私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

怖い話は「虫の知らせ」で知人に伝わる

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暑くなってきましたね。
6月に入り、一層夏を感じます。
…そうでもないかな?まだ早いですかね。
しかしまぁこれからさらに10度以上暑くなるのかと思うと…反吐が出ますよね!!!

暑い日、特に眠れないような熱帯夜の日には、背筋がゾクッと冷たくなる怖い話を聞きながら寝るなんていうのも良いですよね…
…って今から怖い話をするわけではありません。一時期当ブログでも書いてましたけどね。でもしばらくやりません。
まぁ、またやるかもしれませんけど。

ところで怖い話の出だしって、よく

「これは知り合いから聞いた話なんだけど」
とか
「友達の友達が経験した話なんだけど」
とか
又聞きみたいな始まり方をしませんか?
私が身近な人から聞く怖い話は大体このパターンで始まります。

自分が経験したわけではないという予防線を張ることで、どのような結末にでも持っていける、けど自分はあくまで聞いただけだからというスタンスの、無責任な出だしですね。

まぁそれでも別に良いんですけど、ただ擁護しにくいのは、結末が「死」のパターン。
体験してた人が死んじゃうパターンの怖い話。

えっ!?死んだよ!?体験してた人、話の中で死んだよ!?じゃあ誰から聞いたの君は!?

ってことになってしまいます。
こればかりは擁護できません…普通ならね。

しかし私は擁護するどころか、経験した人が死んだとしても、きちんとその経験が怪談として伝わるとさえ思います。

それは

虫の知らせ

のためです!

虫の知らせとは、何気なくその人に何かあったとか、はたまた死んだとか、そういうことを何のきっかけもなく他人が察知するみたいな感じの言葉です。

この虫の知らせは、何のきっかけもないわけではありません。
このようなメカニズムによって、体験した人が死んだタイプの怖い話は伝わっていきます。




霊体験をして死んだ人をAさん、そのことを虫の知らせで聞いた人をBさんとしましょう。

とある夜、Aさんは山道のとあるカーブに差し掛かりました。
そのカーブは非常に急で事故が多く、カーブを曲がりきれず、車ごと崖から転落して死ぬ人も珍しくなかったのです。
事故を起こしても生きていた人によると、

「運転席の足元から女性が現れ、ニコニコと不気味な笑顔でこちらを見つめながら、あらぬ方向へと曲がった腕でハンドルを握り、崖めがけて運転してきた。」

とのこと。同じように話す人が何人もいたので、このカーブは心霊スポットとして有名でした。

Aさんもまさに今、運転席の足元から女性が現れ、笑いながらAさんを見つめ、勝手に運転しているという状況に陥っています。
Aさんは、

「怖い!怖いけど、もし生きて帰れたらこの話飲み会でしてぇなぁ〜」

とつぶやきながら現状を受け止め、崖から車ごと転落してしまいました。
落ちる最中もAさんは

「この話をしてぇなぁ」

とつぶやいていました。
それを聞いていたAさんの車の助手席にくっついていた小さなダニは、

「わかったよAさん。これは俺を住まわせてくれた礼だ。この話、あんたの知り合いに届けてやるよ。この前助手席に乗せてた、あのBさんっていうヤツに伝えるぜ。」

と誓い、転落し、炎上する車から脱出。
しかしダニの歩くスピードなんてたかが知れている。
そこでダニは近くにいた少し大きなノミにAさんの話を伝える。するとノミは

「わかった!俺はジャンプ力があるから、お前より早くこの話を届けられるだろう。」

と答え、ピョンピョン跳ねながら、Aさんの話を届けた。

しかし、ノミも次第に体力の限界を迎えた。もっと長く飛べるやつのほうが良い。
最後の力を振り絞り、高く飛んだノミはそこで蝶に出くわした。ノミは蝶にAさんの話を伝えた。蝶は

「いいよ!私がこの話を届ける!私の方が長い時間飛べるし、人間にも近づきやすいから!」

と答えBさんの家に向かって飛んでいった。
しかし、時間は深夜2時。Bさんは寝静まり、家は戸締まりしていて蝶では入れない。
そこで蝶は、地上を歩いていたゴキブリに話を伝えた。ゴキブリは、

「承知したで!ワイは民家に侵入するプロや!Bさんの家に入ってこの話を伝えてくるで!」

と答え、Bさんの家に侵入し、Bさんの耳元にたどり着いた。そして、

「あのな、君の友人のAさんなんやけどな、とあるカーブで車を運転しとったらな、突然助手席から女が現れてな、ニコニコ笑ってAさんを見ながらな、あらぬ方向に曲がった手でな、ハンドルを握ってな、そのまま崖に車ごと突っ込ませてな、Aさん崖から落ちて死んでもうたんやて。」

とBさんに怪談話を伝えて、ゴキブリは去っていきました。

朝起きたBさんは、なんとなくAさんから怖い話を聞いた覚えがあり、
Aさんは死んでいるにも関わらず、Aさんから聞いた怖い話が出来るようになった。




これが虫の知らせの正体です!
虫の知らせは

「近くの虫たちが又聞きした話を最終的に夜に耳元でゴキブリが教えてくれている」

ため、伝わるのです。
このメカニズムを以ってすれば、「経験した人が死んでしまうタイプの怖い話」を語ることも可能なのです。

どうして虫が人間の言葉を理解でき、話すことができるのか?など疑問は残りますが、そこはなんかこう…触覚で察知して、羽音がちょうど人間の言葉っぽくなるんじゃないかな?



私としては枕元でゴキブリが耳元でブンブン羽音を立てていることが1番怪談話ですけどね。




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