私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ハンターハンター】クロロはクラピカの能力を盗もうとしていたのか?考察してみた!

全員がA級の賞金首である盗賊団・幻影旅団。

その旅団の団長であるクロロの念能力「盗賊の極意(スキルハンター)」は、複数の条件はありますが、「他人の念能力を盗み、自分のものにできる」という盗賊らしい能力です。

 

クロロは、一流の暗殺者であり、自分の命を狙いに来たゼノの能力を盗もうとするなど、意外とチャレンジャーな面も持ち合わせています(達成できませんでしたが)。

同じような形で、もしかしたらクロロは

クラピカの念能力も盗もうとしていたのではないか?

と思えるシーンがあったので、考察してみたいと思います。

 

 

 

「盗賊の極意(スキルハンター)」の特徴

まずはクロロの念能力「盗賊の極意(スキルハンター)」の特徴をおさらいします。

具現化した本に他人の念能力を封じ込め、自在に扱える特質系念能力です。

念能力を盗まれた人間は、その能力を使うことができなくなってしまいます。

 

盗むためには以下の条件をこなさなければなりません。

  • クロロが実際に相手の念能力を見る
  • 念能力についてクロロが質問をし、相手が答える
  • 相手の手のひらを、本の表紙に印字された手形に合わせる
  • これらを1時間以内に行う

さらに、クロロは右手に本を具現化し、能力を封じたページを開いていなければ能力を使えません(後述しますが、この制約は解消されました)。

そして、能力の元の持ち主が死んだ場合、本から能力が消えるので、使用できなくなります(例外あり)。

クロロはクラピカの能力を盗もうとしていた?

かなり強引になってしまうかもしれませんが、クロロがクラピカの能力を盗もうとしていたのではないか?と思わせるシーンがこちらです。

f:id:g913:20171118191920j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 13巻12P/冨樫義博)

クロロを捉え、車で逃走を図るクラピカ、レオリオ、センリツ。

後部座席でクロロに「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」を向けたクラピカに対して、クロロが質問をしたシーンです。

 

「盗賊の極意(スキルハンター)」の能力を盗む条件の中に、

念能力について質問し、相手が答える

というものがあります。

もし、このクロロの問いかけが、この条件に当てはまるとしたら、クロロはクラピカの能力を盗もうとしていたのではないかな、と私は思ったのです。

 

また、「相手が質問に答える」という条件以外にも、クラピカの能力を盗む条件を達成できる可能性は大いにありました。

クロロはクラピカの能力を見ている

まず「相手の念能力を見る」という条件について。

これは条件は、クロロは達成しています。

自分は囚われながらも、クラピカの能力を目視しているので、条件達成です。

 

クラピカを生け捕りにすれば手形も合わせられる

次に「相手の手のひらを本の表紙の手形に合わせる」という条件について。

クラピカは捉えたクロロと、旅団に囚われたゴン、キルアの交換をするという目的で動いており、一族の仇であるクロロを本気で殺すつもりはありませんでした。

一方でクロロはそれに気がつき、クラピカとの交渉には旅団全員で向かい、クラピカを襲撃するのがベストだと考えていました。

 

旅団全員がクロロの元に向かえば、クラピカの味方はレオリオとセンリツしかいませんので、まず敵わなかったでしょう。殺されたいた可能性さえあります。

 

もちろん旅団全員を一度に相手取る気はクラピカとしてもなかったはずです。だから交渉相手をパクノダ一人に絞りました。

もし旅団全員で来られた場合、クラピカは降参せざるをえません。

クロロがクラピカの能力を欲していたのならば、生け捕りにし、あとは捉えたクラピカを拷問、手のひらを本の手形に合わせれば条件クリアです。

タイムリミットもクリアできた

最後に、「盗む条件を1時間以内に行う」について。

これも達成可能でした。

 

クロロがクラピカにさらわれた時刻は夜の7時過ぎごろでした。

ベーチタクルホテルが停電し、ゴンとキルアが脱出を図った時ですね。作戦決行時刻は7時ちょうどでした。

f:id:g913:20171118192425j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 12巻134P/冨樫義博)

その後、クラピカが電話でパクノダをリンゴーン空港に呼び出し、クロロとゴン、キルアのトレード条件を言い渡した時間が夜の8時ごろ。

f:id:g913:20171118192542j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 12巻176P/冨樫義博)

もし、旅団メンバーが全員でクロロ救出にやってきたとして、8時までにクラピカを捉えることに成功していれば、「念能力を見る」「念能力について質問する」「相手の手のひらを本の手形に合わせる」の3つの条件を1時間以内にこなせた可能性があります。

タイムリミットもクリアできていたかもしれないんですよね。

 

 

 

クロロは「盗めたらラッキー」程度に考えていた?

上記の通り、クロロはクラピカの能力を盗む条件を達成できたと思います。

ただ、クロロとしてはクラピカの能力を積極的に盗もうとしていたわけではないとも思うのです。

 

クロロは誰よりも旅団存続を優先しています。

正直、クラピカに殺されたとしても、他の団員がクラピカを殺し、自分の代役を務めればいいと感じていたはずです。

その根拠は、センリツがクロロの心音を聞いた時、死を身近なものとして受け入れている音がしていたためです。クロロは最悪死ぬ覚悟でいました。

f:id:g913:20171118192859j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 13巻11P/冨樫義博)

それに、クラピカの能力を盗んだ場合、もしクロロが能力を使いたければクラピカを生かしておけなければなりません。

旅団の崩壊を狙うクラピカは、念能力を奪ったとしても、別の方法で旅団抹殺を企てる可能性は大いにあります(キルアとのコネがありますから、ゾルディック家に暗殺依頼をするなんてことも・・・?)。

だったら、能力を盗む以上に殺してしまった方がベストだと考えるのではないでしょうか?

 

クロロが一応質問したのは、捉えた人間を強制的な「絶」にする「束縛する中指の薬(チェーンジェイル)と、圧倒的な戦闘力を誇り、クロロも信頼していたウボォーギンを仕留めた「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」を目の当たりにして、能力の有用性を感じたということが一因にあるかもしれません。

 

ただ、当時のクロロとして、最優先だったのは旅団の存続ですので、あわよくば、盗もうと試みただけだと考えます。

「念能力についての質問」に値するのか?

クロロがクラピカにした質問は、

「それがウボォーを殺した鎖か?」

「ウボォーは最期に何と言っていた?」

でした。

これはクロロが能力を盗む条件である「念能力に関する質問」なのかというと微妙ですよね?

 

「ウボォーを殺した鎖か?」は能力に関する質問になるかもしれませんが、「ウボォーは最期に何と言っていた?」は能力に関する質問ではないですよね。

ウボォーギンに関する質問です。

 

多分、念能力に関する質問というのは、クロロが能力を盗んだ時に扱うための「マニュアル」みたいな質問のことを指すのではないかなと思います。

系統や能力の特徴、制約などを聞いて、クロロが能力を使うときのマニュアルにするのではないかと。

 

もしクロロの質問にクラピカが答えてくれるようであれば、次第に能力の特徴に関する質問へとシフトしていったのかもしれませんが、クラピカは「覚えていない」と断ってしまったので、おそらく「念能力に関する質問をし、相手が答える」という条件はクリアしていないと考えるべきでしょうね。

 

さらに可能性を考えると、クラピカの能力は指の数、5つあります。

もしかしたらクロロが能力を盗もうとしたら、すべての能力を見て、質問をし、クラピカが答えなければならない可能性すらあります。

クロロが車中で能力すべてを聞き出すのは難しかったと思います。クラピカが怪しむでしょうからね。

質問の意図

いやいや、もっと単純に考えていいような気もしてきました。

クロロはクラピカの能力を盗もうとするより、クラピカを挑発して、

自分を殺して仇討ち達成を優先するのか、仲間の救出を優先するのか

を図っていただけと考えるのが自然ですかね。

f:id:g913:20171118193342j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 13巻13P/冨樫義博)

クラピカが質問に答えるか否かは問題ではなく、クラピカを煽るために話しかけたのでしょう。

旅団関係になるとかなりブチ切れやすくなてしまうクラピカですが、冷静になりクロロの誘いに乗らなかったことで、クロロは「自分は殺されることはないので、クラピカの交渉には乗らず、旅団全員で襲撃すれば状況を打開できる」と確信しました。

 

 

 

結論:盗むことはできたが、そのつもりはなかった

ということで、今回の結論として、

クロロはクラピカの能力を盗めたかもしれないが、旅団存続及び状況打開の糸口を探るため、クラピカをけしかけただけ

だと考えました。

作中の描写通りって感じですね。深読みしなくてもいいのではないかと。

 

タラレバの話と言いますか、そもそもパクノダが一人でクラピカと交渉しに来てしまった段階で クラピカを生け捕りにできず、盗む条件の「手のひらと手形を合わせる」がまず達成不可能だったので、能力は盗めませんでしたけどね。

クラピカも質問には答えてくれませんでしたし。

 

今回の考察はあくまで可能性の話であり、クロロとしても積極的にクラピカの能力を盗もうとは考えていなかったのではないかと思います。

 

当時のクロロは右手で本を開いていなければ盗んだ能力を発動できませんでしたので、右手に鎖を具現化するクラピカの能力を盗めたところで、非常に使いにくかったでしょうね。

ヒソカ戦で使った「栞のテーマ(ダブルフェイス)」があれば本を閉じたままでも能力が使えますので、鎖も使えるようになったとは思いますが。

かなり有用な能力が多いクラピカの鎖ですが、「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)」は旅団にしか使えない能力なので、クロロが使えるようになったとしても無用だったかもしれませんが。

暴走しがちなノブナガを止める時に役立つかな?