私の名前はジロギン。
私が幼稚園生の頃『ポケモン』が大ヒットし、当時は周りの子たちの話題もポケモン一色でした。
流行は日本だけでなく世界的なものになり、今でも人気の作品です。
「将来リザードンになりたい」と言っていた同級生もいました
私は特にゲームにハマりました。
初代〜金・銀バージョンまでを取り憑かれたように遊んでいた記憶があります。
とても楽しい思い出ですが、忘れられない怖い記憶もあるのです……
それがゲーム内で登場するシオンタウン。
設定やBGMが不気味で、この街に関しては怖い思いをしていました。
どうやら私だけでなく世界中の人々が同じように感じていた様子。
その恐怖心からか、シオンタウンにまつわる怖い都市伝説までささやかれています。
そこで今回は、シオンタウンの都市伝説4つを紹介し、なぜ噂が生まれたのかそれぞれ考察していきます。
シオンタウンとは
出典:ニコニコ大百科
ポケットモンスターのゲーム内に登場するカントー地方にある街です。
イワヤマトンネルを抜けた先にあり、3〜4つ目のジムをクリアする間に訪れることになります。
シオンタウンという名前の由来は「紫苑(しおん:くすんだ青紫色)」とされており、街の説明も
「ここは シオンタウン シオンは むらさき とうとい いろ」
となっています。
「紫苑」は実在する花の名前です。仏様にお供えする花(仏花)として知られています。
街の名前に仏花の紫苑が使われているのは、シオンタウンにある「ポケモンタワー」に関係しているのでしょう。
ポケモンタワーはポケモンたちの墓地であり、中には死んだポケモンのお墓が多数。
さらにゴーストタイプの野生ポケモンや、悪霊に取り憑かれたようなポケモントレーナーが出現します。
ゲーム内のホラー要素として、シオンタウンおよびポケモンタワーはとても有名になりました。
ポケモンタワーが墓地なのは初代版だけであり、初代から3年後が舞台となる金・銀版ではラジオ塔になっています。
大量にあったお墓はどこに行ったのでしょうか……ゾッとしますね。
怖いBGMが子供たちのトラウマに
シオンタウンの何が怖いかといえば、街に入ると流れるBGMです。
※トラウマ注意
言葉に表せない不気味なBGMが流れ続け、当時のプレーヤー、特に子供たちのトラウマになりました。
私も初代版のポケモンをプレイした時、シオンタウンにはなるべく入りたくなかった記憶があります。
どうしても入らないといけない時は、入った瞬間に自転車に乗ってBGMを切り替えていました。
軽快な音楽になるとホッとしましたね。
ポケモンタワーの設定や不気味なBGMが理由なのか、シオンタウンには恐ろしい都市伝説がいくつか存在しています。
次の4つを紹介します。
- シオンタウン症候群
- ライバルのラッタは死んでしまった
- 3つの6
- 生き埋めにされた人とバトル
都市伝説1:シオンタウン症候群
ポケモンのゲームを遊んでいた7〜12歳の子供たちが自殺を図ったという都市伝説です。
その数は200人以上にのぼったとされています。
自殺を図った子供たちはゲームをシオンタウンまで進めていたという共通点があり、シオンタウンのBGMに何らかの原因があるのではないかと噂されました。
自殺を図らなかったものの激しい頭痛を訴えた子供もいて、症状が病気のように伝播したことから「シオンタウン症候群」と名前がつけられました。
シオンタウンは、海外では「ラズベリータウン」という名前のため「ラズベリータウンシンドローム」とも呼ばれます。
原因はシオンタウンのBGMに含まれていた子供にしか聞こえない高音。
発売直後の「ポケットモンスター赤・緑版」のみこの高音が含まれていて、それを聞いた子供たちに不可解な症状が見られたようです。
発覚後、以降のゲームソフトではBGMの高音が低い音に変更されたと言われています。
恐ろしすぎる「シオンタウン症候群」ですが都市伝説に過ぎず、子供が大量に自殺したという事例も確認されていません。
つまりガセネタである可能性が非常に高いです。
事実だとしたらもっと大問題になっていたでしょうし、ゲームの音を変えるという対処だけでは済まないように感じます。
なせ噂が出回ったのか考察
シオンタウン症候群の「たくさんの子供たちが激しい頭痛を訴える」という症状は、「ポケモンショック」に似ています。
ポケモンショックとは、1997年12月16日に放送されたポケモンのアニメを見た子供たちが体調不良を訴え、700人近くが病院に運ばれた事件です。
アニメ内で激しい光の点滅を使用したシーンがあり、これを見た子供たちに頭痛や吐き気などが見られました。
シオンタウン症候群はポケモンショックより後に出回った噂のため、ポケモンショックを元に作られた都市伝説ではないかと思われます。
世界的に報じられたポケモンショックと、子供たちのトラウマであるシオンタウンのBGMが合わさった、インパクト抜群の都市伝説と言えるでしょう。
余談ですが、私はポケモンショックが起きたアニメ放映回を見ることができませんでした。
この回には「ポリゴン」というポケモンが登場したのですが、ポリゴンはゲームだと入手が難しく、子供だった私にとってまずお目にかかれない超レアポケモンでした。
しかしこの日、ポケモンの放映時間に私は家族と外食することに。
泣きわめいて「ポケモンを見せろ」と要求しましたが、願いは叶いませんでした。
帰ってきてテレビをつけると緊急ニュースが流れており、ポケモンショックについて報道されていたのを覚えています。
私もアニメを見ていたら、何らかの体調不良を引き起こしていたかもしれません。
都市伝説2:ライバルのラッタは死んでしまった
ポケモンのゲームでは主人公のライバルが登場し、各地でポケモンバトルを挑んできます(ライバル戦)。
このライバル戦がポケモンタワー内でも発生します。つまりライバルがポケモンタワーに立ち寄っているのです。
そのことから、ライバルのポケモン(ラッタ)は死んでしまったという都市伝説が流れました。
ライバルはラッタ(進化前はコラッタ)というポケモンを持っており、ポケモンタワーまでは戦いに必ず参加させていました。
しかしポケモンタワーでの戦いから、このラッタがライバルの手持ちポケモンから外されているのです。
- 死んだポケモンが眠るポケモンタワーにいたこと
- ラッタが手持ちからいなくなり、以降登場しなくなること
このような理由からライバルのラッタは死んでしまったという説が流れるようになりました。
またライバルがバトル前後に「おまえの ポケモン しんだのか?」「あほか いきてるじゃん」という発言をすることも、ポケモンの死を意識していたからではないかとされています。
ライバルには悲しき過去がつきものさ……
公式が認めた都市伝説…?
実はこの都市伝説、もはや都市伝説ではなくなっています。
公式サイトの「ポケモンだいすきクラブ」にて、ライバルがなぜポケモンタワーにいたのかという質問への回答が掲載されました。
ポケモンタワーで
ライバルに出会いますが、
かれは何をしに来ていたのですか?
もしかすると、かれが大事にしていた
ポケモンに、タワーまで会いに来ていたのかもしれないわね……。そのとき、ロケット団とフジ老人のもめごとが起きていたはずだけど、上の階で起こっているコトに気づかないぐらい、センチメンタルになっていたのかもね。
出典:本当は怖い?ポケモン
「かもしれない」という形でにごされていますが、公式の見解もライバルのポケモンが死んでしまったというもののようです。
それがラッタかどうかは明言されていませんが、ライバルの手持ちポケモンからいなくなっていることを考えると、ラッタである可能性が高いのではないでしょうか。
公式の回答からして、ライバルのポケモン死亡説は本当だと考えていいでしょう。
都市伝説3:3つの6
666
3つの6が並ぶこの数字は「獣の数字」と呼ばれ、不吉なものと見なされます。
この666がシオンタウンにも隠されているのです(ページ上部のシオンタウン全体画像を参照)。
- シオンタウンの建物の数→6つ
- 建物(ポケモンセンター、フレンドリィショップ)の窓の数→6つ
- 主人公が訪れる街の順番→6番目
あるいは、ポケモンタワーは7階建ですが1階部分は洞窟のようになっていてタワーは2〜7階まで(6階層分)のため、ここにも数字の6があると考える説もあるようです。
シオンタウンには666の数字が隠されているんだよね。ヤバイでしょ?人類の選別は始まってるんだよね。すでにゾルタクスゼイアンなんだよね。
なぜ噂が出回ったのか考察
不気味なシオンタウンに6が重なったのは偶然なのか、制作側の狙いだったのか……?
色々考えさせられる都市伝説です。
ちょっとこじつけ感も否めませんが。
個人的には、深読みしすぎた人がネットで広めた説ではないかと思います。
制作側が何かの意味を込めてシオンタウンに666を隠したわけではないのではないかと。
この都市伝説、信じるか否かは各プレイヤーの考え方次第で良いと思います。
「シオンタウン症候群」のように現実に被害者が出ているという都市伝説であれば真偽を明らかにすべきでしょう。
制作側からしたらデマ情報になりますし、プレーヤーもシオンタウンから先へ進められません。
ただ、666の数字がシオンタウンに隠されていたとしても誰かが困るわけではありません。
シオンタウンのホラー感を強める要素だと信じてゲームを進めるのも面白いのではないでしょうか。
都市伝説4:生き埋めにされた人とバトル
ポケモンタワーの最上階で生き埋めにされた人(Buried Alive:ベリードアライブ)とポケモンバトルができるという都市伝説です。
これは製品版にはない没データであり、通常のプレイでは発生しないイベントとされています。
ポケモンタワーの最上階にある墓石に話しかけると、
You're here…(あなたはここにいる)
I'm lonely.(私はさびしい…)
So very lonely…(とてもさびしい…)
Won't you join me?(仲間にならないかい?)
と話しかけられ、ベリードアライブとのバトルが始まります。
ベリードアライブが使用するポケモンは
- ベトベトン(レベル94)
- ゲンガー(レベル90)
- ホワイトハンド(レベル101)
- ?????
と全てが高レベルモンスター。動画ではホワイトハンドによって全滅させられており、最後の1匹が何かわかりません。
ホワイトハンドというポケモンはおらず、通常101レベルまで育てることはできないので、チートっぷりがうかがえます。
敗北すると「Finally…Raw meat…(ついにやった…新鮮な肉…)」というコメントの後、グッタリしている主人公がベリードアライブに捕まっているが画像が表示されます。
その後、ゲームはフリーズしてしまうようです。
子供の頃に見たら100%中の100%トラウマ確実のベリードアライブですが、ガセネタです。
没データにもこのようなイベントは確認されてないとのこと。
動画は海外で作られたフェイクだと思われます。
危なかった、夜トイレに行けなくなるところでし…あっ、間に合いませんでした。
なぜ噂が出回ったのか考察
先ほど紹介した動画が都市伝説の原因ではないかと思われます。
本家のゲームとほぼ同レベルのクオリティです。
実際に存在するポケモンも出てくるので、本当にベリードアライブのデータがあると勘違いする人がいても不思議ではないでしょう。
またオリジナルモンスターのホワイトハンドは、実際のゲーム内に登場するキャラクターのセリフが元ネタではないかとされています。
「あなたの みぎかたに しろい てが おかれてる なんて」
出典:本当は怖い?ポケモン
この動画を作成した人は、ちょっとしたイタズラ心で作ったのだと思います。
人を騙すのは良くないことですが、これほどまでにハイクオリティの動画を作れる技術力とセンスには脱帽です。
シオンタウンが与えた影響は大きい
多くの都市伝説があるシオンタウン。
ゲームのいちホラー要素にこれだけの説が生み出されるなんて、シオンタウンがユーザーに与えた影響は非常に大きかったのだなと実感します。
子供の頃は、ポケモンタワーでゴーストポケモンに遭遇するわけでもなく、ただ街を通るだけでも怖かったですからね。
20年以上経った今でもシオンタウンのBGMを聞くと背筋がゾッとしてしまいます。
シオンタウンの設定を考えた人はすごい!その存在こそホラー!