ハンターハンター作中で強大な力を誇り、読者に「こいつらに勝てるキャラはいないんじゃないか?」と十分に思わせるほど強かった王直属護衛軍のキメラ=アント3体、ネフェルピトー、モントゥトゥユピー、シャウアプフ。
そもそもキメラ=アント自体が人間と混ざり、念能力を習得したことで並みのハンターでは返り討ちにされてしまうほどの強さを誇っていましたが、護衛軍3匹に関しては、生まれながらに作中最強クラスの念能力と身体能力を保有しておりました。絶望的な強さでしたね。
現に作中で直接護衛軍を倒したのはゴン(しかも瀕死の重傷を負うことと、念能力が二度と使えなくなることを引き換えに自らを成長させた『ゴンさん』になることで)だけでした。ゴンのような一部例外を除けば護衛軍に勝てるキャラはいない・・・
と思ったのですが、よく考えるとそうでもないみたいです。
ハンターハンターのバトルは「能力の相性」こそが勝負を決める重要な要素ですからね。その相性的に考えると・・・
キルアなら護衛軍のプフに勝てたのではないか?
と思うのです。
今回はその理由を考えていこうと思います。
シャウアプフとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 29巻37P/冨樫義博)
プフは王直属護衛軍の1匹です。見た目は人間の成人男性のようですが(しかもスタイルが良くてイケメン)、その正体は頭には触覚と背中には蝶々のような羽が生えたキメラ=アント。
メルエムを全ての種族の王にするべく画策しますが、極度な心配性が故に裏目に出てしまうこともしばしば。プフの行動は全てメルエムのためを思っての行動であり、キメラアントの誰よりもメルエムを気にかけていたことには間違いないです。
能力は「鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)」で、対象者の感情を読み取ったり、鱗粉を使って大勢の人間を操作することなどができます。
また自身の体を細胞レベルにまで分解することで打撃攻撃を無効化したり、分身を作ったり、狭い場所を通り抜けたり、細胞の構造を変えることで別人になりすましたりすることも可能です。戦闘というよりも補助的な能力が目立ちましたが、肉弾戦に乗り出すこともありました。
さらに「念能力を開発する」能力なども持っているようで、師団長ヂートゥはこの能力で「紋露戦苦(モンローウォーク)」という能力を開発してもらっていました(能力の詳細は不明)。
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プフは最終的にネテロが使った「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」の毒によって死亡。直接の戦闘で倒されることはありませんでしたが、キルアと対峙した時は押され気味でした。
キルアと相性の悪いプフ
先述の通り、プフは自らの体を細胞レベルにまでバラバラにすることで攻撃をかわすことができます。
細胞は目に見えませんので、そんなにも小さくバラバラになられてしまうと打撃系の能力はまず当たりません。
このことから、最初にプフと対峙したモラウからは、「プフは無敵」という印象を抱かれていました。
モラウの攻撃方法は基本的に巨大キセルによる打撃がメインのようですから、プフを倒すことは困難でした(本当はプフの本体はどんなに体をバラバラにしてもハチ程度の大きさを保たねばならず、そのサイズになったプフにほぼ戦闘力は皆無なのでこの制約と本体に気がつければ倒すことはできました)。
しかし、キルアの能力である電撃は、打撃とは異なり一瞬で電気が全身を走り抜けます。そして電撃は細胞を焼き、死滅させてしまいます。
プフがバラバラになるより早く電気はプフの体を駆け抜け、細胞を焼き焦がしてしまうので、キルアの攻撃を無力化することはできません。
現に作中ではプフの分身がキルアの電撃によって細胞を焼かれダメージを負っていました。
能力の相性として、プフにとってキルアは天敵と言えるでしょう。
(引用:HUNTER×HUNTER 29巻57P/冨樫義博)
キルアのスピードに追いつけないプフ
プフと戦っていた時のキルアは、すでに「神速(カンムル)」を完成させており、作中でもトップクラスのスピードを身につけていました。
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相手の動きに反応してキルアの体が動く「疾風迅雷」は、ユピーですら一方的に殴られてしまうほどのスピードを誇り、プフが作り出した分身では完全に追いつけていませんでした。
またハチくらいのサイズになって出現した時も(本体ではありません)、キルアの「神速(カンムル)」と電撃を兼ね合わせた攻撃で一瞬で消滅させられていたことから、プフの本体が見つかった場合、一瞬でキルアにやられる可能性があるということです。
キルアなら細胞レベルに分裂したプフの中で一体だけハチくらいの大きさをしていたらそれが本体だと感づきそうですしね。
実際にプフ自身もキルアのスピードを目の当たりにして「全力でも捉える事は困難」と認めていますので、スピード面では完全にキルアの勝ちでしょう。
(引用:HUNTER×HUNTER 29巻49P/冨樫義博)
プフ本体の実力
ここまでのことを考えれば「プフよりキルアの方が強い」と言っても良さそうなのですが、まだそう言いきれない部分があるのです。
キルアが戦ったプフはいずれも分身にすぎません。プフ曰く、分身の強さは本体とは比較にならないほど弱いとのこと。
(引用:HUNTER×HUNTER 27巻112P/冨樫義博)
あくまでも分身は遠隔で操作して戦わせているだけに過ぎないので、実際に自分が戦うよりも弱いという理論です。
分かりやすく言うのは難しいですが、「ラジコンのロボットに戦わせるより自分で戦う方が強い」といった感じでしょうかね。
ラジコンでは動きに制限があったりタイムラグがあったりするので、自分の体を動かすのより不便なのは当然です。そんな感覚に近いと思います。
プフ本体とキルアが戦っていないので、キルアの方が強いとは言い切れません。プフの力は、そのオーラに触れただけで熟練のハンターであろうノヴが精神崩壊しかけるほどでしたから、かなり高いとは思います。
ただ、プフ自身がキルアを全力でも捕まえることは困難と感じてしまっていること、ユピーでもキルアの「神速(カンムル)」についていけなかったこと、プフの攻撃手段は接近戦しかなく、それはキルアも望むところで電撃をより食らわせやすくなることからも、プフ本体であってもキルアにスピードで翻弄されて電気を流され細胞が死滅してしまう状況が思い浮かんでしまいます。
キルアが強すぎる
たとえプフが相手でなかったとしても、すでにキルアが異常な強さになってるんですよね。
人間の体は水分も構成要素に含まれていますので、電気を通してしまいます。しかも、グリードアイランド時点でのキルアの電撃の威力はスタンガン程度で、相手をひるませることくらいしかできませんでしたが、プフと戦ったときには細胞を焼き焦がして消滅させるレベルにまで上がっていました。
これはもう人間が食らえば即死レベルの攻撃力と言っても過言ではないでしょう。オーラを使えば多少は防げるのかもしれませんが・・・それでも強すぎますね。
さらにキルアは「神速(カンムル)」で作中最高クラスのスピードも手にしました。「神速(カンムル)」のスピードに対応できるキャラはかなり限られます。
メルエム、ネテロ、ゴンさん・・・くらいですかね?ピトーではギリギリ無理かもしれません。
即死級の電撃を反応できないスピードで打ち込んでくるのがキルアです・・・どうなってるんだよ・・・多分ゴンさんになっていない普通のゴンより明らかに強いですよね。全然対等じゃないですよね。
しかもキルアは兄のイルミが「強いやつとは戦うな」と意識に呼びかけてくる針も頭から抜いてますから、強い相手であっても果敢に挑めます。
多分旅団メンバーの大半よりキルアの方が強いんじゃないですかね?
もうヨークシンの時みたくビビることもないでしょう。でもノブナガとかがキルアに何の反応もできずやられるのはなんかちょっと嫌だな・・・ノブナガでは負けそうですがせめてキルアを負傷させるくらいには健闘して欲しいです。
キメラ=アント編でのキルアは、改めてビスケと修行をしたり、イルミの針を抜いたり、師団長を除くキメラアントと数多く戦闘をしたりと実力も経験値も大幅に上げています。
ゴンのゴンさん化を除けば、キメラ=アント編で一番成長したのはキルアでしょう。
キルアの成長率と能力の相性から考えても、王直属護衛軍の中で戦闘タイプではないと思われるプフにならば勝てるレベルにまでなっていると私は思います。
相性っていうのは大きいですね。だいぶ差を縮めていると思います。
キメラ=アント編は暗黒大陸を除けば、なんと言いますか、人間世界にとってイレギュラーな事件で、過去かつてないほど強い生命体が続々と登場しちゃったんですよね。
そんなイレギュラーな存在の、さらに上級である護衛軍にも勝てるレベルにまで達してしまったキルアは、人間世界の相手ではもうどうしようもないほどの強者になってしまっていると思われます。超高速で致死レベルの電気を流してくるとか、どんな殺人兵器なんでしょうかね・・・
なんなら、キルアは弟(妹?)のアルカ(正確には「ナニカ」とキルアが呼んでいるアルカに宿った存在で、暗黒大陸に存在する『欲望の共依存 ガス生命体アイ』)に「命令」すればリスクなしでどんな願いでも叶えてもらえます。
そのお願いの内容に限度はないようですので、例えば「キメラ=アントを絶滅させろ」と命じればメルエムも護衛軍も全て倒せたんですよね。もっといえば人類ですら滅せる可能性があるという脅威の存在です。キルアはいろんな意味で強すぎますね・・・