バルサ諸島にある東ゴルトー共和国では、総帥のマサドルディーゴ(影武者)による独裁政治が行われていました。
ディーゴが暮らす宮殿では多くの兵士が城とディーゴを護衛。その兵士のうちの1人は念能力者であり(他にも能力者がいた可能性あり)、宮殿に侵入したメルエムに脳天を食われました。今回考察するのはこの兵士の強さについて。
この兵士、戦闘描写が一切ないままメルエムに食われてしまったのですが、実はものすごく強かった可能性がありそうなのです。
数少ない描写からではありますが、この兵士の強さを考察していきます。
東ゴルトー共和国の兵士とは?
東ゴルトー宮殿を守る兵士のうち、隊長格と思われる人物。
ベレー帽が特徴的で、武器は所持していない様子。丸腰の理由は、彼が念能力者だから。宮殿に侵入してきたメルエムと護衛軍の3匹に対してオーラを出し、臨戦体勢を取りました。
しかし、メルエムに「レアモノ」であることを看破され、その糧になる最後を迎えます。
何だか強そうな気配はあったのですが、実力は描かれることなく退場となりました。
東ゴルトー共和国の兵士が超強かったかも?と思える理由
見せ場なく、名前も分からないまま死んだ東ゴルトー共和国の兵士。
この兵士のがめちゃくちゃ強かったかもしれないと思える理由は、以下の3点。
- メルエム&護衛軍を前に全く怯まない
- 膨大なオーラ量
- 食したメルエムの進化
それぞれ説明していきます。
メルエム&護衛軍を前に全く怯まない
兵士が相対したのは、メルエムと直属護衛軍のピトー・ユピー・プフ。
誰が見ても相手が悪すぎます。
メルエムの強さは言わずもがな、最強の念能力者といわれたネテロが死力を尽くして戦っても「個」としては敵わない実力を持っています。
ピトー・ユピー・プフはメルエムには劣るものの、単純な強さだけで見ればトッププロハンターでも歯が立たないレベル。
護衛軍それぞれの強さを表す描写として、例えば以下のようなものがあります。
ピトー
- 生まれたばかりで、まだ「発」を習得していないにも関わらずカイトを殺害
- メルエムに殴られても死なない
- ネテロに「アイツ、ワシより強くねー?」と言わしめる
- 1000万人に1人の念の才能を持つゴンが、その才能全てを犠牲に得た姿・ゴンさんになってようやく倒せる
ユピー
- シュートが一方的になぶられる
- 「神速(カンムル)」状態のキルアに殴られまくってもほぼノーダメージ
- 「神速(カンムル)」状態のキルアの攻撃をくらっても、ユピーの体感で「どいつもこいつも自分の十分の一以下の実力」
- オーラの爆発は作中最高クラスの火力
- ナックル・モラウ(疲弊)が協力しても時間稼ぎが精一杯
- 戦況に合わせて自身の体型を変えたり、オーラの使い方を学習したりして戦闘能力をどんどん高める
プフ
- メルエムに殴られても死なない
- 熟練のプロハンターであるノヴがオーラを見ただけでメンタルブレイク
- 本体を潰さない限りほぼ不死身
- 鱗粉を吸わせただけで他人の意識を操作できる(万単位の人間に対して発動可能)
- プフ本体のスピードは「神速(カンムル)」状態のキルアに匹敵する可能性がある
護衛軍それぞれが、作中最強クラスの強さを誇ります。
全盛期の半分ほどの力になったとはいえ、最強の念能力者といわれたネテロでさえ、護衛軍との戦闘は避けたほどでした。
全力のネテロなら護衛軍を各個撃破できた可能性はありますが、無傷で勝てる保証はなく、メルエムと全力で戦うことができなっていたでしょう。
そんなメルエム&護衛軍の4匹を目の前にして、東ゴルトー共和国の兵士は怯むことなく、排除する気満々でした。
普通なら誰もが逃げ出す場面でしょう。特に念能力者なら敵のオーラを感じ取れますから、メルエムらの絶望的な強さを推し量れたはず。
それでも真っ向から戦いに行った兵士……勝てる見込みがあったのかもしれません。
それ以前に、この4匹を目の前にして一切怯まないだけで、相当な強者だったと思えます。
ノヴなんてプフのオーラを見ただけでメンタルが崩壊し、白髪になるほどだったのに
膨大なオーラ量
メルエム&護衛軍に対抗するべくオーラを纏った兵士。
そのオーラはかなりの量。オーラ量を評価されることの多かったゴンが全力で「練」をしたときと遜色ないように見えます。
オーラの量だけで強さを測ることは難しいものの、念能力者としてのポテンシャルを測る1つの指標にはなります。
少なくともこの兵士は、並の念能力者以上のオーラ量はあったのではないでしょうか。
もしこの兵士が強化系の念能力者だったとしたら、使えるオーラの量が多いことは戦闘能力にも大きく影響しそうです。
武器を持っていなかったことを考えると、肉体を強化する強化系だった可能性は十分考えられます。が、どの系統でも武器なしで戦う「発」を編み出すことはできますから、彼の得意系統が何だったのか推測するのは難しいですね。
メルエムたち相手に真っ向から挑む単純さは、強化系っぽい性格
食したメルエムの進化
兵士を食したメルエムは、歓喜の表情を見せ、満足げな発言をしています。
それだけ兵士は旨く、メルエムの力の源になったのでしょう。
メルエムは食べるほど強くなる特性を持っていましたが、この兵士以外に念能力者を食べた描写がありません。
描かれなかっただけで他にも食べていた可能性はありますが、このすぐ後にコムギと寝食を忘れて軍儀に打ち込み始めますから、それほど多くの念能力者は食べていないと思われます。
それでもなお、修行し直したネテロより強かったメルエム。
兵士を食べただけでも、最強の念能力者と戦うには十分な力を蓄えることができたのでしょう。
それだけメルエムを強化した兵士本人の強さ。侮れません。
最上位のキメラ=アントを目の前にしても怯まぬ鋼のメンタルと膨大なオーラ量。少これらは、メルエムの強化に大きく貢献してそうです。
ただ、メルエムは生まれながらにしてネテロより強かったんですよね。
ピトーを見たネテロは自分より強いと評価してますし、ネテロの「練」を見たコルトは「王どころか護衛軍にも勝てない」と言っています。
このときのコルトは、女王から生まれた直後のメルエムしか見ていません。それでもメルエムはネテロよりはるかに強いと言っていますから、東ゴルトーの兵士を食べていようがいまいが、メルエム>ネテロという力関係にさほど影響はなかったとも考えられます。
なんか、東ゴルトー共和国の兵士がそんなに強くなかったように思えてきたぞ…
否、東ゴルトー共和国の兵士は未熟なために敵の力量を見誤っただけ
作中の描写を個別に抜き出してみると、いかにも強キャラのように思える東ゴルトーの兵士。
しかし、はるかに格上であるメルエムや護衛軍相手に逃げることなく挑んでいる時点で、念能力者として未熟なだけだった可能性は否めません。
作中では、過信から敵との実力差を見誤り、死んでいった念能力者がいます。
例えば天空闘技場の闘士・カストロ。
ゴンやキルアですら萎縮してしまい、ウイングさんさえ「邪悪」と評するオーラを放つヒソカ相手に、怯むことなく戦っていました。
確かにカストロは念能力を身につけ、強くなりました。それでもヒソカが遊び半分で戦っても勝てるくらいには実力差があり、念も自身の得意系統ではない方向で鍛えてしまい、結果は敗北&死。
念を身につけても中途半端で未熟だと過信しか生まず、敵との実力差を測る目を曇らせてしまうのでしょう。
念は使い手のコンディションによって威力や精度が上下するため、仮に格上が相手だとしても勝てる可能性はゼロかというと、その限りではありません。
しかしそれは自分も同じこと。自分のコンディションを踏まえて敵の実力と拮抗、上回ることができているのかを見定めなければ、カストロのように敗北が待っているでしょう。
ヒソカと戦ったときのカストロのように、東ゴルトーの兵士も念の修行が未熟だったために過信が生まれ、メルエム&護衛軍の強さを見誤ってしまったとも考えられます。
東ゴルトー共和国が閉鎖国家で、国外の情報がほとんど入っていなかったことを考えると、兵士は正しい手順で念を学び、伸ばせていなかった可能性が高そうです。
明らかに無謀な戦いを挑んでいた兵士は、悲しいかな、メルエム&護衛軍に肉薄する強さがあったのではなく世間知らずの未熟者なだけだったのかもしれません……
あんな異形な生物が来た時点で逃げないなんて、冷静に考えれば過信・慢心以外の何ものでもないですよね…