私の名前はジロギン。

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【テニスの王子様】氷帝の忍足侑士・向日岳人ペアとは何だったのか?

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「ムーサルト殺法」による変幻自在な攻撃を得意とする向日岳人くん。そして岳人くんがアクロバティックにプレーできるようサポートしつつ、相手のスキを見て攻撃に転じるダブルス巧者の忍足侑士くん。

2人のプレースタイルは、青学の大石・菊丸ゴールデンペアを彷彿とさせ、初登場時は実力も同等かそれ以上かと思われました。

しかし蓋を開けてみると、忍足・向日ペアが勝った描写は『新テニスの王子様 氷帝VS立海 Game of Future』を含めて1試合のみ。しかも初実戦の選手を含む急造ペア相手にギリギリの勝利であり、作中での成績は良かったとは言えません……

そこで今回は、忍足・向日ペアとは何だったのか、2人の試合を振り返っていきます。

忍足侑士・向日岳人ペアとは

氷帝は都大会までダブルス陣を準レギュラーで固める舐めプオーダーを採用し、正レギュラーの半数以上を関東大会まで温存します。作中でも都大会で公式戦に出場した正レギュラーは跡部様、樺地くん、宍戸さん、ジローくんのみ。忍足・向日ペアは関東大会からの出場となりました。

 

宙を舞うアクロバティックネットプレー「ムーンサルト殺法」で岳人くんが速攻を仕掛け、後方から忍足くんがサポート、ときに攻撃するのが2人の基本スタイル。前衛を後衛がサポートするというスタイルは、青学の大石・菊丸ゴールデンペアのようです。おそらく宍戸・鳳ペアが組まれる前までは、氷帝の最強ダブルスだったと思われます。

 

しかし、後述しますが忍足・向日ペアには致命的な弱点があり、戦績は振るわず……どちらかというと氷帝のお荷物っぽい立ち位置になってしまったのでした。

宍戸・鳳ペアに敗北

試合描写はなかったものの、関東大会中の跡部様の発言で、忍足・向日ペアは宍戸・鳳ペアに敗北したことが明らかになっています。

宍戸・鳳ペアが組まれたのは都大会の後。そこから関東大会までの数週間で忍足・向日ペアは氷帝最強ダブルスの座を奪われてしまったということです。

おそらくまだペアとして未熟だったであろう宍戸・鳳ペアに、長年ダブルスを組んできた忍足・向日ペアが負けてしまうのは、かなり痛い……

 

岳人くん曰く「宍戸のヤローに油断した」ことが敗因だそう。宍戸さんは都大会で惨敗し、正レギュラーから外されたため、岳人くんは格下に見ていたのでしょう。

しかし宍戸さんは、鳳くんとの猛特訓でプレーに磨きをかけ、数段強くなっていました。さらに鳳くんとの間に強い信頼関係を構築。ダブルスとしてベストな組み合わせになっていました。

宍戸・鳳ペアは全国大会でゴールデンペアにも勝利しています。中学生のダブルスとしては全国で上位に食い込めそうな実力です。関東大会前の段階でも、10回試合をすれば8〜9回は宍戸・鳳ペアが勝つくらい、忍足・向日ペアと実力差がついていた可能性があります。

菊丸・桃城ペアに敗北

関東大会の青学戦。忍足・向日ペアはダブルス2に出場しました。

相手は菊丸・桃城ペア。本来なら桃ちゃんではなく大石くんが出場するはずでしたが、試合直前に横断歩道で妊婦さんを助けた際に手首を負傷。大石くんの代理として桃ちゃんが出場することになりました。

 

菊丸・桃城ペアは初実戦の完全急造ペア。試合序盤はうまく噛み合わず、忍足・向日ペアが4-0と大量にリードします。

このまま忍足・向日ペアが勝つ流れかと思いきや、英二くんがアクロバティックプレーを封印して桃ちゃんを徹底的にサポート。そして桃ちゃんは試合前に大石くんから託されたダブルスの教訓をもとにプレーを始め、徐々に逆転。

さらに序盤からムーンサルト殺法で攻めまくった岳人くんがバテて後半には何もできなくなるなど、風向きが青学に傾き、結果4-6で忍足・向日ペアは敗北。4-0から6ゲームを連取されるという、大逆転負けを喫してしまったのです。

 

息の合った熟練ダブルスである忍足・向日ペア。一方、菊丸・桃城ペアは試合直前に組むことになったダブルス。圧倒的に忍足・向日ペアが有利だったはずですが、残念な結果に終わってしまいました。

もし順当に大石くんが出場していたら、ストレート負けしていた可能性すらありますね……

丸井・玉川ペアに辛勝

関東大会での敗戦後、全国大会で忍足・向日ペアは1回戦の椿川との試合で組まれたのを最後に起用されることなく、氷帝の夏は終わりました。

 

そしてU-17世界大会後に行われた『氷帝VS立海』の親善試合。久しぶりにダブルスを組むことになった忍足・向日ペアの相手は、立海が誇るボレーの天才・丸井ブン太くんと、次期部長の玉川よしおくんペア。またもや急造ペアです。

ブン太くんのペアといえば、立海最強の守備力を誇るジャッカルくんですが、ジャッカルくん自らの希望で出場枠を玉川くんに譲ったのでした。後輩に少しでも試合の機会を作るためですね。

ちなみに玉川くんはこの親善試合が初実戦だったそうで、めちゃくちゃ緊張していました。

 

菊丸・桃城ペアも急造でしたが、2人は個々に充分な実戦経験を積んだ選手。うまく噛み合えば相当な力を発揮するのは間違いありません。しかし初実戦の玉川くんが相手なら、相方がダブルスの専門家であるブン太くんといえど、強さはたかが知れています。

さすがにこの試合は忍足・向日ペアの圧勝……かと思いきや、めちゃくちゃ苦戦させられます。玉川くん得意のロブに翻弄され、ブン太くんの個人プレーを崩すことができず……あと一歩で負ける寸前まで追い込まれてしまったのでした。

もし玉川くんではなくてジャッカルくんが出場していたら、忍足・向日ペアはボロ負けしてたのではないでしょうか。

忍足・向日ペアには弱点が多すぎた

個人としてはそれぞれ強みを持っている忍足くんと岳人くんですが、2人がペアを組むとさまざまな問題点が生まれ、それが致命的な弱点になっているように感じます。

最大の問題は、2人とも基本的に対戦相手を舐め腐っていることでしょう。宍戸・鳳ペアに負けたのも、菊丸・桃城ペアに負けたのも、相手を舐めて力量を見誤ったのが原因です。2人がそろうと気が大きくなってしまうのかもしれません。

岳人くんに関しては、ストリートテニス場で桃ちゃんとリョーマ両方と試合しようとしてましたからね。シングルスだったら叩きのめされて、逆に恥ずかしいことになっていたでしょう。

 

また岳人くんは体力が著しく少ない上に、ムーンサルト殺法という無駄に動くプレースタイルで戦うため、試合終盤になるとスタミナ切れを起こしてしまいます。菊丸・桃城ペアとの試合以外に、海堂・乾ペアとの試合でもスタミナ切れが原因で負けているくらい、体力面に課題があります。

そして忍足くんは「千の技を持つ天才」と言われているのに、ダブルスになるとその千の技をろくに使いません。多彩な攻撃パターンが彼の売りなのでしょうが、それを自ら封印しているように感じます。桃ちゃんとシングルスで戦ったときのほうが強みを発揮できていたような……

 

油断というスキを生み出し、個々の能力が発揮できているとはいえない忍足・向日ペア。青学が「ダブルスが穴」と言われていたように、氷帝も割と「ダブルスが穴」でしたね。