今回は今まであまりフォーカスしてこなかったキャラクター
ボドロ
について考察していきたいと思います。
(引用:HUNTER×HUNTER 4巻122P/冨樫義博)
作中では、非常に理不尽な形でキルアに命を奪われてしまったボドロ。
読者としてもかなりかわいそうな形で最後を迎えてしまいました。
作中ではボドロについて語られることはほとんどありませんでしたが、意外と謎が多いキャラクターだなと感じたので、ボドロの謎について考えてみます。
ボドロとは?
主人公・ゴンが受験した第287期ハンター試験に同じく受験していたのがボドロです。白くて長い髪とヒゲが特徴的な格闘家です。
10代〜20代の受験生が目立つ中で、ボドロは見たところ50代(もしかしたらそれ以上の可能性もあり?)ほどで、熟練の格闘家という風貌でした。
しかし、作中での活躍や戦闘描写は皆無で、最終試験でもヒソカに惨敗した後、キルアに心臓を一突きにされるという始末。あまり強い印象はありませんでした。
もちろん死亡してしまったので、以降ボドロの登場はありません。
(引用:HUNTER×HUNTER 5巻25P/冨樫義博)
あまりにもあっさり退場してしまったが故に、ボドロには疑問点が多いのです。
単独で最終試験まで勝ち上がった?
287期ハンター試験で最終試験まで勝ち上がったメンバーは、ゴン、キルア、ハンゾー、ヒソカ、イルミなど、その後も作中上位クラスの実力者となったキャラがほとんどでした。
その中で、一次試験から最終試験まで完全単独で勝ち上がってきたのは、ハンゾー、ヒソカ、イルミ(ヒソカとイルミは一部協力してましたが、ただの舐めプ)、ポックルですね。
関連記事:【ハンターハンター】287期ハンター試験最終試験出場者の強さランクを考えてみた! - 私の名前はジロギン。
ポックルはトリックタワーをどうやって乗り切ったのかが不明でしたが、四次試験はかなり相性のいい試験だったようで、早々にクリア条件を達成していました。
ポックルを除くと、単独で勝ち上がれたハンゾー、ヒソカ、イルミは未だに強者として見られることが多いですね。
その中に名をつらねるのがボドロです。ボドロも最終試験までの描写はないのでわかりませんが、単独で最終試験まで勝ち上がっていると思われます。
最終試験時点のメンバーの中にボドロと手を組んでいた者はいなさそうです。
またボドロは最終試験前に、子供であるゴン、キルアと戦うことは渋っていましたので、かなり正々堂々とした性格が伺えます。
途中まで一緒に協力してきた仲間がいたのならば、見放すことはしなさそうです(一概には言えませんが)。
となるとやはり単独で勝ち上がってきたと考えるのが自然かなと。
マグレだったのかもしれませんが、ボドロも最終試験まで勝ち上がれるだけの力はあったと判断していいのではないでしょうか。
でもレオリオと同等かそれ以下
しかし、試験後のネテロの評価では、ボドロとレオリオを比較すると
ほぼ互角だけど、格闘能力のみで判断すればレオリオが有利
というものでした。
(引用:HUNTER×HUNTER 5巻36P/冨樫義博)
一応格闘家であるはずのボドロ。確かに年齢的に言えばレオリオの方が断然若くて体力もあるでしょう。
ただ当時のレオリオは念能力も使えず、特に武術の修行をしたわけでもない、ただの浪人生でした(背は193cmでめっちゃ高い)。
そのレオリオに格闘能力では劣ると評価されてしまったボドロさん・・・
経験や総合的な評価では、ボドロの方がレオリオよりも「ハンターとして資質はある」とされていましたが、格闘家のボドロとしては実力はレオリオ以下と評価されることは遺憾だと思います・・・
もちろんネテロの偏見もありましたけどね。ネテロの評価も100%合っているとは言いきれません。いい加減なので。
ピトーを初めて見たときも「自分より強い」と評価していましたし(体がなまっているネテロより強いと言っていた可能性もありますが、きちんと修行し直したらネテロの方が強そうでした)、最強の念能力者と言われていた時の半分程度の力しかない今の自分は、モラウとノブとどっこいだとも言っていました(全然ネテロの方が強い)。
関連記事:【ハンターハンター】ネテロとピトーはどっちが強かったのか?考察してみた! - 私の名前はジロギン。
ネテロはボドロ以上の熟練の格闘家ですから、まったく見当はずれな評価をしているわけではないと思いますが、かなりいい加減な性格もあって、その言動は信ぴょう性に欠く部分があります。
ゴン、キルア、クラピカといった試験でもトップクラスの者の協力がなければ勝ち上がれなかったレオリオと、もしかしたら単独で勝ち上がってきたかもしれないボドロ・・・普通に判断したらボドロの方が強いと判断しそうなものですがね・・・
でもネテロから見たボドロは総合的にレオリオより評価は高く、キルアやイルミよりもさらに上なので、ハンターとしての可能性はあると見ていたことは見違いなさそうです。
ヒソカに何を囁かれた?
ボドロは最終試験でヒソカと戦いました。
戦闘描写こそなかったものの、ボドロはなかなか勝負を諦めなかったようです。
戦いの中でヒソカはボドロに何か囁くと、直後ボドロはギブアップしました。
(引用:HUNTER×HUNTER 5巻183P/冨樫義博)
その前の試合では、ヒソカはクラピカに何か囁き、自ら負けを認めました。
この時ヒソカはクラピカに幻影旅団の情報を教えると囁いていました。
ヒソカとしては、幻影旅団に恨みがあるクルタ族のクラピカを利用すれば、団長クロロと戦うきっかけ作りができるとでも踏んだのでしょう(この時点で具体的な策を思い付いていたのかは不明)。そしてそれ以上クラピカと戦いませんでした(戦わないことでクラピカに情報を渡すという発言を信頼してもらう目的もあったと思います)。
ボドロの場合は、ヒソカの囁きによってボドロ自信が負けを認めました。
試験後にポックルが「何らかの圧力をかけられた」と言っていましたが、私もこのポックルの発言通りではないかと思います。
(引用:HUNTER×HUNTER 5巻37P/冨樫義博)
なかなか諦めないボドロに対して、ヒソカは「自分だけでなく大切な者も殺害する」だったり「僕は来年も受験すればいいから、ギブアップしなければ失格になってでも君を殺す」だったりと伝えたのだと思います。
もしかしたら自分が旅団メンバーであることを明かしたりしたのかもしれません。
旅団は多くの人間にとって畏怖する存在ですので、本来クラピカとは逆に、恐れおののく人の方が多いはずです。
このシーンの意図としては、本来ボドロのように何かを囁かれれば敗北を認めるところ、クラピカの場合は逆にヒソカが負けを認めたので、この違和感によってクラピカとヒソカのやり取りを印象付けるためのシーンだったのではないかと思います。
ネテロ並みに強くなれた可能性も?
ネテロはボドロを見た際に「キャラかぶってんな」と言っていました。
確かに、白髪に髭のおじいさん格闘家って部分ではかなり似ていますよね。
(引用:HUNTER×HUNTER 4巻131P/冨樫義博)
思えば、過去のネテロの状況も、ボドロと似ているんですよね。
ネテロは最強の念能力者と呼ばれる前、年齢46歳の頃に山ごもりの修行に入りました。
ネテロは自分の格闘家としての才能や成長、肉体の限界を悟り、自分を育んでくれた武術への感謝の意を込めて、正拳突き1万回を毎日行いました。
結果として、50歳を超えて、真の才能が開花し、最強の念能力者と呼ばれるようになる実力を身につけました。
修行前のネテロがどれくらい強かったのかはわかりませんが、「自分の限界に悩みに悩み抜いた」という表現があった以上、それほど強い格闘家ではなかったように思われます。
もしかしたらボドロそのものだったのかもしれません。
もしネテロの「キャラかぶってんな」発言が、ボドロ見た目のみならず、実力もかつての自分とかぶっているという意味での発言だとしたら、ボドロもネテロ同様、山ごもりをして修行したらネテロのような強さを手に入れた可能性もなくはないのでは?
ネテロもボドロを全く評価してなかったわけではないので、その理由の一つには、ボドロも自分と同じように強くなれる可能性を秘めていると判断したからではないでしょうか?
ボドロもネテロ同様、遅咲きの格闘家としてこれから名を馳せたかかもしれません。
ある意味、287期ハンター試験で最も伸びしろある受験生を死に至らしめてしまったのかも。惜しい存在でした。でも仕方ないですね。
旧アニメ版だと、ボドロはギャグキャラみたいな役割を任せられていましたね。
原作でもその感じは否めませんが、実は真面目な格闘家なのだと私は思っています。
曲がりなりにも、豊作揃いの287期ハンター試験を勝ち残ってきた実力は、かなり高いものだったと思うんですよね。
もちろん、最終試験メンバーの中では、レオリオ、ポックル、あたりと並ぶ強さでしたが、周りが天才すぎただけで、相対的に弱く見えてしまっただけだと思いたいです。
本当に少ししか登場しないボドロですが、微妙に謎が多く、多分今後も回収されることはないものばかりです。
そのこともあり、今回考察してみようと思いました。