『新テニスの王子様』のU-17日本代表合宿に参加した中学生選手たち。
強豪校の中でも選りすぐりの選手が合宿に臨みましたが「あれ?この選手は参加してないの?実力はかなり高いのに……」と疑問に感じてしまう人がちらほら。
そこでこの記事では、U-17日本代表合宿に参加しなかったのが不思議な中学生選手をまとめました。
個人の主観でまとめておりますので、「この選手もいないのが不思議!」という場合はコメント欄で教えてください!
六角中・佐伯虎次郎
まずは佐伯(さえ)さんこと佐伯虎次郎くん。六角中の副部長ですね。
六角中といえば氷帝100人斬りのダビデくんや部長の剣太郎くんが目立ちますが、団体戦の大将となるシングルス1は佐伯さんが務めることが多かったので、六角中最強選手は佐伯さんなのだと思われます。
「古豪」と呼ばれ、関東大会ではシード枠。そんな六角中の大将・佐伯さんなら合宿に参加する資格はあって当然でしょう。
しかし、六角中からはダビデくんとバネさんのみが合宿に参加。佐伯さんの姿は見えず……
六角中の面々は本当に不遇で、作中では勝利描写が皆無なんですよね。
関東大会の青学戦だけを見ても、初戦のダビデ・バネさんペアは桃ちゃん・タカさんペアに善戦していましたが、それ以外の試合はずっと青学優位で進んでいた印象です。
さらに関東大会3位決定戦で不動峰に敗北。全国大会では比嘉中にストレート負け。
結果だけ見ると、六角中にとって悲惨な夏だったと思います(でも全国大会まで進めているのはすごい)。
そんな六角中メンバーの中でも佐伯さんは負け描写が多すぎるのです……
青学の不二・菊丸ペア、不動峰の橘さん、比嘉中の甲斐くん、そして非公式の練習試合ですが裕太くん。少なくとも4回は負けています。というか負けた4試合しか描かれていません。
不遇な六角中でさらに不遇な佐伯さん……その影響が合宿参加の可否に出てしまったか……?
聖ルドルフ・赤澤吉朗
聖ルドルフからは観月くんと裕太くんの2名が合宿に参加していました。が、なぜ彼らが参加し、この男が参加していないのか……
そう、部長の赤澤吉朗!
赤澤部長はシングルス・ダブルスともに高い実績を残しているのに……
聖ルドルフから合宿に参加するべき人間は、赤澤部長なのに……
赤澤部長はシングルスが得意な選手で、その実力はファンブック20.5巻にて全国区であると言及されています。
全国区といえば、立海大レギュラーや手塚部長、跡部様、九州二翼と同格。赤澤部長は間違いなく、将来の日本テニス界を背負う逸材の一人でしょう。
赤澤部長が実績を残したのはシングルスだけではありません。都大会で大石・菊丸ゴールデンペアにダブルスで勝利しています。
ゴールデンペアは2年生の段階で全国大会に進み1勝を上げられるくらいには強く、都大会レベルなら文句なしに最強のペアでした。
そんなゴールデンペアを捩じ伏せた赤澤部長(とペアの金田くん)。観月くんがゴールデンペアの弱点を研究し、そこを突くのに赤澤部長の必殺ショット「ブレ球」がピッタリだったという有利はありましたが、それだけで勝てるほどゴールデンペアは甘い相手ではありません。
当時の赤澤・金田ペアは、ダブルスとしても全国レベルの力があったと考えて良いでしょう。
シングルス・ダブルスともに全国区に等しい実力を示している赤澤部長。真っ先に合宿参加の声がかかっても良いでしょうし、本人にとっても成長できるチャンスだったと思いますが……なぜ……?(そもそも都大会で負けている聖ルドルフの選手が合宿に参加できること自体が謎なんですけどね)。
山吹中・新渡米・喜多ペア
山吹中はダブルスが強く、乾くんの情報では団体戦の2組とも全国大会へ進出しているとのこと。
その2組の1つである地味'Sは合宿に参加しておりました。全国レベルのダブルスですから、うなずけますね。
ではもう1組の新渡米稲吉くん&喜多一馬くんペアはというと、合宿には参加せず……作中では不二・タカさんペアを6-3で圧倒したにもか関わらず。彼らも全国レベルのダブルスだと思うのですが……
特に喜多くんは2年生で、来年度の山吹中の主力となるであろう選手。合宿に参加するメリットは大きかったと思います。
ただ、乾くんが言った「ダブルス2組とも全国大会に出場している」というのは1年前の話で、当時から新渡米・喜多ペアが組まれていたかは分からないんですよね。
地味'Sは1年前からダブルスを組んでおり、翌年も山吹中最強のダブルスペアだったことから全国へ進出したことはほぼ確定。
一方、新渡米・喜多ペアについては、1年前だと喜多くんは1年生。当時まだペアを組んでおらず、別の先輩ペアが団体戦に出場し、全国へ進出した可能性があります。
新渡米・喜多ペアが強いのは間違いないのですが、地味'Sやゴールデンペアクラスだったかというと、そこまで高く評価されていなかったのかも?
不動峰中の面々
完全に無名の状態から1年足らずで全国大会ベスト8まで勝ち進んだ不動峰中からは、橘さん、伊武くん、神尾くんが合宿に参加しました。
この3人は不動峰の主力選手であり、合宿に参加できるレベルだったと思います。
では残りの不動峰の面々はというと……彼らも全国大会で勝利しており、合宿参加レベルに達していたと思うのです。全員まだ2年生ですが、翌年は全国大会を経験した強豪選手として扱われていることは間違いありません。しかし合宿には参加しませんでした。
その理由があるとすれば……不動峰中テニス部に入部希望者が殺到したからでしょうかね?
橘さん、伊武くん、神尾くんが合宿に参加して練習のノウハウを得る。残りのメンバーは入部希望者の対応をし、部活動の運営を優先する、みたいな?
不動峰は部員が7名と非常に少なく、全員が合宿に参加してしまうと部がほったらかしになってしまいます。だから何人か部に残る必要があったのではないかと。
無名校からいきなり全国ベスト8ですからね、年度の途中からでも入部したいという生徒は少なからずいるでしょう。
勝ち馬に乗るようなムーブをする生徒を素直に歓迎できない気持ちはあるかもしれませんが、人数の少ない不動峰からすると、どんな形であれ1人でも部員が増えることには大きなメリットがあると思われます。
牧之藤学院・萩くん
牧之藤学院からは部長の門脇くんが合宿に参加。牧之藤学院は昨年の全国大会準優勝校ですから、合宿参加者がいて当然。
しかし、個人的にはエース・萩くんも参加して良かったのでは?と思うのです。昨年の全国準優勝校のエース。肩書だけを見れば、めちゃくちゃ強そうですからね。
昨年全国ベスト4の獅子学中エースの九州二翼、昨年全国ベスト16の氷帝エースの跡部様でさえ全国区と呼ばれてるのですから、萩くんも同格かそれ以上の評価を受けていてもおかしくはないでしょう。
しかし萩くんは作中での戦績がボロボロ……関西大会では四天宝寺の金ちゃんに敗北。全国大会では橘さんにストレート負け。金ちゃんも橘さんも超強豪選手とはいえど、エースがここまで負けてしまうと、それだけ評価も大きく下げてしまうことでしょう。
「全国準優勝校のエース」という素晴らしすぎる肩書きが逆に萩くんの足を引っ張ってしまい、合宿に参加するのは忍びなく感じてしまった……そんな悲しい葛藤が、萩くんの中で起きていたのかもしれません。
合宿に参加するには実力以外の「何か」が必要
「全国区プレーヤーの赤澤部長が合宿にいないのに、関東レベルの不二くんにボロ負けした観月くんが参加してるのはおかしい!」
「作中無敗の赤澤部長が合宿にいないのに、青学戦で連敗した氷帝準レギュラーの日吉くんが参加しているのはおかしい!
そんな声が聞こえてきますし、私も同じように発声している人間の一人です。
しかし、U-17日本代表合宿はただ単に実力や実績があれば参加できるわけではなありません。それ以上に大切な「人気何か」が必要なのです。その「人気何か」さえあれば、公式戦での戦績が悪くても参加できる。それくらい重要なものなのです。
その「人気何か」の正体は、私には分かりません。皆さまのご想像にお任せする結論となり申し訳ありませんが、この記事で紹介した選手たちにはその「人気何か」が足りなかったことだけは間違いないと思われます。