私の名前はジロギン。

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【夢物語】不気味な気配に誘われて…

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最近運動不足を感じていた。
腹も出てきた。駅の階段を上っただけで息が切れる。


このままではマズイと感じて、仕事終わりにジョギングをすることにした。
帰宅後の20時頃から家の近所を30〜40分走る。運動習慣のある人にとっては大したことないだろうが、私としたられっきとした運動である。しかもハードな。


割と長く住んでいる町のはずなのに、行ったことがない場所が多いと感じた。
特に住宅街の立ち並ぶ細い道なんて、まるで違う世界に通じているような、ちょいとした冒険の気分がする。辛い運動も、こんなに楽しい気分で出来るなら続けられそうだ。

 


調子に乗ってどんどん走っていたら、自分のいる場所がどこなのか、どちらに向かえば家に戻れるのかさえわからなくなってしまった。
夜の暗い住宅街を突き進む。


さっきまでの冒険気分が、恐怖に変わり始めたのはこの道に来てからだ。
人が2人も並べばいっぱいになってしま程度の広さしかない裏通り。
右手には竹藪、左手には墓地。薄暗い街灯は今にも切れそうだ。
人間が怖いと感じる要素が詰まりに詰まった道だ。墓場から幽霊が出てきたらどうしよう。竹藪から誰かがこちらを見ていたらどうしよう。
恐怖心が心を満たすので、私は早くこの道を抜けるために歩みを速めた。


最初はこの道の雰囲気からくる恐怖心、気のせいの類だと思っていたが、この気味の悪さは確かに存在している。
何というか、私の心の中から湧き上がるものではなく、心の外側から感じる。何か不気味な気配を放つものがどこかにある。


霊感などはない私だが、確かに感じる。
この道の先に何かがある。
私を呼んでいるかのようだ。
引き返す方法もある、けれど、冒険ってのはこういう恐怖に飛び込むことでもあるのではないか。


私はこの不気味な気配の正体を突き止めるために道を進むことにした。
進む進む。進むごとに気配は強まる。


道なりに進むと、丁字路に着いた。
薄暗い丁字路にはゴミ捨て場があった。
そこに、ゴミ袋とともに置いてあったのは、


マネキンの首だった。


薄暗いと恐怖心も相まって本物のように見える。
不気味な気配の正体もおそらくこのマネキンの首だ。見つけた時は声が出そうになるほど驚いた。イタズラか、美容院のカット用のマネキンの首を捨てたのだろう。怖いからビニール袋に包むなどしてもらいたいものだ。

 

私が不気味な気配の感じ取ったのは、第六感というやつだろう。
いわゆる「勘」というやつ。どんな人にもあるされる感覚で、この先の未来を予知したり、悪い気配を感じ取ることが出来るというのが第六感だとされている。
「未来予知」なんて言い方をしている人もいるが、勘はその人の経験則によって割り出されるから、「こういう時は、大体こんなことが起きる」という経験の繰り返しから予知のようなことが出来ると聞いたことがある。これが第六感や勘の正体だと。


私もいろんな映画とか、夢とか、実体験などから「何か怖いものがこの道の先にある」と感じ取っていたのだろう。
第六感が働いていた。ある意味非日常的な出来事ではある。しかし所詮は感覚的なもの、マネキン人形の首に恐れをなすとは、腰抜けにもほどがある。まぁ怖いものは怖いが。


私はゴミ捨て場から立ち去ろうとした。
しかし何だ?足元が滑る…いや、少しヌメッとしているような感じがする。


これは…血だ…
あぁ…これ…「マネキンの」首じゃない…

 

 

 

この物語は私が見た夢を元にしたフィクションです。

 

 

 

 

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