これまで私は、数百記事ほどハンターハンターに関する記事をブログに書いてきました。
なぜこんなに書けたかというと、ハンターハンターという作品には「強そうだったけどいつの間にか死んでいたキャラ」が多数登場し、それぞれが奇妙な魅力を放っていたからだと思います。
そこで今回は、ハンターハンター作中に登場した
強そうだったけどいつの間にか死んでいた人6選
を紹介したいと思います。
- 「強そうだったけどいつの間にか死んでいた人」って?
- ジスパー(ジズパ)
- ブシドラ=アンビシャス
- 東ゴルトー宮殿の人
- 残りの陰獣
- 団長の手刀の見逃さなかった人の隣にいた刺青の人
- 団長の手刀を見逃さなかった人
- ハンターハンターには魅力的な脇役がいっぱい
「強そうだったけどいつの間にか死んでいた人」って?
今回の記事は、かなり主観的な基準でキャラを選出しています。
まずどんな基準で選定したのかを共有しておいた方が読み進めやすいでしょう。
強そうだったけどいつの間にか死んでいた人とは、
登場するまで評価が高かったり、強キャラ感があったりしたのに、戦闘描写なく(死亡シーンなく)退場した人
としています。
いわゆる「噛ませモブキャラ」たちのことです。
メインキャラの強さを引き立たせるための犠牲になった6名…
この6名の活躍と散り樣をここに記し、後世にまで語り継いでいければと思います。
ジスパー(ジズパ)
初登場:グリードアイランド編
やられた相手:ゲンスルー
グリードアイランドには、数多くのプレイヤーを巻き込んでクリアを目指していた、通称・ハメ組と呼ばれるチームがありました。
このハメ組にいたメンバーの一人がジスパー。
ジスパーは、数十人いたメンバーの中でもっとも戦闘力が高かったようです。
それゆえ、ジスパーがゲンスルーに返り討ちにされたことは、残されたメンバーたちに絶望を与えました。
ゲンスルーの能力「一握りの火薬(リトルフラワー)」で顔面を爆破されたジスパー。
爆破されたと直後は息がありましたが、深刻な火傷げ原因で死亡しました。死亡シーンはカットされてましたね…
結局、ジスパーの能力や念系統などは謎のまま。
ただ、ゲンスルーの背後を一瞬で取ったことから、スピードを武器に戦うタイプなのではないかと予想できます(強化系ですかね?)
さらに、場面によって呼ばれ方が「ジスパー」だったり「ジスパ」だったりと安定していませんでした。
数年一緒にやってきた仲間から名前を正しく呼ばれていないとしたら、悲しすぎますね。
一緒のクラスになったけど1回も話したことない子でも、1年間同じ環境で過ごしてたらさすがに名前は覚えますよ。
そんなこんなで、ジスパーは念能力も名前も死に様もわからないという、作中屈指の謎キャラになってしまいました。
関連記事:【ハンターハンター】もしゲンスルーがコミュ障だったら「命の音(カウントダウン)」の威力上がりそうだよね?
ブシドラ=アンビシャス
初登場:新会長選挙編
やられた人:ヒソカ
ブシドラはハンター協会の風紀員と称され、ハンター十ヶ条の改定を提唱してきたプロハンターです。
これまでのハンター協会のルールには問題があるとして、変えようとしていたんですね。
シングルハンターにして賞金首ハンターという、かなり実力のありそうな武闘派っぽい肩書きを持っています。
そして新会長選挙中に、かつてネテロが所属していた「清凛隊」を再結成。実行部隊の隊長として悪事を働くイルミ&ヒソカを追いかけました。
しかし、この素晴らしく強そうな経歴からは想像もつかないほど恐ろしいスピードで死亡。
戦った相手がヒソカだったとはいえ、戦闘シーンなくあっさり退場したので悲しさを感じる間すらありませんでした。
その後「自分はサポートタイプで強いとも思っていない」と自称していたモラウに「清凛隊名乗ってんじゃねー!弱いくせに!」非難される始末。
ブシドラは悪事を働くハンターを取り締まろうとしていたわけで、とても正義感の強い男だったんです。
でも、ハンターハンターの世界ににそんな正義感はいらないんですよね…
だって作中トップクラスの人気キャラが殺人鬼だったり暗殺者だったり、盗賊団だったりするんですもの。
関連記事:【ハンターハンター】賞金首(ブラックリスト)ハンターと殺し屋の違いを考える
東ゴルトー宮殿の人
初登場:キメラ=アント編
やられた人:メルエム
女王蟻の元から抜け出したメルエムと護衛軍たちがたどり着いたのが、東ゴルトー宮殿。
道中、メルエムは食べると美味しい人間「レアモノ(=念能力者)」を探していましたがなかなか巡り会えませんでした。
そんな時に現れたのが、この東ゴルトー宮殿の人。
おそらく宮殿で護衛を務めていた兵士だと思われます。名前のないモブキャラです。
彼から溢れ出るオーラを見たメルエムは、レアモノだと確信。
戦いに発展する…かと思いきや、次に彼が登場した時は、メルエムに頭を丸かじりされ、息絶えた状態でした。
本当にあっさり退場したものの、食後のメルエムがこれまでにないほどパワーアップを実感していたところから、かなり強かったんじゃないかなと思います。
しかし本当に注目すべきは、この東ゴルトー宮殿の人のメンタル!
メルエムと護衛軍は、同族であるキメラ=アントの師団長たちですら恐れるほどのオーラを放っていました。もちろんこの恐怖は人間にとっても同じ。
生まれたばかりのピトーを見たゴンとキルアは、完全に威圧されてしまいました。
そして、プフの円に近づいたノヴはメンタルブレイク。最終的にハゲあがってしまいました。
こんな怪物4体を目の前にしても、恐れるどころか好戦的だった東ゴルトー宮殿の人。
少なくとも彼のメンタルは、作中最上位クラスの強さだったのではないでしょうか。
関連記事:【ハンターハンター】シャウアプフも人間を食べていたのか?
残りの陰獣
初登場:ヨークシンシティ編
やられた相手:幻影旅団(フェイタン、マチ、シズク、シャルナーク、ノブナガ?)
マフィアンコミュニティのトップ・十老頭が抱える実行部隊「陰獣」。
10人のメンバーのうち能力が明らかになったのは蚯蚓、蛭、豪猪、病犬、梟の5名でした。
残りの5名は満月をバックに颯爽と登場し、幻影旅団を見て「脆そうだぜ」などと煽りましたが、戦闘シーンもなく全滅。
この時にいた旅団メンバーはノブナガを除くと見た目が若いメンツばかりだったので、脆そうに見えちゃったのかもしれません。
この残りの陰獣たちは、風格だけ見るとウボォーに殺された4人より強そうなんですよね。
でも、ウボォー1人に陰獣4人がかりでも勝てなかったのだから、旅団と陰獣の頭数がほぼ同じ状況で戦って、どちらに白旗が上がるかと言えば…火を見るより明らかです。
ちなみに私はハンターハンター原作初見の時、左手前に顔半分だけ写っている老人のような陰獣に気づきませんでした。
岩のところをよく見たら人の顔があって「うわぁっ!」って叫んだのは、小学5年生の時のいい思い出です。
関連記事:【ハンターハンター】陰獣の蚯蚓はなぜ服を着ていなかったのか?
団長の手刀の見逃さなかった人の隣にいた刺青の人
初登場:ヨークシンシティ編
やられた相手:クロロ
幻影旅団抹殺のためにマフィアが集めた殺し屋集団。その中にいた男の1人が、団長の手刀を見逃さなかった人の隣にいた刺青の人です。
スキンヘッドとロン毛という相反する髪型を内包する頭。目元にまで入った刺青。
1度見たら2〜3日は忘れられないほど印象に残ります。
しかし、そんな彼もモブ。
戦闘描写など一切なく、クロロに殺害されてしまったようです(旧アニメ版だと殺害後のシーンだけありましたね)。
そのため、どれほど強かったのかはわかりません。
クラピカ曰く「ゼノとシルバになんとか対抗できそう」なレベルだったとか…
しかし、ゼノ自身がクロロを「自分と似たような強さ」と評価していたことを考えると、クロロに瞬殺された彼は、対抗できるどころか足元にも及んでいない気がします。
…あの時のクラピカは、念を学んでまだ半年くらいでしたからね。
ちょっとだけ実力を測り違えてしまったのでしょう。
関連記事:【ハンターハンター】団長の手刀を見逃さなかった人の隣にいた刺青の人の強さはどれくらい?
団長の手刀を見逃さなかった人
初登場:ヨークシンシティ編
やられた相手:クロロ
最後に紹介するのは、私がハンターハンターにどハマりするきっかけになったこのキャラ、団長の手刀を見逃さなかった人。
作中で最も知名度の高いモブキャラではないでしょうか。簡単に彼の経歴も紹介しておきます。
先ほど紹介した、団長の手刀を見逃さなかった人の隣にいた刺青の人、の隣にいたのが団長の手刀を見逃さなかった人です。
マフィアが雇った殺し屋の1人で、やはりクラピカから「ゼノとシルバになんとか対抗できそう」というガバガバ評価をもらっていました。
ナイフを武器にしていたところまでは描写がありましたが、どんな念を使うのかなどは一切不明。
クロロによって始末されてしまいました。
一匹狼タイプ
団長の手刀を見逃さなかった人は、自分ひとりで任務を遂行する一匹狼タイプな面があるようです。
殺し屋たちが集められた部屋では、連携を取るために「色」でコードネームを決めようとしていました。
しかし、団長の手刀を見逃さなかった人は「別にいいじゃん、呼び名なんて。だって呼ぶことなんてないもん」と提案を一蹴。
さらに、幻影旅団相手に単独で戦うのは危険と判断する中、団長の手刀を見逃さなかった人は他の殺し屋と協力することを拒否。
このことから、馴れ合うのをあまり好まない性格をしているのが伺えます。
単にゼノ、シルバ、クラピカ以外の殺し屋たちが低レベルだったため、手を組む意味はないと判断した可能性もありますが。
「なぜ団長の手刀を見逃さなかった人」と呼ばれるようになったのか
色のコードネームもつけずゼノ、シルバのように本名も名乗らなかったことから「団長の手刀を見逃さなかった人」と仮の名前がつけられている彼。
こう呼ばれるようになった理由は、本編を読んだ方ならご存知でしょう「クロロの手刀シーン」です。
肉眼では見えないほど素早い手刀でネオンを気絶させたクロロ。その様子を監視カメラ越しに見ていた団長の手刀を見逃さなかった人は、
「ちょいあんた、その画面巻き戻せるか?…そこからだ!
恐ろしく速い手刀、オレでなきゃ見逃しちゃうね。
本気で打てばあの女の首くらいわけなく落とすだろう
信じられねぇほどの上玉だ。久しぶりに血が騒ぐぜ。オレの獲物だ…!」
と、カメラにわずかに映った手刀を見切り、クロロをターゲットとして認識しました。
このシーンがあまりにも印象的だったので、ネットを中心に「団長の手刀を見逃さなかった人」と呼ばれるようになったのでした。
血の匂いを嗅ぎつける殺人中毒者
団長の手刀を見逃さなかった人にとって、クロロとの戦いは任務よりも自分の快楽の方を優先していたと思います。
クロロがあえて用意した誘いに乗った団長の手刀を見逃さなかった人は、2ヶ月ぶりに行く大好きなラーメン屋さんに向かっている時のようにウキウキでした。
「匂う!匂うぞ…血の道しるべ
わざと垂らしそして拭く
同類にのみわかる程度に香るように
仲間だお前は…オレと同じ…殺人中毒者」
殺しに快楽を見出している人間にのみわかるのでしょう、かすかな血の匂い。
あくまでも仕事として殺しを請け負っているだけで、快楽を見出していないゼノなどは、血の道しるべに反応しないのかもしれません(ターゲットの居場所を突き止める痕跡にはなりますが)。
団長の手刀を見逃さなかった人は「殺し屋」というよりはヒソカのような「快楽殺人鬼」に近いのかもしれません。
クロロは快楽殺人鬼たちからすると大好物なんでしょうね。
ちなみに、旧アニメ版だとヒソカと団長の手刀を見逃さなかった人の中の人は同じ声優さんです。
無駄のない死を迎えた
ヒソカは数年もクロロとサシで戦う機会を伺っていましたが、団長の手刀を見逃さなかった人はものの数十分ほどでクロロと交戦。
しかもクロロの方から誘い出し、何もトラップすら仕掛けていないという最高の状況で戦えました。
結果はもちろん敗北。
クロロの念能力の1つ「密室遊魚(インドアフィッシュ)」によって体が引き裂かれ、能力が解除されたと同時に死亡しました。
クロロが傷ひとつ負っていなかったことを考えると、手も足も出なかったのだと思います。
そして団長の手刀を見逃さなかった人が死に際に放った一言は、
「あ…」
でした。
無駄な言葉を発する事なく、かといって黙ることもなく。ただ一言発し、自分が生きてきたことだけはアピールして死ぬ。
なんと見事で美しいのでしょう。死に無駄がない。
「流儀も考え方も合わないやつと組んでも無意味」という彼の考え方がこの「あっ…」に集約されているとすら感じます。
私も死ぬ前最後の言葉は「あ…」にしようとすら思いましたが、2秒でやめました。
関連記事:【ハンターハンター】団長の手刀を見逃さなかった人のコスプレがいまいちピンとこない件
ハンターハンターには魅力的な脇役がいっぱい
ハンターハンターには魅力的なキャラがたくさん登場しますが、特に私が好きなのが今回紹介した脇役…というか名も無きモブキャラ達です。
しかも、登場した段階ではかなり強そうに見えるのにあっさり死んだキャラ達は、そのギャップから強く印象に残っています。
冨樫先生はこういうキャラの演出がめちゃくちゃうまいと思うんです。
特に団長の手刀を見逃さなかった人のシーンなんて、見事すぎてこの記事でも紹介に熱が入っちゃいました。他のキャラの5倍くらい文字数あります。
決して文字数稼ぎではないんです。愛です、愛。愛のせいで文章が伸びすぎちゃいました。
連載は途切れ途切れではありますが、今後のハンターハンターでも、強そうだったけどいつの間にか死んでいた魅力的な人がたくさん登場してくれることを願います。