マフィアンコミュニティーが誇る武闘派集団で、幻影旅団と死闘を繰り広げた陰獣(いんじゅう)。
登場期間こそ短いですが、衝撃的なビジュアルと見事な咬ませ犬っぷりが深く印象に残るキャラクター達です。
そんな陰獣のメンバーとその強さ、魅力を紹介しようと思います。
この記事を読んでいるアナタはきっと根っからの陰獣ファンのはず。
最後まで読めば、陰獣のことを今までの4倍好きになれることでしょう。
陰獣とは
6大陸10地区をナワバリとするマフィアの大組織よって構成されるマフィアンコミュニティー。
そのトップに立つ10人のメンバーは「十老頭(じゅうろうとう)」と呼ばれます。
十老頭はそれぞれの組から1名ずつ武闘派を選出し、実行部隊を結成させています。
その部隊こそが「陰獣」です。
陰獣は十老頭の指示に従って動き、コミュニティーに危険が及びそうな場合の対処などを行なっています。
作中では、オークションを襲った幻影旅団の始末を担当しました。
陰獣のメンバーは、見た目や能力に応じてジメジメした所に住んでそうな動物のコードネームがつけられており、全員が念能力者だと思われます(描写があったのは蚯蚓、病犬、豪猪、蛭、梟のみ)。
ウボォーギンの戦い方を見て「ただのコソ泥ではない」と気づくなど、念能力者としてそこそこレベルの高い使い手だったようです。
しかし、いざ戦ってみると旅団との実力差は歴然。
ウボォーギン、フェイタン、マチ、シズク、シャルナーク(捕まっていましたがノブナガ)によって、壊滅させられました。
その後、陰獣という部隊そのものがどうなったかは不明です。
十老頭はイルミによって殺害されてしまったので、陰獣も解体となってしまったのか……
あるいは、後任の十老頭が新たに陰獣を組織したのか……
気になりますが、作中では大して重要なことでもないので、今後描かれることはないかと思われます。
陰獣のメンバー紹介
次に、陰獣のメンバー10人を紹介します……が、10人のうち半分は名前も能力も不明です。初登場のシーンが最後のシーンになりました。
詳細不明なメンバーについても触れますが、情報が判明している5人を中心に紹介します。
蚯蚓(みみず)
海パン姿の大男。
幻影旅団でもっとも身長の高かったウボォーギンと同じくらい(2m台後半)の長身だったと思われます。
「ほぼ全裸に近い状態で戦っているけど変態ではない」と断言したいところですが、変態かどうかわかる前にお亡くなりになりました。
地中を自由に動く能力を身につけており、その名の通り蚯蚓のような見た目と動きをしています。
地中からニュルニュルと出てくる姿は、直視したらトラウマになりそうな不気味さがありました。
そんな蚯蚓ですが、かなりのパワーの持ち主です。
「戦車もオシャカにするスーパーバズーカ」を食らっても大したダメージにならなかったウボォーギンが、蚯蚓のパンチを顔面に食らった際は「効いたぜ」とコメントしていました。
鋼の肉体を持つウボォーギンに通用するパワーを持っていたということになります。
また、蚯蚓がウボォーギンを地中に引きずりこもうとした際は、ウボォーギンの身動きを完全に封じるほどのパワーを見せました。
おそらく、自身の体を強化する「強化系」の念能力者だったと思われます。
蚯蚓は、ウボォーギンと戦闘した4人の中では接近戦を得意としているタイプだったようです。
蚯蚓が接近戦でターゲットの動きを封じた後、他の3人が始末するという連携を得意としていたのではないでしょうか。
最終的に蚯蚓は、ウボォーギンの「超破壊拳(ビッグバンインパクト)」が直撃し死亡。
生き絶える前に応援を呼ぶなど有能さを見せましたが、幻影旅団が相手では陰獣を何人集めても結果は同じでした。
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病犬(やまいぬ)
ツンツンヘアーで細身の男性。
陰キャっぽいメンバーが多い陰獣の中では、ややチャラそうでした。
陰獣の中では陽キャだったことでしょう(偏見)。
素早い動きで敵を翻弄し、牙でダメージを与えるのが得意戦法。
牙は念によって鋭く尖り、ウボォーギンの肉体を引き裂くほどの攻撃力を持っていました。
病犬も蚯蚓と同じく強化系だった可能性が高いです。
山犬のように牙を武器にすることから病犬というコードネームをつけたのでしょう。
病は……牙に仕込んだ毒のことでしょうかね。
巨体のウボォーギンが動けなくなるほど強力な神経毒が仕込んでありました。
神経毒ではなく致死性の毒にしておけば敵を倒すのも容易だったのでしょうが、シャルナーク曰く「拷問好き」だから神経毒にしていたとのこと。
病犬が拷問好きかはわかりませんでしたが、ウボォーギンとの戦いに関しては、オークションに来ていた客と警備員の行方を尋問する必要があったので、神経毒を使ったのだと思われます。
牙に毒を仕込んであるなら、食事中に口の中を噛んでしまった時、病犬自身に毒が回らないか心配です。
毒に加えて口内炎までできてしまったら気分最悪。いや、最悪な体調になるでしょう。
そうならないように訓練していたのかも……?さすがは陰獣ですね。
病犬は、ウボォーギンが口から発射した蛭の頭蓋骨に頭を貫かれて最期を迎えました。
オーラをまとえば防げた可能性もありましたが、まさか頭蓋骨が飛んでくるとは思わなかったのでしょう。あっけない最期となりました。
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豪猪(やまあらし)
小柄で丸顔、ジャージ姿の可愛らしいご当地キャラクターのような男性(おそらく)です。
「〜なんだな、うん」というクセの強い喋り方も特徴的。
豪猪は、体毛の長さや強度を自在に操る能力を持っていました。
その名の通り、ヤマアラシの針のような能力です。
「操作系」の能力者だったと思われます。
ウボォーギン戦では、ウボォーギンの右腕に体毛を使って絡みつくことでパンチを封じました。
蚯蚓を殴った時も、「超破壊拳(ビッグバンインパクト)」を繰り出した時もウボォーギンは右腕を使っていたので、利き腕は右だった可能性が高いです。
それを見て、豪猪は右腕を封じようと思ったのでしょう。
一見すると腕にぶら下がっていただけでしたが、きちんと役に立っていたのです。
豪猪は体毛を操ることで弾丸なども防御できるようですが、ウボォーギンの大声による「音の弾丸」は防げず死亡しました。
大声で人が死ぬのでしょうか……?いや、それだけ大きな音を出せるウボォーギンが規格外すぎますね。
ウボォーさん、聞こえますか?音の弾をクラピカにやれば貴方は負けなかったのです。
……豪猪の魅力を伝えるつもりが、ウボォーギンの魅力を伝えてしまいました。
蛭(ひる)
一見すると小太りな普通のおじさん。
しかして実体は、体内に大量の蛭を飼っている小太りな普通のおじさんです。
シャツとジーパンにスニーカーの蛭おじさん……
なぜ陰獣たちはそろいもそろって「ちょっとコンビニ行ってくるわ」と言い出しそうなファッションに身を包んでいたのでしょうか。
確かに身動きは取りやすそうでしたが……あ、蚯蚓は外に出たら職質されてしまいそうなファッションだから例外でしたね。失礼しました。
蛭は体内に無数の「ヒル」を飼っており、そのヒルを使って敵を攻撃する能力者でした。
中には治療に使えるヒルもいるそうです。
動物を操る「操作系」の能力者だったのでしょう。
「蛭を持ち歩くだけなら、念能力にしなくてもいいのではないか?」と思ってしまいますが、きっと蛭には何か事情があったのだと思われます。察してあげてください。
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作中では、ウボォーギンの傷口から「マダライトヒル」を入れ、「オシッコと一緒に何億ものヒルの赤ちゃんが飛び出す痛みで殺す」という遠回り過ぎる攻撃方法を選んでいました。
攻撃というより、ウボォーギンを脅して拷問するためだったのかもしれません。
人間の膀胱に産み付けられたマダライトヒルの卵は、アンモニア濃度が安定した環境でないと孵化できません。
オシッコをどんどん出してアンモニア濃度を下げると、孵化しないまま痛みを伴わず体外に排泄されます。
シャルナークの謎のヒル知識によって、ウボォーギンはマダライトヒルに殺されずに済みました(シャルナークはヒルハンターの可能性が微レ存)。
割とウボォーギンを追い込んだ蛭でしたが、油断した瞬間に頭を噛みちぎられて死亡。
さらに、ウボォーギンから「不味いな…ゲテモノは美味と相場は決まっているもんだが…」という残念な食レポをされてしまいました。
かなり悲惨な最期だったと言えます。
梟(ふくろう)
ギョロっとした瞳とサングラスが特徴の大柄な男性。
梟という名前は、彼の目の大きさと、能力が「袋(風呂敷)に包む」ことからつけられたのではないかと思います。
陰獣の中では最初に登場したメンバーです。
フェイタン、シズク、フランクリンがオークション会場を襲撃する直前に競売品を別の場所に移動させたのが梟でした。
競売品の移動に役立ったのが念能力「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」。
具現化した風呂敷で物を包むと見る見る小さくなり、ポケットに入るサイズにまで縮小させます。
この能力で、25平方メートルほどの金庫にギッシリ入っていた競売品を全て運び出しました。
梟はフェイタンの拷問でボコボコにされた後、能力をクロロに盗まれてしまいました。
クロロからしても、その名の通り便利な能力だと感じたのでしょう。
また「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」は生きた人間を包み込むことも可能です。
梟は車に乗ったノブナガを風呂敷で包んでしまいました。
クロロも、ゼノ・シルバ戦で「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」を発動。失敗しましたが、2人を生け捕りにしようとしていました。
物を縮小・格納するという能力は、シズクの掃除機「デメちゃん」に似ています。
しかし、デメちゃんは生きた人間を吸い込むことはできません。
「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」は、このような面でもかなり応用性の高い能力だったと思えます。
フェイタンに拷問された後、梟がどうなったのかは不明です。
クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)」は、盗んだ能力の元の持ち主が生きていないとその能力は使えません。
そのため、拷問されてしばらくは生きていたと思われます。
ただ、ひどく傷つけられていたようなので今はもう息絶えている可能性も……
クロロがまた「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」を使ってくれれば、生きていることになるのですが…‥
梟は陰獣の最後の希望です!!!!
関連記事:【ハンターハンター】陰獣の梟はなぜノブナガを殺さなかったのか?
その他のメンバー
ここまでに紹介した5人以外のメンバーは、作中で何の深掘りもなく退場となりました。
見た目だけの紹介となりますが、
- めっちゃ寄っているおじいちゃん(イラスト左)
- 異様なセンスの服を着てる人(イラスト右)
- イケメン(イラスト真ん中あたり)
- ちっちゃすぎてよくわからない人(イラスト右上)
- 飛んでいる人(イラスト上)
唯一、異様なセンスの服を着ている人は、
「何だこいつら!?本当にこれがあの幻影旅団かよ、もろそうだぜ」
というコメントを残しています。
咬ませ犬になることが運命付けられているセリフです。
残念なことに、もろかったのは陰獣の方でした‥‥
あまりにも情報がないので深掘りしようもないのですが、強いて考察するならば、
飛んでる人のコードネームはたぶん「蝙蝠(コウモリ)」!!
陰獣は強かったのか?
登場した際は幻影旅団クラスの力があるのかと思いきや、あっけなく倒されてしまった陰獣。
彼らは強かったのか弱かったのか……微妙なラインです。
幻影旅団はプロハンターの中でも上位でなければまともに戦えない超人集団。初戦の相手としては悪すぎました。
しかし、陰獣が戦闘を得意とする念能力者たちだったと考えると、人類全体で見ればそれだけで超人的な強さを持っていることになります。
念能力はごく一部の人間しか知らない力。ハンター試験の受験生や、天空闘技場の参加者の大半が念を知らない一般人でした。
念能力者の攻撃を非念能力者が受けた場合、最悪死ぬか重傷。天空闘技場にいたサダソ、ギド、リールベルトの体が物語っていましいた。
そんな攻撃力を持っている念能力者は、一般人とは比較になりません。
陰獣も充分に超人レベルの強さだったと言えるでしょう。
ただ、陰獣が所属したいたマフィアンコミュニティーには、念能力の鍛えるノウハウはなかった様子。
裏ハンター試験のような師匠に教えてもらえる環境でもなかったでしょう。育成機関ではないので当然と言えば当然です。
陰獣は念の基本をある程度覚えた後は、ほぼ独学で鍛えたのだと思われます(あるいは最初から独学)。
つまり陰獣の強さは、
一般人より格段に強いけど、高いレベルで念を扱う能力者には勝てない
という感じでしょうか。
具体的に例を挙げるなら、天空闘技場200階クラスの闘士たちと同じくらいではないかと思います。
カストロあたりといい勝負をしそうな感じです。
カストロは念を独学で身につけて、ヒソカを負傷させるレベルまで強くなりましたが、遊び殺されました。
幻影旅団の強さがヒソカと同水準だったと考えると(キルア談)、陰獣の健闘具合もカストロと同じくらいだったように思えます。
関連記事:【ハンターハンター】カストロと陰獣が戦ったらどちらが強いのか?
高い前評判から全滅するまでの見事な咬ませ犬っぷり
幻影旅団によって全滅させられた陰獣。
私は陰獣の大ファンなので悲しいのですが、これでいいのです!
彼らはあっけなく全滅するからこそ魅力が光るキャラクターでした。
陰獣がやられるまでの前評判の高さはなかなかのもの。
- マフィアンコミュニティーが誇る武闘派集団
- A級首の幻影旅団に警戒される
- ウボォーギンの強さを目の前にしても余裕
- 4対1でしたがウボォーギンを追い込む
- フェイタン、マチ、シズク、シャルナークを前にしても「もろそうだぜ」発言
これだけ強そうな感じを見せたのに、半数以上が描写もなく幻影旅団に倒された……
立てに立てまくった敗北フラグを全て回収!!
完璧なほどの咬ませ犬っぷり!!
これが最高!至高!崇高!
幻影旅団の強さを読者に伝えることこそが、陰獣の最大の仕事だったわけです。
それを見事にやってのけた陰獣。魅力を感じずにいられません。
脇役の活躍あってこそ、メインキャラの良さが引き立ちます。
やはり陰獣はハンターハンターに欠かせない存在です。