私の名前はジロギン。

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【怖い話】呪いの洗剤

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私の名前はジロギン。

 

「俺だよ俺!覚えてるかな?高3の時に同じクラスだったYだよ!」

 

見知らぬ電話番号からの電話だったが、出なければよかったと後悔した。Yくんは確かに私の同級生だったが、当時も多分2〜3回くらいしか話したことはなかったし、卒業以降連絡なんて1度も取ったことはない。

電話番号だけは、卒業式の後か何かのタイミングで教えた気がする。ずっと同じ番号を使っているというのも考えものだ。こう言う元同級生からの電話は怪しいビジネスの誘いであることがほとんどだ。今回Yくんが連絡してきたのもそういった話だろうと思っていた。

 

Y「実はさ、ジロギンくんに折り入って相談というか頼みがあるんだけど、今度どこかで食事でもしない?」

 

やっぱりそうだ。ビジネスの勧誘だろう。行くのは面倒だったが、ブロガーである私としては、このYくんとの食事はブログのネタになる匂いがした。

3日後の夜に食事をすることになった。

 

 

 

Yくんのことを先に説明しておくと、Yくんとは高校3年生の時に同じクラスだった。まぁいわゆる陰キャで、クラスにも友達はいなさそうだった。私もなかなかの陰キャであったが、Yくんと仲が良かったわけではない。陰キャ同士が惹かれ合うとは限らない。

Yくんはめちゃくちゃいじめられていた。クラスの陽キャたちにいじりを超えたいじめを受けていた。年中殴られていた記憶がある。

Yくんは運動は出来ないし、勉強はめっちゃやっているようだったが期末試験でクラスで最低点を取るなど何をやらせてもダメダメの子だった。これではいじめの対象になってしまうのも仕方がなかったのかもしれない。

また、私を含む周りのクラスメイト達も当時は大学受験を控えており、自分のことで手いっぱい。Yくんのことまで気にかけてあげられなかった。

ただYくんは誰よりも心優しい子で、隣の席の子が教科書を忘れてしまった時に見せてあげて、そのまま見せてあげた子に教科書を取られてしまっても、そのまま黙って1年間過ごしたくらい優しい子だった。

 

Yくん「ジロギンくんさ、ブログ書いてるでしょ?しかも結構長くやってない?」

 

ジロギン「え?なんで知ってるの?」

 

Yくん「偶然見つけたんだよ。ほら、前に高校時代の話書いてたでしょ?休み時間中ずっと教室の後ろの掲示物見てた話!あの記事を見つけて、もしかしてこのブログ書いているのジロギンくんかな?って思ったんだよ!プスプスプス!」

 

ジロギン「ああ・・・そうだったんだ」

 

プスプス笑う人間を、私は現実世界でYくん以外知らない。この笑い方は高校時代からずっと同じで、確かこの笑い方を陽キャたちから「気持ちわりーんだよ!」と罵られまくっていた。今聞くと確かに腹がたつ。別に笑い方なんて個人の自由なんだけど、血気盛んな高校生なら腹が立つのも仕方がない気がする。

 

Yくん「でね、本題なんだけど・・・」

 

Yくんの私への頼みというのが、「とある洗剤のレビュー記事を書いて欲しい」とのことだった。Yくんの勤める会社の新商品らしく、どんな手段でもいいから世に広めてくれと上層部から言われたらしい。洗剤で服を洗濯してその服を着た感想をブログに書いて欲しいとのこと。

ブログネタにもなるし、お金もくれるそうだったので、私としては特に断る理由もない。私のブログから物が売れるなんてことはかなり稀なのだが、それでもいいということなので、承諾した。

 

Yくん「ありがとうね!記事楽しみにしているよ!プスプスプス!」

 

最後までYくんの笑い方は耳についたし鼻についた。

 

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家に帰った私は早速Yくんの洗剤を使い、明日着るパジャマを洗濯した。

翌朝、乾いたパジャマを着てレビュー記事を書いた。Yくんに確認してもらったところOKももらえた。これでお金がもらえるのならばありがたい。

ふとテレビを見たら、Yくんの洗剤はテレビCMでも宣伝されていた。テレビCMなんて打とうと思ったら、何千万というお金がかかるだろう。相当本気で売り出したい商品なのだなと実感した。

 

 

その夜、Yくんの洗剤で洗ったパジャマを着て寝ることに。ブログには「すごーい!買ってきたばかりみたいにふわふわなパジャマになっちゃうんだね!」みたいなことを書いたが、全然そんなことはない。何も変わらない。いい匂いもしない。こんな洗剤はどれだけ宣伝しようが100%売れない。

私は心の中でYくん洗剤をディスり倒し、床に敷いた布団に入り、眠りについた。

 

 

 

目が覚めた時はまだ夜中だったが、私の体が全く動かない。金縛りだ。人生で3回目の金縛り。仰向けで顔は天井を向いたまま、右にも左にも動けない。

その状態が十数秒続いた後、天井に黒い水溜りのような、液体が円形に広がり始めた。

そしてその黒い水溜りの中央から、バスケットボールくらいの大きさの水滴が滴ってきた。水溜りからビヨ〜ンと伸びて、ゆっくりと私の顔に迫ってくる。

 

プスプスプス

 

鼻につく笑い声が聞こえた。

 

ジロギン「もしかして・・・お前、Yくんか?」

 

黒い水滴が形を変えて、Yくんの顔になった。不敵な笑みを浮かべている。

 

Yくん「気付いちゃったか・・・全員殺すつもりだったけど、俺に気がつけたご褒美に、お前だけは見逃してやるよ」

 

 

もう一度目が覚めた。締め切ったカーテンからは朝日が差し込んでいる。金縛りは夢のようなものと聞いたことがあるが、おそらく天井からYくんが降ってきた夢だったのだろう。

 

その日の昼頃、高校3年生の時の同級生のグループLINEができていた。そこにYくんは入っていなかった。

LINEの会話では、なんでもYくんから紹介された洗剤を使って洗った服を着た夜、Yくんが夢に出てきたという人が複数名いたのだ。私と同じ状況だったのだろう。

そのうち一人は、当時Yくんをいじめていた主犯格の一人だった男なのだが、突然彼の勤める広告会社にYくんが営業にやってきて、洗剤を宣伝してくれるように頼んだそうだ。熱心な頼み方と高額な費用を提示してきたことで、男は自分で洗剤を試してみて、CMを企画したのだそうだ。その時洗った服を着た夜にYくんが登場したらしい。

 

グループにいた(自称)霊感の強い女子いわく、これは呪いの一種だそうで、Yくんの洗剤を使って洗ったものを着て寝るとYくんの怨念にさらされる呪いらしい。そういう呪いをYくんは洗剤に施していたようだ。

私やYくんをいじめていた者に宣伝を頼んだのは、おそらく連絡先のわからない同級生にも洗剤を使ってもらうために、ありとあらゆる方法で広告するためだったのだろ。

Yくんはいじめを受けてきた恨みを晴らすべく、いじめていた本人たちと、それを止めなかったクラスメイトたちを呪い殺そうとしたのだと思う。

こういう呪いだとか、怨念だとかはあまり信じないのだが、何人も同じ経験をしている人がいるとなると信じざるをえない。

 

ただ話を聞くと、Yくんは怨念となってみんなの夢に現れたものの

「君は寝顔がかわいいから見逃してあげる」

とか

「君は体育のサッカーで同じチームに入れてくれたから見逃してあげる」

とか

「君の会社とうちの会社とは取引関係にあるから、君を殺して取引先を混乱させたら俺にも支障が出るから見逃してあげる」

とか、なんだかんだ理由をつけて、結局誰も死んでいないらしい。

はた迷惑な話だったが、Yくんの心優しさが変わっていなくて安心した。

 

この後、当時の陽キャたちがYくんの会社に連絡し、Yくんの家を突き止めて乗り込みに行ったのは言うまでもない。

 

 

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