NARUTOの世界では数多くの天才忍者が登場し、もはや「名前のあるキャラクターはみんな何らかの天才なのではないだろうか?」ともってしまうほど、みんな天才天才と言われています。
そんな中でも私が本当に天才だと思う忍は「うちはイタチ」です。忍術などの戦闘能力、忍としての精神、生き様など、イタチを超えるキャラクターはなかなかいません。完璧な天才忍者です。
そんな才能に恵めれたイタチにも気になるポイントが1つあります。それは・・・
イタチの顔には謎の線が入っているということです。
(引用:NARUTO 44巻13P/岸本斉史)
鼻の横というか、目と鼻の間に線が入っています(作画によって長さは変わり、この画像は比較的長いですが、もっと眉間に近い部分で短く描かれていることが多いです)。なぜこんな線が入っているのか・・・そしてこの線が何なのかはいまいち謎で、作中でも明らかにはなっいなかったと思います。
そこで今回は、うちはイタチの顔の線は何なのかを考察していこうと思います。
うちはイタチとは?
主人公・うずまきナルトの友、うちはサスケの兄にあたります。
その目で見た忍術などをコピーして自分のものとする「写輪眼」を有する「うちは一族」を皆殺しにした張本人です。
弟のサスケは辛くも生き延び、物語序盤は兄イタチを仇と見定め、イタチを抹殺するために修行を積んでいました。
しかし物語中盤で、イタチはうちは一族が木の葉の里に対してクーデターを起こそうとしているのを阻止するために、木の葉上層部の指示により自らの手で一族を全滅させたことが明らかになります。
サスケが生きていたのはイタチが殺しそびれたのではなく、大切な弟・サスケのことだけは殺せずに、イタチは忍としての任務を感情が優先してしまい全うできなかったためです。
この任務以降イタチは里を抜け、抜け忍集団「暁(あかつき)」の一員として活動していました。この暁に入ったのも、「暁」の動向を内側から探るスパイ活動のため。
序盤のナルトたちと同じ12歳くらいの時にはすでに木の葉の暗部に所属し、エリート一族であるうちは一族の中でもさらにエリートだったのがイタチです。
幼い時から火影の器を見出されていたほど、イタチは天才でした。
しかし天才すぎたがゆえに、幼い時から忍の闇の部分に触れることとなり、苦悩しながら生きていました。
序盤は木の葉の里を裏切った最凶最悪の存在として描かれてきたイタチでしたが、実は誰よりも木の葉の里を守ろうとしており、死してなお、サスケにうちはマダラ(うちはオビト)を攻撃する罠を仕掛けたり、薬師カブトの穢土転生を解き、カブトを倒し、第四次忍界対戦を終結の方向に向かわせるなど、規格外の働きを見せました。
頬の線はイタチ唯一のコンプレックス?
そんなイタチの顔にはなぜか線が入っています。謎の線です。
8歳で写輪眼を開眼、13歳で暗部の分隊長を務め、抜け忍となってからもS級犯罪者に指定されてしまうほど高い術の能力を保有・・・
イタチは抜け忍にならなければ木の葉の里史上屈指の忍になっていた事は間違いありません。弟のサスケも忍者学校(アカデミー)時代は天才と言われていましたが、イタチほどではありませんでした(その後サスケは忍の祖である六道仙人の力を使いこなし、ナルト以外敵なし状態になるので、最終的なポテンシャルはサスケの方が上でしたが)。
そんなイタチの顔の線・・・イタチもイケメンなのですが、顔の線がなければもっとイケメンだったことでしょう。
おそらくイタチ唯一のコンプレックス要因ではないでしょうか(イタチ自身そんなにルックスに気を使っているような描写はありませんでしたが)。
キャラ描き分けのための頬線か?
イタチとサスケは兄弟だけあってキャラデザが似ています。背の高さが違うのと、髪がイタチの方が長くてサラサラしていそうなくらいで、顔の描き方などはそっくり。
NARUTOをよく読んでいる人ならば違いはわかるものの、必ずしも読者が深く読み込んでくれているとは限りません。
そうなるとイタチとサスケをわかりやすく描き分けないとわからなくなってしまう読者もいる可能性があります。
そこで作者の岸本先生的に、イタチの顔に線を入れることでサスケとの描き分けをしようとしたと考えられます。
これがイタチの顔に線が入っている要因だとは思うのですが、この答えはメタ的でつまらないです。イタチの顔の線が何なのか?なぜ出来てしまったのかを改めてきちんと考察します!
イタチの顔の線の正体は?
まず、現実に人間の鼻の横に線ができることはあるのかを調べてみました。
イタチの線の位置的に、ほうれい線ではなさそうですね。
ほうれい線とは小鼻から口の横にかけてできるしわのことです。イタチの線は口まで達していません。もっと顔の上の方にできる線が該当すると思われます。
ということでさらに調べた結果、このイタチの線は「表情じわ」というしわの類である可能性が高そうです。
ちょうど鼻の横や目の付近にできるしわのことです。イタチの顔の線くらいの位置に。表情筋(顔の筋肉)がよく動く人ほどこの表情じわができやすいそうです。
表情を動かす・・・?イタチは忍ですから非常にポーカーフェイスで、表情を動かすことなんて少なかった気がします。
作中でも屈指のポーカフェイスでしたし、表情じわはできなさそうですが、なぜイタチに表情じわが出来てしまったのでしょうか・・・?
苦悩していたイタチ兄さん
イタチは幼い時から忍として生きてきて、戦争にも参加したこともあるようです。
任務とはいえまだ人格が安定していない子供の時から殺人を繰り返してきたイタチ。いかに忍として天才とはいえども、その本性は人間で、しかも子供です。苦悩していたに違いありませんが、それでもサスケや家族の前では笑顔で優しい兄として生活してきました。
イタチの生活は幸と不幸の差が激しかったと思います。
苦悩に落ちていく表情をするときもあれば、幸せを感じ笑顔になることもあり、いろんな表情をする機会があったのでしょう。
ポーカーフェイスなイタチの表情筋は、実は誰よりも動いていたのかもしれません。
そうしていくうちにイタチには表情じわが出来、顔の線が出来てしまった。イタチの顔の線は忍として生きることと普通の人間として生きることとの溝の深さを物語っているのかもしれません。
まさに「忍の世界の悲惨の線」というわけなのでしょうね。
表情じわをなくすには
ちなみに表情じわをなくすには、やはり他の顔のしわと同様に表情筋のたるみを取ってあげることが必要だそうです。
顔をマッサージしたり、化粧水やクリームを塗ってあげることで、予防、改善が図れるとのこと。イタチも顔の線を消すにはマッサージや化粧水を塗る必要があるかと思います。
でも、スパイ活動のためとはいえ、最凶の忍集団「暁」のメンバーで、しかも「暁」の中でも上位の実力を誇っていたイタチが、毎日フェイスマッサージをしたり、化粧水を使っていたりしていたらイメージと違いすぎます。が、ちょっと心がほっこりしてきますね。冷たく厳しいイタチの人生の中にこんな一面があったのかと。
イタチは霧隠れの里の抜け人「干柿鬼鮫(ほしがききさめ)」とコンビを組んで暁の任務に当たっていましたから、普段こんな会話があったかもしれません。
(引用:NARUTO 44巻35P/岸本斉史)
イタチ「さて、寝る前に・・・」
鬼鮫「イタチさん・・・何でフェイスマッサージしてるんですか?」
イタチ「いや、ほら、俺の顔にしわあるだろ?昔からあるんだけどさ、最近目立つようになってきて、気になるんだ。敵の忍に笑われているような気がして・・・」
鬼鮫「そんなことないですよ。それはほら、イタチさんはまだ若いから気になっちゃうだけで、周りはそんなに気にしてないですよ。私も気になりませんし。」
イタチ「でもやっぱり気になるからな、寝る前のマッサージを欠かすわけにはいかない。ところで鬼鮫、お前の水遁で化粧水って出せるか?」
鬼鮫「いえ・・・出せませんが・・・」
イタチ「そうか。なら明日薬局に行かないとだな。化粧水がなくなってしまった。」
鬼鮫「・・・」
鬼鮫はイタチの化粧水補給要因として組まされけど、イタチの期待に応えることはできなかったなんてこともあったりして。
イタチと鬼鮫は暁のコンビの中でもどちらかというとドライで、そんなに喧嘩したりすることはないものの、お互い干渉しすぎない感じがありました。が、これくらいの会話はあってもいいかもしれませんよね。芸人さんの楽屋みたいなノリで。
イタチの顔の線は「表情じわ」?
ということでイタチの顔の線の正体は表情じわである可能性が高く、このしわができた要因はイタチの忍としての生活が悲惨で過酷過ぎ、幸不幸の差から表情を動かす機会が多すぎたためであると私は予想しました。
デザイン的な話をするとイタチの顔に線は必要なかったと思いますし、ない方がもっとイケメンだと思いますが、イタチの苦悩を表すには必要な線だったとも思えます。
でもまぁ、イタチは顔に線があってもそれを補って余りある天才ですからね。それくらいのコンプレックスを神様が与えてくれなきゃ、他の忍が浮かばれませんよ。