およそ1年半ぶりに週刊少年ジャンプでの連載が再開したハンターハンター……待ってたぜ!この時を!
今回は、前話のNo.410『交渉④』の少し前の時間に、主にクラピカがいる1014号室で起きたことが描かれました。
久々の執筆で、かなり私、腕なまてることでしょうが、早速No.411『発表』の感想いきます!
※ジャンプ本紙の画像は貼っておりませんがネタバレを含みますので、ぜひ本紙を先にお読みください。
- 扉絵のツェリードニヒと……
- 時間はベンジャミン王子が毒に感染する少し前
- 膠着状態が続くが……
- 物騒なクラピカくん
- 一枚岩ではない王子の部下たち
- 念に関する重大な情報、王位継承戦の「誓約と制約」
- ワブル王子は継承戦の資格を有していない?
- 膠着状態はいつまでも続かない?
扉絵のツェリードニヒと……
もう扉絵が……いきなり驚きでしたね。大きく描かれた、まるで神様のようなツェリードニヒ。その手に持っているのは、頭。両目がくり抜かれた頭です。この頭は、クラピカの友人だったパイロのものである可能性があります。大きさ的に子供の頭でしょうし、髪型もパイロにどことなく似ている……そして両目、つまり緋の眼がくり抜かれている……!以前から「ツェリードニヒはパイロの頭を所有しているのではないか?」とネットで噂になっていましたが、今回の扉絵でその説が濃厚になったように思えます。
ツェリードニヒが自室と思われる部屋で座っているシーンで、その背後に大量の緋の眼が置かれていました。クラピカが回収している緋の眼の最後の持ち主がツェリードニヒです。
彼が所有する緋の眼の中に、一つだけ人間の頭部らしきものがありました。これがパイロに似ていたため、読者の間で「ツェリードニヒはパイロの頭を所有している」説が囁かれるようになったのです。
しかもブラックマーケットでは、緋の眼は眼球だけでなく頭部とセットだと価値が上がるそう。これはクラピカがノストラード組に採用されるための条件の中に、緋の眼を持参ことが含まれており、そこに「頭部とセットがベスト」とあったことから明らかです。
つまりツェリードニヒは、緋の眼だけでなくクルタ族の誰かの頭部も手に入れ、所有している可能性が高い。その頭部こそ、パイロの頭ではないかと言われています。
これは、嫌な予感が現実になろうとしていますね……クラピカはこれまで、緋の眼を回収する際に持ち主の命までは奪わなかったようです。しかし、もしツェリードニヒが、友人だったパイロの頭を持っているとしたら……その限りではないかもしれません。
時間はベンジャミン王子が毒に感染する少し前
411話は、第1王子ベンジャミンと、その右腕であるバルサミルコ(第9王子ハルケンブルグが憑依)が通話しているシーンから始まりました。
410話でベンジャミンは毒(細菌兵器)に感染し、今にも死にそうな感じでしたので、411話はその少し前の時間に起きた出来事になります。この後、バルサミルコがベンジャミンと再接触した際、ブーツに仕込んだ毒を至近距離で噴霧することになるのでしょう。そしてベンジャミンは特殊戒厳令を発令し、なりふり構わず武力行使で命尽きる前に王子とその部下たちを消して王位を継承。そのまま自身の隠し子に王位を譲ることで継承戦への勝利を急ぐことになる……そんな流れだと思います。
ベンジャミンが特殊戒厳令という切り札を切らざるを得なくなったのは、自分の命に限界が見えてきたからというのも理由ですが、もう一つ、王位継承戦が防衛戦になってきて動きが取りづらくなったことも影響しています。その原因は、クラピカが念の存在を明らかにし、念を知らない王子の部下たちに短期間で念を取得させる講習会を開いたこと。
ベンジャミンとその部下たちは全員が念能力者で、この点も継承戦においてベンジャミンが有利に立ち回れるポイントでした。念の存在すら知らない人間を相手に、超人的な能力を使って戦うことも交渉することもできる……これほどのアドバンテージはありません。
しかし、クラピカが念の情報を明かし、習得の手助けまでし始めたことで、ベンジャミンたちのアドバンテージが失われつつあります。念能力者は一人いるだけでも脅威になり得るのです。
このようなクラピカの立ち回りにより、各王子は念能力者を警戒するようになり、様子見を選ぶようになりました。特に上位王子でありながら念を知らなかった第3〜第5王子が動きを止めて情報収集と念の習得に舵を切ったことが大きいでしょう。
本来なら、上位王子ほど強い権力を持っているため、彼らは積極的に動きやすく、それにより継承戦自体も前に進んでいくはずでした。が、クラピカにより牽制されてしまった形です。
ベンジャミンは、権力にも武力にも乏しい下位王子を葬ることなど大して難しくないと考えていたはず。問題は上位王子の抹殺で、そのための念能力というアドバンテージでした。
アドバンテージが失われつつあり、ベンジャミン自身も身動きが取りにくくなった状況で致死性の毒をぶっかけられたわけですから、特殊戒厳令という最後のカードを切るしかなくなった……というところでしょう。
もちろん、まだその経緯は描写されていないので、他の事情があるかもしれませんが。
膠着状態が続くが……
念の講習会が行われている1014号室では、膠着状態が続きます。第1回目の講習参加者は念能力に半覚醒した状態で、クラピカは次のステップとして四大行の基本の習得に移ると発言。さらに受講希望者も増えたことで、継承戦に参加する念能力者が増えることに。これは、各王子が念能力者を保有することになり、迂闊に暗殺などを仕掛けようものなら念による戦いに発展することを意味します。
この状況ではどの王子も、より動きにくくなるでしょう。クラピカの狙い通りに進んでいます。
四大行もビルの念能力をクラピカの「奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)」で対象者に移す「攻撃」で習得可能なのでしょうかね?だとしたら、念能力はやり方によって、才能に関わらず1ヶ月足らずで基礎くらいはマスターできるということ。
クラピカがやってるのは完全に裏技で、本当はやるべきではないのでしょうが……
ただ、完全にクラピカの思惑通りに進んでいるかというと、そうでもありません。第2王子カミーラの私設兵であるサラヘルが特殊メイクばりの変装(本人いわくこっちが素顔)をして講習会に参加しています。サラヘルは「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」という念を習得済みの能力者で、ワブル王子の呪殺を狙っています。
「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」は、呪う対象者の私物と小刃を携帯しながら想い続け、その私物を燃やした灰を飲み、小刃で自刃すると対象者の命を奪う呪いにかけられるという能力です。
死後の念を利用した能力ということもあり、サラヘルは後先考えずワブル王子の暗殺を決行するかもしれません。そうなれば、クラピカの計画も水の泡……
サラヘルを止められる人がいるとすれば、「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の能力者くらいでしょうか。彼(彼女)なら、誰にも気づかれずサラヘルを始末できる……誰かは知らないけれど、頼む!クラピカに力を貸してくれ!
物騒なクラピカくん
膠着状態が生まれたことで、クラピカも本来の目的である「ツェリードニヒと接触して緋の眼を取り返す」ことに脳のリソースを割けるようになったようです。
しかし、その方法として考えているのが、
「蛇使いの能力者(サイレントマジョリティーの人)がこの場でツェリードニヒの部下を襲撃して、ツェリードニヒが訴えてくれれば法廷で接触できるかもしれないなぁ……」
みたいなこと。
いやいやクラピカくん、物騒ですよそりゃ。犠牲者が出ること前提じゃないですか。
さらには、
「民衆から大人気のハルケンブルグ王子がなぜ死んだのか、真相が謎であることを利用して人々を焚き付けて暴動を起こし、混乱に乗じてワブル王子を逃すか王位継承戦そのものをぶっ壊す」
なんてことまで……
確かにそういう手段もありですが、クラピカくん、マフィアの若頭モードに入っちゃってますよ!!
一枚岩ではない王子の部下たち
膠着状態の中、あれこれと考える余裕ができたのはクラピカだけではありません。第3王子チョウライと第7王子ルズールスの部下たちは、「いかに出世するか」を優先して行動しようとしている模様。念の講習会会場にて、密かに蹴落とし合いのようなことを始めています。
同じ王子に仕える身といえど、一枚岩というわけではないようですね。統率されていたのは、カミーラ王子とハルケンブルグ王子の部下たちくらいでしょうか。
このまま放っておけば、部下たちが出世欲にくらみ、自爆していくような気さえしてしまいます。そうするとなおさら、クラピカにとって追い風が……ってこれも物騒な考えだなぁ。
念に関する重大な情報、王位継承戦の「誓約と制約」
チョウライと友好関係を結んでいるクラピカ。上位王子と手を組み、部下を派遣してくれることはクラピカにとってはありがたいことです。ですが、肝心の派遣されてきた部下同士が出世争いをおっ始めようとしています。
そこでクラピカは、隠していた「念に関する重大な情報」を語ることに。この情報を知りたいと感じたチョウライの部下が勝手な行動をし始めたためです。明かせば少しは不満を解消できる上、クラピカとしても大きなデメリットにはならないと判断してのことでしょう。
その情報とは「誓約と制約」。王位継承戦はカキンという国を繁栄・統率するための「まつりごと」であり、この「まつり」が持つ4つの意味それぞれに対応する覚悟と危険が設けられている。この覚悟と危険(=誓約と制約)を乗り越えることで、10億もの国民を抱える王たる守護霊獣の発現・維持を可能にする……とクラピカは言うのです。
憶測も含まれているでしょうが、ほぼ事実を考えて良いでしょう。
4つの「まつり」、それぞれに対応する覚悟と危険は、
- 祀り(=神への祈り)→国家繁栄を祈念し誓約を立てる
- 奉り(=神への供物)→覚悟の証として血族の命を捧げる
- 祭り(=魂・御霊を慰める)→継承戦の過程で死んだ者を一か所に集め気場(パワースポット)を形成する
- 政り(=政祭一致 祭祀者による政治)→祭によって集めた強大な力を以って国政を司る
「祀り」と「奉り」は継承戦の前に捧げる覚悟、つまり「誓約」です。それくらい強い覚悟で継承戦をやりますよ、という誓いとその証明。
また「政り」は継承戦によって得られる結果。大国をまとめられるだけの強い守護霊獣を発現させること。
クラピカが言う「重大な情報」とは、残りの「祭り」に関することです。継承戦で犠牲になった王子を一か所に集めるという「制約」。これが達成できなかった場合、すなわち期限(ブラックホエール号が新大陸にたどり着くまでの2ヶ月間)までに最後の一人以外の王子が死ななかった場合、ホイコーロ一族は国王の座から陥落してしまう。これこそクラピカが重視していることであり、王位継承戦における抜け道です。抜け道があることも、王位継承戦の「誓約と制約」に含まれているのだと、クラピカは推測しています。
上位王子が有利である継承戦において、「王位を捨てて生き残りさえすれば、ホイコーロ一族が王の座から落ち、継承戦そのものを無意味にできる」ということが、下位王子の実質的な勝利条件。もし複数名の下位王子が期日まで生き残れば、ホイコーロ一族が王位そのものを失い、継承するなんて話も白紙になり、王位を狙う上位王子は戦う意義を失くしてしまうということです。
「期日までに達成できない場合、参加した王子が全員死ぬ」というリスクよりも、「継承戦が完遂できず複数名の王子が生き残る可能性がある」ことのほうが、念能力の制約として適切だとクラピカは語ります。
確かに、もし生き残った下位王子が何らかの方法で成り上がれば、上位王子の立場を奪ったり、命を狙ったりということも考えられます。これは死よりもしんどいかもしれませんね。
ただ、クラピカが言いたいことは、
「継承戦を完遂しないとホイコーロ一族が失墜するよ。もっとドンパチやり合ったほうがいいよ」
ということではなく、
「圧倒的に不利な下位王子でも生き残る道が残されているから、継承戦をタイムオーバーに持っていこうよ」
ということなのです。
まぁクラピカにとって、ホイコーロ一族の存続なんて知ったこっちゃないでしょうし、オイト王妃も「王位とかいらないから、ワブルを生き残らせたい」というのが本音ですからね。
とにかく誰か一人が生き残るだけが、王位継承戦の終わらせ方ではないということです。クラピカの話を下位王子(主に第6、10、11、13王子あたり)が信じれば、「このまま守りに入って何もしなくていいんじゃね?」と考え、より膠着状態が長引く可能性があります。
こういう認識でいいんですよね?クラピカくん?
それにしてもすごい設定だなぁ……まつりごとの4つの意味と、それぞれの誓約と制約。これをあらかじめ考えた上で物語をここまで進めていたとしたら、冨樫先生は怪物ですよ、本当に。
そしてクラピカがかつてイズナビから教わった誓約と制約について説明しているのは、何だか感慨深い……
ワブル王子は継承戦の資格を有していない?
クラピカが明かした「重大な情報」は、争いを好まない下位王子にとっては希望となるでしょう。死なずとも王位継承戦から脱出できる手段が残されているということですからね。
一方、王位をガチで狙っている上位王子たち(第1〜5王子)はそうもいきません。自分以外の誰かが生き残ってしまえば、ホイコーロ一族の王政は終わり、王位を継承できなくなってしまう。
ならば、真っ先に弱い王子を始末しようと考えるでしょう。そして一番に狙われるのは、赤子であり従者のほとんどが死んだワブル王子……と考えるのが自然ですよね。ヒュリコフもそう考えてます。
ここでもう一つ、クラピカはある情報を口にすることで牽制します。なんと、
「ワブル王子は継承戦の資格を有していない」
と言うのです。
これはどういうことなのか……めちゃくちゃ今さらな発言ですが、もし事実なら、上位王子がワブル王子を狙う意味はありません。
ただでさえ優秀なクラピカを掻い潜ってワブル王子を殺しても、継承戦に影響しないただの赤子なら、時間の無駄です。
しかし、これはクラピカのハッタリで、ワブル王子に合わされそうになった照準を逸らす目的で発言したのかもしれません。
…………うーん、今のところ判断が出来なさそうですね。
ハッタリでなければ、ワブル王子かオイト王妃が継承戦参加の条件を満たしていなかったということになるのでしょうか。
最後のオイト王妃が描かれたコマ、その意味深な表情からすると、クラピカのハッタリとも断言できないんですよね。
この判断をするには、続きを待つしかないでしょう。
次回クラピカが語ってくれるのか、場面転換して幻影旅団とマフィアパートに移るのか……
膠着状態はいつまでも続かない?
この後、ベンジャミンによる特殊戒厳令が発令されることは確定してますし、第2〜5層では幻影旅団とカキンマフィア(エイ=イ組)との戦いが勃発しそうになっています。さらにはヒソカまで船に乗っている。そしてツェリードニヒは独自にヤバそうな念能力を開発している……
これらのことから考えると、クラピカが想定しているような膠着状態はいつまでも続かない気がします。内的か外的か、何らかの力が加わって継承戦はぶっ壊されてしまうのかも?
ただ、それはそれでクラピカからするとメリットかもしれませんね。継承戦そのものが破壊されれば、もうワブル王子を守る必要がなくなりますから。むしろ大歓迎?……だと考えているのなら、やっぱりクラピカくんは立派なマフィアの若頭ですなぁ。