私の名前はジロギン。
さて今年最後の3連休が終了した。しかし今回はただの3連休ではなくクリスマスイヴ、クリスマスを含む特別な3連休。私にとっては特別でもなんでもないのだけれども、特別な日になった方もいらっしゃったことだろう。
「3連休中は街に繰り出すまい。悲しい思いをするだけなのだから。」と思っていた私ではあったが、クリスマスイヴの24日に重い腰を起こし、街に出てみた。
と言っても自発的に外に出たわけではなく、いつも一緒に相席居酒屋などに行く大学時代の後輩から、
「今日相席居酒屋行きましょうよ!ねぇ!ラストチャンスですよ!ねぇ!」
と誘われたので
「えー!?相席居酒屋?・・・行くぜ!」
と即答し、外出することになった。以前相席居酒屋でネットワークビジネスに引っかかりそうになったが、懲りない。バカな私たちなのである。
そんな流れで24日クリスマスイヴに私たち孤独な悲しき男たちは外出した。今回はその記録である。
今回は2軒の相席居酒屋に行ってきた。秋葉原と六本木。
相席居酒屋は苦い思い出こそあれど、実は結構好きなのだ。私も後輩も営業職に就いており、初対面の人でも話すのは比較的得意な方であり、相席居酒屋自体にはそれほど悪い印象はない。
さらに後輩とは出会って5〜6年が経つので、お互いどんな人間かもよく知っており、トークの連携は即興でもそこそこ上手くできるレベルになっている。相席居酒屋では相手の女性たちを笑わせることに関しては今の所無敗だ。
しかし残念なことにその後に繋がらない。面白いだけではダメなのだ。多分面白いだけでモテるのは大学生くらいまでなんだろうなと毎回実感する。
さらに私自身
「ブログのネタになる面白いことないかな?」
とか
「よし笑った!今の一言面白かったってことだ!腕上がったなぁ〜私も!」
とか、相席居酒屋に赴く目的のベクトルが少し違う方向に向かい始めている。そういう部分で後輩との間に方向性の違いが見えてはいる。後輩はその後のデートに取り付けようと必死なのだが。
私は最近相席居酒屋で、男性が基本料金で利用できる30分のうちに相手が笑ってくれればそれで満足してしまっている。むしろ「30分という制限時間の中で、初対面の女性を何回笑わせられるか」に全力になっている節がある。このままだと相手の女性とデートするという目的からどんどん遠ざかりそうな気がする。
相席居酒屋では女性は無料で飲み食い放題で、プラス目の前で面白い話をしてくれる人が同席するともなれば、ちょっと私たちに宴会代くらいくれていい気もする。でも私の場合、ブログのネタの収集やトーク力の向上にもなるので、相手の女性とデートできなくても、宴会代をもらえなくても、相席居酒屋を良い修行場として利用させてもらっている。
ちなみにネットワークビジネスの女性に遭遇した話は鉄板。この話でハズしたことは1度もない。今の所100%笑ってもらえている。
まぁわかりきっていたことなのだが、一昨日も結局ダメだった。そんなもんだ人生。
そんな折、後輩が相席居酒屋から出た後、
「六本木のミッドタウンでイルミネーションを見ましょうよ!」
と言い出した。私は
「何が悲しくて男2人でイルミネーション見なきゃならないんだ。入る資格ないんだよ俺たちには、そういう聖域に。俺たちはクリスマスイヴに街を跋扈する悪魔なんだよ。」
と反対していた。
後輩はこういうイルミネーションとかオシャレなものが大好きな、いわゆるちょっとミーハーなタイプ。一方で私はこういうオシャレなものが大の苦手な意識低い系タイプ。ここにきて双方の意見が食い違った。
さらに私のイルミネーションに対するモチベーションを下げる要因として、イルミネーションを見るまで90分待ちという状況があった。当然だ。24日のクリスマスイヴの夜20時ごろだ。イルミネーションなんて場所は、飛んで火に入る夏の虫かのようにカップルが集まる時間帯だ。なんでそんなところに大の男2人が90分も並ばなければならないのか・・・
私たちはとりあえず後輩の赴くままに行列に並んだのだが、私たちは言い合いを始めた。
ジロギン
「やめようぜ、イルミネーションなんてただの電球だろ?そんなの見てどうするんだよ!」
後輩
「電球じゃないですよ!LEDですよ!綺麗ですよ間違いなく!」
ジロギン
「もういいじゃん入り口でもらったこのパンフレットの写真で。これも綺麗だぞ。」
後輩
「実際に見るのと写真とじゃ全然違うんですよ!どうするんですか?彼女できたら?女の子はこういうイルミネーションとか好きなんですよ!デートで連れてこられるんですか?」
ジロギン
「彼女できたら喜んで行くよ!けどお前は彼女じゃあないだろう!?」
後輩
「そりゃそうだけどさぁ〜!行ってみたら楽しいかもしれないじゃん!」
ジロギン
「いいか?このイルミネーションを見るまでの90分!これは彼氏と彼女で来るから長くてだるい90分の待ち時間でも楽しい時間になるわけだ!
そして彼氏としてはイルミネーションを見ることになんて価値はないんだよ!彼氏としてはイルミネーションを見て喜ぶ彼女の顔を見ることに価値があるんだよ!どのLEDよりも彼女の笑顔の方が輝いて見える!違うか!?」
後輩
「でも・・・せっかくのクリスマスイヴなんだから!イルミネーション見たいんだよ!!」
ジロギン
「・・・寂しい俺とクリスマスイヴに遊んでくれるし、俺1人では行かなかったであろうイルミネーションにも誘ってくれるし、普段もLINEの返信をすぐに返してくれる・・・わかった、行くよ、イルミネーションに!そしてお前が女だったら確実に今この場で告ってるよ!!!」
後輩
「ジロギンさん〜泣」
そんなことを言い合いながら、90分はあっという間に過ぎ去り、イルミネーションの見える広い庭までたどり着いた。
ちょっと写真がぶれているのは、涙でうまくフォーカスできなかったから・・・とかっこつけてみたりする。しかしまぁ、見渡す限りのイルミネーション。そしてカップルや夫婦、家族連れの客・・・男だけで来ている人なんて見受けられなかった。
間違いなく私たちはこの場に歓迎されていなかった。例えると、「友達の友達の誕生日会に来てしまった」ような、そんな場違いな感じがした。けれども、私たちは前向きだった。
「イルミネーションは恋人たちのものなのかもしれない。でも、恋人関係以上に強い友情関係もある。恋であれ友情であれ、イルミネーションが人と人との関係が大切なものと改めて認識できる場なのだとすれば、仲の良い同性の友達と来たっていいではないか。」
帰りに寄ったラーメン屋で後輩とそんなことを語り合い、私たちのクリスマスイヴは終わった。しかし帰りの電車で私も後輩も
「来年は彼女とイルミネーション行こう。」
と思ったことは言うまでもない。