夏頃は大丈夫なのですが、秋口から今くらいの5月ごろまで手が大荒れです。
特に荒れがひどい箇所は痕になってしまってまして、お酒を飲むとそこが赤くなって、しかも痒くなり、掻いてしまい、また荒れるという悪循環に陥ってしまいます。
かなり困りものです。
そんな時に思うことは
どんな傷や病気でも治せる能力
が欲しいなぁということです。
そうしたら手荒れも完全に治せますし、なんなら私は高血圧も患ってますので、それも治しちゃいます!
ボロボロだなぁ!私まだ23なのによぉ〜!
でも、どんな傷や病気でも治せる能力を手に入れたら、自分の治療をする以外にももっと活かせそうですよね。
そこで今回は、
もしどんな傷や病気でも治せる能力を手に入れたら、どんなことに使うかを考えてみました。
まず思いつくのは「自分以外の人を治すこと」ですよね。例えば怪我をした友達や風邪を引いた恋人など身近な人の怪我、病気を治療していきます。
すると
「こいつはどんな傷や病気でも治せる能力を持ってる、逆の意味でバケモノみたいな奴なんだゼェ」
と口コミで色んな人に評判が広まり、治して欲しい人がどんどん増えます。
そうしたら、今度はお金を取るようになるでしょう。私は間違いなくそうします。
「おたふく風邪かぁ…ちょっと多くの力を使いますねぇ…5万円で治しますよ。」
といった具合に力をたくさん使う病気ほど高額に設定するでしょう。
しかし、この能力も1日に何度も使えるものではなく、私の体力を消耗するので、治せる人数は限られています。やがて治療まで3年待ちみたいな状態になります。
すると
「設定金額の100倍の額を払うから最優先で治療してくれ!」
という富豪が現れます。明らかに大口の顧客で美味しい顧客です。真っ先に飛びつきそうなところですが、かっこつけしぃの私は
「残念だがよぉおじさん、金じゃあないんだ、私が人を治す理由は。いくら積まれても、順番通りに患者さんを治す。苦しんでるのはみんな同じなんだ。それに割り込みはダメだって、幼稚園、または保育園で習わなかったのか?」
やがて全国、そして世界中の病院に患者さんが来なくなります。業を煮やした世界ドクター協会は、私を極秘裏に暗殺しようと、凄腕の殺し屋たちを雇います。
患者に扮して私を銃撃したり、事故に見せかけて車で突っ込んできたりする殺し屋たち。
しかし私は「どんな傷や病気でも治す能力」を持っているため、能力を発動する間もなく即死させない限り、自力で全回復することが出来ます。
殺し屋に狙われすぎるうちに、私は患者が殺し屋かを気配で見分けられるレベルにまで成長。
例えばこの患者は殺し屋で、私を銃で殺そうとしていたとすると、
「あらかじめ全身を回復し続けることで、一時的に常人の数倍の生命力を得た私を、そんな鉛玉じゃあ殺せんよ。せめてバズーカでも持ってくるだな。」
と、また厨二病セリフを吐き、何もせずとも殺し屋を撃退できるようになってしまいます。
雇われた殺し屋たちは次々暗殺を諦め、ドクター協会ももう放っておこうということになります。
私も少し仕事が忙しすぎたので、ある程度ドクター協会に仕事を任せ、アフリカなどの医療後進国を回る生活を送るようになります。
アフリカのとある国。
内紛が続くその国で私は1人の少女と出会います。年は10歳くらい。親はおらず、ストリートチルドレンとして同じ境遇にある子供たち数名と共同生活をしているらしい。1番年長の子で14歳の男の子と聞いた。
少女がかかった病気は、日本で言うところの会社には行けないレベルの風邪。
しかし充分な医療技術が整わないこの国においてはただの風邪も死活問題………この私がいなければ、の話だが。
一種で少女の風邪を治す私。
そんな私に少女はこう言った。
「ありがとう先生…あっ、先生じゃあないんだよね?あなたはお医者さんじゃあない。けど人を治療している。じゃあなんて呼べば良いんだろう?あなたは何なんだろう?何ていうんだろう…『こうやって、誰に頼まれるわけでもなく人を治す俺かっけぇー!』みたいな…私が一緒に暮らしてる1番年上のお兄ちゃんと考え方同じだね!」
1番年上のお兄ちゃん…確か14歳!14歳といえば中学2年生!そう!厨二!!
私はこれまでの自分の発言も含めて、自分の能力を以っても治せない病にかかっていることに気がついた。
それは厨二病!
病であり病でない。厨二病だけは私の能力で治せる限界を超えた病だ…
私は自分の能力は万能ではないことに気がつき、やがて人を治し傲慢になることをやめた。
もしどんな傷や病気でも治せる能力を手に入れたら私はこうなります。
ふぅ…出社前に何考えてるんだ私は。
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