ゾルディック家の後継者として、家族全員から期待されているキルア。
しかし、キルア自身は暗殺の仕事や家族の過度な期待にうんざりしていて、今の所、暗殺稼業を継ぐ気はほとんどなさそうです。
そんな中で、ゾルディック家を支えるべく奮闘しているのが長男のイルミ。
暗殺の仕事をこなしつつ、キルアを家に戻すべく動いています。
いびつな形の愛情を向けてはいますが、キルアを弟として大切に思っているのです(最近はどうやらキルアを利用してナニカの力を使いたいようですが)。
作中のイルミの活動っぷりを見ていると、
ゾルディック家を継ぐのはキルアじゃなくてイルミでよくない?
と思うのですが、ダメなのでしょうか?考察してみました。
銀髪の家族がゾルディック家を継ぐ?
歴代のゾルディック家党首を見ると、ゼノ、シルバとも髪の色が銀髪です。
兄弟の中で銀髪なのはキルアだけで、他の兄弟はみんな黒髪。
流れからすると、銀髪の家族が稼業を継ぐということで、キルアに後継者としての白羽の矢が立ちそうですよね。
銀髪のキルアは、ある意味ゾルディック家の血を色ごく受け継いでいると言えます。
執事のツボネの話では、イルミやミルキは母親のキキョウに似ているとのことです。
キキョウはもともとゾルディック家の人間ではありませんから、ゾルディック家の暗殺の才はキルアが最も強く受け継いでいるのでしょう。
イルミの実力を見る限り、キキョウの遺伝子が劣性というわけではないでしょうが、まだ10代前半にして、すでにキメラ=アントと渡り合ったり、ツボネの判断ではイルミに遅れをとらないレベルの実力をつけているキルアは、やはり天才です。
その才能に期待し、キルアに後継者になってもらいたいのでしょう。
才能の判断基準の一つとして、髪の色があったのかもしれません。
イルミはゾルディック家にかなり貢献している
イルミの行動原理は全て「ソルディック家のため」です。
ハンター試験を受けたのも、暗殺の仕事でハンターライセンスが必要になったためですし、キルアを取り戻したいのも、暗殺一家としてゾルディック家の名声を保ちたいがため。
イルミのゾルディック家に対する貢献度は異常と言えます。
自分の欲求を押し殺してすら、ゾルディック家の発展に寄与している感じすらしますよね。
才能はあってもゾルディック家に対する愛情がほとんどないキルアより、すでに実力は頭打ちかもしれませんが、ゾルディック家を最優先してくれているイルミを党首にした方が、よっぽどうまく回る気がします。
ただ、イルミ自身にゾルディック家の党首になろうという野心はなさそうです。
ナニカの力を利用したいのも、個人の目的達成というよりは、やはりゾルディック家全体のために使いたいのだと思います。
(引用:HUNTER×HUNTER 32巻113P/冨樫義博)
イルミの理想としても、他の家族同様キルアが党首につき、自分はバックアップに回る方が良いと考えているのでしょうね。
ナニカの力が手に入れば、その限りではないようですが・・・
イルミの考え方はゾルディック家にそぐわない?
先述の通り、イルミはナニカの力が手に入れば、キルアを完全な木偶人形にしても構わないと思っています。
家族のことを思っての判断ではありますが、キルアの親や祖父にあたるシルバとゼノとしては、非情な考え方だと言えます。家族を犠牲にしてしまうわけですからね。
キルアはもともとイルミの針で思考を操作されていましたが、あくまでもこれは教育の範疇でした。
しかし木偶人形にしてしまうのは、実質キルアを殺すことに等しいです。
こういったイルミの考え方は、本来のゾルディック家の考え方にそぐわないのではないでしょうか?
だからシルバとゼノもイルミを後継者にしようとしていないと。
その他にも、以前に記事にしましたが、
関連記事:【ハンターハンター】ゼノの暗殺の方針とキルア、イルミの暗殺の方針が異なるのはなぜか? - 私の名前はジロギン。
シルバとゼノは暗殺の依頼人が死んだら早々に仕事を切り上げたり、暗殺のターゲット以外を殺すことは御法度としたりしている節があります。
一方でイルミは、そもそも無関係の他人を巻き込む操作系の能力を持っていて、ターゲットを殺すためなら、手段を選びません。
イルミはすでに20代中盤(推定)ですから、今から再教育することは正直難しいはず。
そこで、才能もあって、まだ幼いキルアを後継者として選んだのでしょう。
イルミは思考ブラックすぎるんですよね。
・・・まぁキルアも無関係の人間やっちゃってますけど・・・針のせいですね!針のせい!
(引用:HUNTER×HUNTER 2巻118P/冨樫義博)
他の兄弟は後継者として不足なの?
キルアにはイルミだけでなく、他にも兄弟がいます。
彼らも後継者候補ではありますが、次男のミルキは引きこもっていて仕事をする気もほとんどなさそうです。
四男のアルカは能力が危険すぎるのと、得体が知れないため、幽閉状態でした。
五男のカルトは、才能もありかなり従順そうですが、まだ幼いことを考慮すると、やはり後継者候補はイルミかキルアになるでしょう。
結論
ということで、私が考えた、イルミがゾルディック家の後継者として選ばれない理由は、イルミの考え方がゾルディック家の方針にそぐわないからだと思いました。
だったらイルミが幼い時にしっかりゾルディック家流の教育を施せばよかったのでは?と思いますが、だいたい長男とか長女って、親たちも初めての子供になるので、うまく教育できない部分があると聞きます。
イルミを育てるにあたって、シルバもキキョウも戸惑ってしまったのではないでしょうか。
子供達が増えていく中で、だんだんと教育の仕方がわかってきて、下の子になるほど、比較的従順になっていったと・・・いや三男のキルアが一番反抗的ですかねw
またイルミはゾルディック家のためを思って活動してくれているが故に、シルバもゼノも強く口出しできない部分はありそうです。
イルミの行動に反論したいところですが、それでイルミの士気を削いでしまうと、現状のゾルディック家を支える大きな柱を失ってしまうかもしれません。
暗殺者としての素質もそうですが、他の兄弟たちとの兼ね合いからしても、ゾルディック家的にはキルアを後継者にするのがベストなのでしょうね。