私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ナルト】木の葉の里の暗部たちはなぜ弱いのか?考察してみた!

今回はいつも書いているハンターハンターとは同じジャンプ作品ではありますが、考察記事としては初挑戦になる『NARUTO-ナルト-』をテーマにしてみようと思います。

初めてということで、テーマにするべきは主人公の『うずまきナルト』関連・・・ではありません!

当ブログでは比較的ニッチな考察を行っているので、王道な考察はそんなにしません。また別の時にやります!

 

今回テーマに取り上げたいのは、『ナルト』に登場する木の葉隠れの「暗部」たちについてです。

作品の設定では、暗部たちはナルトたちが住むこの葉隠れの里にいる忍の中でも、より優秀とされた忍が選抜され、里長・火影直属の任務を行う精鋭集団なのです。

なのですが・・・作中で暗部は「弱すぎる」のです!敵に対して何もできなかったり、挙げ句の果てに殺されたりする者も多数存在しています。

 

そこで今回は木の葉の里の暗部たちはなぜ弱いのか?について考察していきたいと思います!

 

 

暗部とは?

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(引用:NARUTO13巻130P/岸本斉史)

正式名称は「暗殺戦術特殊部隊(あんさつせんじゅつとくしゅぶたい)」と言います。暗部に所属する者はお面で素顔を隠し、その素性が一切隠されています。画像のようにコートを着ていたり、刀を背負っていたりもします。基本的に里の裏方として任務に就いています。

 

本来ナルトたちが暮らす木の葉の里では、忍は

下忍→中忍→上忍

の順番で昇格していきます(下忍→中忍になるには中忍試験を受ける必要あり。中忍→上忍は里の上層部の判断による昇格だと思われます)。

 

しかし暗部に関しては、里の上層部(主に火影)が優秀だと認めた忍であれば下忍も上忍も関係なく選抜されます。

例えば、ナルトの所属していた第7班隊長のはたけカカシは13歳という異例の速さで上忍になった(作中で24歳の夕日紅が新米上忍と言われていましたので相当早いです)のち、暗部に選抜されました。

さらに、サスケの兄・うちはイタチは中忍になったのち暗部に配属されたようです。当時まだ12〜13歳でした。

このように暗部になるにはとにかく忍としての優秀さが判断材料とされ、肩書きや男女問わず抜擢されるのです。

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また「根」と呼ばれる暗部の養成施設もあり、根で育った忍は暗部に配属されるようです。

 

優秀な忍が多数所属する暗部の任務は暗殺や諜報活動など危険な任務が多いのも特徴です。

正直こういう任務って忍者全体に言い渡されるべきで、暗部が暗殺とか諜報活動とかやってるならナルトたちは何をやるんだって感じがしますが、そこらへんの任務の棲み分けはよくわかっていません。

ただ、上忍、中忍は新米の下忍と共にチームを組み、隊長として任務に当たることも多いので、(特に上忍は)教育係としての役割も担っています。暗部にそれはなく、基本的に暗部のメンバーのみで任務を行っているようです。

 

暗部メンバーはお互いの本名などもわかっていない場合があるようで、情報が他の忍に漏れないよう徹底しているようです。

暗部が弱いと感じた瞬間

私個人的に「暗部、弱すぎだろ!」と感じた瞬間は、コミック13〜14巻の「三代目火影VS大蛇丸」の時。

 

ナルトたちが受験した中忍試験時に、木の葉隠れの里を襲い、師匠でもある三代目火影と対峙した大蛇丸。

大蛇丸は砂隠れの里長「風影」になりすまし、三代目火影に近づきました。大蛇丸の傍らには護衛の忍者が2名おり、大蛇丸が火影に襲いかかると同時に、その忍たちも三代目を護衛に向かった暗部たちに襲いかかるのですが・・・さすがの暗部、そんな名もなき忍など瞬殺してしまいます。

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(引用:NARUTO13巻128P/岸本斉史)

ここまでは良かったのですが・・・この2名は大蛇丸の部下である「音の四人衆」が化けたものであり、二人羽織のように4人の忍が隠れていました。ちょうど4分割されたので無傷でした。

暗部の一瞬の隙をついて音の四人衆は大蛇丸と三代目火影の周囲に「忍法・四紫炎陣」で結界を張り、誰も立ち入れないようにします。

 

この音の四人衆は当時、大蛇丸の側近のように描かれていましたが、実はそんなことはなく、まだ下忍で未熟だったナルトたちの同期に1対1で負けてしまう程度の忍でした(四人衆はナルトたちと戦闘をする前に、木の葉の特別上忍・不知火ゲンマらと戦ってチャクラを消耗していましたが)。

だから木の葉の精鋭暗部たちなら四人衆程度が張った結界を壊すことぐらい容易いだろうと思っていたのですが・・・

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(引用:NARUTO14巻10P/岸本斉史)

み、見てるだけー!?しかも解説し出したー!?

結局暗部は結界を突破できず、ずっと三代目と大蛇丸の戦いを観ており、三代目は死にました。まぁこの暗部たちは結界を解くのが苦手な忍だったとしても、せめて援護くらい呼べば良いのでは!?と思ってしまうシーンです。

 

これを見たときに「いやいや、暗部弱すぎるでしょ・・・ポンコツすぎるでしょ・・・」と思いました。

 

その他にも護衛についていた暗部が全滅したシーンなども作中に多々あり、結果として暗部=弱いというイメージがついてしまいました。

そこで今回、精鋭のはずの暗部がなぜ作中ではこんなにも見せ場がなく、弱みを見せるばかりなのか、きちんと考察しようと思いました。

里の人選ミス

先述の通り暗部は火影や里の上層部が優秀だと判断した忍を抜擢して作られた組織です。もちろん任務実績や戦闘経験、術の才能などあらゆる観点から判断して暗部に採用するのでしょう。しかし、判断しているのも人であるため、時には間違えてしまうことも多いのではないでしょうか。

 

ほ野球でも、甲子園や大学野球で大活躍をして、ドラフト1位でプロ野球入りするけどなかなか勝てなくて2軍落ちしてしまったり、プロをやめてしまったりする選手もいるじゃないですか。

プロのスカウトマンが判断しているにもかかわらずそういうことが起きるのですから、暗部の抜擢に関しても判断が狂うことはあって当然です。

・・・ちょっと狂いすぎな気もしましたが、作中前半は三代目火影が暗部を決めていたわけで、三代目はおじいちゃんです。ちょっとね、手元というか、目が狂うこともあるったことでしょう。暗部になるべきじゃない忍でも暗部になっちゃってたりしたのかもしれません。

作品の都合上

暗部はお面をつけているので誰だかわかりませんし、名前もない割に精鋭集団という設定であるため、「暗部を倒させておけば作中メインキャラクターの強さを読者に伝えやすい」という効果があります。

 

カカシやイタチという作中屈指の強さを誇る忍たちが所属していた組織ということは、「暗部=強い」というイメージが読者には残ります。

さらに「そんな暗部を倒したキャラクター=超強い」というイメージも読者に伝えることもできてしまうのです。

 

そういう点で暗部は「咬ませ犬」として非常に使い勝手がいいのです。岸本先生的にも暗部は重宝したのでは?まさに火影のように暗部を駆使していたというわけですね。

 

しかしあまりにも暗部が殺されるシーンや役に立たないシーンが多すぎたし、アニメオリジナルストーリーまで含めたら暗部が活躍した時なんてほぼないんじゃないかってくらい暗部ポンコツシーンばかりなのです。

次第に「暗部=強い」という読者のイメージが「暗部=弱くてポンコツ」というイメージに変わってきてしまいました。ということで作品の都合で暗部は弱体化してしまったと。

 

・・・多分これが答えではあるのですが・・・これだとメタ的で考察として面白くないので、もっともらしい理由を考えましょう!

「暗殺」と「戦闘」は別物

私は以下の理由を暗部が弱い理由として推したいと思います。

暗部は正式名称の「暗殺戦術特殊部隊」ということで、その名の通り「暗殺」に特化した集団であると思うのです。

少しだけハンターハンターの話題に移ってしまうのですが、グリードアイランドで、キルアが殺人鬼兼ハンターの「ビノールト」と戦った際にこのようなことを思っています。

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(引用:HUNTER×HUNTER 14巻197P/冨樫義博)

キルアが「暗殺」と「戦闘」の違いを感じ取っています。キルアは元暗殺者として「暗殺」の経験こそ多かったものの、正面切って実力が拮抗した相手と「戦闘」した経験はかなり少なかったのです。

 

作品は別ですが、この理論を当てはめるなら、暗部は「敵を物陰からこっそり近づいたり、気取られない距離から遠隔で攻撃するような暗殺」を得意としている忍たちであり、「真正面から戦闘することは不得意」なのだと思います。

 

物陰から敵を狙うのであれば、不意打ちのような形になりますので、自分から攻撃が仕掛けられますし、敵の急所をつけば一撃で敵を仕留めることができます。

しかし正面から戦った場合、相手も抵抗してきますので、一撃で仕留めることは難しくなる上、自分が死ぬ危険性も高まります。ということで暗部は直接的な戦闘は苦手としているのではないでしょうか。

たまにカカシやイタチのように直接戦闘もできる暗部もいますが、彼らは公式のガチ天才なので、暗殺も戦闘もできても不思議ではありません。一般的な暗部は暗殺にのみ特化して訓練しているのだと私は思います。

 

本来、「忍法」って、敵を倒すためのものではなく、「敵から逃走するための術」のことです。忍はターゲットを暗殺ができなければ忍法を使って逃げるというのが基本だったのだと思います。忍は戦闘が苦手というのは当然で、暗殺者であるべきなんですよね。暗部のあり方は本来の忍らしいのです。

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暗部は「暗殺」に特化した集団で「戦闘」は苦手

ということで、暗部が弱い理由は暗部は「暗殺」に特化した集団で「戦闘」は苦手だからだと私は考えます。

 

暗殺に特化しているのであれば、先ほどの音の四人衆の結界を解けなくても不思議ではありません(結界に強い援軍くらい呼べよ!とは思いますが)。そして暗部が敵との直接戦闘で負けてもおかしくはないでしょう。

 

そうなると、先に少しだけ触れた、暗部とナルトたち一般の忍(正規部隊)との任務の棲み分けはどうなっているのか?という疑問も解決できそうですね。

暗部は暗殺に特化した任務に就きます。そしてナルトたちは忍というより「傭兵」に近い感じで、用心棒的な役割をしたり、作中後半の「第四次忍界大戦」のような戦争に参加し、直接の戦闘を行う任務に就いているという感じでしょうね。

 

できる限り暗部の株を落とさないような考察にしてみました。暗部は弱いのではなく、暗殺に特化しているということで、私の考察は終わります。

 

弱くてポンコツな暗部が読めるのは「NARUTO 14巻」!!