テニスの王子様の中学テニス界には「全国区(プレーヤー)」と呼ばれる選手がいます。
作中で「全国区」と呼ばれているのは、以下の面々。
- 立海大レギュラー(幸村くん、真田副部長、柳くん、赤也くん、仁王くん、柳生くん、ブン太くん、ジャッカルくん)
- 手塚部長
- 跡部様
- 九州二翼(橘さん、千歳くん)
- 赤澤部長
この面々を見ると「全国区」と呼ばれるかどうかの基準として「テニスが圧倒的に強いこと」が含まれるのは確実。しかし全国には彼らに匹敵する実力者は他にもいるのです。にもかかわらず全国区と呼ばれる選手とそうでない選手がいる……単純なテニスの強さ以外にも「全国区」と呼ばれる条件があるのでしょう。
そして作中で「全国区」と呼ばれる基準については明らかになっていません。
そこで本記事では「全国区プレーヤー」と呼ばれる基準について考えてみます。
「全国区」という言葉の意味
一般的に「全国区」は、知名度の高さを意味する言葉として使われます。
「日本全国、ほとんどの人がその存在などを知っているくらい有名」という意味で「全国区」と表現するのです。
本来の「全国区」という言葉の意味は、テニスの王子様における「全国区」にも共通していると思われます(後述)。
テニプリ中学テニス界で全国区と呼ばれるには?
では、テニスの王子様の中学テニス界で「全国区(プレーヤー)」と呼ばれるための基準について考えてみたいと思います。
少なくともここで挙げた要素の1つ、あるいは複数を満たすことで「全国区」と呼ばれるようになることは間違いないでしょう(他にも基準があるとも考えられます。あくまで一個人の考えとしてお読みください)。
全国大会で上位入賞確実な実力
冒頭でも書いたとおり、「全国区」と呼ばれるには圧倒的なテニスの実力が求められることは確実です。
例えば、手塚部長は「中学テニス界で最もプロの近い男」と呼ばれていました。団体戦では全国に行けなかったものの、個人戦で全国に出場し、高い実績を残したのでしょう(作中で描写なし)。
跡部様は全国常連である氷帝の絶対的エースとして君臨。1年前は団体戦で関東大会準優勝。全国大会ではベスト16に進出しています。
九州二翼の橘さん、千歳くんに関しては氷帝よりもっとすごく、団体戦で全国ベスト4まで勝ち進んでいます。当時2人は2年生でしたが、チームのエース選手でした。
立海大のレギュラーは言わずもがなですね。BIG3は1年生のころから主力選手で全国大会2連覇に貢献。他のレギュラーも関東・全国大会で無類の強さを発揮していました。
日本中の中学生テニスプレーヤーの中でトップオブトップの層に入ることが「全国区」と呼ばれる必須条件になるでしょう。
全国大会に複数回出場
単に全国大会に出場できれば「全国区」と呼ばれるのかというと、そうではないと思われます。
先ほど「全国区」は知名度の高さを表す言葉として使われると説明したように、全国大会の常連で、何度も出場しているから他校にもその名前が知れ渡っていることも「全国区」と呼ばれる条件の一つでしょう。
団体戦・個人戦で好成績を残し全国大会に複数回出場。そして全国大会でも上位入賞を繰り返すことではじめて「全国区」の仲間入りを果たせるのではないでしょうか。
立海大と氷帝は全国大会の常連校なので、そこのエース選手となれば知名度は抜群。
特に立海大の面々は個人戦でもめちゃくちゃ強いので、レギュラーは団体戦だけでなくシングルス・ダブルスの個人戦でも全国大会に進出している可能性が高いです。
九州二翼も全国大会に団体戦・個人戦で出場している可能性が非常に高い。彼らは九州地区で敵がいないほど強かった上、OVAではペアを組んでいるシーンもありました。
獅子楽中2年生エースとして団体で九州地区を勝ち上がり全国ベスト4に進んだだけでなく、シングルス・ダブルスの個人戦でも九州地区で無双。全国に進んだと考えられます。つまり2年生までに最低3回は全国大会に出場しているということに。
手塚部長は小学生時代から百錬自得の極みを扱っていた全国で唯一の選手。シングルスの個人戦で1年・2年で最低2回は全国大会に進出できていても不思議ではありません。
1〜2年の頃から各校のエース選手
全国大会に複数回出場するには、1〜2年生の頃から実力を示し、チームの主力または最強選手になっている必要があるでしょう。
実際に全国区プレーヤーと呼ばれる面々は1〜2年の頃から強かった描写があります。
手塚部長は先述の通り、中学1年生になる前から百錬自得の極みを扱え、先輩たちを利き腕ではない右手で壊滅させていました(当時の青学は例年都大会止まりだったため強い選手は少なかったことも影響していますが)。1年の頃から青学最強だったことは間違いありません。
跡部様も氷帝テニス部に入部した初日に先輩たちを全員叩きのめし、早々に部長就任。氷帝は全国常連校で、先輩たちの中には全国大会を経験した猛者もいたでしょうから、跡部様は手塚部長より凄まじいことをやってのけています。
九州二翼も2年生でチームのエース選手を務め、全国ベスト4に貢献。もしかしたら、手塚部長・跡部様と同じく1年生の頃から強かったかもしれません。
立海大はBIG3は1年生の頃から主力選手。2年生エースと呼ばれる赤也くんも入部してすぐに全国優勝したメンバーも含めて先輩たちを壊滅させています(後のレギュラーになる面々は除く)。
他の仁王くん、柳生くん、ブン太くん、ジャッカルくんも2年生の後半までには全国出場レベルの功績を残していることは想像に難くありません。
小学生時代から注目されていた
他に「全国区」と呼ばれる要素があるとしたら、中学生になる以前、小学生の頃から高い実績を残して注目されていたことも含まれるのはないでしょうか。
小学生時代の描写がある選手は少なめですが、例えば立海大の柳くんは青学の乾くんとダブルスを組み、ジュニアテニス界を牽引する存在だと言われていたそうです。
また幸村くんは幼い頃から「神の子」と呼ばれるほど強く、上級生相手にも勝利。そんな幸村くんと一緒にテニスをやってきた真田副部長も、幸村くんには敵わないものの彼に次ぐ実力を小学生の頃から身に付けていました。
手塚部長は何らかの大会で準優勝した真田副部長をほぼワンサイドゲームで完封。その後、幸村くんと互角に試合をしていました。
彼らは小学生の時代から活躍しており、日本国内でもよく知られた選手だったことでしょう。
九州二翼の小学生時代は不明ですが、やはり九州で有名だった可能性は十分考えられますね。
跡部様は小学生時代イギリスにいたので日本では無名だったと思いますが、中学生になってからの活躍と目立ちっぷりで「全国区」に上り詰めたのでしょう。
月刊プロテニスに取材された
知名度が上がる要素として、月刊プロテニスの取材を受け、雑誌にその内容が載ったことも含まれるかもしれません。
雑誌で紹介されたことをきっかけに、全国の中学生に認知され「全国区」と呼ばれるようになったと。
月刊プロテニスの記者である井上さん・芝さんは青学と立海大を頻繁に取材していました。両校のエース選手には間違いなく取材していたはず。特に立海大は関東・全国を連覇している超強豪校ですから、どのレギュラーを取材しても読者の中学生にとって有意義な記事になったと思われます。ならばレギュラー選手一人ひとり取材していてもおかしくないのでは?
結果、立海大はレギュラー全員の知名度が上がり、全員が「全国区」と呼ばれるようになった……なんて考えてみましたが、どうでしょう?
「全国区プレーヤー」という概念をブレさせる存在・赤澤部長
ここまでに紹介してきた「全国区」と呼ばれる基準。作中の全国区プレーヤーは複数満たしています。ある一人を除いては……そう、聖ルドルフを率いる赤澤部長を除いては!
赤澤部長は作中の試合描写でいうと無敗で、専門ではないダブルスで大石・菊丸ゴールデンペアを倒すなど大金星を上げています。
しかし聖ルドルフは全国大会に行けるほど力のあるチームとは言えず、全国から優秀な選手をスカウトしていますが都大会を勝ち上がれるか怪しいレベル。
赤澤部長がシングルスの個人戦で全国大会に進出し続けている可能性も考えられますが、手塚部長に跡部様がいる東京都、立海大メンバーがいる関東で上位入賞しなければ全国大会には行けません。
バックハンドを打つ際にラケット面の真ん中にボールが当てられないという悪癖を持つくらい基礎がいまいちな赤澤部長が彼らに勝って全国に進出できるかというと……難しいでしょう。
一応、赤澤部長は昨年の大会で青学の先輩に勝っているそうですが、手塚部長より上の先輩たちは1年生の手塚部長が右腕でプレーしても全く勝てないレベルなので、勝ったといえど「全国区」と呼べるほど高い評価にはつながらない……
赤澤部長、バックハンドだけでなく「全国区」という概念すらもブレさせるのか……