ハンターハンターの天空闘技場編に登場した、200階クラスの闘士「カストロ」さん。
彼は「分身(ダブル)」という念能力を駆使してヒソカに挑みましたが、ヒソカの名言
「キミの敗因は容量(メモリ)のムダ遣い」
(引用:HUNTER×HUNTER 6巻197P/冨樫義博)
というセリフともに無惨にやられてしましました。
ストーリー上、念能力の設定が本格的に現れたのがこの天空闘技場編からでしたので、ゴン、キルア、および読者さんに念の説明をするための噛ませ犬として、カストロさんのようなメインキャラクター以外のキャラクターには「念の使用失敗」も含めて実例として役に立ってもらう必要があたっと思います。カストロさんは強制負けイベントに遭遇してしまったようなものです。
ヒソカにディスられた上に噛ませ犬になったカストロさんですが、私は
「カストロさんの念能力『分身(ダブル)』はかなり強いのではないか?」
と思うのです。
そこで今回は、カストロさんの「分身(ダブル)」およびカストロさん自身の強さを主張したいと思います。
カストロとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 6巻157P/冨樫義博)
先述の通り、天空闘技場の闘士です。ローブを着た長髪のイケメンで、性格も、カストロの顔を見に控え室へ侵入してきたキルアに大人の対応で接するようなハンターハンターの世界でもかなり出来た人間だと思います。
見かけによらず天空闘技場で唯一ヒソカからダウン1回、クリーンヒット3回を取っている闘士の中でも凄腕の使い手なのです。
天空闘技場での戦績は9勝1敗で、過去に密かに負けたとき以外すべて勝ち星を挙げていました。あと1勝でフロアマスターに挑戦できるというところでヒソカと再戦し、殺害されてしまいました。カストロ自身はフロアマスターに挑戦すること以上にヒソカを倒すことに熱を入れていたようでした。
カストロは戦闘で「虎咬拳(ここうけん)」と呼ばれる、手のひらを虎の牙や顎に見立てて攻撃する拳法を用います。達人が使うと大木をも切断するほどの威力になるそうです。
(引用:HUNTER×HUNTER 6巻168P/冨樫義博)
カストロの虎咬拳もヒソカの腕を切断する威力でしたので、達人クラスのレベルだったと思われえます。さらに念で強化されてますし。
加えてカストロには念能力「分身(ダブル)」がありました。自身と同一の分身を具現化する能力です。観客にも分身が見えていたことから、具現化系と操作系の能力の組み合わせた能力だと思われます。
(引用:HUNTER×HUNTER 6巻174P/冨樫義博)
分身を使っての攻撃によりヒソカの両腕を落として見せましたが、分身の方が戦闘で衣服が汚れた本体以上に綺麗に作り出してしまうという性能の高さがゆえにヒソカに分身を見切られ、敗北につながりました。
ではそんなカストロさんが強いと思える部分を紹介していこうと思います。
念なしでヒソカからダウンを奪う
先述の通り、カストロはヒソカからダウン1回、クリーンヒット3回を奪っています。ヒソカは天空闘技場に参加して以来カストロ以外から攻撃は食らっていません。
カストロとヒソカが初めて戦ったのが約2年前で、以来ゴンとキルたちが天空闘技場に来るまで戦ってはいない様子でした。そしてカストロはヒソカから「洗礼」を受けることで念能力を開花させたとも語っていました。洗礼とは、念能力者にオーラをまとった状態で殴られる(本来修行によって目覚めさせるところを、念能力者が強制的にオーラを送り込むことで目覚めさせること自体も洗礼に該当する)ことで念能力を開花させる手法です。ヒソカに殴られたことでカストロも念能力を使えるようになりました。
ということはです。カストロは密かとの初戦闘時、「念が使えない状態でヒソカからダウンを奪っていた」ということです。ハンター試験時点で念を使えなかったゴンたちはヒソカとの直接対決を避けていましたが、非能力者がヒソカとまともに戦いあうことすら厳しいのです。しかしカストロは念能力なしでもヒソカと対等に渡り合っていた可能性が高いです。
ただヒソカは相手の攻撃を食らう癖がありますので、わざとカストロに攻撃させた可能性もありますが・・・ヒソカが殺さずに1度生かしていることからも、カストロの潜在能力も高かったと思われます。
作中で最もヒソカをボロボロにした
ヒソカの両腕を切断したカストロさん。ヒソカはカストロとの試合を途中から観客へのパフォーマンスに使おうとしていたため、かなりの舐めプ状態でしたが、実のところヒソカはカストロ以上にダメージを食らったことが作中ではないんですよね。
(引用:HUNTER×HUNTER 6巻186P/冨樫義博)
それ以外でヒソカが大怪我した描写だと、グリードアイランドでレイザーの球を受けた時に「両手の指イっちゃった〜」時くらいでしょうか。それでも骨折程度で済んでいます。
ヒソカがわざとやったにしても負傷は負傷。間違いなかったらやばかったわけですし。
カストロさんも馬鹿正直に腕を狙わずもっと首とか胴体とか致命傷になるところ狙えば良かった気もしますが・・・
2対1に持ち込める分身(ダブル)は強い
分身(ダブル)はヒソカ曰く「イメージの自分を具現化してしまうため、現在の衣服の汚れまで再現できない」ことと、「人間を忠実に具現化し自由に操ることは他に何もできなくなってしまうくらい大変」であるため、分身(ダブル)はカストロが扱うには燃費が悪すぎるという理由でディスっていました。
確かにヒソカの言う通りでカストロは能力の大半を分身(ダブル)に割きすぎていました。しかし、普通に考えて2対1という状況に持ち込めるのは、基本的に1対1で戦うことになる天空闘技場のルールで数で押せるのは非常に有利ですよね。
その他の戦闘時でも、やはり2対1という状況は有利なはず。しかも自分の意思で操れる分身との2対1なので、他人とコンビネーションを合わせる必要もなし。カストロはヒソカを翻弄するためにのみ分身(ダブル)を使っていましたが、もっとダブルの持続時間が長くなれば、完全に2対1の状況に持ち込め、虎咬拳でヒソカをバラバラにできたと思うのです。ゆえに普通に分身(ダブル)は強いと思うのです。
独学で分身(ダブル)を習得
カストロさんは独学で分身(ダブル)をマスターしています。
確かにカストロさんには不向きな能力だったのかもしれませんが、不得意系統の能力を独学でマスターするというのは本来非常に難儀なのことです。得意系統の発をマスターするにあたっても、天才のゴンとキルアがウィング、ビスケの下で修行してですら何ヶ月もかかっているというのに・・・カストロさんの修行効率の良さはすさまじいと思います・・・効率が良すぎて、不得意系統を効率よく習得できてしまうほどだったということです。もしきちんとした師匠がいて、自分の系統に合った能力にしていれば・・・さらに強くなっていたでしょう。
実はヒソカ相手に善戦はできた
作中で言及されていましたが、カストロはヒソカとの戦いで善戦することは可能でした。ヒソカの腕が治るトリックなどに翻弄され、精神的に動揺してしまい、ヒソカのペースに流されてしまいました。
(引用:HUNTER×HUNTER 7巻20P/冨樫義博)
もちろん戦闘の流れを掴むのも強者の証ですし、ヒソカの念の技術の高さがあってのトリックだったのですが、分身(ダブル)という燃費の悪い能力でもヒソカと善戦できたカストロさんはやはり強いと思います。
実はそこそこやばかったヒソカさん。「キミの敗因は容量(メモリ)のムダ遣い」などと言っておきながら本心は「ふぅ〜、危なかった〜、負けるかと思ったぁ〜。」と思って、強がっていたとしたら、ちょっとかわいいですね。
カストロさんの強さは幻影旅団クラスか?
負けたとはいえヒソカ相手に善戦できていたというカストロさんは、幻影旅団のメンバーとほぼ同格くらいの力があったとみていいのではないかと思います。カストロと相対したキルアが旅団メンバーに会った時よりはビビっていなかったので、旅団の戦闘員、ウボォーギン、フィンクス、フェイタン、団長のクロロにはかなわないものの、旅団非戦闘員のシャルナークやコルトピ、シズクあたりとなら勝てる可能性もあるのではないでしょうか?
確実に言えることは、カストロさんは「団長の手刀を見逃さなかった人」よりは強い!
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻54P/冨樫義博)
以上、カストロさんの強さが伝われば幸いです。
ヒソカ的にもカストロさんを殺してしまうのは時期尚早だったと思います。もう1回見逃しておけばもっと強くなったかもしれませんが・・・ヒソカとしては2年がカストロに与えた最長の猶予期間だったのかもしれませんね。
カストロさんもまた冨樫先生お得意の「名噛ませ犬キャラ」の一角を担っていると思います。噛ませ犬キャラ好きな私からするとカストロさんもかなりいいキャラなのですが・・・なかなか日の光が当たらないのは噛ませ犬たちの宿命ですかね。
ヒソカVSカストロが読めるのはハンターハンター6巻!