったため、ナックルの選んだ行動は結果としては最善策ではありました。
が、上司の命令と元々の予定を個人の判断だけで、私情を挟んで逆らってしまうのは・・・う〜んどうでしょう。
やっぱり逃げよう!
ユピーとのやり取りから、キメラ=アントたちとは分かり合える可能性があると考えたナックル。戦場に最後まで残り、キメラアントたちとの戦いに納得のいく形で決着をつけることを望みます。
しかし、メルエムの危機を察した護衛軍プフの表情と、
復活後のメルエムの国家レベルの強さに恐れをなして、
逃げることを誓っちゃいます。
ナックルさん、それはないぜ・・・
結局メルエムになす術なく捕まってしまうんですけどね。
ナックルは28歳くらい
シュートの年齢が28歳ですので、ナックルも同じくらいの年齢であると考えられます。28歳といえばかなりの経験を積んでいるはずですし、現実世界でも仕事ではプロジェクトのリーダーを任されるようにもなる年齢でしょう。
そんなナックルが作戦を無視しすぎで、窮地に陥りすぎだと思うのです。
若いのならなんとなく仕方のない気もしますが、アラサーですからね、もう許されないですよ。
キルアの方がよっぽど優秀でした。ちなみにキルアはナックル・シュートの半分蔵の年齢です。
思惑通りにいかないのが人間であり、ナックルは作品を面白くしてくれたんや
28歳でかなりの経験を積み、上司からも信頼を勝ち得ていたはずのナックルが、いざ仕事となったら私情挟みまくりで命令を無視しまくりというこの状況。しかも戦場をかき回した挙句、逃げようとしているのだから、会社だったらクビレベルかもしれません。
ただ、漫画的にいえば、ナックルが戦場をかき乱してくれたことで読者が楽しめたという部分は大いにありましたよね。
さらに、「メルエムの命令には感情もなく絶対服従なキメラアント」に対し、「私情やその場の状況によって、個人の感情が優先し、行動がぶれぶれになってしまうのが人間なんだ」という対比にもなっていると思います。ナックルの行動は人間代表ってところですかね。
やらかしすぎて、絶対にモラウに後でめちゃくちゃ叱られたでしょうが。
ナックル大奮闘のキメラアント編は27巻からが佳境!
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