前回のNo.411『発表』でクラピカの口から語られた衝撃の事実……ワブル王子は王位継承戦に参加する資格を有していない。その詳細が、No.412『質問』にて明かされました。
まさかそんな「些細なこと」から、ワブル王子に関する「重大な秘密」が明らかになるなんて……驚愕ですね。
それではNo.412『質問』の感想、いきましょう!
※ジャンプ本紙の画像は貼っておりませんがネタバレを含みますので、ぜひ本紙を先にお読みください。
- シマノ/シマヌ問題
- ワブル王子は替え玉
- 偽ワブル王子は念能力者?
- 念講習会の離脱者は一名のみ
- 本物のワブル王子を狙う「詛贄者」の存在
- よっぽどの事態が発生することは確定している
- 一方その頃ビヨンド=ネテロ
- 特殊戒厳令後の船内の状況を知りたい
シマノ/シマヌ問題
ワブル王子の従者であるシマヌ。彼女はクラピカから「シマノ」と呼ばれていました。
しかしクラピカのモノローグでは「シマヌ」だし、オイト王妃などからも「シマヌ」と呼ばれている……これは誤植なのでは?と思っておりましたが、実は発音の問題だということがわかりました。
ビルが言うには、カキン語には「男音(おのと)」と「女音(めのと)」というものがあり、「シマノ」という発音だと男性の名前になってしまうのだとか。そしてこれはカキン語独特の発音システムで、ネイティブではないクラピカには使い分けや聴き分けはまず無理だと。
つまり、「シマヌ」が正しい名前であり、クラピカは彼女の名前を呼ぶ際に正しく発音できていなかっただけということです。
長い間、読者の間でも「シマノ/シマヌ、どっちなんだぁ!?」と議論されていた問題が、ようやく解決しました。誤植ではなかったようですね。
クラピカはハンターハンターの世界の公用語であるゲルマ語の発音も不慣れなのか、言葉を発するときは自分のことを「私」と呼びますが、心の中では「俺」と呼んでいます。「言語の壁」があることは、作中のだいぶ初期から描写されてきたんですよね。それがシマノ/シマヌ問題にも現れていたとは……恐れ入りました。
これからは、キャラの名前の呼び違いも「実は意味や理由があったんです」と、後から明らかになるかも。うーむ、油断して読めませんな。
ちなみに、第1王子ベンジャミンの側近であるバルサミルコは、「マイト曹長」とも呼ばれていました。これはシマヌの発言でしたね。全く違う名前ですが、もしかしたら「バルサミルコ」と「マイト」にもイントネーションのギミックが隠されているのか……?もしくはマイト=バルサミルコ(バルサミルコ=マイト)という名前なだけなのか。
またイントネーションでいうと、幻影旅団の中でフェイタンだけが「〜ね」みたいな謎の喋り方をするのも何かしらの形で原因が明かされそうな気がします。おそらくフェイタンもクラピカのようにゲルマ語に不慣れなのでしょうが(流星街では独自の言語で会話していたと思われるため)、他の団員はペラペラなことを考えると、やっぱり何かあるように思えてなりません。シャ=ア組の構成員であるソンビンもフェイタンと同じような発音をしていましたし……気になる。気になって「練」を維持する修行に集中できない……
ワブル王子は替え玉
クラピカがシマヌの名前を正しく発音できないこと(指摘されたクラピカくんは珍しく変顔を披露)から、ビルはある違和感に気づきます。それは、オイト王妃がワブル王子の名前呼ぶ際の「ブ」のイントネーションが変わっていたこと。オイト王妃は「男音」の「ブ」と「女音」の「ブ」を使い分けるようになった。そのタイミングが、クラピカの「導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)」の効果を見たときからではないかと、ビルは言うのです。
このビルの推察は大当たりでした。オイト王妃がワブル王子の呼び方を使い分けたのは、ワブル王子が2人いて、その事実をクラピカの鎖を揺らさないように伝えるため。
正確には、今1014号室にいるワブル王子は偽物。オイト王妃の妹の息子であり、本物のワブル王子(オイト王妃の実の娘)は、その妹に預けているとのこと。
つまりワブル王子は替え玉だったのです。だからクラピカは「継承戦の参加資格がない」と言ったのでした。守護霊獣を発言する蠱中卵の儀で壺に手を入れたのは、オイト王妃の実の娘であるワブル王子。しかしブラックホール1号が出港する際のセレモニーに参加し、今1014号室にいるのは妹の息子である偽ワブル王子。蠱中卵の儀を行うこととセレモニーの参加は、継承戦の参加資格を有するための必要行為。それを満たしていないため、本物のワブル王子も偽物のワブル王子も継承戦に参加していない、ということになるのです。
なぜオイト王妃は替え玉作戦を決行したのか……その理由は、自分たちが追い込まれワブル王子が他の王子に殺害されそうになった際、許しを乞うため。「このワブルは偽物で、継承戦には参加していない(=殺害しても意味はない)」と伝えることで、一か八か見逃してもらえないかと考えたためでした。オイト王妃の切り札だったわけですね。その事実は、クラピカたちにも隠しておきたかったと……。
おそらく、クラピカもビルもシマヌも死んで誰も守ってくれなくなった場合の、苦肉の策だったのでしょう。「あなたたちが死んだらワブルが偽物だと明かす」なんて、大っぴらには口にできませんよね。しかし、そういう策があることはクラピカには勘づいてほしい……だから発音を使い分け、実子と替え玉の両方がいることを匂わせた。
ここに来て、びっくりな事実が判明しましたね……言い換えればクラピカとビルは、これまで替え玉であるワブル王子を守っていたということになります。もちろん、彼らの尽力が意味のない行為だったかというと、そうではありません。替え玉といえど、偽ワブル王子はオイト王妃にとって甥っ子。肉親です。守りたいという気持ちはあったでしょうから、クラピカたちも雇われた身としてオイト王妃の気持ちを汲む必要はあったと思います。
それに、もしこの継承戦で偽ワブル王子が死ねば、自分の子供を替え玉として差し出したであろうオイト王妃の妹が哀れでなりません。場合によっては、妹が錯乱し、オイト王妃の家族間で問題が発生。継承戦で生き残ってもオイト王妃と本物のワブル王子は泥沼の状態に陥り、今度こそ誰も守ってくれなくなる、なんてことも考えられます。それこそ、この船から生きて抜け出したことが水の泡になってしまうでしょう。
たとえ替え玉だとわかっても、オイト王妃と本物のワブル王子の今後を考えるなら、クラピカたちは偽ワブル王子も護衛し続けなければなりません。
これは私個人の推察を含んでいますが、そういうことになると思います。
偽ワブル王子は念能力者?
今1014号室にいるワブル王子が偽物だったとして、気になることがあります。乗船直後、クラピカが感じ取った偽ワブル王子が発した禍々しいオーラ、それが何だったのか、です。
最初はワブル王子に取り憑いた守護霊獣のものかと思ってましたが、偽ワブル王子は蠱中卵の儀を行なっていないため、守護霊獣は憑いていません。ならば、守護霊獣とは関係なく念能力をすでに有している……という可能性が考えられます。
第5王子ツベッパの私設兵であるロンギの話では、念能力による「攻撃」を受けた者は赤子でも念に目覚めるそう。偽ワブル王子も何かしらの形で念の「攻撃」を受けており、すでに覚醒している……のかも?
最悪なのは、偽ワブル王子のお父さん、つまりオイト王妃の妹の夫がビヨンド=ネテロであること……。ビヨンドは実の子供に念をかけ、「詛贄者(そえもの)」にしています。「詛贄者」は、生まれた直後に王子を呪い殺すための念を施されるため、赤子ながら念に覚醒しているのです。
もし偽ワブル王子のオーラが、ビヨンドによる念の呪いがきっかけで発生したものだとしたら、偽ワブル王子も「詛贄者」。そして彼が死ねば呪いが発動し、王子の誰かが呪殺される……なんてことも考えられるのではないかと。
完全に私の妄想ですけどね。
もし偽ワブル王子もビヨンドによって仕込まれた「詛贄者」だったとしたら、クラピカたちは尚さら彼を守らなければなりません。他の王子の部下の誰かがクラピカの発言を疑ったり、「一応、偽ワブル王子も始末しておこう」なんて考えて手にかけてしまえば、他の王子に死の呪いが降りかかってしまうから……とんでもない爆弾の可能性があります。
ただ、偽ワブル王子が「詛贄者」かどうかは、彼の舌の裏を見ればすぐにわかるかもしれません。ロンギと同じように紋章らしきものが刻まれているはずでしょうから。
念講習会の離脱者は一名のみ
ここまでの事実を踏まえ、クラピカは「ワブル王子に継承戦の参加資格はない」と念講習会の受講者たちに明かしました。その後、講習会から離脱したのはクラピカに文句を垂れた第2王妃所属兵のスラッカのみ。他の者たちは受講を継続する意思を見せています。
クラピカとしては、ワブル王子の事実を告げることで「1014号室に残るメリットは薄い」と感じた王子の部下が撤収することを期待していました。しかし、その効果はほぼ得られず、ほとんどが「見(けん)」を選んだよう。
特に、王位を狙う気満々の第1王子ベンジャミンと第3王子チョウライの私設兵が撤収すれば、「やっぱり偽ワブル王子を狙うメリットはないか」と、他の王子の部下たちも考え出すのではないか……と思っていたクラピカくんですが、そうはなりませんでした。
受講者それぞれ、さまざまな思惑を抱えていることでしょう。
「念を学べば自衛の手段を手に入れられ、生きて継承戦を終えられるかもしれない」
「偽ワブル王子も何かしらの形で継承戦に影響を及ぼす可能性があるから、始末しておいたほうがいい」
「本物のワブル王子が船の中にいて、その情報が聞き出せるかもしれない」
「もっと念を学んで肩こりや腰痛を改善させたい」
などなど。
いずれにせよ、クラピカとしては現状維持が続くのであれば、願ったり叶ったり。このまま念の講習を続けて念能力者を増やし、王子たちが動きにくい状況を作ることに徹します。
さらに、念に詳しいクラピカはチョウライ王子とツベッパ王子にとって、未知の能力を知る重要な手がかり。よほどのことがない限り、友好関係を白紙に戻すことはないはず。これならば、上位王子の後ろ盾を得ながら念講習を続けられ、膠着状態を長引かせやすくなるでしょう。
そしてクラピカが握る、第10王子フウゲツからの手紙。そこに書かれている情報も他の王子たちからすれば気になるところ……。迂闊にクラピカたちに手を出すわけにはいきません。
このように幾つもの要因があるため、クラピカとしては偽ワブル王子のことを明かしたところで特段不利になったわけではない、といったところでしょう。
本物のワブル王子を狙う「詛贄者」の存在
1014号室のワブル王子が替え玉だとクラピカが明かしたことで、他の王子から命を狙われるリスクは下がったと思われます。かなり成熟した念能力者であるクラピカを突破して殺すことができたとしても、結局偽物だったら徒労に終わってしまいますからね。
ただ、それはワブル王子を物理的に殺そうと考えていたり、第2王子私設兵のサラヘルのように念能力で殺そうとしたりしている者(サラヘルは1014号室に残っていてまだ殺害を諦めていないようですが)の話。もし本物のワブル王子に対する呪殺が発動する「詛贄者」がいた場合、その者が死ねば船にいるいないにかかわらず、死後の念が本物のワブル王子に襲い掛かります。
このような事態を危惧しているクラピカは、本物のワブル王子を呪殺するためにビヨンドに念をかけられた「詛贄者」を探すつもりの模様。替え玉だと知ってなお、ワブル王子とオイト王妃を守ろうとしているわけですね……さすがクラピカくん、これぞ「プロ」ハンターよ。
もし偽ワブル王子が「詛贄者」で、そのターゲットが本物のワブル王子だったとしたら、偽ワブル王子の命を守る理由になりそうですね。
よっぽどの事態が発生することは確定している
この数時間後にベンジャミンが特殊戒厳令を発令することが確定しています。これはクラピカにとって、いやすべての王子にとって「よっぽどの事態」です。国王軍全員がベンジャミンの味方となり、怪しい行動をする者や武装している者がいればその場で射殺……ベンジャミンの切り札であり、どの上位王子の権力をもってしても止められない、最悪の事態。
まだ発令後が描かれていないため、具体的にどの程度継承戦に影響があったのか、クラピカはどう動いたのかは定かではありません。が、ひとまずチョウライ王子と第7王子ルズールスが行方不明に。チョウライ王子は身柄拘束を逃れるため下層に避難し、ケツモチをしているマフィアに匿ってもらっている可能性が高いとか……
ルズールス王子はさておき、チョウライ王子が第1層を離れて逃げたとしたら、クラピカとの友好関係もそのままというわけにはいかなくなるでしょう。仮に関係が続いていたとしても、チョウライ王子からの支援は期待できそうにありません。
クラピカが継続したいと考えていた膠着状態。これは特殊戒厳令によって崩れてしまうことはほぼ確定的ではないでしょうか……
一方その頃ビヨンド=ネテロ
王位継承戦が混乱へ向かう一方、ブラックホエール1号内で監禁されているビヨンド=ネテロはというと、ある人物と対話を始めました。十二支んのカンザイに「話したい奴がいる」と要求していた人物ですね。誰かというと、最高裁判官のクレアパトロ。ビヨンドが原告となってカキン帝国に対して行なっていた裁判の結果を聞きたいと思ってのことだったようです。
その件数は1047件。しかしすべて棄却されたとクレアパトロは語ります。どうやらビヨンドは、カキン帝国における「人民」の定義の見直しを求めていたようです。王族も一般国民と同じ「人民」であると定義し、平等に法が執行されるようにしたかった様子。
何だか、ビヨンドって思っていたより国民想いと言いますか、もっと国王とズブズブな感じなのかと思っていました。長くカキンと関わる中で、王族が国民に対してやりたい放題やってることに、思うところがあったのかもしれませんね。謝肉祭とか……。ビヨンドは腐ってもネテロ元会長の息子というわけですか。
それから、ブラックホエール1号では王族と一般国民がかなり近い場所で暮らしていることもあって、法が平等に執行されず王族には甘々な審判が下れば不満が溜まって暴動を生みかねない……なんてことも考えているのかも?
一応、クレアパトロは棄却された裁判の記録やら何やらをまとめた書類を持ってきてくれました。ビヨンドにとっては、暗黒大陸に到着するまでの暇つぶしとして読みたいだけのようですが……はたしてどうなのか?この記録の中に、何か重要な情報が仕込まれていてもおかしくありませんよね。
しかも、今ビヨンドを見張っている十二支んの一人は、ビヨンドとつながっているサイユウです。ビヨンドにとって有利になる情報を流すなんて、簡単にできてしまいます。
まだビヨンドの目的も不明瞭な部分が多いものの、王位継承戦の裏で着々と動き始めていると見て良いでしょうね。
たぶん、ビヨンドも逃げちゃうんだろうなぁ……それは正義のためか、己の欲望のためか……
特殊戒厳令後の船内の状況を知りたい
411話、412話とも、ベンジャミンが特殊戒厳令を発令する前の時間の出来事が描かれました。個人的には、発令後の船内がどうなっているかがもっと知りたいところですね。
おそらくほとんどの王子がこれまでのように自室であれこれ模索することができなくなっている。チョウライ王子とルズールス王子については下層に逃げている可能性があり、エイ=イ組による殺戮が絶賛開催中の地獄に身を投じたかもしれない……特殊戒厳令によって、継承戦が大きく変化することは間違いありません。
いやぁ、これ、本当にどうなるんでしょう……続きを!続きをプリーズ!!