ハンター試験を何度も受験している、プロ受験生・トンパ。
トンパの狙いは試験合格ではなく、右も左も分からないルーキーたちを潰すことでした。
しかし、ゴンたち287期のルーキーたちは、一筋縄ではいかない猛者ばかり。
トンパの新人潰しはことごとくスカされてしまったのでした。
そのルーキーの1人が、受験番号187番のニコル。
下剤入りジュースを渡そうとしたトンパの素性をパソコンで瞬時に調べ上げ、「新人潰しのトンパ」という異名まで見つけ出しました。
出典:HUNTER×HUNTER 1巻 128P/冨樫義博/集英社
ニコルがいかに情強であるかが分かるこのシーンですが、私は少し疑問があるのです。
トンパは、ハンター試験を何回も受験できるくらいには高い能力を持っているのでしょうが、合格すらしていないただのおじさんです。
そんな一般おじさんの情報を、パソコン(インターネット?)を使って詳しく調べることはできたのでしょうか?
考察しました。
ニコルとは
トンパが注目していたルーキーの中で、真っ先に脱落してしまったニコル。
あまり印象に残っていないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、まずはニコルについて簡単に紹介します。
「ちょっとお待ちを。ニコルさんね…ああ、出ました。1回目の試験挑戦、これは歴代最下位の記録ですね。そのうち本試験連続出場1回はダントツ最下位ですね。立派なもんです。本試験でも成績最下位だけど、なかなか合格できないのは精神を潰されてしまったからですね?"新人潰され"のニコルさん」
というくらい調べ上げている方は、読み飛ばしていただいて構いません。
287期ハンター試験が初受験となったニコル。
「お金持ちのお坊ちゃん」といった風貌の男性で、パソコンを持参していました。
新人潰しを仕掛けようとしたトンパの情報を瞬時に調べ、見事回避。
トンパが目を付けた受験生の1人でもありました。
しかし、ニコルは1次試験のマラソンで体力の限界を迎え、さらにアモリ3兄弟によって精神的に追い討ちをかけられてしまいます。
「表彰モンの能なし」「ハンター試験始まって以来の落ちこぼれ」などと暴言を吐かれたニコルは、試験開始から約6時間、80kmほど走ったところで最初の脱落者となってしまいました。
ニコルは勉強もスポーツもトップで(自称)、周りの人間をクズだと思って生きてきたプライドの高い人間でした。
そんな彼に暴言を浴びせ、プライドを折ることこそ「新人潰し」になると見切ったトンパは、アモリ3兄弟にお金を渡して実行させたのです。
肉体的にも精神的にもボロボロになってしまったニコルですが、実はルーキーにしては高いレベルだったそう。
暴言を浴びせた張本人であるアモリ3兄弟も、潜在能力の高さは認めていました。
287期で唯一、トンパの新人潰しの餌食になってしまったニコル。
不合格になった後どうなったのかは、誰も分からない…
ニコルがトンパの情報をパソコンで調べ上げられた理由を考察
では本題に移りましょう。
なぜニコルが、プロハンターでもない普通のおじさんであるトンパの情報をパソコンで調べ上げられたのでしょうか?
私は、次の4つの可能性があるのではないかと考察しました。
それぞれ説明していきます。
トンパの情報がネットに流出している?
仮にもトンパは、ハンター試験を何度も受けて、全て生き残っています。
もしかしたら「ただのおっさん」ではなく、他の受験生と同じく何らかの分野のプロフェッショナルなのかもしれません。
だとしたら、トンパの経歴がネットに出回っている可能性は高いでしょう。
しかし、ニコルはトンパの「新人潰し」という異名まで調べていたので、「トンパのハンター試験の受験状況に関する情報」が悪評も含めてネットに出回っているのだと思われます。
ニコルの発言も見ると「何らかの功績を残した人」というような、トンパのポジティブな情報がネットに落ちているわけではなさそうです。
考えられる可能性として「過去のハンター試験でトンパに潰された新人たちが、掲示板か何かに書き込んでいる」がありえそうだなと思います。
10歳の初受験からおじさんになるまで、ハンター試験を受け続けているトンパ。
いつから新人潰しを始めたのかは分かりませんが、被害者は数百名単位でいても不思議ではありません。
その中には、トンパに対して恨みを抱いている人もいるでしょう。
ハンター試験には、自分の人生を賭けて挑んでいる受験生もたくさんいます。
実際にレオリオは「死んだ友人と同じ病で悩む子どもたちを治すために、医大を受験して医者になる」という強い意志でハンター試験を受けていました。
そんな人たちが、試験官でもない人間に汚い手で脱落させられたら、どう思うでしょうか?
きっと強い憎しみ・恨みを抱くはずです。
その憎しみや恨みを晴らすために、トンパの情報をネットに書き込んだ人がいる…という可能性はありえそうです。
また、ハンター試験の受験生は特に守秘義務などがある様子もなく、会場に到着できれば、マーメン=ビーンズにナンバープレートを与えられて、ほぼ無条件で受験できていました。
生きて不合格になった場合、どんな試験だったか流布することもできそうです。
ネットを中心に活動しているハンターもいるため、あまりにも重要な情報を流したらそのハンターたちに狩られそうではありますが…トンパの情報は大して重要ではありません。
トンパの情報がネットに流れたところでハンター協会が困るわけでもなく、むしろ正当に評価される受験生を増やすことになりそうです。
このように、トンパに恨みを持つ過去の受験生たちが情報をネットに流出させているとしたら、少しネットで調べるだけで出てくると思われます。
ハンター試験の公式サイトでトンパの記録が公表されている?
プロハンターには念能力など、一般人が知り得ないことがたくさんあります。
しかし、ハンター試験という存在自体は公になっているようです。
孤島であるくじら島から出たことがなく、ジョイステーションすら知らなかったゴンでも試験の情報は得ていましたから、試験について調べるのは簡単なのでしょう(ゴンの家にはパソコンはあったので、ゴンも昔からインターネットを使いこなせてた可能性あり)。
もしかしたら、ハンター試験の公式サイトのようなものが一般公開されているのかもしれません。
そのサイトを見れば、試験内容は分からなくても、応募カードの取り寄せや大まかな開催地などは分かる…ということも考えられそうです。
さらに、公式サイト内の「特別コンテンツ」みたいな感じで、試験に関するいろんな記録と、その記録の保持者の名前が公表されているとしたらどうでしょう?
例えば「第1回ハンター試験の受験番号1番」「歴代最長の身長」「最年少受験者」「最高齢受験者」のようなイメージです。
そして、トンパの受験回数は歴代2位、本試験出場回数はトップ。
「受験回数&本試験出場回数最多」としてピックアップされると思われます。
この考察が正しければ、ニコルはトンパの受験回数を調べることもできそうです(ゴンですら調べられるサイトで得た情報をドヤ顔で披露していたとしたら、ニコルの情強アピールが虚しく感じられますが…)。
しかし「ニコルはトンパの『新人潰し』という異名まで調べていた」という点で、この考察には疑問が生まれます。
ハンター試験の公式サイトで、受験生の個別の異名まで分かるかというと…微妙なところ。
しかも、こんな中傷じみた異名を公式サイトに載せると、ハンター協会の信用にも関わりそうです。
ハンターライセンスがあれば公的施設の95%が無料で使えることを考えると、ハンター協会は各国の中枢とも関係をもっているはず。
そんな協会が公式サイトで個人をディスるのはまずいですよね…トンパとはいえども。
それに「新人潰しのトンパ」という異名は受験生の中でささやかれているもので、ハンター協会が把握してるとは思えません。
トンパは、数え切れないほどいる不合格者の1人でしかないでしょう。
最初「ハンター試験の公式サイトがトンパのことをピックアップしていた説」はありえそうかなと思ったのですが…受験回数以外、不名誉な肩書きばかりのトンパをサイトに載せるくらいなら、合格者のことを載せますよね。
その方が、まだ見ぬ才能をもったハンター候補者を募れそうですし。
インターネットは使っていなかった?
287期ハンター試験、1次試験の会場を思い出してください。
あの長いトンネルの入り口は、地下100階にありました。
出典:HUNTER×HUNTER 1巻 113P/冨樫義博/集英社
そんな地下深い場所でパソコンが使えるのでしょうか…?
ハンター協会がWi-Fi的なものを用意してくれていたか、それともニコルがポケットWi-Fiみたいなものを持っていたのか…どちらにせよ、あの地下深くまで電波が届くとは思えません。
もしかしたら、ニコルがトンパの情報を調べたのはインターネットではなかった可能性もあります。
原作だとパソコンの画面が大きく映っていないので、どんな手段を使ったのかは詳しく分かりません(「出ました」というセリフからインターネットで検索したように感じますが)。
例えばパソコン本体に、トンパを始めとしたたくさんの受験生の情報があらかじめ入っていて、オフラインでも確認できる状態にしていた…なんて可能性もありそう。
事前にニコルが自身で周りの受験生から情報を集めたり、仲間と協力して集めたりしていた。その情報をテキストなどにまとめて、パソコンに保存していた…
つまりニコルが持ち込んでいたパソコンは、情報を検索するためのものではなく、集めた情報を保存しておく媒体だったのかもしれません。
ハンター試験は数百万人が受験するそうなので、ニコルは「集める情報も万単位になる」と考えて、パソコンで管理する必要があると思ったのでしょうか…?
でもパソコンが必要なほどの情報を集めるのって、めちゃくちゃ非効率で、時間がかかりすぎる感じがします。
集めてもどれほど役に立つかも分かりませんし。
パソコンはハッタリ?
実はパソコンはハッタリ!
ニコルが他の受験生に「俺はデータマンだ!お前らの情報はこのパソコンの中に全て入っているぜ!お前らは俺の手のひらの上なんだよ!このカスども!」と思わせるためのブラフだった…という可能性もあるかも?
ニコルもゴンたちと同じく、試験会場に到着するまで数日はかかっているでしょうから、試験が始まる頃にはパソコンの充電も無くなってそうです。充電ケーブルや予備のバッテリーは持ってなさそうでした。
また、トンパは確かにただのおじさんですが、ハンター試験においてはかなりの有名人。
周りの受験生に聞き込みをすれば、トンパが危険人物であることはすぐに分かりそうです。
データマンっぽいニコルなら、パソコンが使えない状況でも自力で情報収集はしようとするはず。
その上でトンパをビビらせるために、パソコンを使ってトンパのことを調べたフリをし「何を仕掛けようとしても無駄だ」という印象を与えようとしたのでは…?
……なんていう「ニコルはウソで塗り固められたハッタリ受験生説」を考えてみたのですが、この説はなさそうです。
なぜなら、トンパとニコルが話している最中にちょっとだけパソコンの画面が映っていたから。
出典:HUNTER×HUNTER 1巻 128P/冨樫義博/集英社
画面には何らかのテキストが表示されているので、この時点でパソコンの電源は残っていたと思われます。
ということは、ニコルは情報調査または情報管理にパソコンを使っていたのは間違いないでしょう。
結論:トンパに潰された新人たちがネットに書き込んだ情報をニコルが見た
私なりに、今回の考察の結論を出すとしたら、
トンパに潰された過去の新人たちが、ネットの掲示板などに書き込んだ情報をニコルが見た
が一番ありえそうだなと思います。
トンパは自分が知らないうちに、いわゆる「ネットの有名人」になっていたので、ニコルも簡単に調べられたのではないでしょうか?
地下100階でもパソコンが使えたのは…超超超ハイスペックなパソコンかポケットWi-Fiを使っていたから!!!!
ハンターハンターの世界ならあっても不思議ではないかも(ガバ考察)。
人生を賭けてハンター試験を受験した人たちからしたら、トンパのやり方は理不尽そのもの。
彼らがハンター試験に向けていた熱意がトンパに対する恨みへと向いたら、危険な行動を起こす人がいても不思議ではありません。
ネットに書き込むどころか、トンパを始末しようと考えている人もいるかも?
トンパ暗殺に、ゾルディック家が動く展開、来るか…?