クラピカは周りの人々を煽り、揉め事を起こしそうになることがよくあります。
褒められた性格ではないかもしれませんが、数々の「煽りセリフ」は見事であり、もはや煽りはクラピカの長所といってもいいレベルです。
そこで今回、煽り屋・クラピカが作中で見せた煽りのうち、個人的に「これを言われたらいろんな意味で心が揺さぶられるなぁ」と感じたものを、ランキング形式で5つ紹介します。
今回取り上げるクラピカの煽りセリフについて
今回考えたランキングには、クラピカが明らかな怒りを込めて放ったセリフや、強い言葉で相手を罵ったセリフは抜かしています。
例えば、
・ウボォーギンに言った「クズめ、死で償え」
・バショウに言った「黙れ、私に話しかけるな」
・イズナビに言った「貴様に何がわかる!」
・ゼンジに言った「誰でもいい気分なんだ…別にお前でも」
・ミザイストムに言った「ここから先は慎重に言葉を選べ」
など…(クラピカかなり口悪いなぁ)
これらも、言われた相手はブチギレであろう「煽りの一種」ではあると思います。
しかしクラピカの「煽りの真骨頂」は、こういうことではないと私は思うのです。
もっとこう…ナチュラルにと言いますか、ごく普通の会話の中で、強い言葉を使わずに煽るのがクラピカ流ではないかなと。
少しあいまいな基準で選んだ5つの煽りセリフですが、あくまで「個人的」なランキングなので、多めに見ていただけると幸いです。
個人的に心を揺さぶられたクラピカの煽りセリフTOP5
ではランキングを見ていきましょう!
第5位から順に紹介していきます!
第5位「こちらこそほめておこう。まさか『隠」も使えるとは思わなかった」
第5位は、ウボォーギンとの戦いの中で放ったこのセリフです。
出典:HUNTER×HUNTER 9巻169P/冨樫義博/集英社
「こちらこそほめておこう。まさか『隠』も使えるとは思わなかった」
この戦いでのクラピカは、煽り全開でした。
先ほど紹介した「クズめ、死で償え」も煽りと考えられますし、他にも、
・「『今のパンチ』まさか全力か?」
・「『今のスキにオレを鎖で捕らえなかったことを後悔するぜ』か?くだらん負け惜しみはやめて全力でこい!時間の無駄だ」
などのセリフありましたね。
ただ、これらはウボォーギンを直接罵っているような煽りセリフです。
そのため「ナチュラルに、強い言葉を使わずに相手を煽ったクラピカのセリフ」という今回のランキングに含めるのは少し違うのかなと。
また、当時のクラピカはウボォーギンに全力を出させ、自分の力や鎖が通用するか試していた節もあります。
ウボォーギンを怒らせようとしていたのは、クラピカの作戦のひとつであたっとも思うのです
しかし、さすが煽り屋・クラピカ。
戦略的に煽っていたウボォーギンに対しても「ナチュラル煽り」が出てしまった部分がありました。
私がそう感じたのが「こちらこそほめておこう。まさか『隠』も使えるとは思わなかった」です。
一見すると褒めているように見えるセリフですが、当時のクラピカがウボォーギンに対して「上から目線で褒めること」自体が煽りなんですよね。
当時のクラピカは、念を学び始めて約半年。
すでに基礎をマスターし、発まで身に付けていましたが、まだまだペーペーでした。
そんな念の初心者だったクラピカが、キャリアが上であろうウボォーギンを見下してるわけです。
つまり
「キミ『隠』も使えるんだ〜すごいね〜そんなレベルには及んでいないと思ってたよ〜すごいんだね〜」
って言ってるようなものですよね。
ウボォーギンがクラピカの念のキャリアを知っていたら、これもブチギレ要素になっていたかも…?
煽り屋・クラピカさんを擁護するなら、クラピカさんはウボォーギンら旅団が体系的に念を学んでいないと考えていたはず。
なのに念の応用技術である「隠」を使えることを意外に思い、こういう発言をしてしまったのかもしれません。
第4位「人にかける念があるのだから、逆にはずす念も存在すると考えるのは至極自然な発想だと思うが?」
第4位はこちらのセリフ。
出典:HUNTER×HUNTER 15巻162P/冨樫義博/集英社
「人にかける念があるのだから、逆にはずす念も存在すると考えるのは至極自然な発想だと思うが?」
ゴンがグリードアイランド内で、いつの間にかクロロ(ヒソカ)と会っていることに気づいたキルアが、クラピカに電話をするシーン。
念を使わなければ入れないグリードアイランドにクロロがいるということは、クラピカがクロロにかけた「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」が除念され、念が使えるようになっているのではないか?と考えたキルアの行動でした。
しかし、クラピカは除念の存在を知らずとも予想はしていた模様。
幻影旅団にかけた念が除念されれば、クラピカにも分かる仕組みになっていました。
これだけのシーンなのに…なんならキルアは、クロロが除念した可能性をクラピカに伝えるためだけでなく、気遣いもあって電話したと思うのに…
「人にかける念があるのだから、逆にはずす念も存在すると考えるのは至極自然な発想だと思うが?」
絶対にこんな言い方する必要ないのに…普段から人を煽りまくっているからなのか、仲間であるキルアまで煽ってしまうクラピカ。
「至極自然な発想」っていう言葉選びが、煽りレベルの高さを物語ってます。
キルアも若干周りの人を煽るタイプなのに、クラピカの唐突な煽りには何も言い返せませんでした。
やはり息を吐くように煽るクラピカさんは格が違いすぎますよ、格が。
第3位「品性は金で買えないよレオリオ」
クラピカの煽りといえば、このセリフを思いつく人が多いのではないでしょうか?
出典:HUNTER×HUNTER 1巻53P/冨樫義博/集英社
「品性は金で買えないよレオリオ」
クラピカが初登場シーンで見せた、記念すべきファースト煽りです。
第3位にランクインしました。
正確にいうと、この煽りは「コンボ煽り」なんですよね。
初対面&年上のレオリオを2回連続で呼び捨てにする流れからの「品性は金で買えないよレオリオ」というフィニッシュブロー。
レオリオの「呼び捨てするな!」という指摘を無視しまくり、彼の人間性とハンターを目指す理由を全否定しつつ、3回目の呼び捨てを決める…
煽りのコンボ攻撃によって、最後の一発の重さが何倍にもなっています。
煽りに関していえば、クラピカは作中でずっと超一流ですね。
ちなみに英語版のハンターハンターだと、クラピカはレオリオを呼び捨てにするのではなく「RIOLEO(リオレオ)」と呼び間違えています。
そして、レオリオに訂正されているのに無視しまくる…煽りっぷりに拍車がかかっています。
出典:HUNTER×HUNTER 1巻49P/冨樫義博/集英社
最初こそケンカしてしまった2人ですが、今は良い仲間になっているのはうれしいことですね。
ゴンとの出会いをきっかけにお互いのことを理解し合い、歩み寄ったのが関係の好転につながったように思います。
特にレオリオがだいぶ丸くなりましたよね…
最初はドキドキ2択クイズのババアに殴りかかろうとするチンピラ気質だったのに…
……クラピカさんは丸くなったのかって?
いやいや、何をおっしゃいます。クラピカさんの煽り屋っぷりは今も健在どころか、どんどんレベルが上がっていますよ、ええ。
第2位「普通の理解力があれば確認は不要だと思うが?」
第2位は、クラピカにとって初対面だったビスケに放ったこのセリフ。
出典:HUNTER×HUNTER 33巻192P/冨樫義博/集英社
「普通の理解力があれば確認は不要だと思うが?」
クラピカの仕事の依頼に関して、報酬の支払い条件を確認したビスケ。
ビスケの口調はやや強い感じでしたが、それほどおかしな質問をしたわけではないと思います。
しかし煽るクラピカ。煽るからこそのクラピカ。
しかも「普通の理解力があれば」って言っちゃってます。
これって
「キミ、アホちゃう?人並み以下の知能やん」
って言ってるのとほぼ等しいですよね。
案の定、ビスケも
「あんたねェ!自分で自分をどう思っているか知らないけど信用できませんから!」
と怒りモードで、口ゲンカになりかけました。
クラピカが煽らなければ、確実に発生しなかったケンカだと思います…
ただ、ケンカっ早いビスケと天才的煽り屋クラピカですから、この場でケンカしなくても、遅かれ早かれどこかで衝突していたでしょう。
キルアがクラピカに、電話でビスケを紹介したとき、キルアも
「オメーのことだからビスケとは揉めるだろうけど」
と、この事態を予想してました(キルアはクラピカの煽りもビスケの本性も体験済み。だからこそできる予想)。
それを踏まえて、キルアがクラピカに「ビスケへの接し方」を教えていなければ、2人は険悪な関係のまま任務に突入し、もっと大きな問題を生んでいたかもしれませんね。
ナイス!キルア!
……レオリオにしてもビスケにしてもそうですが、クラピカさんは初対面の相手だろうが容赦無く煽りますね…
だからこそクラピカさんは最高なんだぜ!!
第1位「スラム流でしか話が出来ないのか?束ねる王子の程度も知れるな——という「誤解」をもたらしかねない言動は慎んだ方がいい……ここまでがワンセンテンスだ、宜しいか?」
そして、私が個人的に最も「えげつねぇな…」と思った煽りセリフがこちら!
出典:HUNTER×HUNTER 35巻193P/冨樫義博/集英社
出典:HUNTER×HUNTER 35巻194P/冨樫義博/集英社
「スラム流でしか話が出来ないのか?束ねる王子の程度も知れるな——という「誤解」をもたらしかねない言動は慎んだ方がいい……ここまでがワンセンテンスだ、宜しいか?」
ブラックホエール1号内でカキン帝国の王子たちの護衛を集めて、念を教えることにしたクラピカ。
護衛たちが集まった部屋の床に白線を引き、護衛たちにはその線を超えないよう指示しました。
しかし、クラピカの指示を無視して白線を踏んだ護衛がいました。
第4王子・ツェリードニヒの護衛であるミュハンです。
そんなミュハンの態度を見て、クラピカ史上最も長文で複雑な、この煽りが炸裂しました。
強い言葉を使っているようですが、それはあくまで「誤解」の例えであり、続く言葉を見るとクラピカは煽りとは言っていない…
けどやっぱりしっかり煽ってる!!
このセリフ、構造が複雑な「超高度煽り」なんですよね…
「スラム流でしか話が出来ないのか?」
→ミュハンを煽る(ように見せかけている)
「束ねる王子の程度も知れるな——」
→ツェリードニヒをディスりかつミュハンを煽る(ように見せかけている)
「という「誤解」をもたらしかねない言動は慎んだ方がいい……ここまでがワンセンテンスだ」
→ミュハンが怒りをあらわにしたところで「煽りじゃなくて警告だよ」と切り替え、嵌める
「宜しいか?」
→なんかよくわからないけど口調がやっぱり煽りっぽい
護衛たちの多くが、仕える王子に心酔していることを利用した巧妙な煽り。
そして相手が攻撃的な姿勢を見せたら「煽りではないですけど」という旨の言葉を続け、相手をちょっと小馬鹿にしつつも自分の逃げ道をきちんと用意しています…
もし道端でクラピカが誰かを煽り、ケンカが起きて警察が来たとしても、この方法ならクラピカは「話しかけたら一方的に攻撃された」と言い訳ができてしまいます。
まさにマフィアの若頭!!
ケンカのふっかけ方が、ただのチンピラのそれじゃありません!!
さらに当時、クラピカが護衛する第14王子・ワブルは初っ端から護衛が死亡し、わずかな人数しか残っていないという状況でした。
この状況で、他の王子の護衛をムカつくからといって煽り、騒動を起こすのはリスキーです…
それでもしっかり相手を煽ってみせるクラピカ!!
なんやかんやで、クラピカが一番のスラム流!!
さすがクラピカ!
オレたちのできない事を平然とやってのける!
そこにシビれる!あこがれるゥ!
クラピカに悪気はないのかも?
クラピカの煽りセリフランキングを、個人の主観ではありますが作ってみました。
あなたがクラピカから言われたい煽りセリフはランクインしていましたか?
それとも、言われたらブチギレそうなセリフばかりでしたか?
クラピカは、自分の敵や気に食わない相手を煽ることもありますが、基本的には悪気があって煽っているわけではないのかもしれません。
特に仲間に対しての煽りは、悪意より「なんでこんなことが理解できないの?」的な、クラピカの素直な気持ちを吐き出しているだけのように感じます。
クラピカは、ハンター試験の時から豊富な知識や高い能力をもった優等生タイプでした。
明らかに当時17歳とは思えない、いわゆる「天才」だったと思います。
だからこそ、例えばレオリオのように不器用な人たちの気持ちがなかなか理解できないのではないでしょうか?
キルアやビスケのような天才超人たちも煽ってますが…彼らの性格面の難愛らしさをクラピカなりにイジリ、コミュニケーションとして煽っているだけなのかも。
しかも、クラピカはまだ若いですからね。
周りの人に気を遣った接し方が出来ないも無理ない気がします。
反対に、もしクラピカが人の顔色を伺って言葉を選ぶタイプだったら、アウトローたちがはびこるマフィアの中で、組の若頭まで成り上がるのは無理だったとも思います。
クラピカの傍若無人さが裏社会での出世を導き、立場を得たことで緋の眼を取り戻すことにもつながったのだとしたら、やっぱりクラピカの煽り屋精神は長所というべきなのかも…?
これからもクラピカさんの煽りに目が離せません。
ツェリードニヒと対面したら、このランキングの煽りをはるかに上回る「極・煽り」が炸裂しそうですね……!