暗黒大陸(仮想新大陸)へ向かうブラックホエール1号内は、大きく5つの層に分かれています。
例えば、第1層はカキン帝国の王子たちが絶賛バトル中の階層で、一番下の第5層は主に物資などを積み込むエリアになっている階層です。
誰でもどの層に行けるわけではなく、往来には特別な権限を持つIDチケットやマフィアの認可が必要です。
特に第2層と第3層は厳重に仕切られ、第2層以上は基本的に政財界の要人や富裕層などしか立ち入ることができません。
そのため第1層に行き、王子たちの宝を盗みたい幻影旅団は遠回りを強いられており、マフィアに協力して第1層へ行けるよう手配してもらおうとしています。
そんな中、イルミの持っているIDチケットがベリィビップ(Very VIP:V2)のものであることが判明。
出典:HUNTER×HUNTER36巻202P/冨樫義博/集英社
V2のIDチケットがあれば第1層から第5層までどこでもフリーパスでした(エイ=イが暴れ始めてから第2層と第3層はほぼ閉鎖状態)。
そこで今回はイルミがV2待遇だったのはなぜか考察します。
※本誌の画像等はありませんがネタバレを含む内容のため、単行本派の方はご承知の上お読みください。
ブラックホエール1号のそれぞれの階層について
まずはブラックホエール1号内の階層ごとの特徴を大まかにまとめます。
- 第1層:カキン王族、V5(6つの大陸を代表する5つの国)政財界の要人がいるエリア
- 第2層:各界の著名人・富裕層がいるエリア
- 第3〜5層:一般渡航客がいるエリア
お金や権力のある人ほど上の階層に行けるということですね!
イルミがV2待遇だった理由
イルミの持っていたIDチケットは、V2エリアに入れる権限がありました。
つまり第1層に入れたということです。
第1層に入れるのはカキンの王族か政財界の要人。ということは、イルミはブラックホエール1号乗船時に超V.I.P扱いだったというです(一緒にいたカルトも?)。
なぜイルミがV2のIDチケットを持っていたのか……と考えると、思い当たる可能性として以下の3つがあります。
- ゾルディック家だから
- プロハンターだから
- 誰かからIDチケットを奪ったから
しかし3の可能性は、王立軍本人がイルミのチケットを確認し、ミザイストムなど駆けつけたプロハンターたちも盗んだものだと疑っていなかったことから、かなり低いのではないでしょうか。
となると考えられるのは、1か2。
この2つの方向で考察していこうと思います。
イルミ=ヒソカ説は明確な根拠がないため今回は考慮しません
ゾルディックパワー?
まずは1の可能性。イルミがゾルディック家だからV2待遇だった説。
ゾルディック家は世界でも超有名な暗殺一家であり、広大な敷地を持つ大金持ち。
また仕事柄、各国の要人暗殺などを請け負ったこともあると考えると、政財界の人間たちがゾルディック家を贔屓にしている可能性も高そうです。
さらに作中でミルキがグリードアイランドを競り落とすため、シルバに「15人暗殺するから150億貸してくれ」と交渉していました。
つまりそれだけのお金を払えるクライアントがゾルディック家のバックについているということでしょう。
まず一般人ではないでしょうね。
イルミやシルバ、ゼノが動く場合はもっと高額かも?
ゾルディック家の資金力やコネクションから、イルミはV2待遇だったと予想できそうです。
プロハンターパワー?
次に2の可能性。イルミがプロハンターだからV2待遇だった説。
公共施設のほとんどを無料で使え、立入禁止区域にも入れるプロハンター(ハンターライセンス所持者)。
そんなプロハンターがブラックホエール1号内にいたら、V2待遇でもおかしくはなさそうです。
しかしV2エリアにいるプロハンターは、王子の護衛として入船したクラピカやビルたち(および準協会員となった王子の護衛)や、ビヨンドを監視している十二支んくらい。
特に決定的だったのが、393話でのヒソカとヒンリギのやりとりしたシーンです。
ヒソカもイルミと同じくプロハンターのため、もしプロハンターがもらえるIDチケットでV2エリアに入れるものだとしたら、ヒソカも同じはず。
しかし、ヒソカは3層にある映画館でヒンリギからV2エリアに入れるチケットを受け取っていました。
つまりヒソカが元々持っていたIDチケットでは、V2エリアには入れなかった可能性があります。
これらの描写から考えるとしたら、プロハンターというだけでは第3層までしか立ち入れないのではないでしょうか。
出典:HUNTER×HUNTER36巻202P/冨樫義博/集英社
個人的に、イルミがV2待遇だと分かった直後のボトバイの「彼もハンターだ」という発言によって、
- プロハンターだからV2待遇
- プロハンターだから待遇よりも優先すべき仕事が第3層にある
なのかが少し分かりにくくなっていました。
おそらく後者ですね。
また、イルミがV2待遇なのにあえて第3層に残ったのは、ヒソカの持つ権限(プロハンターパワー)だけでは第2層以上に行けないことを分かっていて、接触するなら3層以下にいるべきだと予想していたからだと思われます。
さらに、第3層と第5層を比べると、3層はシネコンがあるなど比較的優雅な生活ができそうなエリアですが、第5層は提供される食事が貧相で、衛生面にも問題がありそうなスラム街のような環境です。
一般渡航者にもランクがあって、より上流階級の者ほど上の層に部屋が割り振られるとしたら、プロハンターのヒソカは確実に上流に入るでしょう。
自身がプロハンターでもあるイルミは、一般渡航者の中でのプロハンターの扱いも把握しており、ヒソカが第3層にいると予想。他の旅団員が第5層からヒソカ探しを始めたのにも関わらず第3層に直行した……なんて考察もできそうです。
「ボク、天空闘技場のフロアマスターなんだよね♠︎」とドヤっても一般客扱いになりそう…というかヒソカってまだフロアマスターなのかな?
ゾルディック家は超V.I.P?
今回の考察をまとめると、
イルミはゾルディック家だからV2待遇だった
と考えるのが妥当ではないでしょうか。
他にもイルミがV2待遇になる要素があるかもしれないので断定はできませんが、今わかる範囲ではゾルディックパワーが働いたと考えるべきかなと。
暗殺一家が大国の政治家や一国の王族と同じ扱いだと考えると、ゾルディック家ってめちゃくちゃスゴイ存在なのだなと、改めて痛感します。
特にイルミはゾルディック家の中で真面目に仕事をしていますし、作中ではクロロの依頼ながらマフィアの頂点ともいえる十老頭暗殺までやってのけています。
同じように政財界の大物たちにとって厄介な存在を消してきた可能性も考えると、イルミ、引いてはゾルディック家が要人から気に入られていて、同レベルの待遇を受けられても不思議ではありません。
イルミちゃんの背後に太客あり…