私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

ちょっとスカッとした話「頭が固いのはどっちだ?」

会社の先輩から面白い話を聞いた。
久しぶりにスカッとした話だった。

私が入社する数年前にいたという男性社員の話だった。
とりあえずAさんとしておく。
Aさんはその先輩の下に就くことになった。
当時のAさんは新卒で入社したばかり。
先輩が色々と教えていたが、ウマの合わないタイプだったという。



先輩はいわゆる営業マンとして真面目なタイプ。電話の時の口調も丁寧で、「こんな人から電話来たらまず頭ごなしに怒鳴ることは出来ないな」という感じ。
当時からそのようなスタイルで、営業成績も堅実に上げていくタイプの人だったと聞いた。

Aさんは大学時代にそういうパーリーピーポーみたいなタイプだったそうで、営業のトークも軽い。ホストの客引きみたいなしゃべりでやっていたそうだ。



先輩はAさんの営業スタイル自体を否定することはなかったが、Aさんのスタイルは社内でも異例で、周りの人からはあまり良しとされていなかった。

先輩の考えとしては「どういうスタイルの営業がウケるかはわからないから、とりあえず問題が起きない範囲でやらせてみる」というものだったそうだが、
さらに上の人たちからは「あのAの営業の仕方では仕事は取れない」と釘を刺されていたそうだ。



結果としてAさんはなかなか成績を上げることが出来なかった。
先輩もさすがにAさんのスタイルは、業界的にあっていないだろうと考え、Aさんに対して、

「もっと周りの人を観察して、今の営業スタイルを変えないと、成績は上がらないぞ。」

と伝えたそうだ。
しかしAさんは

「先輩も他の方々もそうですが、真面目すぎるんすよ。もっと明るくて楽しそうな奴が電話してきた方が話したくなるに決まってるじゃないですか。頭の固い営業してるなぁって思うんですよね。もっと明るくやった方がいいっすよ。」

というような事を言い放つ態度だったそうだ。
先輩も頭に来たそうだが、あまり怒りを表には出さず、次のように言い放った。

「自分の営業スタイルに自信を持つことは大切だ。だけど自分のスタイルを正しいと思い込んで、結果も出てないのに変えないことこそ、俺は頭の固い営業をしてると思うけどね。」

Aさんは言い返せなかったそうだ。
私もその通りだと思った。




それから数ヶ月、Aさんは思うように結果は出せなかった。
自分のやり方は通用しないとわかったのか、以降は少しずつスタイルを変えていったらしい。
私が入社した時にはすでに退職してしまっていたが。

先輩は

「Aさんの営業が間違っていたわけではないけど、その営業が通用する業界、しない業界があると思う。俺も別の業界に入ったら、別の営業スタイルを1から作り直さなければならない。肝心なのは適応することだね。」

と語っていた。
多分私がその先輩の立場で、Aさんのような態度を取られたら、ブチ切れモード全開だったと思うけれど、先輩はAさんの営業も1つの方法として認めていたことに感心させられた。




その日の酒は特に美味かった。



この話、嘘か誠か確かめる術はなし。