ゾルディック家当主で、キルアの父に当たるシルバ=ゾルディックは、未だ作中でその本領を発揮しておらず、謎な部分が多いキャラクターです。
戦いの描写も少なく、ヨークシンシティ編でクロロ、キメラ=アント編でヂートゥと戦ったくらい(クロロに対しては基本的にゼノ主体で戦っていたのでシルバは力の片鱗しか見せていませんし、ヂートゥは空からの不意打ちでほとんど戦闘にすら発展していませんでした)。
実は、この他にも作中で語られた中でシルバは戦いをしています。
シルバはヨークシンシティ編から3年ほど前にクロロと一戦交えているようなのです。具体的な描写はほとんどありませんでしたが、戦っています。
そこで今回は、シルバVSクロロはどのような戦いだったのか?を考察していこうと思います!
ほとんど作中での言及がない部分ですので、私の主観が入りまくりですが、ご了承ください。
- シルバ=ゾルディックとは?
- クロロ=ルシルフルとは?
- シルバとクロロが戦ったきっかけ
- 戦ったがシルバもクロロも生きている
- シルバ優勢の戦いだった?
- クロロが一方的に押されていたわけではない
- シルバとクロロの戦いまとめ
シルバ=ゾルディックとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻99P/冨樫義博)
先述の通り、暗殺一家ゾルディック家の当主であり、キルアの父です。
長い銀色の髪と屈強な肉体が特徴。暗殺一家の一員だけあり、もちろんシルバも暗殺の仕事を請け負っています。
シルバの父、即ちキルアの祖父にあたるゼノとともに仕事をしているシーンが作中では多く見られました。
シルバもキルア同様暗殺者としての訓練を積んでいます。
キルアがハンター試験にて「解体屋ジョネス」の心臓をすれ違いざまに抜き取る暗殺術を披露しましたが、シルバは、相手が一滴も血を垂らさずに抜き取ることができるとのことです。
さらにクロロがナイフに塗りこんでいた「0.01gで鯨をも動けなくさせる薬」を、毒抜きと髪を使った処置だけで「問題ない」と言えるほど毒の耐性を備えています。
趣味はベンズナイフというナイフを集めることで、クロロが使ったナイフの作成時期や使用方法などを見ただけで判断していました。
関連記事:【ハンターハンター】クロロのベンズナイフが強すぎる理由をまとめた! - 私の名前はジロギン。
クロロ=ルシルフルとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 12巻36P/冨樫義博)
幻影旅団の団長を務める、黒髪オールバックで厨二病全開のコートを着た男性。
幻影旅団は流星街出身のクロロの幼馴染たちで創設されたようで、冷徹な集団ながら、意外にも仲良しで仲間思いなメンバーもいます。
中でもクロロは頭も切れ、カリスマ性もあるため、団員全員から好意に近い信頼を寄せられています。
クロロは旅団メンバーとともにお宝を盗み、ひとしきり愛でた後、すべて売り払い次の仕事までどこかへ姿をくらましてしまいます。
その消息はクロロのストーカーであるヒソカですら掴めないようで、痕跡なく消えされるあたりはさすが盗賊団のボスといったところです。
念能力は「盗賊の極意(スキルハンター)」で、条件を満たした場合他人の念能力を盗み、自在に使うことができます。クロロはお宝だけでなく念能力まで盗むのです。
それではシルバとクロロの戦いがどのようなものだったのか考察していこうと思います。
シルバとクロロが戦ったきっかけ
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻117P/冨樫義博)
キルアの話では、ヨークシンシティ編から3年ほど前にシルバは仕事で幻影旅団のメンバーの一人を暗殺しています。
その際、またはマフィア(正確にはクラピカ)にウボォーギンが殺害された報復にマフィアンコミュニティーを旅団が攻撃したように、報復に来たクロロと戦闘になったとみられます。
時系列的な話は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:【ハンターハンター】幻影旅団のシズクはクルタ族殲滅に参加していない!?その理由を考察してみた! - 私の名前はジロギン。
当時のシルバの仕事内容は不明で、最初からターゲットはその暗殺した旅団メンバーだったのか、それともクロロを暗殺しようとして、その過程で一緒にいた旅団メンバーも暗殺する必要があったのかはわかりません。
ただ、シルバもゼノの暗殺における教えを受けているのならば、ゼノ同様「ターゲット以外の人物を殺めない」という理念を持っているかと思います。
そうなるとシルバは最初から旅団メンバーを狙っていたと考えるのが妥当でしょうか。
しかしシルバの息子であるイルミやキルアが無関係の人間でも構わず殺害しているので、シルバも「仕事に支障が出る場合は無関係の人間でも仕留めてよし」という考え方をしているかもしれません・・・が、だとしたらゼノとはウマが合わないので一緒に仕事しなさそうですよね。
戦ったがシルバもクロロも生きている
シルバはヨークシンシティでゼノとともにクロロと戦闘を行った際、クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)」の能力の概要(他人の念能力を盗むこと)を知っていましたので、過去に相対した時もある程度戦ったことは間違い無いでしょう。
しかし両者とも生きています。即ち何らかの理由で決着がつかなかったということです。
さらにシルバもクロロも後遺症を負っているということはなさそうですので、相打ちになったというよりは、お互い引かざるをえない状況になったと考えるのが自然かと思います。
考えられるパターンとすれば、
- シルバはクロロと戦闘になったものの、ターゲットは暗殺したのでこれ以上厄介な相手と戦う必要はないと考えて撤退した。
- シルバとクロロの戦闘中に他の旅団メンバーが駆けつけてしまい、シルバが引かざるをえなくなった。
- シルバにやられそうなクロロを旅団メンバーが救出し、クロロが撤退した。
- 逆にクロロにやられそうになったシルバが撤退した。
って感じですかね。
私としては1番目がしっくりきます。
クロロの戦闘力は旅団でも屈指のものです。シルバも旅団メンバーに加えクロロ相手に連戦するというのはかなりきついと思います。
また、シルバもクロロの能力の全容を理解していたわけではない(「相手の能力は未知数」と言っていたため)ので、どっちみち大規模な戦闘には発展してはいないと考えられます。
そして先述の通り、シルバがゼノの理念を受け継いでいるのであればターゲットを始末した時点で仕事終了ですから、ターゲットではないクロロと戦う必要はないのです。
そのためまるで定時になったらすぐに帰るサラリーマンのようにクロロから撤退したのではないでしょうか。
シルバ優勢の戦いだった?
シルバはゼノの攻撃を躱すクロロの体裁きを見て「あの時より体術はさらに向上している」と評価していました。
言い方は悪いですが、シルバのこのセリフはクロロに対してかなり上から目線ですよね。
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻117P/冨樫義博)
ということは3年前の戦いのときはシルバの方が優勢だった可能性があります。
当時のクロロはまだ23〜24歳くらいで、実践経験で言えばシルバの方が上だったはずです。新卒とベテラン社員を比べるような感じ。
もちろんこのシルバのセリフだけだとシルバが優勢だったとは言い切れません。「(3年前もすごかったけど)さらに体術が向上している」という意味合いの可能性もあります。
しかし、幻影旅団の面々はハンターでも迂闊に手を出せないほどの戦闘力を持っています。並みの念能力者相手に負けることはまずありません。それ故、旅団メンバーのフェイタンはキメラ=アントのザザンと戦闘になった際、かなり腕が鈍っていて、全然本調子を出せてませんでした。これは、そういった慢心が原因だと思います。
一方でクロロは体術が向上しているということは日々の鍛錬を怠らなかったということです。暗殺一家の当主であるシルバ以上の体術をクロロが3年前から持っていたとしたらそれ以上鍛える必要も鍛えようもないかと思います。
「戦いの技術を鍛える必要があるな」とクロロが決心するきっかけがあったに違いありません。それがこのシルバとの一戦かもしれませんね。現に仲間もやられてますし。
ということからもクロロが日々鍛錬を積む必要がると考えるくらいにシルバが優勢の戦いだったのではないかと思います。
クロロが一方的に押されていたわけではない
ちょっとややこしくなるのですが、シルバは優勢であったものの、クロロも一方的に押されていたかというとそうではないと思います。
もしクロロがシルバに手も足も出ない状態になっていたとしたら、ヨークシンシティの時にそんなシルバとさらにゼノとを相手取るとは考えにくいです。
クロロとしては時間稼ぎの戦いでしたが、それまでに殺されてしまう危険性があります。
また、シルバは旅団メンバー暗殺後、キルアら息子たちに「割に合わない仕事だった」と語っていました。
キルア曰くこれは敵に対する「賛辞」に当たるそうで、「割に合わない=受注金額以上に手こずる強い相手だった」ということのようです。
これはシルバが暗殺した旅団メンバーの強さに対する賛辞と言えるでしょう。また言葉通り「割に合わない仕事」と取ると、ターゲット以外にクロロも相手にしなければいけなかったということで割に合わなかったと考えることもできます。
旅団は報復してくるので戦いの回数が増えて、しかも強いから割に合わないということかと。
かなりシルバも苦戦を強いられた戦いだったようですので、クロロが一方的にシルバにやられてしまったとは考えにくいです。
念能力的にもクロロは盗んだ能力のストックがありますので、対シルバ用に使える能力もあったと思います。
ヨークシンシティで戦った際もクロロはゼノ及びシルバの能力を盗もうと舐め腐って手を抜いて戦ってましたからね。
完敗した相手にこの態度で挑むのは無理だと思います。
シルバとクロロの戦いまとめ
以上のことからシルバとクロロの戦いがどのようなものだったのか、その流れとしては、
シルバが旅団メンバーを暗殺。そこそこ苦戦を強いられる。
シルバ「割に合わない仕事だった・・・」
↓
仲間が殺されたクロロがシルバに報復に向かう
クロロ「これが俺たちからあなたへの鎮魂歌(レクイエム)です。」
↓
シルバとクロロが戦闘。体術などの基礎戦闘力はシルバの方が上で、クロロに殺されることはまずなかったが、クロロが盗んだ能力が厄介すぎて、シルバはこれ以上の戦闘は無意味と考え撤退を決意。
クロロ「仲間の仇だ・・・」
シルバ「いやいや、なんでこんな厄介なやつと闘わなきゃならないの?こいつと戦うことは契約内容に入ってないよ。ただ働きはしない主義だから、帰るわ。」
↓
シルバの撤退によりクロロは追うことを諦める。
クロロがシルバへの報復を諦めた背景には、シルバがソルディック家の人間であることもありそうですね。
クロロはその後ヨークシンシティでイルミに仕事を依頼してましたので、クロロはシルバを知ってゾルディック家は利用価値があると判断したのだと思います。
クロロがイルミと付き合いが生まれたのはシルバとの戦いのだいぶ後のようですが、シルバの強さを見て、息子のイルミやゾルディック家の人間とは友好な関係を持った方がいいと判断したのかもしれません。カルトも幻影旅団に入団しちゃいましたし。
シルバ的には息子たちに「旅団には手を出すな」と言い聞かせることで旅団との接触を断つつもりでしたが、クロロと戦ったことで望まずしてクロロに「ゾルディック家ってこんなに強いんだぜー!息子たちも強いんだぜー!」と営業をかけることになってしまったのだとしたら皮肉ですね。
結局シルバもクロロも生きているので、この戦いの顛末が作中で回収される可能性は低いです。戦いの結果を読者は知ってますし、どちらもやられないなら作中で大きな影響はないですからね。
ただ、シルバもクロロも能力の底がまだ見えていないので、彼らの戦いについてはいろいろ考えてしまいます。妄想がはかどります。