私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、ウォーキング(散歩)の記録などを書いている趣味ブログです!

ゴキブリ駆除をしに、会社の同期の女子の家に行った話

 

私の名前はジロギン。

 

先日、私が大学時代に、ゴキブリを駆除するために同級生の女子の家に上がり込んだ話を書いた。

www.g913-jiro.com

この話を知人たちにしていたところ、

ジロギンはゴキブリハンター

というような噂が広まり、以降も一人暮らしをしている人の家にゴキブリ駆除をしに行く機会が増えた。

 

今回は大学時代のゴキブリ駆除から約3年後、私が社会人2年目に起きたゴキブリ駆除事案の話をしたいと思う。

 

 

その日私は、今働いている会社を本気で辞めようと思い、転職活動として、仕事終わりで別会社の入社面接を受けていた。

20時ごろ面接が終わり、建物を出てスマホを見てみると、会社の同期の女子からLINEで連絡が来ていた。その女子も一人暮らしをしていた。

 

やばいんだけどぉ〜!

どうしたの?まさか
「君の部屋の南東側にあるテレビの裏にゴキブリが入り込むのが見えて、怖くなって駆除の依頼をしてきた」
わけじゃないよね?

なんでうちの間取りまで知ってるの!?キモいんだけどぉ〜!

君の性格上、南東にテレビ、東北東に布団、北西に全身鏡が置いてあると思ってね

いやだからなんの!?キモいんだけど〜!でも早く駆除しに来て〜!

いいだろう!運が良かったな、オレは今ちょうど屋外にいる。風水的にも、南東にテレビを置いていたことで君の運気が上がっていたと見えるぜ!

 

 

 

20時50分ごろ、女子の家にたどり着いた。

 

ここが現場か。なるほど、ゴキブリに住んでくれと言っているような、豚小屋のような家だな

私ん家を蔑まないでよ!

仕事を始める前に一つ聞くが、見かけたゴキブリは1匹だけかい?

1匹だけだよ・・・なんで?

オレの「円」では、君の家の中だけで40匹以上のゴキブリが感知できている

マジで?え〜ほんと無理!全部始末してよ〜!

オレたちプロの暗殺者は、依頼されたターゲット以外に余計な殺しはしない。今回依頼された1匹以外、オレは手を出さない。それがプロの流儀なんだ。わかってもらえるかな?

いや、ただビビってるだけじゃん・・・

 

 

 

こうして私は、とりあえず1匹ゴキブリを駆除することにした。

今回の得物も、前に大学の同級生の家に出現したゴキブリを駆除(しようとしたけどすでに死んでいたからただ家に上がり込んだだけ)した時と同様、「カビキラーアルコール除菌スプレー」にした。

小さいゴキブリならばアルコール除菌スプレーで十分。

しかし、一般的な大きさのゴキブリになると、仕留めきるまでに時間がかかる。

念のため、私が殺虫剤の中で一番信頼している「ゴキジェットプロ」も買っておいた。

 

やはりもうテレビの裏にゴキブリはいないか・・・どこかに逃げているな。棚はあるかい?

あるけど・・・ゴキブリって棚の中に逃げるの?

ゴキブリはエロいんでね、女子の部屋の場合、下着が入っている棚によく逃げ込む。下着が入っている棚は・・・どこだい?

いやエロいのはお前だろ

 

 

 

(下着の入っている棚以外)くまなく探したが、ゴキブリの姿はなかった。

残るは布団の中だけになった。

 

ゴキブリは暗いところを好むから、布団の中に逃げ込む可能性は高い

えー?じゃあ布団めくった瞬間に出てくるかもしれないってこと?

怖いのかい?だったら、オレと一緒に布団に入ってゴキブリを探すってのはどうかな?

なんでそういう方向に持って行こうとするの?ちゃんとやって!

 

布団をめくると、まるで「俺はこの家に飼われている猫だぜ」と言わんばかりに、ゴキブリが佇んでいた。

それを見た女子は、光の速度で部屋を出てドアを閉め、私とゴキブリを部屋に閉じ込めた。

ゴキブリハンターの私と、ゴキブリの密室デスマッチがはじまった。

 

開幕早々、私はアルコール除菌スプレーをゴキブリに5回噴射した。

しかし今回のゴキブリは一般サイズのゴキブリ。アルコール除菌スプレーでは殺るまでに時間がかかる。

ゴキブリはなんとか逃げ場を探そうとしたのか、女子が普段会社に持ってきているバッグに入り込んだ。

私はすかさずバッグのチャックを閉めた。

 

捕まえたよー!

ほんと!?もう入って大丈夫!?

うん、君が使っているカバンの中に捕まえてある!ゴキブリには除菌スプレーを吹きかけてあるから明日には死んでるよ!これにて一件落着!

いやぁぁぁ!なんで1日置くの!?カレーだと思ってるの!?今殺して今!!

 

ゴキブリとのバトル、再開♣︎

私はカバンのチャックを開けた。

ゴキブリはカバンから這い出て床に落下した。

そしてヨタヨタと、全盛期のスピードはどこにも見られないほどヨタヨタと、私の右足に登ってきた。かなりアルコール除菌スプレーが効いていたようだ。

だが、弱ったゴキブリの姿はまるで、命乞いをして私の足にすがっているかのようだった。

 

ゴキブリにも1つしかない命がある。それを奪うのは私としてもためらいが・・・
あると思ったか!?情で仕事をしくじるなんてプロ失格!依頼を100%達成してこそプロなのだ!

 

私はアルコール除菌スプレーなどを買った時にレジでもらったビニール袋でゴキブリを包み、握りつぶした。

レジのお姉さんも、まさか自分が渡したビニール袋がゴキブリの暗殺道具として使われるとは思っていなかっただろう。

こうして、今回こそはゴキブリ駆除に成功したのだった。

 

 

 

このゴキブリの死体はこちらで処理するから安心しなよ

あー!よかった!本当に助かった。ありがとう

報酬はいらないよ、君の気持ちだけで十分だ

・・・気持ち?

惚れた・・・だろ?頼んだら颯爽とやってきて、きちんとゴキブリを仕留めたこのオレにさ

いや、別に・・・だって、ゴキブリを駆除しに来た業者さんに惚れる?それが仕事でしょ?

あー・・・そうだよね・・・あっそうそう、これを部屋に置いておくといいよ。ゴキブリ見なくなるから

ブラックキャップ?マジで?

12個の容器を部屋中に置いてごらん。容器の中の薬を食べたゴキブリが死ぬと、その死体を食べたゴキブリも連鎖的に死んでいくんだよ。
君の家にいる40匹以上のゴキブリも死滅するよ

わかった!置いとくー!あっ、見送らなくていいよね?

あ、ああうん!ここで大丈夫!それでは僕は・・・さようなら

 

今回のゴキブリ駆除は終わった。

それと同時に、本当に駆除しなければならないのは、

この現代社会を生きる人間たちの、思いやり無き冷たい心そのものなのかもしれないとも思った。

慈悲なくゴキブリの命を奪う、ゴキブリハンターの私が、言えたことではないが。