ハンターハンターの念能力はその強さや威力に注目が集まりがちですが、能力者の活動を支援する上で非常に便利な能力も多数あるのです。
戦闘ではなくサポート向きの能力ですね。そんな能力の一つに
シズクの「デメちゃん」
があると思います。
いや、もっと言うならば「デメちゃん」の性能は便利すぎてぶっ壊れ性能すぎる気さえします。
幻影旅団としてはありがたすぎる能力です。
今回はシズクの「デメちゃん」がいかに便利な能力かを紹介していこうと思います。
シズクとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 22巻71P/冨樫義博)
幻影旅団のメンバーです。フルネームはシズク=ムラサキ。
黒髪と大きな黒縁メガネが特徴の女性。団員ナンバーは8。
一見おっとりしていておとなしそうな印象を受けますが、やはり凶悪な盗賊集団である幻影旅団の一員には間違い無く、時には敵を容赦無く殺します。
ただ天然ボケっぽさはあるようで、フェイタンからは「一度忘れたことは思い出さない」と言われるほどでした。
団長のクロロから、シズクはシャルナークやパクノダとともに「情報処理部隊」の一人として紹介されていました。
幻影旅団をバックアップするのがシズクの主な仕事ですが、キメラ=アント編では前線に立って戦っていましたね。
戦闘力が特別高いわけではありませんが、おそらくプロハンターと同じかそれ以上には戦えると思われます。
具現化系念能力者で「デメちゃん」と呼んでいる金魚をモチーフにした掃除機を具現化します。
「デメちゃん」は時折「ギョギョ」などと言葉を発していることから、念獣っぽくもあるようですが、現在までの描写としては自律して行動はせず、シズクがマニュアルで操作しています。
この「デメちゃん」の能力が便利すぎて、旅団としても欠かせない能力だと思うのです。
証拠隠滅に役立つ
幻影旅団全体として「デメちゃん」最大の便利性能が「証拠隠滅ができること」だと思います。
幻影旅団は犯罪を生業とする集団です。故にハンターや賞金稼ぎ、警察などから狙われることが多いでしょう。
幻影旅団メンバーの強さならばプロハンターレベルの使い手でも返り討ちにできてしまいますが、できれば余計な戦闘はしたくないはず。
だとしたら犯罪の証拠を消して、厄介な相手に追跡されないようにしなければなりません。
シズクの「デメちゃん」は、シズクが生物と認識しているものと念でできたもの以外ならば何でも、おそらく無限に吸い込めます。
しかも生物「だった」死体であれば吸い込めるようです。
作中ではオークションに集まった数十〜百数十人の客をフランクリンが全滅させ、シズクがその死体の山を「デメちゃん」で綺麗さっぱり吸い込んでしまっていました。
(引用:HUNTER×HUNTER 8巻194P/冨樫義博)
幻影旅団は目的達成のためには邪魔する者の命を奪うことにためらいはありません。
そのため旅団が働いた犯罪には犠牲者の死体も伴うと思われます。
死体から証拠を辿られたり、念能力の詳細が発覚したりしないためにも「デメちゃん」による死体の隠滅は旅団にとってめちゃくちゃ都合のいい能力となるでしょう。
後述しますが、「デメちゃん」は血液も吸い込めますので、完全に戦闘の痕跡を消せます。
これによって髪の毛や汗などDNAが採取されてしまうものもおそらく吸い込めると思いますので、旅団メンバーの身バレも防げます(旅団メンバーの大半が戸籍を持たない流星街出身のメンバーなので、DNAからでは特定できないみたいですが)。
解毒も出来る
「デメちゃん」は「体や血中に含まれた成分のみを吸い込む」こともできるようです。
作中では幻影旅団のウボォーギンが、陰獣の病犬の牙に仕込まれていた神経毒を喰らい、体の自由を奪われてしましいました。
シズクは「デメちゃん」の能力でウボォーギンの体の中を流れる病犬の毒、そしてウボォーギンを捉えたクラピカたちが、さらに体の自由を奪うために吸わせていた神経ガスまでも吸い取ってしまいました。
(引用:HUNTER×HUNTER 9巻98P/冨樫義博)
デメちゃんの能力を使えば解毒も可能なようです。
なんでも吸い込めるとはいえ、体の中を流れる毒のみを吸い込めるっていうのはかなり高性能な掃除機すぎませんかね・・・
幻影旅団の医療担当はマチのイメージですが、マチが治せるのは基本的に外傷のみだと思われます。
糸を使って傷口をふさいだり、切断した四肢をつなぎ合わせたりなどです。
一方でシズクは体に入り込んだ異物を取り除いたりなど、ある意味「薬の代役」みたいな方面での治療を行えるという感じですね。
マチは外科、シズクは内科ってところでしょうか。旅団は医療サポートも充実してます。
念のトラップを見分ける
先述の通り、シズクの「デメちゃん」は「念でできたものは吸い込めない」という制約もあります。
一見不便なようですが、シズクはこの制約を利用して、「念でできたトラップを見抜く」という使い方もしているようです。
作中でそのシーンはありませんでしたが、シズク自らがこの使い方を口にしていました。
幻影旅団としても厄介な存在である念能力者。
ただの武装した敵であれば力で制圧すればいいですが、念能力は対象者を呪うかのような、一筋縄ではいかない類のものまであります。
うかつに手が出せない搦め手系の能力ですね。
こういった、念能力でできたと思われる疑わしいものやトラップなどはシズクが「デメちゃん」で吸い込んでみて、吸い込めるかどうかで判別できるというわけです・・・
まぁ「凝」を使えば見分けられると思うんですけど、こういう「色々考えて効率的なことをしているようで、実はめちゃくちゃ回りくどいことをしている天然っぷり」がシズクらしいですね。
「デメちゃん」にこの制約があるのは、作品の都合上「幻影旅団には除念する方法がない」という設定にする必要があったためだと思われます。
デメちゃんが念でできたものまで吸い込めて除念できちゃうと、クラピカが苦労してクロロにかけた念がノーリスクで解除されちゃいますからね。
デメちゃんは戦闘でも強い
シズクは「デメちゃん」を用いて戦闘も行います。
単純に「デメちゃん」を鈍器として使うことでヴェーゼらを殴り殺していました。
シズクの腕力はヨークシンシティ編でのゴンと同等かそれ以上でしたので、並の人間の比ではないでしょう。
キメラアントのパイクにも傷をつけてましたし(キメラアントは非常に硬い外殻を持ち、オーラを込めた拳もダメージが通らない個体が殆どです)。
普通に殴っても強いのですが、さらにシズクはパイク戦で、「傷口から血を吸い取る吸血攻撃」を仕掛けていました。
血は生き物とカウントされないようで、血のみであれば「デメちゃん」で吸いとれるみたいです。
(引用:HUNTER×HUNTER 22巻72P/冨樫義博)
この方法で身体中の血を取られたパイクは死亡しました。
傷の数や大きさによっては吸い込まれる血を止めることは不可能でしょう。ほぼ必殺の能力です(クラピカのように傷を治す能力を持っている敵だと効かない可能性がありますが)。
パイクに傷をつけた直後にシズクは「私とデメちゃんの勝ち」と言っていましたので、本人もほぼ必殺の攻撃方法だと理解しているようです。
実質傷をつけたら勝ち・・・シズクは非戦闘員で、幻影旅団内の役割としては「情報処理担当」に位置付けられているようですが(日常的に証拠隠滅を担当しているためだと思われます)、戦っても十分強いんですよね。
やはり幻影旅団メンバーなだけあります。
その他のデメちゃんの使い方
ここからは作中にはない、私自身が考えた「デメちゃん」の利用方法です。
例えば「敵の武器を奪い取る」こともできますよね。念で具現化した武器ならば奪えませんが、普通の武器であれば「デメちゃん」で吸い込み、奪うこともできるはずです。相手を無力化できます。
また「武器を奪う」に近いですが、「銃弾を吸い込んで防御する」ということもできそうです。
戦車をオシャカにするスーパーバズーカの弾も「デメちゃん」ならば吸い込めたはず。
ウボォーギンは真っ向から受けてましたが、シズクならば受けなくても無力化できてしまいます。スーパーバズーカさん涙目。
関連記事:【ハンターハンター】幻影旅団員・ウボォーギンの強さと魅力を紹介する! - 私の名前はジロギン。
あとは「敵の背後にあるものを吸い込んで敵にぶつけて攻撃する」こともできるかもしれません。
背後にある大きな瓦礫を吸い込めば巨大な鉄槌として攻撃ができるでしょうし、ナイフやガラスの破片などを吸い込めば飛来する刃物の出来上がりです。
もしかしたら「吸い込む対象物とデメちゃんの間に遮蔽物がある場合吸い込むことができない」などの制約があるかもしれませんが、作中での言及はなかったので今の所不明です。できるってことにしておきましょう。
あとは・・・「尿路結石を吸い取る」ってこともできるはず・・・
でもなぁ・・・絶対痛いですよね・・・確かに楽になるかもしれませんが取り除くときに地獄のごとき苦痛を味わうことになるかもしれません。
私は尿路結石ができたことがないのでわかりませんが、結石が尿道を傷つける痛みは大人でも泣き叫ぶほどだとか・・・
「デメちゃん」で結石を吸い込んだとしても、体外に出るまでに尿道を無慈悲に傷つけてきそうです・・・積極的に吸引を頼みたくはないですね。
まとめ
幻影旅団の非戦闘員たちは、シズクもそうなのですが、みんなサポート系の念能力として性能がぶっ壊れているんですよね。
確かに戦闘力としてはシャルナークもシズクもキメラ=アントの下級兵や兵隊長に手こずっていたので、それほど強いというわけではありません。
しかしシズクの「デメちゃん」は「生物と念でできたもの以外何でも吸い込める」、
シャルナークは「アンテナを刺した人間を完全に操作する(自らに刺すことでオーラ量と戦闘能力を向上)」、
パクノダは「触れた相手の記憶を読み取る」、
コルトピは「触れた物のコピーを作り出す(ビル50棟や人間のコピーも可能)」など、念能力が便利すぎます。
コルトピに関してはもオーラ量が異常すぎますからね。
関連記事:【ハンターハンター】コルトピのオーラ量は最強クラス?その根拠をまとめた! - 私の名前はジロギン。
戦闘面で劣るメンバーは、ほぼほぼ超有能な念能力を備えています。幻影旅団が何年も存続し続けるわけです。
ただ強いだけでなく裏方を支えるメンバーたちも優秀なんです。
ノブナガやウボォーギンが特攻の役割として非戦闘員を守る役割を負っているのもうなずけます。
またクロロのスカウト能力にも感服します。
シズクをメンバーに取り入れられたのは幻影旅団としてデカイですね。かわいいし。