ハンターハンターに登場するアイザック=ネテロは、作中ではすでにかなりの高齢でした。おじいちゃんでした。そんな状態でもキメラントの王・メルエムと真っ向勝負を挑み、一時圧倒するなど「若かったらどれだけ強かったんだよネテロ・・・」と読者たちを驚愕させてくれましたね。
結局ネテロはメルエムにやられ、死亡してしまいました(自死でしたが)。武道家としては悔いのない敗北、そして死だったとは思いますが、ハンター協会のために頑張ってくれたネテロには、安らかな老後を送ってもらいたかったとも思うのです。
そこでふと考えたのですが、
もしネテロおじいちゃんが老人ホーム入居したらどんな生活を送るのでしょうか?
想像してみたいと思います。
今回は当ブログの運営者である私ジロギンが、「新人介護士として老人ホームに入居してきたネテロおじいちゃんのお世話をしている」という設定で書いていきます!
私の名前は介護士ジロギン。今日から精一杯働くぞー!
ネテロさんについて
(引用:HUNTER×HUNTER 20巻42P/冨樫義博)
まずはこれから私が身の回りのお世話をすることになるネテロさんについて確認しておきましょう。
元ハンター協会会長で、長年武闘家としても活動してきたハンターだそうです。ハンターだなんて、かっこいいけど、リアルでそんな職業に就いてる人は見たことがないぞ。若い頃は「最強の念能力者」だったとか・・・念能力?そんなのあるわけないじゃないか!何を言ってるんだこの人は全く。
特技は「百式観音」・・・?オーラで作り出した観音がネテロさんの動きに合わせて敵を攻撃する・・・?なんて中二病なんだろうか。もうご高齢だというのに。私も今年で25歳になるけど未だ中二病だから、年をとったらこんな感じになるのかな?
経歴には何やら疑問点が残るけど、とても興味深い人ではあるなぁ・・・
わしはネテロという者じゃ、よろしくな!
私の名前はジロギン。よろしくお願いします。
日課
ネテロさんがホームに入居した日の翌朝。私はネテロさんのお部屋に向かいました。ネテロさんはだいぶ元気なお方で、体も健康的。なんなら私より健康的なくらいです。ですのでホーム内外でも比較的自由にご自身の意思に任せて活動してもらっています。でもホーム内にはルールがあります。朝ごはんの時間はご入居者様全員で、大広間で食べることになってます。ご入居者様同士でコミュニケーションを図ってもらうためです。ただ、ネテロさんがいつまでたっても大広間にやってきません。そこで私はお部屋に様子を見にいくことにしました。
お部屋に向かう途中、ホームのお庭にネテロさんの姿を見つけ・・・ってなんじゃありゃ!?っと私は目を疑いました。ネテロさんが凄まじい速度で正拳突きをしているではありませんか・・・
何やってるんですかネテロさん!
武道への恩を返すための正拳突きじゃよ。1日1万回やるのが日課なんじゃ。お主も一緒にどうかな?ジロギンくん?
ネテロさん!いかにお元気とはいえ無茶しては・・・
なぁに、あと20分足らずで終わるわい!そこで見といてくれんかの
正拳突きを1万回!?何言ってるんだ!そんなこと、できるわけ・・・いや、なんだ?ネテロさんの正拳突き、ただ速いだけじゃない!動きと音がずれている!どういうことだ!?表現するのが難しい・・・しかし、あえて表現するのであれば、そう、ネテロさんは・・・
(引用:HUNTER×HUNTER 25巻95P/冨樫義博)
さぁて終了!それじゃ飯にするかのぉ。
か・・・観音様が・・・
(引用:HUNTER×HUNTER 25巻95P/冨樫義博)
私には、ネテロさんの背後に、神々しい観音さまが見えた。これがネテロさんの言う「百式観音」というやつだったのだろうか・・・?
このホームに、怪物が誕生した。
暇つぶし
ネテロさんがホームに来てから1週間が経過しました。ホームではご入居者様がお楽しみいただけるよう日ごとにレクリエーションを用意しています。将棋やお絵描き、書道、華道など様々です。講師の方をお招きして行うものもあります。ですがネテロさんにとってはどれも退屈なようでした。それもそのはず。ネテロさんは「拝み→構え→正拳突き」という一連の動作を1万回繰り返すのに1時間もかからないようなお人です。今のホームのレクリエーションでネテロさんを満足させるのはかなり難しいと、私は悩んでしました。
そんなある日、私はネテロさんに呼び止められました。
ジロギンくん!わしとこのボールで遊ばんか?
ボールでですか?
左様、君がわしからこのボールを奪えば君の勝ち。どんな攻撃をしてきても構わんぞ。わしは手をださんからな
(引用:HUNTER×HUNTER 2巻100P/冨樫義博)
確かにネテロさんの正拳突きは神がかっていました。しかし、ボール取りという持久戦になればさすがのネテロさんでもそのうちバテるでしょう。私の方が断然若いし、こう見えても私は高校時代にテニスの県予選でベスト32まで残ったほどの実力(団体戦の補欠メンバー)。さすがに体力で負けるわけにはいきません。ホームの職員がご入居者様相手に持久戦を挑むなんて本来ならば良くないことでしょうが、これはネテロさんがふっかけてきたことですから、仕方ないですよね。私はこのボール遊びを快く承諾しました。
〜10分後〜
はぁはぁはぁはぁ・・・
もう終わりかのぅ?わしはまだあと72時間くらいいけるぞ!
やーめた!ギブ!私の負け!ネテロさん相手じゃ1年中追い回しても取れっこないよ
そうか、残念じゃの・・・
(そう、あれ以上やってたら○してでもボール取りたくなっちゃ・・・)
(引用:HUNTER×HUNTER 27巻160〜161P/冨樫義博)
わしの命を取るなんてボールを取るより10000000倍難しぞ
き・・・肝に銘じておきます・・・
やはりこの人には敵いません。
最後の日
ボール遊び以来、私はネテロさんにたくさん悪戯をされたり、ちょっかいを出されたりしました。私としては仕事の邪魔をされてちょっと不愉快になることもありましたが、ネテロさんご自身はとても楽しそうに笑ってらっしゃいましたので、まぁそれはそれでネテロさんのためになっているのならばいいか、とも思っていました。
しかし、ネテロさんが入居されてから3ヶ月間、正直ネテロさんの「遊び」は私を含め他の職員やご入居者様にとっての「遊び」の域をはるかに超えており、ネテロさんの満足がいくように接することは誰一人としてできませんでした。ネテロさんはそれを感じてか、私に悪戯をすることもだんだんと少なくなり、退屈そうにしている姿を見かけるようになりました。
その退屈さが頂点に達したのか、ネテロさんは急遽別のホームへと転居することを決めてしまったのでした。
寂しくなりますね・・・
いろいろちょっかい出したり、悪戯したりして迷惑かけたのう
いえ・・・私の力不足でした
迷惑ついでに最後に一つだけ、わしの悪戯に付き合ってくれんかの?
そういった時のネテロさんの表情は、たった3ヶ月の間しか一緒にいませんでしたが、今まで見たことがないほど悪意に満ちた表情でした。
(引用:HUNTER×HUNTER 28巻150P/冨樫義博)
今回の悪戯は、いや正確に言うと「ネテロさんにとっての悪戯」は、私に取って悪戯の範疇でないことは容易に把握できました。もはや命の危険すらも感じるほどでした。
そしてネテロさんは不気味な表情と共に、突如指で自分の胸を人刺しにしました。やはりただ事ではない、狂気がそこにはありました。
(引用:HUNTER×HUNTER 28巻152P/冨樫義博)
えっ!?何これ!?何が起きるの!?えっ!?
地獄があるならまたあおうぜ
(引用:HUNTER×HUNTER 28巻154〜155P/冨樫義博)
その爆弾は
低予算で小型の上
驚くほどの殺傷能力を誇り
技術さえ確立してしまえば
短期間で大量生産が可能な事と
爆煙の特異な姿から
貧者の薔薇(ミニチュアローズ)と呼ばれ
独裁小国家に好まれた
(引用:HUNTER×HUNTER 28巻157P/冨樫義博)
こうしてネテロさんと私の短い生活は終わりました。
あの爆発で奇跡的にも犠牲者は出ず、私もなんだかんだほぼ無傷でした。やはり最後までネテロさんは冗談が過ぎる人でした。
しかし、あの爆発でネテロさんが亡くなったとは思いません。おそらく生き延びてどこかでまた誰かに悪戯したりちょっかい出したりして困らせているのではないかと思います。
だんだんと私はまたネテロさんに会いたいなぁと思うようになりました。
そして私はいつの間にか介護士をやめ、ネテロさんと同じく、そしてネテロさんを探すためにハンターになることを決めていました。来年のハンター試験を受験しようと思います。
母ちゃん!俺ハンターとして生きていくよ!ハンター試験受けに行くぜ!
ハンター試験だぁ?バカなこと言ってないでハローワーク行きなさいよ!ハローワーク!
ということでもしネテロが老人ホームに入居したら、
ホームでもその超人的な能力を発揮するも誰も追いつけず、ネテロは退屈になってします。一方でそんなネテロに影響されて介護士がハンターを目指してしまうことでしょう!
・・・っていう妄想をしてしまいました。ネテロのような魅力的なお爺様がいたら、自分もハンターを目指してしまいたくなるくらい素敵・・・ですかね?
長々とお付合いいただき、ありがとうございました。