私の名前はジロギン。

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【テニスの王子様】不二・菊丸「3年6組ペア」というダブルスをしているようでしていなかった組み合わせ

青春学園中等部は、学生数1,442名のマンモス校。3学年あるので、単純計算で1学年あたり480名以上が在籍していることになります。

そのうち、青学男子テニス部に在籍しているのは33名。全体の学生数に対する男子テニス部員の割合は非常に少ないといえるでしょう。

これだけ人数が多いと、青学テニス部員たちのクラスはみんなバラバラ…かと思いきやそうでもなく、同じクラスの部員もちらほら。有名なのは、不二周助くんと菊丸英二くんが同じ3年6組であることでしょう。

学年もクラスも同じ不二くんと英二くんは、公式戦でダブルスを組んだことがあります。さぞ相性の良いペアになる……と思いきや、そうでもなさそうでした。

本記事では『3年6組ペア』というダブルスをしているようでしていなかった、絶妙な組み合わせについて語っていきます。

不二・菊丸ペアが組まれた背景

不二くんは青学No.2のプレーヤーで、シングルスでこそ実力が輝きます。一方、英二くんは大石くんとのゴールデンペアが鉄板。本来ならばこの2人はダブルスを組む機会が無いように思われます。

それでも不二・菊丸ペアが組まれた背景には、大石くんの負傷がありました。

 

関東大会当日、試合会場に向かう途中だった大石くんは、今にも赤子が生まれそうな妊婦さんを助けた際に手首を負傷。関東大会決勝まで試合に出られなくなりました。つまり大石・菊丸ゴールデンペアが組めなくなってしまったということです。

ただでさえゴールデンペア以外のベストマッチなダブルスを見つけられていなかった青学にとって、ゴールデンペアが組めなくなることは大打撃。もし相手チームがダブルスに戦力を集めたオーダーを組んできたら、最悪の場合2連敗した状態でシングルスをしなければならず、青学にかかる負担は大きくなります。

 

そんな状況を打破するべく、竜崎先生と大石くん自身は様々なオーダーを試しました。そのうちの1つが不二・菊丸ペアです。

英二くんはダブルス適正◎!ダブルスの主軸となる選手であり、英二くんの強みを生かせるペアを組むことが、青学のダブルス強化の近道でしょう。そのパートナー候補として選ばれた1人が不二くん。不二くんはタカさんとペアを度々組んでいたことからも、青学の中では比較的ダブルス向きな選手とみなされていたようです。

 

不二・菊丸ペアは関東大会準決勝の六角戦ダブルス1に出場。佐伯・樹ペア相手に6-3で勝利しました。

性格やプレースタイル的に相性が良さそうな不二くん・英二くん

青学レギュラーのほぼ全員と会話をしている描写があり、堀尾たち1年生に試合の解説をすることもある不二くん。実は青学テニス部の中でもかなりのコミュ強です。良く言えば厳格でポーカーフェイス、悪く言えば近寄りがたい雰囲気を漂わせる手塚部長にも、自分から話しかけにいきます。

一方、英二くんは青学きってのお調子者で陽キャ感全開。

性格から見る2人の相性は、かなり良いと思われます。実際に作中で不二くんと英二くんが話している描写は多数。クラスでも仲が良いことは想像に難くありません。

 

性格だけでなく、プレースタイル的にも相性が良いと思われる2人。

相手の打球を利用したカウンターを得意とし、守備的なテニスを展開する不二くん。

ネットプレーとアクロバティックで攻撃的なプレーを主体とする英二くん。

不二くんに足りない攻撃力を英二くんが補い、英二くんが攻撃に徹することができるよう不二くんが守備に回る。攻守のバランスが良いペアになりそうです。

大石・菊丸ゴールデンペアも大石くんが守備を、英二くんが攻撃を担当するため、不二・菊丸ペアはジェネリックゴールデンペアになれる可能性があったと思われます。

不二・菊丸ペアが臨んだ六角戦での戦い方

一見すると相性が良さそうな不二・菊丸ペア。実際に六角の佐伯・樹ペアに勝利しているので、ダブルスとして悪いわけではありません。

しかしこの試合、不二・菊丸ペアはダブルスの戦い方をしていたかというと……微妙!

もちろん2人でコートに入っていたものの、それぞれ個別に戦っていた節があり、ダブルスとしてマッチしていたわけではなさそうなのです……

不二・菊丸ペアの六角戦での戦い方を振り返ります。

樹くんとのラリー勝負に徹する不二くん

青学側は前衛が英二くん、後衛が不二くんという陣形。対する六角側は佐伯くんが前衛、樹くんが後衛という、両者とも同じような陣形で戦うことになりました。

 

後衛はベースライン際からのストロークで相手のミスを誘い、前衛が打ちやすいチャンスボールを生むのが仕事(もちろんそれだけではありませんが)。ストローク力がほぼ互角だった不二くんと樹くんは、ダブルスコート内に着弾させる抜群のコントロールでストレートラリーを展開しました。

2人の技術力の高さが見られたシーンではあるのですが、コートの一番端っこであるダブルスコートでストレートラリーをされると、前衛はポーチに出にくい……ポーチに出るにも移動距離が長く、味方後衛が対処できない場所にオープンスペースを作ってしまい、リスキーなのです。

ストローク勝負でポイントが取れないのならば、「いかに前衛がポーチしやすいコースでラリーするか」「相手後衛がチャンスボールを打たざるを得ないよう、陣形を崩すのはどうか」などを検討するべきでしょう。しかしラリー勝負に徹した不二くん。

その間、英二くんは佐伯くんにマークされ、動きを封じ込まれてしまいました。この時点では、六角の術中だった感じですね。

 

しかし不二くんは何も考えずラリーしていたわけではありません。必殺ショット「つばめ返し」を打つタイミングを狙っていました。決まれば全く弾まず100%返せない「つばめ返し」ですが、相手のトップスピンに対し逆回転のスライスをかける必要があるため、相手がトップスピンを打ってこなければ使用できません。

そこで樹くんは回転のかかっていないシンカーを打つことで、「つばめ返し」を封じていました。

不二くんはシンカーに対して無理やり「つばめ返し」を使用しますが、回転数が足りず着弾後わずかにボールが浮いてしまいます。その隙を見逃さなかった佐伯くんと樹くんにより「つばめ返し」が破られてしまうことに。

その後しばらく、不二くんは「つばめ返し」を完璧な形で決めることにこだわります。英二くんを生かすことは考えていなかった可能性が高く、ややスタンドプレー気味でした。

当時の不二くんは勝利に執着できず、スリルを楽しんでいたので、その癖が全面に出ちゃっていたのでしょう。

菊丸印のステップで攻撃しまくる英二くん

ラリー勝負と「いかにつばめ返しを打つか」にこだわる不二くん。その一方で英二くんはというと、執拗にマークしてくる佐伯くんをかわすことに固執していました。

序盤は上手くいかずボレーをことごとくカウンターされていましたが、菊丸印のステップで分身を生み出すことで佐伯くんのマークを外します。

前衛の英二くんが2〜3人に増えたらほとんど打つ場所がありません。おそらく後衛の不二くんにボールを回すことなく英二くんが決めまくっていたと思われます。

英二くんは英二くんで、菊丸印のステップを実践運用するチャンスとして好きなようにプレーしていた節が見られますね。

2人が協力して取ったポイントはわずか

この試合はダブルス。不二くんと英二くんが協力してポイントを奪った場面もあります。それがマッチポイント。

 

英二くんがネット際で分身し、樹くんに打てるコースを塞ぐ。

→樹くんは英二くんの頭を越すトップスピンロブを打つ。

→英二くんは囮で、不二くんがつばめ返しを完璧に決める。

 

この手順でマッチポイントを奪い、勝利した不二・菊丸ペア。2人の得意技を活かした連携プレーといえます。

ただこのポイント以外は不二くん・英二くんそれぞれが個人プレーで獲得していた場面がほとんどでしたね。

相性は悪くないけど2回目以降の起用はないペア

青学はダブルスの組み合わせによっては、連携プレーどころかケンカし始め、試合どころではなくなってしまうことも。不二くんと英二くんは同じクラスな上、2人で会話していることも多いので、少なくとも「ケンカになってまともに試合ができない」なんて事態にはならないでしょう。

それだけで青学においては貴重なダブルス要因です(改めて考えると青学は本当にダブルスが穴ですね)。

 

しかし六角戦を見ると3年6組ペアは個々のスタンドプレーが目立ち、ダブルスとして連携することで力を増している印象は少なめ。あえてこの2人を組ませるメリットは少ないように思います。

3年6組ペアはゴールデンペアが組めない緊急事態に対する一時的な措置だったと考えられます。

佐伯くんの動きも謎だった

3年6組ペアが勝てたのは、佐伯くんが謎行動を取っていたことも影響していると思われます。

地面に着弾後バウンドしないつばめ返しを打ち返そうと画策していた佐伯・樹ペアですが、つばめ返しはバウンドする前にボレーで返せば強めのスライス回転がかかった打球です。シングルスでベースライン付近のラリー中につばめ返しを打たれたらボレーするのは難しいですが、ダブルスなら前衛がいます。この試合の場合は佐伯くんですね。

つまり佐伯くんがボレーすればつばめ返しは即無力化できたのです。

しかし佐伯くんはつばめ返しを優れた動体視力で観察し回転数が少ないこと、それによってバウンド後に球が若干浮くことを樹くんにアドバイスするのみ。「そこまで見切ってるならキミがボレーしなよ」と思ってしまいます。

 

樹くんが「つばめ返しを利用した必殺ショットを持っていて、それが打てれば確実にポイントが取れる」のであれば佐伯くんがボレーしない意味もあるかと思いますが、そういうわけでもなく……3年6組ペアだけでなく六角ペアもコンビネーションは微妙だったんですよね。

不二くん、菊丸くんが個人プレーで勝てたのは、佐伯くんの効果的とは思えない行動も要因でしょう。

 

青学戦後、佐伯くんはシングルスしかやっていません。おそらく佐伯くんは本来シングルスプレーヤーでダブルスは不慣れだった。だから謎行動を取ってしまった……という擁護で締めくくらせてもらいます。

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