ハンター達が使う専門用語に「練を見せろ」という言葉があります。
これは、相手の強さを測るための合言葉みたいなものです。
念の基本を覚えたばかりの新人ハンターだと、文字どおり念の技術である「練(体中の精孔を広げてオーラを通常以上に生み出す技術)」をやってしまいがち。
しかし、それでは「練を見せろ」の本当の意味を理解しているとは言えません。
ゴンとキルアはこの勘違いをしてしまい、ツェズゲラに煽られまくってしまいました。
けれど、作中では「練」を見てその者の強さを推し測るシーンもあるんですよね。
ならば「練を見せろ」と言われて「練」をしても、問題ないように思えます。
そこで今回は「練を見せろ」と言われたら何をするのが正解なのか?を考察しました。
- 「練を見せろ」とは?
- 「練を見せろ」と言われたら何をするのが正解か?
- 「発」を見せるのはリスクが高い
- 「発」以外で実力をアピールするのが理想か?
- 念の応用技術(「円」や「硬」)もあり?
- 結論:「練を見せろ」と言われて垂直跳びをするのはあながち間違っていない
「練を見せろ」とは?
「練を見せろ」とは、ハンター用語で「鍛錬の成果を見せろ」という意味の言葉です。
その者の強さを測りたいときに使う言葉で、言われた方は強さをアピールできればどんな方法を見せてもいいと、作中で説明がありました。
この言葉が使われたのは、ゴンとキルアが大富豪・バッテラ氏に「グリードアイランド攻略に協力する」と提案をしたとき。
バッテラ氏に雇われたプロハンター・ツェズゲラが2人の力量を測るために「練を見せろ」と言い放ちました。
出典:HUNTER×HUNTER 13巻98P/冨樫義博/集英社
言葉のとおり「練」をするのは未熟者?
ツェズゲラに「練を見せろ」と言われた2人は、言葉のとおり念の基本四大行の1つである「練」を披露。
2人ともプロハンターレベルのはずでしたが、ツェズゲラの評価は「失格」。
ツェズゲラは「練を見せろ」という言葉の意味を理解していない時点で、2人をハンターとして未熟だと判断したのだと思われます。
では「練」だと、その者の実力を測れないかというと、そういうわけでもない様子。
キメラ=アント編で、ネテロは「練」をして、コルトに自分と王との実力を比較させていました。
出典:HUNTER×HUNTER 21巻57P/冨樫義博/集英社
ということは、ツェズゲラから見た当時のゴンとキルアの「練」が高いレベルではなかったことも、失格の理由だったのでしょう。
ネテロクラスの念能力者なら、言葉どおり「練」をしても強さを測るのに十分な要素になるのかもしれません。
「練を見せろ」と言われたら何をするのが正解か?
「練を見せろ」と言われて「練」をするとダメ出しされる。
「練」のレベルが高いなら実力を伝えることもできるけど、それはネテロのような超熟練者の話…
じゃあ「練を見せろ!」と言われたら何をすればいいの!?
こんな疑問が芽生えてこないでしょうか?
ここで本題。
「練を見せろ」と言われたら何をするのが正解なのか?
考察していきます。
「発」を見せるのはリスクが高い
グリードアイランドのプレイヤー選考会において、キルアは審査官のツェズゲラの前で「発」を披露しました。
当時のキルアの「オーラを電気に変える能力」はまだ発展途上だったとはいえ、見事合格。
ツェズゲラは、キルアの能力の凄さだけでなく、ゾルディック家で積んだ凄惨な修行の成果も「練」として認めたようでした(ツェズゲラはキルアがゾルディックの家族だと知りません)。
このときのキルアのように「練を見せろ」と言われて、ものすごい「発」を披露するのは、実力をアピールする手段として手っ取り早いでしょう。
その代わり、危険もあると思うのです。
ある程度の実力を備えた念能力者たちには、「発」を周りの人間に知られること=リスクになるという共通認識があります。
例えば、幻影旅団のメンバーはお互いの能力を全て知っているわけではありません。
それが命を脅かすリスクになりことを、実戦経験の中から学んでいるからです。
実際にパクノダの「銃を具現化する能力」と「記憶弾(メモリーボム)」は、本人と団長のクロロしか把握していませんでした。
また、ハンター協会の幹部である十二支んも、メンバーには能力を明かしていなかったようです。
十二支んに潜んだビヨンド=ネテロの手先を探すにあたり、クラピカと手を組んだミザイストムは、このとき初めて念能力の詳細をメンバー達に明かした様子でした。
出典:HUNTER×HUNTER 33巻164P/冨樫義博/集英社
「発」は念能力者の切り札であるため、たとえ仲間であっても他者に知られることは基本的にご法度。
能力を対策されることにつながり、自分の命を脅かすリスクが上がると考えるのが一般的なのでしょう。
ということは「練を見せろ」と言われて、キルアのように「発」を披露するのは、念能力者として本来あるまじき行為なのかもしれません。
ただキルアの場合、電撃はかなり応用力があり、念を鍛えた人間でもまず反応できない雷の速度で攻撃を繰り出すことから、見せても問題ないと考えたのでしょう。
ヒソカの「伸縮自在の愛(バンジーガム)」と似ていますね。
「伸縮自在の愛(バンジーガム)」も応用力が強みのため、ヒソカは天空闘技場という観衆の前で披露していましたし(観客には見えていませんが)、ゴンと戦った際もペラペラと能力の詳細を語っていました。
あるいは、クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)」のように、あらゆる念能力を奪って使える能力なら、奪った能力の1つを見せるくらい大したリスクにはならないでしょう。
キルア、ヒソカ、クロロのような「発」であれば他人に見せても問題ないでしょうが、そうでなければ「発」を見せるリスクは大きそうです。
「発」以外で実力をアピールするのが理想か?
ここまでの考察から「練を見せろ」と言われたら「発」を見せる以外の方法で実力をアピールする方がリスクは少なそうです。
例えば、念(オーラ)を使った身体能力の高さを披露するのはいい方法かもしれません。
「練を見せろ」と言われている時点でお互いに念能力者であることは知っているわけですから、念の基本とも言える「身体能力向上の成果」を見せるのは、リスクを最小限に抑えた実力アピールになるのではないでしょうか。
例えば…なんでしょうね…恐ろしく速い手刀とか…?
あれはクロロがオーラを使って行った技術かは分かりませんが、少なくとも念を高いレベルで修めているクロロだからこそできた芸当だと思われます。
あとは…
垂直跳びで高く飛び上がるとか!?(ベストは16m80cm!!)
出典:HUNTER×HUNTER 16巻134P/冨樫義博/集英社
自分の「発」を見せることなく、実力の高さをアピールできる…
垂直跳びは、けっこう理にかなっている方法だったのかもしれません。
念の応用技術(「円」や「硬」)もあり?
念には基本技術を応用(併用)することで、できる技もあります。
この応用技も個々の念能力者固有の能力ではなく、多くの念能力者が共通して身につけている技術です。
念の応用技で実力をアピールするのも、リスクなく「練を見せる」方法のように思われます。
例えば、「纏」と「練」の応用技である「円」。
オーラを体の周囲に展開し、その範囲に入ったものの位置や動きを察知する技術ですね。
「円」の広さは使い手の強さと比例するわけではありません。
しかし、広範囲まで「円」を張れることは、かなり優秀な能力を持っていることにもなると思います。
離れた場所にいる敵の位置を正確に把握できれば、奇襲に備えたり、逆に奇襲できたりしますからね。超便利です。
作中では、ピトーの「円」がかなりの脅威になっていました。
ピトーの「円」はアメーバ状に伸び縮みし、最長で2km先まで届きます。
この「円」で東ゴルトー宮殿の周辺を1人で警戒し、敵を寄せ付けない鉄壁の守りを誇りました。
ピトーの場合は「円」の広さだけでなく、「円」に触れると最悪の場合、作中屈指の念使いであるピトーが一瞬で飛んでくるという、彼の強さありきの脅威でしたが。
その他の応用技の1つに「硬」もありますね。
オーラを一点集中させ、攻撃や防御に使う技術です。
ゴンの必殺技である「ジャンケングー」の原型は「硬」であり、選考会でツェズゲラの前で披露し、合格をもらいました。
「硬」はゴンにとって「発」でもありますが、「硬」自体は多く念能力者が共通して使える技術のため、隠すべき能力というわけではありません。
キルアとはまた別の意味で、ゴンも「練を見せろ」と言われて披露しても問題ない「発」だったといえるでしょう。
結論:「練を見せろ」と言われて垂直跳びをするのはあながち間違っていない
正直、グリードアイランド内でキルアに「練を見せろ」と言われたツェズゲラが突然垂直跳びをしたとき、私は、
なんだこのおっさんっ!?
と思いました。
ゴンとキルアを煽りまくってたツェズゲラが、いざ自分が練を見せる立場になったら垂直跳びって…
おまえも「発」見せんかいっ!!!!
って気分になったのは、私だけではないはず。
でも、実はツェズゲラは「練を見せろ」のリスクまで熟知した上で垂直跳びをしたのかもしれません。
シングルハンターになるほどのツェズゲラですから、「発」もかなり強い、あるいは便利なものなのでしょう。
しかし、ベテランのハンターだからこそ「発」をさらすことの危険性も知っていて、念の基礎でできる垂直跳び(ベストは16m80cm)を披露した…
こう考えれば、ツェズゲラの行動はあながち間違ってないし、別に変なことでもないのかも…?
ということで、もし「練を見せろ」と言われたら
垂直跳びをしておけば間違いはない!!
…ってことで、今回の考察の結論にさせてください!何でもしますから!