今回は十二支んのメンバーであるサイユウに関する考察をしたいと思います。
サイユウは十二支んの会議の中で自身の念能力の詳細を語っていました。
十二支んはハンター協会の幹部として一緒に働いてきたようですが、互いに念能力を明かしてはいなかったようです。
互いの信頼度を測るため(本当はビヨンド=ネテロの内通者がいるかどうかあぶり出すため)に全員が能力を明かしました。
ただ、読者から見て能力が明らかになった十二支んのメンバーは、ミザイストムとサイユウだけ。
そして、サイユウの能力を聞いた時に、果たして本当に強い能力なのだろうか?と疑問に感じたので、改めて考えてみたいと思います。
サイユウとは?
(画像出典:HUNTER×HUNTER 33巻181P/冨樫義博)
ハンター協会の幹部「十二支ん」の一人で、「申(さる)」の役職についています。
文字通り猿のような格好をしていて、かなり口の悪い男性です。
作中最初の十二支ん顔合わせの際に、ゴンの父・ジンと口論になりかけていました。
クラピカの調べでは、十二支んの捕獲対象であったビヨンド=ネテロと裏で繋がっており、逮捕したビヨンドをサイユウが逃す可能性があるとして疑われています。
実際サイユウがどのように動くのかはわかりませんが、十二支んを何らかの形で裏切りそうな流れができています。
サイユウの能力
作中で明かされたサイユウの能力をまとめます。
ミザル・キカザル・イワザル
猿のような格好をしているサイユウは、能力も猿です。能力の名前は不明ですが
ミザル・キカザル・イワザル(見猿・聞か猿・言わ猿)に相当する猿型の念獣を3匹使って戦います。
(引用:HUNTER×HUNTER 33巻182P/冨樫義博)
この猿たちの攻撃が対象者に通ると、その者は
- ミザル…視覚を奪われる
- キカザル…聴覚を奪われる
- イワザル…言語を奪われる
という状態に陥ります。五感の一部を奪われてしまうわけですね。
見る、聞く、話すができなくなることで、敵は能力を発動したり、維持したりすることが困難になり、その隙にサイユウが持っている「如意棒」でフルボッコにするのが、基本的な戦い方のようです。
サイユウ曰く、「強化系が一番影響がなさそうなくせにパニクって、オーラの流れから動きがモロバレになる」そうで、最も攻撃しやすい対象のようです。
サイユウの念系統は?
猿の念獣を使うということは、確実に「具現化系」の能力を使ってますね。
さらに猿を操るために「操作系」、猿の具現化を遠隔で維持・操作するために「放出系」の能力も必要となるでしょう。
サイユウの能力は「具現化」「操作」「放出」の複合型だと想定できます。
特質の可能性もありますが、念系統のどれにも当てはまらないのが特質です。サイユウの猿たちは3系統の複合で辻褄が合うので特質系ではないかと思われます。
サイユウの能力は強い?
では、サイユウの能力は強いのかどうか考えていきましょう。
猿の攻撃が通るのか否か
サイユウの能力発動条件は、「念の猿の攻撃が相手に通った時」とのことです。
果たして念の猿の攻撃が、強い念能力者相手に通用するのでしょうか・・・?
「通る」という表現も微妙ですね、効こうが効きまいが、とりあえず猿のパンチやキックが当たればいいのか、きちんとダメージを与えなければならないのか・・・?
サイユウは強化系を例に挙げていましたが、もし攻撃が効かなければ発動しないのであれば、体を強化できる強化系に猿のダメージは通らないと思います。
ということは、ひとまず猿の攻撃が当たればいいということでしょう。であれば発動のハードルは下がりそうです。
しかし、ハンターハンターの世界だと、念で作った分身は本体に比べるとかなり弱いんですよね。それはキメラアントのプフが言及していました。
モラウの「紫煙機兵隊(ディープパープル)」も本人に比べたら、単純な動きしかできませんでしたよね。
サイユウの猿もそれほど強くないのは間違いないです。サイユウの強さがわかりませんが、本人以下は確実でしょう。
そもそも戦闘タイプの念能力者で猿程度の攻撃は当たらない気がしますね。3匹相手とはいえ。念能力者以外なら攻撃を当てることは簡単そうですが。
サイユウの能力は意外と発動条件が厳しい気がします。
しかも当たったところで五感の一部を奪うだけで、即ダメージになるわけではありませんからね。
サイユウ自身の実力も大きく影響しそう
仮に猿の攻撃が通り、視覚、聴覚、言語を奪ったとしたら、その後の攻撃はサイユウ自身による如意棒での殴打です。
サイユウは「フルボッコ」にすると言っていましたので、一発で仕留められるわけではないということですよね。
サイユウの能力はおそらく「具現化」「操作」「放出」の3系統を使った能力です。
この3つの中で能力発動の要となりそうなのは「具現化」ですよね。そもそも猿を具現化できなければ能力の発動すらできません。
とするとサイユウ自身は「具現化系」の可能性が高いです。
具現化系は強化系から離れた能力で、強化系の念も使えないわけではないですが精度は強化系能力者に比べると40%ほどに落ちてしまいます。
攻撃の要となるのはやはり強化系の能力です。これが弱いとなると、サイユウの攻撃力はそれほど高くないと想定できます。
さらに武器も敵を即死させられないであろう棒ですので、何度も叩かないといけなはず。
相手は目・耳・言葉が使えなくても、「円」(体にまとっているオーラを広げてその範囲内のものの位置や動きを察知する技)を使えばサイユウの位置や動きはわかってしまいます。これでは数発ダメージを与えたところで、目・耳・言葉を奪った意味がなくなってしまいます。
サイユウは格闘家らしいですが、念系統的に物理攻撃が強くないので、敵を即死させられるような攻撃はできないかもしれません。
だとしたら能力を最大限生かしきれてないですよね・・・
サイユウの意思次第で五感を奪い続けるとしたら
もしサイユウの能力で奪われた五感がサイユウが能力を解かない限り奪われたままであったら、これは非常に厄介な能力ですよね。目、耳、言葉が使えなくなってしまえば生活にすら支障が出ますし、今後戦闘をすることすら困難になります。
サイユウから五感を奪い続けられる時間についての言及がありませんでしたので、生涯奪ったままにできる可能性もあります。
似たような能力で、シュートの「暗い宿(ホテル・ラフレシア)」がありますね。
ある一定以上のダメージを与えると、相手の体の一部、あるいは全身をカゴの中に閉じ込めておける能力でした。
例えばこの能力で目を攻撃されると、目が奪われ、視覚を失ってしまいます(シュートが能力を解除すれば元に戻ります)。
この能力でシュートはユピーの肩についている複眼を奪いましたが、シュートは満身創痍でこれ以上戦えない状態になってしまいました。能力の維持も難しかったと思いますが、その後もユピーの複眼は奪われたままでしたね。
(引用:HUNTER×HUNTER 26巻198P/冨樫義博)
サイユウの猿も五感を奪い、サイユウが自分で能力を解かない限り奪ったままになるのならばかなり強力というか、えげつない能力ですよね。
なんなら、サイユウが五感を奪ったまま死んでしまったら、死後強まる念によって二度と本人には戻らない可能性すらあります。
このパターンだったら強力です。たとえサイユウが負けても、相手にも深刻な念による呪いのようなものが残り続けるわけですから。
サイユウの猿よりゴレイヌのゴリラの方が強くない?
サイユウの能力も詳細な発動条件や能力内容まで明らかになればもっと強いことが判明する可能性はありますが、これまでの情報だと、同じ猿・・・いやゴリラを具現化する
ゴレイヌさんの方が強くない?
特に「黒の賢人(ブラックゴレイヌ)」はゴレイヌがターゲットとした相手と黒ゴリラの位置を入れ替える能力です。
効果範囲はわかりませんが、当たったら即死する念弾を撃つ激強のレイザーがまったく反応できず、ゴレイヌの能力によって顔面にボールを当てられてしまいました。
(引用:HUNTER×HUNTER 16巻191P/冨樫義博)
もしブラックゴレイヌの能力で敵の場所を入れ替えた瞬間、ゴレイヌがナイフかなんかでズブリと一発やれば・・・
ってゴレイヌ素手じゃん・・・
サイユウより攻撃力ないじゃん・・・
なんで猿人使いは自分の持っている武器が微妙(丸腰)なの・・・?
自分たちの能力の強さを理解しているの・・・?
まさか頭の中も猿・・・
いや失礼しました。
まとめ
ということでサイユウの能力は
五感を奪う時間がサイユウの意思次第だったらかなり強いというか厄介
だと思いました。強いというより、搦め手のようで攻略が難しいという感じですね。
ハマれば強そうですが、攻略する糸口がないわけではないです。
サイユウの武器が殺害に向いていないので、念能力者相手だと決定打に欠けるという感じですね。補助技としては相手に確実に隙を生ませることはできますが、「円」を使われたら無意味ですね。
五感を奪える時間が短く、制限があるとしたら、なおさらもったいない能力です。
サイユウがこういう能力にしたのは、サイユウが「賞金首ハンター(ブラックリストハンター)」ということも関係していると想像できます。
(引用:HUNTER×HUNTER 33巻115P/冨樫義博)
賞金首を捕獲するために、あえて殺さないような能力、武器にしているのかもしれません。
犯罪者であれば問答無用で殺すのがハンターではありませんからね。