私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、ウォーキング(散歩)の記録などを書いている趣味ブログです!

【ハンターハンター】No.410『交渉④』の感想!逃げられぬボークセンと死が迫るベンジャミン

ハンターハンター410話『交渉④』では、ボークセンが交渉ゲームの結論として「Yes」を選んだ理由が明かされました。私としては想定外の理由で、少々困惑……

そして大胆に動き出す第1王子ベンジャミン。特殊戒厳令を利用し王子たちの殲滅と正式な王位の継承に取りかかります。

今回はNo.410『交渉④』の感想を書いていきます。

※ジャンプ本紙の画像は貼っておりませんがネタバレを含みますので、ぜひ本紙を先にお読みください。

ボークセン、念で操作されていた

409話にて、交渉ゲームの結論として「Yes」を選んだボークセン。エイ=イ一家の仲間になる選択したということですね。

結論を出す直前までゲームからの離脱を狙っていたボークセンが、なぜ仲間になる決断をしたのか……いろいろ予想しておりましたが、念によって操作されていたためだったようです。

 

交渉ゲームはモレナの能力の一部であり、子供がイカサマをした場合、操作系の能力が発動。ゲームからリタイアしたものと扱われ「Yes」か「No」しか選べなくなるそう。

ボークセンは「No」と「R(リターン)」のカードが手元に残った際、モレナ側がイカサマをしていないか確認したいと要求しました。実はそのとき、ボークセンはカードに細工をしていたのです(最後にボークセンが「R」のカードを握りつぶしたのは細工を隠滅するため)。そのため操作されてしまいました。

 

念による操作といっても「Yes」「No」のどちらを選ぶかはボークセンが選択できたのだと思われます。このことから完全に思考を支配する「強制型」ではなく「半強制型」の操作系能力が働いたのでしょう。

でも「No」を選んだらその場で殺されますから、この2択だったら「Yes」を選ぶしかありませんよね……ほぼ強制。

 

ゲーム中は頭がキレッキレだったボークセン。そんな彼女が結論として「Yes」を選択したということは、何か狙いがあるのだとすっかり思い込んでいました。

モレナの「間違いじゃない?」という反応からも、ボークセンはモレナの裏をかいているものかと。

しかし蓋を開けてみれば、イカサマによりボークセン自らモレナの操作系能力発動の条件を満たしてしまっただけでした。前回の考察でいろいろな可能性を考えましたが、深読みし過ぎでしたね笑

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交渉ゲームでボークセンが勝つ(離脱する)には、ルールの範囲内で「X」のカードを結論にするしかなかった。もう完全な運ゲーだったということ。

それにしてもボークセン、迂闊でした……自分がイカサマをした場合のペナルティまでは考えが至らなかったようです。

モレナたちがイカサマを一切していないことから、ボークセンなら「ルールを違反した場合のペナルティが親にも子にも適用されるから、モレナ側はイカサマをしない」という考えを導き出せそうにも思います。が、命がかかったゲームを前にして、あせってしまったのかもしれませんね。

あるいは、イカサマをしてもモレナにバレなければペナルティは受けずに済むと考えていたのでしょうか……だとしたら残念なことに、交渉ゲームをリタイアした際の操作はモレナの意思に関係なく自動で発動するものだったようです。

 

過程がどうあれ、交渉ゲームの結論は「Yes」。ボークセンはエイ=イの仲間(仮)になりました。

ボークセンはエイ=イ(モレナ)の目的達成に必要な人材とはいえ、モレナは少し複雑な心境かもしれませんね。ゲームの最中、ボークセンはモレナに「私なりにカキンを変えようと思う。それでも目的を変えるつもりはないか?」という質問をしていました。その上でボークセンはイカサマをしたわけですから、詭弁だったということですよね。

 

ボークセンが不本意で仲間になったことはモレナとしても明白。ほぼ間違いなく裏切られるでしょう。

それでもボークセンを仲間として置いておくのか、他の候補者で早期に代用するのか……モレナの心の内が気になります。

ボークセンの「目的」とは?

交渉ゲームの結論が出たところでモレナは、ボークセンが「Yes」を選んだ場合のルールを語り始めます。

  • ボークセンが生きていて仲間である限り、エイ=イの組員はボークセンとその関係者の命は狙わない(後回しにする)
  • ボークセンの行動は自由で、モレナの目に余らない範囲であれば何をしてもOK。「仲間割れ」も「裏切り」も可。しかし「恋のエチュード(サイキンオセン)」に感染した者の位置状況やレベル、ポイント数、能力値(「発」のことかな?)はモレナが全て把握している
  • 「恋のエチュード(サイキンオセン)」の感染から逃れることはできず、目的(ゲーム)をクリアするか運営(感染源である人物)が消えるか、感染者が死ぬまで持続する

ボークセンはすでにモレナの監視下にあるということですね。

モレナが第4王子ツェリードニヒの動向を把握するために第4王子私設兵を感染させようとしていましたが、やはり「恋のエチュード(サイキンオセン)」には感染者を介した情報把握能力があったと。

 

今後のボークセンの行動は概ね自由ですが、モレナには全て筒抜けなので、おおっぴらに仲間割れや裏切りを行うのは難しそうに思います。

もちろん殺人を犯してレベルを上げるかどうかもボークセンの自由。しかし、エイ=イはドッグマンの能力で他の特質系能力者を捜索中です。あまりにもボークセンが非協力的な場合、他の能力者をボークセンの代わりにして、ボークセンは組員のレベルアップに使われてしまうかもしれません。

 

状況的に殺人を犯さなければならなくなったと思われるボークセン。そんな彼女は「目的」ができたため、仲間たち(同僚たち)のところへ戻ると言い放ちました。

ボークセンの言う「目的」とは何なのか……エイ=イの「目的」と同じ殺人か、国王軍にエイ=イの情報を流して潰すことか、モレナを改心させることか、あるいは自分でモレナを暗殺することか……

真意不明のまま交渉ゲームは終了。これから先、ボークセンの動きが重要になりそうです。

 

ボークセンはカキンとエイ=イ、どちらに与するのでしょうかね。

エイ=イの組員が20名ちょっとであることをボークセンは知っていますから、数で見ればエイ=イの企みは無謀そのもの。

しかし念という超能力の存在、その念を他人に目覚めさせられるモレナの「恋のエチュード(サイキンオセン)」の存在を考えると、カキン国王軍といえど非常に危険……

 

私がボークセンだったら、エイ=イの味方をしちゃいそうです。

どうせ国王軍に戻っても「エイ=イと接触していたかもしれない危険人物」と扱われて、最悪殺される可能性もあるでしょう。だったらエイ=イの味方をして今すぐ殺されるリスクを回避するのが先決かなと。そして自分の命がかかってるとしたら、人の命も奪っちゃうかもなぁ……自分が悪人と感じる人限定でね。

第1王子ベンジャミン、王子殲滅に乗り出す

特殊戒厳令が発令された船内。特に第3層では乗客全員がひざまずき、国王軍兵が身体検査を行う異常事態になっています。

同時にエイ=イのアジトにつながる入口(3101号室)を国王軍兵が調査・発見していますから、特殊戒厳令発令の理由にはエイ=イによるテロも含まれてそうですね(一番重要な発令理由は後述)。

 

そして特殊戒厳令を発令させた第1王子ベンジャミンが動き出しました。以前からの目論見通り、特殊戒厳令を利用して他の王子を殺そうとしているようです。

隠れて行動するつもりが微塵も無い、どストレートな暗殺……いや殺戮ですね。

ベンジャミンが殺戮に乗り出したのは、自分の命に時間制限ができてしまったため。おそらく私設兵のバルサミルコに憑依した第9王子ハルケンブルグが、ベンジャミンの近くで靴に仕込んだ毒を散布したのでしょう。

毒に感染したベンジャミンに残された猶予は、昏睡するまでの9時間半。この間に現国王・ナスビによる継承権譲渡の宣言と誓約書の授与を実施し、ベンジャミンを正式な後継者とするための手続きを完了させ、他の王子も殺そうとしている様子……忙しすぎぃ!!さすがに無茶じゃないですかね、ビッグブラザー?

 

この無茶を押し通すためベンジャミンは司法省に乗り込み、三権を全て渡すよう交渉(脅迫)を開始。そのための特殊戒厳令ですね。

司法省側の人間としてベンジャミンと相対するは十二支んのミザイストムとボトバイ(久しぶりっすね)、そしてセンリツ大好きカイザル。

ミザイストムはなぜ特殊戒厳令を発令したのか、ベンジャミンに問いかけます。

ベンジャミンの回答は「第4王子と第9王子共謀による生物兵器テロ」。これが表向きの特殊戒厳令発令の理由のようです。

第9王子ハルケンブルグはバルサミルコの体を使ってベンジャミンを毒殺しようとしてたのは間違いありません。が、第4王子ツェリードニヒは無関係。「ハルケンブルグはツェリードニヒを慕っている」という関係性からベンジャミンがでっち上げた嘘でしょう。ツェリードニヒを自分の手で殺すために考えたのだと思われます。

しかも生物兵器(毒を持ち込んだことも彼らになすりつけようとしています。あんまりですよ、ビッグブラザー……

 

さらにベンジャミンは「生物兵器テロに他の協力者がいるかもしれないため、その容疑者を拘束・尋問している」と言い、ミザイストムたちを牽制。つまり人質として一部の王子の身柄をすでに確保しているということです。

さらにさらに!「三権がベンジャミンの手にないと、拘束した容疑者が毒に感染していた場合、病院に搬送する許可はできない」と脅します。「早く手続きを進めて三権をオレ様のものにしてくれないと、他の王子が毒で死んでも知りませんよ、司法省さん」ということですね。そんなことを言っているベンジャミン本人が毒に感染しているのですが……

 

もうなりふり構ってられないベンジャミン。残り9時間半で一気に継承戦の片をつける気なのでしょうが、そう上手くいくとは思えません……

メタ的な考え方になってしまいますが、まだ王子たちの守護霊獣の能力が明らかになってませんし、ベンジャミン本人の守護霊獣の能力さえ不明。こんな状況で継承戦が終わるとは考えにくいです。

それに、ナスビの考え方とベンジャミンの行動は相反します。ナスビは搦め手を使って勝ち残れる者こそカキンの王にふさわしいと考えています。そんなナスビが、特攻をしかけているも同然のベンジャミンを正当後継者として認めるでしょうか……?

ベンジャミンが9時間半で王子全員を抹殺して一人だけ生き残れば話は別ですが、そうでない状況下では「最後の一人になるまで認めないホ」などと言いそうです。

やはり9時間半という時間があまりにも短い……ベンジャミンが確実に追い詰められている……

ベンジャミンに子どもがいた

「仮にベンジャミンが他の王子を殲滅させても、自分が毒で死んじゃったら意味なくない?」と思えます。そのことはベンジャミン自身も認識済み。

ベンジャミンは王位の正式な継承権を得た後なら、死亡しても緊急事態法第一条「王制維持の危機」が適用され、自分の子供に王位を渡すことができると考えているようです。

いや子供いたんかーーーい!

とツッコミをしたのは私だけではないはず。ベンジャミンには非嫡出子(結婚していない相手との子)がいるそう。自分が死んだらその子に王位を継がせようとしているようです。

それでいいのかベンジャミン!?自分が王になることが目的じゃなかったの!?王位継承戦に勝つという過程のほうが先行してない!?

ベンジャミンが死んでもなお王位を継承することで得をするのは、ベンジャミンママことウンマでしょうか……ベンジャミンは個人としてではなく家系としての勝利を目標に切り替えたのでしょうかね。

 

そしてニュルっと存在が明かされたベンジャミンの非嫡出子……結婚していない相手との間にできた子供……ってベンジャミンくん、キミまさか謝肉さ……いや確定的な情報はない。まだ何もわからんのと同義。

 

そもそもこのベンジャミンの子供、仮にベンジャミンが正式な王になったとして継承権はあるのでしょうか?

継承権がある子供、つまり王位継承戦の参加資格があるのは王の正妻の子です。愛人の子は二線者として扱われ継承権はなく、表舞台にも立てません。

今のベンジャミンが王になっても正妻の子ではない非嫡出子は二線者になってしまうのでは……?

あるいは王位を継承した後に愛人を正妻と認めれば、その子は二線者ではなくなり継承権が与えられるのでしょうか?

それとも緊急事態法は二線者にも適用される特例的な制度という可能性も……

このあたりのシステムがどうなっていて、ベンジャミンがどう解釈しているのか、謎ですね。もしベンジャミンの子に王位が継承されなかったら、ベンジャミンの死に際の行動が全て無駄になってしまいます……

第9王子ハルケンブルグはどうなった?

ベンジャミンに毒を感染させたと思われるハルケンブルグ(外身はバルサミルコ)。しかしその後がまだ描かれておりません。どうなっちゃったのでしょうね……

ベンジャミンが特殊戒厳令を発令し、その理由が「生物兵器によるテロ」ですから、ハルケンブルグが毒殺しようとしたことはバレているに違いありません。その後どうなったのか、ですね。

 

王子を殺すことは極刑に値する行為ですが、ハルケンブルグはバルサミルコの体を使って暗殺しようとしていました。仮にベンジャミンがハルケンブルグ(バルサミルコ)を殺したとしても王子の殺害にはならないはず。

あるいは、ハルケンブルグの念を解除してバルサミルコを助ける方法を探るために、まだ生かしてあるか……いや直情的なベンジャミンなら殺してても不思議じゃないなぁ……

第3王子チョウライ&第7王子ルズールス、所在安否不明

一部王子はベンジャミンたち国王軍により拘束・尋問中。その上でベンジャミンは、「残りの王子は4人」と言及しています。ということは、その4人以外は全員「いつでも殺せる」状態なのでしょう。

残る4人の王子として確定しているのが、第3王子チョウライと第7王子ルズールス。国王軍兵からのベンジャミンへの報告内容によると、この2人は所在安否不明とのこと。

 

コインおじさんことチョウライについては行方が大まかにわかっており、ケツモチをしているシュウ=ウ一家組長の居住区内通路を通り、第2層へ逃げている模様。ベンジャミンの魔の手から逃れようとしたのでしょうね。

チョウライの動きからベンジャミンは「司法省に保護を求めた」または「マフィアと合流した」可能性を疑っています。

まだどちらかは確定していませんが……私は後者、マフィアと合流したのだと予想します。これもメタ的な考えではありますが、チョウライはこの先マフィアの抗争に巻き込まれるのではないかと。

エイ=イの組員は王子を殺すとレベルが一気に50も跳ね上がります。この設定があるということは、エイ=イの組員が王子の誰かに接触し、殺害する展開があるはず。

しかしガチガチに警備されている第1層や司法省にエイ=イの組員が侵入するのは困難。となれば王子側から何らかの事情によりエイ=イの組員が接触できる下層に降りてくることになるでしょう。その王子がチョウライなのでは……?今のチョウライの動きを考えると、このような展開をどうしても思い描いてしまします。

 

さらにチョウライがケツモチするシュウ=ウは、組員のリンチ=フルボッコさんが幻影旅団に殺されたと推測しており、報復する気満々。

もしチョウライがマフィアと合流していたら、ほぼ間違いなくエイ=イVS幻影旅団VSシュウ=ウに首を突っ込むことになるでしょう……!

 

ルズールスについても、チョウライと同じくケツモチをしているマフィアのシャ=ア一家と合流しているかもしれません。マフィアとのコネクションがあるこの2人が同時に行方不明になっていることからも、そう思います。

ただルズールスがどこにいるか、生きているのか否かは現状不明。ルズールスはセンリツ・カチョウ・カイザルに命を狙われてましたから、やられてしまった可能性も……?

カイザルの「最後の砦」

司法省にズカズカとやって来て脅しをかけるベンジャミンを見て、カイザルは「毒に感染し余命が僅かだからこその行動」だと予想。

もしベンジャミンが死ねばカイザルの目的(何かはまだよくわからない)を達成する光明が見えてくるそう。特殊戒厳令下でベンジャミンに好き勝手行動されているとできないことのようですね。

そしてカイザルの言う「最後の砦」もこの光明に関わっていそう。最後の砦とは、No.400『秘匿』でカキン司法局捜査課のシュタイナーに渡した謎のボタンのことだと思われます。もしベンジャミンが司法省の「VIP用の証人保護エリア」までやって来た場合に押すよう指示していました。

何でしょうかねこのボタン……まさか爆破スイッチ……なんてことはありませんかね?笑

 

シュタイナーは暗黒大陸の証言者として生還が約束されている人物。そのためベンジャミンも手出しできないだろうという想定でカイザルは彼に謎ボタンを渡したのでしょう。

このボタンがカイザルの切り札になると思われます。

もし本当にカイザルがめっちゃ恋愛脳でセンリツに恋をしているのなら、センリツとその護衛対象であるカチョウ(&フウゲツ)を手助けする何かになるのでしょうかね?

もしボタンを押すことが特殊戒厳令を打開する策となるのなら、カチョウ・フウゲツ以外の王子にとってもメリットとなりますが……

気付けばカイザルとシュタイナーもめちゃくちゃ重要なキャラになってる!!!

そして休載へ…

10月から続いたハンターハンターのジャンプ本誌掲載ですが、410話でまた休載に入るそうです。再開時期は未定。

前回の休載前に「週刊連載ではなくなる」との発表が公式にありましたので、どこかしらのタイミングで休載になるとは思ってました。が、これまで通り10週連続で読めたので私としては満足です。

401話〜410話の中で個人的に最も興奮したのは、やはりボノレノフが梟に変身したシーン……陰獣ファンとして、たまりませんでした……!

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冨樫先生はXで、すでに410話から先の原稿にも着手していることを公開しています。となると再開はそんなに先でもないように思えますが……じっくり待ちましょう。

とりあえず直近の10話で幻影旅団、王位継承戦が大きく動き、モレナの素性も明かされ、ストーリーが大幅に進んだように思われます。

先が見えなかった暗黒大陸道中の波乱も、そろそろ終わりが見えそう……な気がしないでもない。