ハンターハンターに登場する念能力者たちは、死後その能力者の未練や恨みが念の効果をさらに強め、解除不可能な状態となり残り続ける場合があります。これを作中では「死後の念」や「死後さらに強まる念」などと呼んでいます。
この死後の念を使い、死の淵から見事生還したのがヒソカさん。クロロとの戦いで窒息死しましたが、自身の念能力「伸縮自在の愛(バンジーガム)」で心臓と肺をマッサージし、心肺停止状態から復活しました(体はボロボロですが)。
(引用:HUNTER×HUNTER 34巻133P/冨樫義博)
こうなると気になる点が1つあります。それは、
ヒソカは死因が心肺停止なら何度でも復活できるのか?
という点です。本来、死後の念は能力者自身が死んでいるので、何度も発動させることはできませんが、ヒソカの場合は完全に蘇生したので、また死に際に「伸縮自在の愛(バンジーガム)」をセッティングしておけば、蘇生は可能かもしれません。
死後の念の定義
そもそも死後の念は、念能力者が死ねば必ず発動するものでもないようです。作中でもたくさんの念能力者が死んでいますが、死後の念が確認されているのは
ヒソカ
ピトー
流星街の長老
くらいです。その他に死んだ念能力者については死後の念の発動は確認されていません(カイトは微妙です。ジンが言っていたカイトの「ゼッテー死んでたまるか」と思わないと発動しない能力が、死ぬ直前に発動するのか死後に発動するのか描写がないので)。この違いは何か考える必要がありそうですね。
これについては、作中でのフィンクスのセリフがヒントとなりそうです。フィンクスがゴンとキルアに死後の念の存在について説明してくれていますが、その際に
「念ってのはな、死ねば消えるとは限らねーんだ」
(引用:HUNTER×HUNTER 13巻80P/冨樫義博)
と言っていました。このフィンクスのセリフの意味合いとしては、「念が(さらに効力を強めて)発動し続ける」ということですね。「死んだら念が発動する」とは言っていないのです。つまり「死後の念」とは、
「生前発動していた念が持続する」
ということです。死んだ瞬間に念が発動するということではないようです。よく考えればそれは当然で、念能力には発動条件が難しいもの(クロロの「盗賊の極意」や、その他敵と接触しなければ発動しない能力など)は、死んだ状態で発動条件は満たせませんからね。
ヒソカが蘇ったのも、死の直前に「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を予め心臓と肺にセッティングし、死後発動するようプログラミングしていたためだと思われます。生前に発動(を仕込んでした)していたために死後の念として「伸縮自在の愛(バンジーガム)」が発動、いや正確にはゴムの効果が持続したのではないでしょうか。
(引用:HUNTER×HUNTER 34巻135P/冨樫義博)
予め仕込まなければ蘇生できない?
死後の念が「念の効果が強まり持続し続ける」ものであれば、ヒソカは死ぬ前に予め能力を発動していなければ死後の念として「伸縮自在の愛(バンジーガム)」での蘇生は出来ないということになります。つまり、ヒソカが「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を仕込む前に、不意打ちなどで殺害すれば、心肺停止となっても復活は無理だと思われます。
ただ、ヒソカに念をセットする隙を与えてしまうと、死後の念となって復活できてしまうのではないでしょうか。真っ向勝負で、ヒソカが自身の死を自覚すれば、念を仕込む事は容易いと思います。
ただ、これもなんとも言い切れないところでして、ヒソカが蘇生した時の「伸縮自在の愛(バンジーガム)」は能力が「持続していた」というより「発動した」という形に近い描写だったんですよね。マチたちが確認した時は確実に死んでいましたし。
ヒソカの念が「発動」ではなく「持続」と無理やり定義付けるとしたら、ピトーの死後の念となった「黒子舞想(テレプシコーラ)」も、ピトーがゴンに殺された直後は一時的に停止し、その後時間差で発動していました。
(引用:HUNTER×HUNTER 29巻130P/冨樫義博)
一時的に能力の発動がストップしていただけで、念そのものを本人が解除したわけではないので、それを発動ではなく持続と考えれば、ヒソカもピトーも生前に発動していた念が(一時停止しただけで)死後も持続していたと考えられなくもないです。
ヒソカを完全に仕留め切るには?
心肺停止状態でも、念をセットしておけば蘇ることができると思われるヒソカさん。一見すると不死身の存在のように思えます。どうすればヒソカを仕留め切れるでしょうか?
方法としては、先述の通りヒソカが「伸縮自在の愛(バンジーガム)」をセットする隙を与えずに殺すことがありますね。ただヒソカは「円」を使わなくても強者がいるのを察知できるので(「絶」でオーラを絶って潜んでいたカルトを「円」なしで見つけています)、不意打ちを仕掛けるのは至難の技かと思います。
もしくは心臓と肺ごとすべて吹き飛ばしてしまうかですね。念能力でそれほどの威力を誇る技となると数は多くないのですが、超強力な念弾などなら、人を一人吹き飛ばすこともできそうです。
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しかし、ヒソカはゴムで体の一部を作ることができるので、「吹き飛ばされた心臓と肺も・・・ゴムで再現ん!」とかやってきそうですね。死ぬ直前に吹き飛ばされた体の部位を予測して、念の発動を仕込んでおくことができればですが・・・
(引用:HUNTER×HUNTER 34巻138P/冨樫義博)
基本的にヒソカの復活を防ぐためには、ヒソカを一瞬で跡形もなく消し去るのが確実ですね・・・ん?跡形もなく消し去れば誰でも死ぬか。当然でしたね。
今回の結論として、私の考えでは
ヒソカは心肺停止による死であれば何度でも復活可能。
しかし死後の念は生前に念を発動させておく必要があるので、ヒソカが死ぬ直前までに「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を心臓と肺にセッティングしておかなければならない
った感じですね。
もしヒソカが常時ゴムを心肺にセットしておければ、いつ死んでも復活は可能そうですが・・・一応死後の念は「能力者の強い恨みや未練」によって強まるものなので、ヒソカがそこまで未練がましくこの世に執着するかはわかりませんけどね。
でもクロロ戦でのヒソカも「せっかくだから死後の念が使えるか試してみるか」くらいの感覚でゴムをセットしていましたので、もはや恨みとか未練とか関係ないのかもしれません。
まだ死後の念についても作中で語られていない部分があると思いますので、今回の私の考察も、もちろん100%正しいとは言い切れません。ご了承ください◆