私の名前はジロギン。
今日は8月11日、そう「山の日」である。山の日は2016年より施行された比較的新しい国民の祝日である。8月はすべて夏休みであるキッズたちにはこの山の日のありがたみはわからないだろうが、真夏の8月でも汗水たらし、文句と血反吐を吐きながら働いているおじさんおばさんたちにとってはありがたい祝日なのだ。
私も今日はお休みである。せっかくの山の日なのだから、家に引きこもってブログを書く手を一旦止めて、山に登るのも悪くないと思うのだ。
都内にある山・高尾山に行ってみようかな?頂上からの眺めとか、ちょっと大きめなバッタの写真とか撮ってブログに載せてみよう!
やめろ・・・山になど行くな・・・ブログネタが欲しければ、お前の横に積まれているマンガの山から見つけろ・・・
うっ!私の脳内に直接誰かが話しかけて・・・まぁ誰だかはわかっているが・・・
ご機嫌いかがかな?ジロギン?
俺だ、この「私の名前はジロギン。」というブログそのものだ。お前の脳に直接話しかけている。
お前なぁ、また見当違いなこと考えてるよなぁ?山に行ってブログのネタ探ししてくるだと?ふざけるな。お前は山に入る資格もないし、その必要もないんだよ。
で、でも山ってさ、私のような陰キャラでも受け入れてくれそうじゃん!一人で登っている人も多いしさ!
貴様、いますぐ俺たちのブログを読んでくださっている登山家、登山を趣味とする方、その他山の関係者各位に謝罪しろ!
「山=陰キャラでもOK」みたいな、その中学の理科で習う電気回路くらい短絡的な思考回路をしていることを謝罪しろ!
す・・・すみませんでした
いいか?山に登るということはかなりハードなことだ。お前のような、日中は営業のくせに外回りもろくにせずデスクワーク、土日は布団の中でYouTubeを見ているような人間が、山を登りきれるだけのスタミナなど持っているはずがない。
それにひきかえ登山をしている人たちは、働きながらも趣味として登山をしているんだ。お前とはスタミナが段違いだ。フィジカルもな。お前の肉体を安○亭の肉だとしたら、登山家たちの肉体は叙○苑の肉だ。
確かに彼ら登山家の中には一人で登山をしている人もいるが、あれは友達がいないのではなく、己との孤独な戦いをしているだけなんだよ。山を降りれば友達がいて、恋人がいて、家族がいる。お前のように、山を降りても待っているのはブログだけの人間とは別物だ。
でもほら、山に行けばブログネタにもなるじゃん!
お前この前、東京の練馬区にある「光が丘公園」に行った記事書いたよな?
あれを書いた結果どうだった?
お、思ったより全然読まれなかったよ・・・
そりゃそうだ。俺もお前がこの記事書いている最中ずっと「何書いてるんだこのアホンダラは!」って思ってたもん。もう書き途中のデータ消そうと思ったもん。
お前はずっと漫画考察だったり、仕事のことだったり、人間関係のことだったりを「陰キャラ」という視点から書いてきた。それに賛同してくれている人が俺たちのブログを読んでくれている。にもかかわらずお前は、その読者たちが望んでいない記事を書いちまったんだよ。お前が公園に行ったことなんて興味ない。読者がお前に求めている記事は
「どこかに行ってきましたー!」
なんていう明るいテーマの記事じゃなく
「家の中に落ちている一週間分の髪の毛をまとめて三つ編みにしてみた」
みたいな陰キャラらしいジメジメした陰湿な記事なんだよ!
そんなお前が、休日に公園に行ったり山登りしたりすることを推奨してどうする!?読者の気持ちをもっと考えて記事を書けよ!
そうかもしれないけど、今日は山の日だろ?だったら山に関する記事を書けば検索流入も見込めそうだしさぁ・・・
確かに今日は山に関するサイトやブログを調べている人は多いかもしれない。それこそ「登山をする準備」みたいなことを知りたくてな。でもさ、その足りない頭使ってよ〜く考えてみろ?山に登ろうとする人が俺らのブログ見るか?俺らのブログに書いてある情報鵜呑みにして登山の準備するか?
私なら・・・しないな
ほらみろ、自分でもわかってるじゃないか。世の中にはもっと、何年も登山を趣味にしてきた人のブログや、それこそ登山のプロのブログがあるんだ。山に登る準備をしたい人は、そういう山のことを専門で書いている人のブログを見る。
お前の、山に関する知識なんて、興奮した男性の下半身がもっこりしたことにより出現する山より低いレベルしかない。俺たちが出る幕じゃないんだよ。
どうせ、「山の日 登山 道具」みたいなワードで検索してきた人に向かって、
こういうのとか
こういうのとか、商品リンク貼って売りつけようと思ってたんだろ?
売れましぇ〜ん!俺たちのブログから登山道具は売れましぇ〜ん!
そもそも今から、それこそ山のようにある登山ブログ・サイトを押しのけて検索流入を得ようなんて考えている時点で遅すぎるぜ。少なくとも2〜3ヶ月前くらいから準備しておけ。今更何やっても遅い。領分を割るな。お前はお前のブログ読者に向けた記事を書くんだ。その記事が山に関する記事ではないってことくらい幼稚園に入園したばかりの子でもわかる。
わかった、山に関する記事は書かないよ。でもさ、山に行ったらさ、山ガールと呼ばれる女の子たちがいるぜ!山を、自然を愛する女の子と恋に発展するかも・・・
はぁ・・・この前のカフェの件から何も学んじゃいないな。
同じことを言うようだが、山ガールはお前の相手などしない。お前は山ガールの心理を考えたことあるか?
まず、山ガールが好きなのは山だの自然だのではない。「休日に山に登るような体つきのいい、そして自分を守ってくれそうな屈強な男」が好きなんだ。そんな男を探すついでに山で森林浴などを楽しんでいるんだ。
山ガールにとって、お前のように自然薯のごとくやせ細っていて、そこらへんの木々より物静かそうな弱男など興味はない。まるで山道に転がる石ころのように一蹴されるだろう。高望みするな。お前にはお前に合った人がいるはずだ。
・・・まぁそれが誰かはわからないけど。
毎回毎回うるせぇんだよ!私だって山ガールと一夏の恋に落ちてみてぇんだ!止めても無駄だ!私は山に行く!待ってろ山ガールゥゥゥ!
あーあ、行っちまったか。まぁいいさ、山の、そして大自然の洗礼を受けてくるがいい。山を舐めすぎないことだな・・・
6時間後
ただいま〜
帰ったか。どうだった?山頂からの景色は?綺麗だったか?それとも、絶望でそこから飛び降りたくなったか?
いやまぁ・・・山頂からの景色は綺麗だったよ。でも・・・
じゃあよかったじゃないか?山ガールの方はどうだった?そっちが目的だったんだろう?
ご高齢の方ばかりだったよ。山ガールってより、山グランドマザーって感じだった。
まぁ朝の7時に行けばそうなるだろうな。