私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、ウォーキング(散歩)の記録などを書いている趣味ブログです!

【ハンターハンター】No.406『神器』の感想!ボノレノフの判断、やっぱりダメだった

ハンターハンター406話は、前回から引き続き幻影旅団&マフィアパート。

幻影旅団メンバーが着々と上層へ進出しています。その裏で変化するカキンマフィアのスタンス。そしてクロロの想い……

今回はNo.406『神器』の感想です!

※ジャンプ本紙の画像は貼っておりませんがネタバレを含みますので、ぜひ本紙を先にお読みください。

ノブナガ・フェイタン・フィンクスは分かれて行動

シャ=ア一家組長補佐・タハオの案内で、隠し通路を通り上層へと向かうノブナガ・フェイタン・フィンクス。隠し通路はブラックホエール1号船内の外側を経由し上層(第2層のてっぺん)へとつながっています。

船内外側には太いパイプがいくつも通っており、中は生活排水が流れているとのこと。つまり下水道ですね。

フィンクスは下水の臭いを嗅いで「懐かしい」「故郷の肥だめを思い出す」と言っていました。彼らの故郷、つまり流星街はきちんとしたインフラが構築されてなさそうでしたから、生活排水も垂れ流し状態だったのでしょう。

 

隠し通路を通ってこのまま上層へ……と思いきや、問題発生。上層には武器の持ち込み(あからさまな持ち込み)ができないため、ノブナガが腰に帯びている刀はタハオが預からなければなりません。それに対してノブナガは露骨に嫌そうな態度を取ります。せっかく「作った」刀を没収されるのは嫌なのだそう。エイ=イ一家のアジトで構成員のヨコタニに奪われたばかりですからね。

少し話は逸れますが「作った」というのは、ノブナガが念で刀を作ったということなのでしょうか?それとも、刀っぽいものを手作りしたのか……ノブナガの念能力がわからないことが、こんな些細な言動にまで影響を及ぼしている……

 

刀を没収されるなら上層には行きたくないと言うノブナガ。そんな彼にとって追い風となる発見が。

タハオ曰く、生活排水の中を流れる再利用可能な廃棄物と汚水の処理場は第4層と第5層の間にあり、そこはシュウ=ウ一家(4層をシマにしている)とシャ=ア一家(5層をシマにしている)が管理しているそう。しかし処理場で仕事をしているのは下請け業者で、その業者を仕切ってるのは双方の組の下っ端。つまり処理場で誰がどんなふうに仕事をしているのかはシュウ=ウ、シャ=アの上層部には伝わっていないのです。

この事実からノブナガ・フェイタン・フィンクスはある仮説を立てます。それは、エイ=イが下請け業者のふりをして処理場に侵入、「仕事の斡旋」という名目で乗客を集めて殺している可能性。

この仮説を確かめるべく、ノブナガはフェイタン・フィンクスと別れて第5層に戻りました。これでノブナガの刀は没収されずに済みそうです。

 

エイ=イの組員から「処理場」という言葉が何度か出ていましたが、汚水処理場のことを指していたようですね。

4〜5層の乗客はお金に困っている人たちが多いので、エイ=イの組員は汚水処理場の仕事を与えるふりをしておびき出し、殺して自身のレベルアップに利用していたと……

 

おそらくノブナガが汚水処理場に乗り込むことになるのでしょう。処理場にはレベル51になったエイ=イの組員がいるので、ノブナガと接触するかもしれませんね。

そしてフェイタン・フィンクスは2層にあるエイ=イのアジトを襲撃することになる……405話でオウ=ケンイが言っていた「ジョーカー」とフェイタン・フィンクスが接触するのかも……?

生牡蠣が発信器に戻る

ノブナガとヒンリギがエイ=イのアジトに侵入した際、ヒンリギは自身の能力で発信器を生牡蠣に変え、飲み込んでいました。そしてアジトから追い出される直前にお腹から吐き出し、アジトの一角に隠して位置を特定できるよう細工。

その生牡蠣に使っていたオーラが切れ、発信器に戻りました。

 

このシーン……挟む意味があったのかどうか疑問に感じた方が多いでしょう。が、生牡蠣くんのその後が気になっていた私からすると「安心する」という面で意味があったと言えます。

生牡蠣くんも「生き物」ですからね。やはり生死が気になりますよ。

ボノレノフの判断、やっぱりダメだった

405話でボノレノフは、ヒソカに変身したのを見破ったシュウ=ウの組員・リンチを殺したと言及していました。そして406話でリンチの遺体が発見され、若頭のヒンリギと組員のザクロに伝わります。

リンチは頸椎(首の骨)がねじり切られているとのこと。ボノレノフさん、殺意すごいっすね……

 

一度はエイ=イの仕業だと考えたヒンリギ。しかしザクロが感じたリンチの違和感や、犯人はリンチを殺したのにザクロを生かしたことから、偽ヒソカの可能性に行き着きます。

そして偽ヒソカの目的が「ヒソカを第1層に隔離したとマフィアに誤認させること」と推測。それによりメリットがあるのは幻影旅団であること……つまり幻影旅団の誰かがヒソカに化けてシュウ=ウを騙し、リンチを殺害したという仮説を立てました。

 

組員が殺されて黙っているわけにはないヒンリギとザクロ。「相手が誰であれ必ずリンチの仇をとる」と覚悟を決めます。また、もし幻影旅団がリンチを殺していた場合、幻影旅団の手引きに関与したシャ=アとも抗争が始まることを示唆。

幻影旅団VSシュウ=ウVSシャ=アの対立が生まれそうになっています。

 

これはまずいですよ……ボノレノフのリンチ殺害が、新しい争いの火種となっています……

 

もちろんボノレノフが100%悪いわけではありません。リンチを殺したのはボノレノフの独断ですが、偽ヒソカ作戦を思いついたのはクロロですし、ボノレノフに先に攻撃を仕掛けたのはリンチです。

もっとさかのぼれば、幻影旅団より先にヒソカを見つけて第1層に隔離し、ヒソカがいない下層を探させながらエイ=イの掃討に幻影旅団を利用しようとしたのはマフィア側。関係者全員に言い分があります。

しかし、マフィア側は偽っていたとはいえ幻影旅団がヒソカを穏便に捜索するための手はずを整えていました。もしマフィアと幻影旅団が敵対すれば、穏便に探すなんてことはできなくなるでしょう。マフィアVS幻影旅団の全面戦争になり、下層はめちゃくちゃになること間違いなし……ヨークシンシティの再現です。

 

もしマフィアと幻影旅団が本気で戦い始めたら、暗黒大陸に向かうこと自体難しくなってしまうのでは……?大量に死者が出るでしょうし、船そのものも大きく破損してしまうかも。

ボノレノフの判断が、事態を非常にまずい方向へ動かしつつある気がしてなりません。

シュウ=ウ一家の今後の動き

リンチの死が発覚したことで、ヒンリギはじめシュウ=ウの動きが大きく変わりそうです。

まず第3層でリンチとザクロが接触した偽ヒソカが何者なのか確認する必要がありますよね。そのために第1層にシュウ=ウの組員、あるいはヒンリギ本人が向かうと思われます。

しかし第1層にいるヒソカは事情を知らない本物。シュウ=ウの組員が本物のヒソカにリンチのことを尋ねても「知らない」と言うでしょうから、第3層にいたヒソカが偽物という仮説が現実味を帯びます。

 

ここでシュウ=ウはどう動くのか……幻影旅団に攻撃を仕掛けるのか、泳がせるのか……

 

幻影旅団にはエイ=イの掃討を任せています。シュウ=ウにとってエイ=イは均衡を崩した危険集団であるため、排除したいことには変わりありません。しかし未知の能力を持つエイ=イを相手にするのは避けたいところでしょう。そんな中で幻影旅団(ノブナガ・フェイタン・フィンクス)がノリノリでエイ=イを抹殺しようとしてくれている状況はメリットに他なりません。

 

一方で組としてのメンツを優先するなら、組員であるリンチを殺した幻影旅団にこれ以上協力してもらうのはNGでしょう。すぐにでもリンチの仇をとるため、シュウ=ウが総力を上げて幻影旅団(とシャ=ア)を攻撃するかもしれません。

そうなれば、幻影旅団の協力は得られなくなり、仮に幻影旅団を滅ぼせたとしても、シュウ=ウが自力でエイ=イも皆殺しにする必要性が出てきます。

まぁ、仮にシュウ=ウとシャ=アが結託したとしても幻影旅団には敵わないでしょうけどね……下層を仕切っていたカキンマフィアが全滅し、船の混乱がさらに大きくなるだけだと思います。

 

単純にメリットだけを考えるなら、シュウ=ウはこのまま幻影旅団を泳がせてエイ=イを始末させ、その後にリンチを殺害したのか問い詰める。この順番になると思います。

ですがカキンマフィアの流儀がそれを良しとするのか否か……組のメンツを優先し、幻影旅団と手を切り、先に抗争を起こす可能性もゼロではありません。

 

ボノレノフの判断、マジで厄介な状況を生み出してますね……

いやボノレノフだけのせいではないのですが、ボノレノフの行動が決定打になっているのは間違いなし……

マクガイトナルミ「恋のダイヤル6700(いまわし電話)」

第3層で執り行われる第9王子ハルケンブルグの葬送。そこに集まった人たちの中で「盗賊の極意(スキルハンター)」を発動するクロロ。盗んだ能力で、特定の念能力者を探しているようです。

クロロが使用している能力は、ハンター文字で本に記載されています。

 

元の持ち主の名前は「マクガイトナルミ」。

能力名は「恋のダイヤル6700(いまわし電話)」。

能力の詳細は「具現化したケータイを使って理想の相手を探し出す。条件を入力すると6〜20桁の番号が表示され、かけると案内が出る」。

 

マクガイトナルミさん、クロロに能力を盗まれたようですね……なんとなく恋愛対象となる人物を探すような能力という印象を受けますが、クロロは「お目当ての念能力を持つ人物」を見つけ、その人から能力を盗もうとしている様子。

その人物の能力こそ、「ヒソカを確実に殺す能力」なのでしょう。

しかし葬送に集まった人の中にお目当ての能力者はおらず、クロロはより多くの能力者がいるであろう上層を目指すことを決意します。

クロロが狙う「三種の神器」

クロロが盗もうと考えてた「カキンのお宝」が何なのかも406話で明らかになりました。

それは王位継承戦に関わる「三種の神器」。

  • 継承戦参加者のために使う儀式の壺「壺中卵」
  • 継承戦を見守る御神体「儀座禅仏」
  • 次代王に渡される継承の宝剣「吉兆丸」

「壺中卵」は王子たちに守護霊獣を授けた壺で、以前から登場していましたね。

「儀座禅仏」と「吉兆丸」は今回初登場の品だと思います。紹介文を見るに、それぞれ王位継承戦の「前」「中」「後」に使われる道具なのではないでしょうか。

「儀座禅仏」は「継承戦を見守る」ということですから、継承戦中に効果を発動し、王子たちの動向を監視するためのものなのでしょう。船外に出た王子を殺す謎パワーの正体がこれですかね?

「吉兆丸」は継承戦を勝ち残った王子に渡されるものだと思われます。王子の守護霊獣のパワーアップに使うもの……とかかしら?

 

この「三種の神器」、宝物としてかなり価値があると思われます。しかしクロロは、「三種の神器」を盗むプロセスそのものにも重きを置いている模様。

「盗賊の極意(スキルハンター)」の進化

406話でクロロは「盗賊の極意(スキルハンター)」が進化することについて言及しました。ヒソカを確実に仕留めるためのレアな能力を盗み本に収める。そのためには「盗賊の極意(スキルハンター)」をさらに進化させる必要があり、進化の条件は従来の条件を満たす前に「国宝級のお宝を盗む事」なのだそう。

守りが万全なお宝を盗むことで「盗賊の極意(スキルハンター)」はさらに進化できるようです。こんな設定があったんですね……

 

なんとなくですが、「国宝級のお宝を盗む事」という進化の条件は、クロロの精神面に影響するように思います。「国宝級のお宝を盗んだ」という自信、それによる精神的な成長が「盗賊の極意(スキルハンター)」の進化につながるのではないかと。

念は精神の状態と密接に関わりますし。

ネテロの「感謝の正拳突き1万回」にも通じる部分がありそうですね。正拳突きを毎日1万回繰り返すことで身体能力が極まったことに加え、精神的にも大幅に成長した。だからネテロは「百式観音」という人間のレベルを遙かに超えた能力の発現に至った……的な?

クロロも精神面での成長をすることで、人間レベルを超えた念の開発を目指しているのかも?

 

そういえば、冨樫義博展の図録で、念の「修練度」という設定が公開されましたよね。念は修練度に応じて「優」「秀」「天賦」「極」の4段階に分かれるそう。

そしてクロロの現時点での修練度は「天賦」。つまり修行によってもう1段階進化した「極」になれる可能性があるということ。

クロロの言う進化とは「修練度を上げること」であり、その条件(=修行)として自らに「国宝級のお宝を盗む事」を課している……なんて考えましたが、どうでしょう?

原作では修練度という単語が登場していないので、このあたりの詳細は濁されるかもしれませんが。

「盗賊の極意(スキルハンター)」はどんな能力でも盗めるわけではない?

「盗賊の極意(スキルハンター)」は他人の能力を盗むまでの条件が厳しい分、条件さえ満たせればどんな能力でも盗めるのだと思っていました。

しかし406話のクロロのモノローグを見る限りでは、「盗賊の極意(スキルハンター)」には盗める能力とそうでない能力があるようですね。

少なくともクロロが欲している「ヒソカを確実に殺すための能力」は、現状の「盗賊の極意(スキルハンター)」では本に収めることができないようです。

 

「盗賊の極意(スキルハンター)」にはクロロが明かしていないだけで、さらなる条件がありそうですね。例えば「術者(クロロ)の死を制約に含む能力は盗めない」とか。

その「さらなる条件」をクリアすることが、「盗賊の極意(スキルハンター)」を進化させることとイコールなのかも?

 

「盗賊の極意(スキルハンター)」ってかなり異質な能力ですね……「盗んだ能力の発動中は右手で本の該当ページを開かないといけない」という制約を「栞のテーマ(ダブルフェイス)」によって解消してますし、後付けで制約や効力がどんどん変わっている印象です。

一度決めた制約を覆せてしまうのであれば制約としての効果が薄まりそうですが、それを実現できている「盗賊の極意(スキルハンター)」は、やっぱり他の能力と別物だなと感じます。

クロロも上を目指す

三種の神器があるのは第1層であろうこと、そして「恋のダイヤル6700(いまわし電話)」で探しているお目当ての念能力者が上層にいることから、クロロも本格的に第1層を目指します。

 

第1層に行けば三種の神器を盗む前にヒソカと遭遇するリスクが高まりますが、クロロは百も承知。仮に自分が死んだとしても「次善」が整っているから問題なく、幻影旅団も存続し続けられると考えているようです。

存続……というか「幻影旅団という恐怖の集団が流星街を守り続ける」というシステムそのものの維持ですかね?

この「次善」が何なのかはわかりませんが、クロロは「ヒソカを確実に殺すための能力」を盗む前に自分が死んだ場合の作戦も練っているということなのでしょう。

すでに死後発動する念を仕込んでいるのか、幻影旅団以外の誰かを助っ人として忍び込ませているのか……これが何にせよクロロにとっては「次善」の策であり、自分の手でヒソカを殺すことが「最善」のようです。となると、もしかしたら「次善」の策は使われないかもしれません。

 

現在クロロがいるのは第3層だと思われます。ここから第1層に行くには、第9王子の葬送に紛れるのが手っ取り早そうですね。第9王子の遺体は第3層から第1層まで運ばれます。

クロロの早技で第9王子の遺体を運ぶ私設兵を操作系能力で操り、「転校生(コンバートハンズ)」で見た目を入れ替える。そしてクロロは私設兵のふりをして第1層へ……

恐ろしく速い手刀を繰り出せるクロロなら朝飯前でしょう。

 

他にはマフィアの手助けで第1層に行く方法もありますが……ボノレノフ(幻影旅団)がリンチを殺したことがヒンリギにバレ、マフィアが幻影旅団を敵視している可能性がありますからね。もうマフィアの助けは借りられないと思ったほうが良いでしょう。