私の名前はジロギン。

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【ハンターハンター】No.409『交渉③』の感想!ボークセンが選んだ意外な結論

ハンターハンター409話では、モレナとボークセンによる交渉ゲームが「結論」へと到達しました。

しかしその結論は、ボークセンが最初に想定していたのとは異なる意外なもので……

今回はNo.409『交渉③』の感想を書いていきます。

※ジャンプ本紙の画像は貼っておりませんがネタバレを含みますので、ぜひ本紙を先にお読みください。

特殊戒厳令、ヤバい

408話ラストで船内に特殊戒厳令が発令されたことがアナウンスされました。国家存亡の危機に対する最大級の警戒態勢がこの特殊戒厳令です。

ボークセンの話では、特殊戒厳令が発令されたことで全国王軍兵は以下の権利と義務を付与されたとのこと。

  • 「不審者に対する警告無しでの射殺」の権利
  • 「武装市民の徹底排除即ち危険分子の即時射殺」の義務

つまり国王軍兵は全員、怪しいヤツ&武装してるヤツがいたらその場で射殺できる(射殺しなければいけない)と……

「危険からカキンを守るため」という建前があるとはいえ、実質的に国王軍の独裁体制ができ上がったような感じですね。

この状況下で最も得をするのは、第1王子ベンジャミン。ベンジャミンはカキン国王軍の軍事最高副顧問で、私設兵たちは全員国王軍兵です。特殊戒厳令下では先述の権利と義務が私設兵たち全員に付与されます。不審者・危険分子と見なした人間を即射殺できるということです。

王位継承戦に参加中の王子や私設兵たちは、お互いに殺し合いをしている最中。怪しい動きをする人物は必ず出てくるでしょう。そんな人物に対しベンジャミン私設兵は無警告で射殺する権利を得たことになります。

もし特殊戒厳令がベンジャミンの意思で発令されていた場合、継承戦はベンジャミンにかなり有利に傾いているといえるでしょう。

 

ただ個人的に疑問なのが、特殊戒厳令が発令されたとすると、あまりにもベンジャミンにとって有利過ぎるという点。

そもそもベンジャミンは自身も私設兵も全員が念能力者。さらに軍事最高副顧問の立場を利用し私設兵を各王子の部屋へ派遣し監視(「防衛権」を駆使した暗殺)をしてきました。圧倒的に有利な状況で継承戦に臨んでいます。

その上、特殊戒厳令で得をするのもベンジャミンというのは、でき過ぎているような気がしてなりません。

どのような背景で特殊戒厳令が発令されたのかは、次の王位継承戦パートで明らかになるかもしれませんね。

ボークセン、はじめてのチュウ(ディープ)

特殊戒厳令のアナウンスがあっても、交渉ゲームを続けるよう提案するボークセン。モレナは一瞬動揺したものの、ボークセンの提案を了承し、ゲームを続行します。

モレナも特殊戒厳令の発令は警戒していた様子。まぁそうですよね。モレナたちエイ=イ一家は現在進行形で乗客を殺しまくっており、その数はおそらく数百人におよんでいます(まだまだ増えるでしょう)。殺害した乗客にはシャ=ア一家の組員も含まれており、マフィア同士の均衡が崩れ抗争寸前の状態になっています。

それだけでは止まらず、モレナの目的はカキンそして人類を滅ぼすこと。まさにカキンにとって危険分子。特殊戒厳令下においてモレナ含むエイ=イ組員は真っ先に射殺される対象でしょう。

 

それでも余裕を崩さないモレナ。相変わらずのフランクさでボークセンに話しかけます(モレナかわいい)。モレナの余裕からボークセンは、エイ=イのアジトは国王軍兵に見つからない、または踏み込めない場所なのだと推測しました。アジトの場所については後述します。

 

ゲームを続けるべくボークセンが指定したカードは「D(取引)」。親の「小さなお願い」を子供がクリアすることで、子供は任意のカードを墓場から手元に戻せるという効果のカードです。

この「D」を指定することでボークセンは墓場に行った「X(ゲームを無効にして解放されるカード)」を取り戻そうとします。

そしてモレナの小さなお願いは「ディープキスをする」こと。モレナの念能力「恋のエチュード(サイキンオセン)」はモレナの唾液を他者に接種させることで発動します。ボークセンに対してその条件を満たそうとしているわけですね。これは予想しやすかったかなと思います。

 

ボークセンはモレナのお願いを承諾し、ディープキスをすることに。ある意味経験豊富なモレナは、ボークセンの舌使いからはじめてのチュウ(ディープ)であったことを察した様子。初めてであることを指摘されたボークセンはかなり動揺していました。

でも良いじゃないですか。はじめてのチュウの相手がモレナだなんて。ここ数話のモレナのかわいらしい言動を見たことで「うらやましい」と感じる読者が大半でしょう。モレナが初めての相手というのは非常に恵まれており、むしろ代わってほしいと思えて……はっ!何を書いているんだ私は。本筋に戻りましょう。

 

モレナの仲間になる条件は、ディープキスをして「恋のエチュード(サイキンオセン)」に感染することだけではありませんでした。他に以下2つの条件を満たす必要があります(順不同)。

  • 交渉ゲームの結論が「イエス」になること
  • モレナかモレナの仲間が殺人をしている現場に居合わせること

ディープキス、結論が「イエス」、殺人現場に居合わせる、この3つが揃って初めてモレナの仲間となるようです。

この「仲間になる」というのが文字通り「エイ=イの組員となること」なのか、「恋のエチュード(サイキンオセン)の発動条件を満たすこと」なのかは、解釈が別れそうですね。前者の場合、結論が「イエス」になることと殺人現場に居合わせることは単なる通過儀礼。後者の場合、「恋のエチュード(サイキンオセン)」の制約と誓約になるのかなと。

……なんて予想してみましたが、そこまで深く考えることでもありませんかね。どのみち外部の人間をエイ=イに引き入れるなら、モレナは交渉ゲームをするでしょうし、ディープキスもするでしょうし、自身か仲間の殺人を目撃させるでしょうから。通過儀礼だとしても制約と誓約だとしても、モレナは3つ全てを実行しようとするはず。

エイ=イのアジトの場所

エイ=イのアジト内に流れる特殊戒厳令のアナウンスから、アジトが船内のどこにあるのか予想するボークセン。さらにモレナの手元にある「質問A(親は内容・数を問わず子供の質問に何でも回答する。ただし質問に対する回答は「イエス」「ノー」「イエスアンドノー」の3つのみで行う)」のカードを指定し、アジトの場所を特定しようと試みます。

結果として、エイ=イのアジトは第2層と第3層の間にあることが判明しました。

 

アジトの場所は、以前ノブナガ・フェイタン・フィンクスがある程度特定してましたよね。ヒンリギとノブナガがアジトに侵入した際、ヒンリギが置いてきた生牡蠣(発信器)の反応からアジトは第3層より上(第2層)にあるとわかりました。それがボークセンの質問によりさらに絞り込めた形です。

現在、フェイタンとフィンクスがシャ=アの隠し通路から第2層の上部に向かっています……ということは、エイ=イのアジトの場所とはちょっとずれた場所に出てしまいそうですね。

 

アジトは第2層と第3層の間にあるということですから、ブラックホエール1号を設計・建設する段階でエイ=イの組員が介入し、アジトを作らせたのでしょう。しかもアジトは念でガードされており、普通に入ろうとすると強制的に外に出されてしまいます。

フェイタンとフィンクス、第2層にたどり着いてもすんなりアジトを見つけられるかというと、ちょっと難しそうですね……

ボークセンが聞いた質問によれば、アジトの入口は一般人でも利用できる場所にも存在しているようですが、簡単に入れる仕組みにはなっていないでしょう。念によるトラップが施されているはず。

アジトの入口を見つけてもタダでは入れない。だからこそのモレナの余裕だと思います。

怪しげなボークセンの行動

ボークセンの手元のカードが「R」と「No」の2枚になったタイミングで、ボークセンは裏向きになっているカードを表にするよう要求しました。

理由はモレナのディープキス(セクハラ)に応じている間カードから目を離しており、その隙にイカサマされていないか確認するため。

結果としてモレナ側はイカサマをしていませんでした。が……このタイミングでむしろボークセンがイカサマをしたんじゃないかと思えてしまいます。

 

最終的にボークセンは「R」のカードを手元に残すことに成功。それと同時に「R」のカードを強く握ってぐちゃぐちゃにしています。

これ、何かイカサマしたのを隠滅したんじゃないでしょうか……?

ぐちゃぐちゃにしたのがあまりにも意味深なので気になってしまいました。

「No」が残るとボークセンは殺されてましたので、それを回避しようとしていたのではないかと。

しかし、後述するボークセンの選択した「結論」はモレナの希望通りのものだったので、モレナ側としてはボークセンがイカサマしたのかどうかはどうでも良いことになるでしょう。むしろイカサマして「No」が残らなかったことで、また別の特質系候補者を探して交渉ゲームをする手間が省け、モレナ側にはプラスになったともいえます。

ボークセンが選んだ「結論」

暗黒大陸を目指す状況も、マフィアに引き込まれようとしている状況も、ボークセンにとって耐えがたい「非日常」。この「非日常」から脱出する、少なくともエイ=イのアジトから無事に離れたいと考えていたボークセンは、交渉ゲームで唯一の勝ち筋ともいえる「X」のカードを最後に残すことを目指していました。

その上で「質問A」のカードを利用し、モレナからアジトの場所や仲間の数、それぞれの能力などの情報もたくさん引き出していたと思われるボークセン。ただ離脱するだけではなく、離脱した後にエイ=イを壊滅させられるだけの情報も得ようとしていたのでしょう。

 

ゲームを進行する途中で「X」のカードは墓場に行ってしまいましたが、先述のとおりボークセンは「R」のカードを手元に残すことに成功。「R」は墓場のカードを手元に戻すことができる効果があります。つまり墓場の「X」を戻してボークセンの「結論」とし、ゲームから無条件で解放されるということです。

これでゲーム開始当初にボークセンが狙っていたとおりの結論になった……と思いきや、ボークセンが「R」で墓場から戻したのは「X」ではなく「Yes」のカード。モレナの仲間になる結論を下したということです。

モレナも困惑し「間違いじゃない?」と質問しますが、ボークセンは確固たる意思で「Yes」を選んだとのこと。

 

409話の前半までボークセンは「X」を結論にすることを目指していました。しかし最終的な結論は「Yes」……どこかのタイミングで心変わりしたのでしょう。

あり得るとすれば、「質問A」のカードでモレナに質問責めしている間でしょうか。

特にボークセンの「私なりにカキンを変えていこうと思うけれど、それでもアナタは目的を変える気はない?」という質問に対し、モレナが「自分の目的は変えない」と答えたあたりが怪しそうですね。

質問する中で、祭孤児というモレナの出自とそれによって生まれた憎悪に共感したのか……あるいは他にボークセンが心変わりするような回答があったのか……

ボークセンは何を考えているのか?

モレナの仲間になるという結論を出したボークセン。彼女は一体何を考えているのでしょうか?

単にゲームを進める中で心変わりしてモレナに協力したくなったという可能性はあります。が、何か裏があるということも充分に考えられそうです。

 

ボークセンの思惑を特定するのは難しいですが……パッと思いついたところだと、

  • エイ=イの動きを外部(国王軍)にリークするスパイとして潜り込もうとしている
  • 念能力が開花したタイミングで別の方法で離脱し、念の情報を同僚たちに共有しようとしている
  • ボークセン自身が内部からエイ=イを崩壊させようとしている
  • モレナと接触できる機会を増やして改心させようとしている
  • 念の開発を中途半端なところで止めて、エイ=イ(モレナ)の計画を足止めしようとしている
  • 特殊戒厳令により船内が大混乱になることを危惧し、エイ=イに匿ってもらおうとしている
  • 特殊戒厳令下でボークセンの身にもしものことがあった時のため、念能力だけは習得しようとしている(その後離脱するつもり)

とかですかね……でも全部違う気がする。

 

あるいはボークセンが「Yes」を結論とする代わりに、モレナに追加の条件を提示することも考えられそうです。例えば、

  • ボークセンの同僚たちもモレナの仲間にしてもらう
  • 第4王子ツェリードニヒの暗殺を最優先にするよう組員に指示してもらう(私設兵たちはツェリードニヒを危険視しているため)
  • エイ=イの組員が殺す人間から国王軍兵を外してもらう

のように、自身と同僚を守るためにエイ=イを活用しようとするかも?

 

メタ的なことを言うと、407話〜409話と3話もかけて交渉ゲームを行ったのですから、ボークセンが何もなく解放されるという展開にはまずなりませんよね。この3話に意味を持たせるためにも、ボークセンはモレナの仲間になるという展開は必然だと思います。

ではなぜボークセンが考えを変えたのか……その理由は、ボークセンに求められるエイ=イでの役割とあわせて明かされるかもしれませんね。

次回以降を待ちましょう。

エイ=イ一家の目的遂行へ一歩前進

モレナの仲間になることを決めたボークセン。これでエイ=イは、探していた特質系に目覚める人材の確保に成功したことになります。

具体的にボークセンにどんな能力を開花してもらいたいのか、どんな役割を担ってほしいのかは今のところ不明。ですが、ひとまずエイ=イの(モレナの)目的に一歩近づいたことは間違いないでしょう。

 

着々とエイ=イの計画が進んでいますね……このまま誰にも邪魔されることなくスムーズにいくのでしょうか?

ボークセンが予想していたように、国王軍がエイ=イのアジトに踏み込むことは難しいと思います。念の知識がほとんど無い彼らに、念のトラップが何重にも仕掛けられているエイ=イのアジトを攻略することはまず無理でしょう。

組員個人も念能力に目覚めていますから、アジト外で捕獲・殺害するのも厳しいと思われます。

エイ=イの障害になる存在がいるとすれば、幻影旅団ですかね。現状フェイタンとフィンクスがアジトを探して第2層に、ノブナガが下水処理場に向かっています。

念能力者としてレベルアップしているエイ=イの組員たちですが、念の知識も技量も旅団の方が圧倒的に上。もし戦うことになったらほぼ確実に劣勢に追い込まれるでしょう。

 

エイ=イの作戦がどこまで思い通りに進むのか……どのタイミングで幻影旅団が介入するのか……シャ=アの若頭・オウさんが言っていた「モレナが用意しているジョーカー」の存在も気になります。

本当に予想がつきません……早く来週のハンター読ませて!!