仕事をしていて怒られるときといえば、「何もせずぼーっとしているとき」ですよね。
「仕事は自分で見つけろ!」なんて言われた経験がある方も多いのではないでしょうか?
新卒の時は、こういうことを言われがちです。
キメラ=アント編でネテロは、東ゴルトーの宮殿に侵入し、メルエムとの一騎打ちに臨むつもりでいました。
しかし、そのためにはメルエムを守る王直属護衛軍とメルエムを分断する必要がありました。
本来それはモラウたち討伐隊の役割でしたが、ネテロはゾルディック家のゼノ、シルバの協力を仰ぐことに。
ゼノは「龍星群(ドラゴンダイブ)」で護衛軍を撹乱し、ネテロとともに宮殿侵入を試みました。しかしその一方で・・・シルバは特に何かした描写はなし・・・
申し訳程度にヂートゥを瞬殺したものの、師団長程度なら討伐隊メンバーでも仕留められる強さです。
師団長を倒すためだけにネテロが巨額の費用を払ってゼノ、シルバの協力を依頼したのだとしたら割りに合いません。シルバの仕事としては簡単すぎます。
そこで今回はキメラ=アント編のシルバは何をしにやってきたのか?について考えてみたいと思います。
- シルバ=ゾルディックとは?
- ネテロが雇ったのはゼノのみ?
- シルバはゼノのフォローに来た?
- 祖父・父そろってキルアの様子を見に来た?
- 今後のことを考えて見学に来た?
- シルバにはいろんな目的があったのじゃ
シルバ=ゾルディックとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻93P/冨樫義博)
シルバはキルアの父にあたります。
現在のゾルディック家を背負って立つ人物で、暗殺一家らしく作中でも暗殺任務に就いている様子が描かれました。
家族に対して反抗的なキルアもシルバのことは尊敬しているようで、暗殺者としての腕は超一流なのだと思われます(現在まで強さがはっきりする戦闘描写はなし)。
キメラ=アント編では巨大な怪鳥に乗ってゼノとネテロとともに東ゴルトー上空までやってきたものの、ゼノとネテロが宮殿侵入を試みた後も怪鳥の背に乗り続けていただけのようです。
ヂートゥを圧殺しましたが、それ以外何をしに来たのかよく分からない感じでした。
ネテロが雇ったのはゼノのみ?
作中のナレーションでは、ネテロが巨額のお金を払って協力を仰いだのはゼノのみしか言及がありませんでした。
このナレーション通りに考えるのであれば護衛軍との分断についてはゼノのみに依頼し、シルバには依頼していなかったものと思われます。
(引用:HUNTER×HUNTER 25巻154P/冨樫義博)
ゼノは、龍星軍(ドラゴンダイブ)で誤って一般人であるコムギを傷つけてしまった際、かなりショックを受けていました。
またクロロと戦った際にも「ただ働きはしない」と言っていました。
このゼノの考え方からすると「ターゲット以外を攻撃はしないし、依頼内容以外のこともしない」ということでしょう。
シルバも父であるゼノからはこの考え方を受け継いでいると思われますので(シルバもクロロと戦った際にはゼノとともに退きましたし)、ネテロから直接依頼されていない以上は手を出さないようにしていたのでしょうね。
プロと言いますか、ビジネス的な考え方です。
シルバはゼノのフォローに来た?
ネテロから直接の護衛軍と王の分断の依頼を請けたわけではないシルバ。
ゼノの案件なのでゼノ一人で行ってもいいわけですが、さすがに世界的な事件に発展しているキメラ=アントの本拠地にゼノだけを向かわせるのは不安が残ると思います。
ゾルディック家はみんな家族のことが好きみたいですし。
なのでシルバは直接手を貸さないまでも、ゼノに危険があった場合手助けするつもりだったと考えることができます。
または、ゼノがシルバに援護を頼んだ場合もあります。
キルア、カルトは不在ですし、アルカを表に出すわけにはいきません。イルミもいろいろと忙しそうで、ミルキは外に出る気すらなし。となるとやはりシルバにしか協力を仰げそうにないですね。
いずれにせよ、シルバはゼノのフォローに来たに過ぎなかったので、直接宮殿には乗り込まず、すぐに手助けできるよう怪鳥に乗って空から宮殿を俯瞰していた。この可能性も高いです。
(引用:HUNTER×HUNTER 26巻165P/冨樫義博)
祖父・父そろってキルアの様子を見に来た?
ネテロから依頼を請けた時点で、間違いなくゼノとシルバには、キルアがキメラアント討伐に参加していることが伝わっていたはずです。というか、ゼノの協力を仰ぐためにネテロが「孫のキルアが危険になるかもしれないから協力して」っていう感じで、首を縦に振らせようとしたとさえ思えます。ちょっと脅しっぽいですけどね。
シルバとしても、キルアは今後のゾルディック家を支える大切な息子です。失うわけにはいきません。
そこでゼノのフォローもしますが、キルアの様子を見てきて、場合によってはキルアの援護にもあたろうと考えていたとも思われます。
父親の心情としては当然ですね。キルアを守るためならばお金をもらっているか否かにかかわらずシルバも戦闘に参加したでしょう。
キルアの様子を見に来た理由には実際にどれくらい成長したのかを知りたかったということもありそうですね。授業参観みたいな。
今後のことを考えて見学に来た?
キメラ=アント事件は世界的に見てほぼ前例のない大事件でした。今後も発生することのないかもしれない事案ですが、ゾルディック家の支柱であるシルバが将来的にこのようなイレギュラーの事案を請けることがあるかもしれません。
それを見越したゼノがシルバも任務に同行させ、見学させていた可能性があります。
先述の通りシルバが直接依頼を請けたわけではないので手出しはすることなく傍観させ、「(ゼノに)何かあった時は援護して」的な役割として来させたのでしょう。
その中でシルバの経験値もあげようとしていたと。
ただ、シルバとしてもさすがに何もせずに帰るのは忍びないので、おそらくゼノ一人で倒せたであろうヂートゥを仕留めるという働きはしました。
冒頭にも述べた通り、シルバは仕事を見つけて、ヂートゥを倒してゼノをフォローするという役割は果たしたのでしょう。
シルバにはいろんな目的があったのじゃ
ここまでのことを踏まえてシルバがキメラアント討伐時にやって来た理由は、
ゼノがネテロから依頼された仕事のフォローという形でやって来た。その中で討伐作戦に参加中のキルアの様子を確認することと、人類にとって異例の事態であるキメラアントを目の当たりにすることで、今後ゾルディック家にやってくるであろうイレギュラーな案件に対応できるよう見学も兼ねていた。
という感じだと思われます。
そういえば、キメラ=アントって世界中に散らばって活動してたんですよね。ネテロやモラウたちが戦ったNGLや東ゴルトー周辺に滞在していたキメラアントたちが全てではないのです。
ということを考えると、ゾルディック家にキメラ=アントの残党を暗殺する依頼も入ってきそうです。
この対応をするために、ゼノもシルバもキメラ=アントがどういう生物なのかを見ておく必要がありそうです。
いやらしい話、かなり稼げそうですもんね、キメラアント暗殺の案件は。
プロハンターでも殺されてしまう可能性が高いくらい戦闘力の高いキメラアントですから、ゾルディック家にも高額な案件としてやってきそうです。
これは断るわけにもいきません。家主・シルバとしては、事前に対応出来る体制を整えておくべきですね。
シルバは暗殺者としてベテランでしょうから、さすがにゼノから「自分で仕事を見つけろ!」なんて言われてしまうような、ぼーっと突っ立っているようなことはしないと思います。
ゼノのフォローがシルバにとっての仕事だったので、ただ見に来ただけということもないはずです。
クロロと戦った際もゼノがメインで戦い、シルバはフォローに入ってましたね。ゼノが隙をつくりシルバが仕留める作戦でした。
シルバがゼノと一緒に仕事をするときは基本的にフォローに回ることが多いのかもしれません。
さらに、ゼノはおじいさんですから、暗殺者としての仕事ができなくなる時はシルバより早くやってきます。
老い先短いゼノはシルバに気を使って自ら前線に立っているのかもしれません。
なんと言いますか、合理的なゾルディック家っぽいです。
一般的には若者がご高齢の方に気を使うものですが、大切なのは家族個人ではなくゾルディック家の存続のようですので、次を担う世代を前の世代が守るというのが基本的なスタンスなのかもしれません。
・・・でもやっぱりなぁ・・・直接依頼されていなかったとしても、シルバは護衛軍と戦って欲しかったなぁ・・・