私が大学2年生の時の話。
ちょうど今のような夏の暑い季節でした。
その日の夜、私は同じサークルの人たち6〜7人と飲んでいました。
特に何もない日でしたが、飲み会好きの人たちが多いサークルでしたので、とにかく何かにつけて飲んでいました。未だにこんな感じの関係が続いています。
サークルの同級生にSくんという男がいました。私も痩せているのですが、Sくんは私より少し背が高く、体重も私より少し軽かったので、より痩せているように見えました。
Sくんはどちらかと言うと、いや完全にイジられキャラとしてみんなを楽しませてくれていました。根っからの明るいタイプではなく根暗に近いタイプでしたが、嫌われているというわけでもなく、むしろ好かれていたと思います。
その日の飲み会にSくんもいました。
Sくんは私の隣に座っていました。
私たちも2年生で、サークルに入ってから1年経つわけで、お互いにどういう人なのかほとんど分かっていたつもりでした。
そう、つもりでした。
Sくんは突然私に
「君おでん食べたことあるー?」
と聞いてきたのです。
おでん食べたことある???
「何を言っているんだコイツは」と私は思いました。
その時はまだ飲み始めて20分も経っておらず、1〜2杯しか飲んでない、まだ夜も浅い時間。
酔っ払うには早すぎる時間でしたし、Sくんはそんなにお酒が弱いわけでもありませんでしたので、酔っ払っているはずがありませんでした。
なのに何だこの質問は?おでん食べたことある?何故知り合って1年も経つのにYesかNoで答える質問をしてくるのか?
こういうのは新歓の時の1年生など、慣れない相手と話す時に使う質問ではないか?
いや、仮に新歓だったとしても「おでんを食べたことがあるか否か」なんて気にならないだろう。
おでんなんて大体みんな何らかのタイミングで食べたことあると思うが、この後に続くであろうSくんの話の前提条件を確認する意味を込めて「おでんを食べたことがあるか否か」を聞いてきたのか?
Sくんがこの質問をした後、会話をどのように展開していくつもりだったのか続きが気になりますが、当時の私は
「いや、食べたことあるよそりゃ!アフリカの人じゃないんだからさ!!!」
と答えました。
アフリカの貧困で苦しむ村の出身だと思われていたのかもしれないので、このように答えました。アフリカの貧困で苦しむ村の出身だと思われていたとしたら、確かに前提として「おでんを食べたことがあるか否か」を聞くのはおかしくないです。海外でなおかつ食糧難の国でおでんを食べる機会は確かにほぼないでしょう。
一応Sくんに何故このような質問をしたのか聞いたところ、
「『おでんの具で何が好き』と聞こうとしたら間違えてしまった。」
とのことでした。お茶目なのか天然なのか。
このSくんからの質問が、人生でされた質問の中で一番虚を突かれた質問でしたね。
私の人生で一番返答に困った質問です。
「おでんの具で何が好き」かを聞くにしても、まず当時夏でしたし、何故夏におでんの話題をしようと思ったのか、謎が深まる状況でした。
驚きましたねぇ。後ろから刺されたくらいの驚きでした。サプライズでしたよぉ。
もし大切な人にサプライズを仕掛けようと思ったら
「君おでん食べたことあるー?」
と聞いてみてください。
お金もかからず、十中八九相手がびっくりする、超効率的なサプライズとなるでしょう。
もうSくんとは、大学を卒業してからですから1年以上会っていませんね。
何をしているのだろうか。働いているとは聞いているので、職場の人たちを超効率的なサプライズで驚かせているかもしれません。
こんなことを思い出しました。
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