私の名前はジロギン。

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【ハンターハンター】幻影旅団の過去から考える、イルミがゾルディック家の次期継承者ではない問題

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代々、家族が暗殺業を受け継いでいるゾルディック家。

現在の当主・シルバの後継者は三男のキルアということで、家族の意見はほぼ一致しているようです。

理由は、キルアの暗殺者としてのずば抜けた才能。次男のミルキは「ゾルディック家の歴史を見てもピカイチ」と評価しています。

しかしキルア本人は暗殺業から足を洗いたいと考えており、ゾルディックの家業を継ぐ気はない様子。

その一方、長男のイルミはキルアに継承させる気満々で、異常なほど過保護な教育を強いてきました。

 

この関係性を見て、私は「ならイルミがゾルディック家を継げば良くない?やる気もあるし、実力も実績もあるし」と思ってきました。

けれども、ゾルディック家は後継者としてイルミではなくキルアにこだわり続けています。

その理由が、395〜397話で描かれた幻影旅団の過去編から見えてきたのです。

「少なくとも私はこう考える」という意見を書いていきます

ゾルディック家は幼少期から暗殺の修行を積む

今回の話を進める前提として、

「ゾルディック家に生まれた子は、幼いころから(遅くとも5〜6歳くらいまでには)暗殺の修行を開始している」

ということを頭に入れていただければと思います。

キルアは6歳の頃、父親のシルバによって武闘家たちのメッカである天空闘技場に放り込まれています。

当時すでにキルアは、ある程度の戦闘スキルを身につけていたのでしょう。つまり6歳より前には暗殺の修行を始めていた可能性が高いです。

 

キルアが特別に才能のある子だったから他の兄弟より早く修行を開始した可能性もあります。が、キルアのような暗殺の天才が生まれてくるかどうかは、産んだ両親にも分かりません。

そう考えると、生まれてきた子にはとりあえず同じ修行をさせ、才能の有無を判断すると思われます。同じ条件下で評価しないと、才能の有無は見えにくいですし。

すなわちキルアだけでなく、イルミやミルキ、カルトも遅くとも5〜6歳くらい頃には暗殺の修行を開始していると思われます。

なんなら赤ちゃんの頃から猛毒入りの離乳食とか、高圧電流が流れるベビーベッドとかで修行させられてたかも?

イルミの強さ

キルア同様、幼い頃からゾルディックブートキャンプを始めたと思われるイルミ。

成長過程は不明ですが、推定20代中盤の現在のイルミの強さは、幻影旅団クラスといったところでしょう。まだイルミが本気で戦闘をしたシーンが無いので、断定はできませんが。

 

作中では不意打ちを基本とする暗殺と、敵と真っ向から戦う戦闘では別のスキルが求められるような描写があるため(キルアがビノールトとの戦いで実戦経験の少なさを感じるシーンがある)、戦う状況によってイルミは旅団員以上の力を発揮するかもしれません。

しかし、同じく旅団相当の実力があるヒソカが、イルミを「95点…」と同格程度に評価していそうなことや、実際にイルミが旅団に加入していることからも、大幅な実力差はないと考えるべきでしょう。

私の願望が入り混じった考察ですが…

ゼノとシルバの強さ

イルミとキルアの父であるシルバ、祖父であるゼノの強さも、幻影旅団相当の可能性が高そうです。

正確にいうと、団長のクロロと同じくらいの強さでしょう。

 

シルバは過去にシズクの前任者を暗殺していますが、「割りに合わない仕事だった」とボヤいていたそう。

その後シルバは、クロロとも戦闘になっています(クロロが追ってきたから『報酬額以上の戦いを強いられて割りに合わないと感じた可能性もあり)。

この戦いがどのように決着したのかは分かりませんが、シルバはクロロの念能力を見つつも始末できなかったことは確かです。

 

一方ゼノは作中で、武装したマフィア数十人を7秒以内に全員殺せると言い放ち、敵(クロロ)も似たような実力と評価しています。

実際にクロロと戦った後も「(クロロが念能力を盗もうと舐めプするなら)十中八九ワシが勝つが、本気で戦えば話は別」と言っています。

つまりゼノは、クロロを自身とほぼ同格だと感じているようです。

百戦錬磨かつ実際に手合わせしたゼノ自身がそう評価するのであれば、ほぼ正確でしょう。

 

このことからゼノ・シルバも幻影旅団と同程度の実力と考えるべきではないでしょうか。

ゾルディック家に生まれて、長年暗殺の修行を積んできたであろうゼノとシルバ。

そのゼノ・シルバと同格のクロロ。そしてやはりクロロ(幻影旅団)と同じくらいの実力であろうイルミ。

彼らの強さは拮抗しており、ほぼレベルMAXの状態と考えて良いのではないでしょうか。

カンストして、これ以上育ちようがない状態

ゾルディック家としては幻影旅団並の強さでは物足りない?

ここからが本題。

395〜397話でクロロを中心とした幻影旅団初期メンバーたちの回想シーンが描かれました。

当時クロロは11歳で、他の団員たちはクロロの前後2〜3歳くらいだったと思われます。

 

クロロたちは流星街という厳しい環境にいながらも、ごく普通の少年少女として幼少期を過ごしてきた様子。

しかし仲間だったサラサの死をきっかけに、流星街の子供たちを守るべく力をつけ始めました。

 

すなわち、クロロを始めとする幻影旅団の面々は、10歳前後くらいまでは戦闘訓練も念の修行もしてこなかったということです。

そこから十数年ほどで、現在の強さまで成長しています。

 

一方で先述のとおり、イルミらゾルディック家の面々は遅くとも5〜6歳くらいの頃には暗殺の修行を始めていると思われます。

幻影旅団たちが戦うための修行を始めたのは、年齢的にイルミたちよりも後。しかも、おそらく体系的に戦闘・念について学べる環境ではなかったでしょう。

それでも、特にクロロはイルミやゼノ・シルバと互角くらいの強さを身に付けています。

 

この点から考えると、

ゼノ・シルバと同等程度の実力を身に付けたイルミは、ゾルディック家としては1つの到達点に達している。けれど欲をいえば、暗殺者としてのトレーニングを幼少期からバリバリ積んできたのだから、幻影旅団と同格では物足りない。

というのが、ゾルディック家のイルミに対する評価なのではないでしょうか。

マハの実質的な引退

少し話は逸れますが、あわせて考えたいのが、マハの存在。

ハンターハンターの世界を見ても、ゼノとシルバを上回る実力者はそう多くないと思われます。人間の念能力者だけで見れば、2人とも極地に達しているはず。

ゾルディック家に舞い込む暗殺の依頼をこなす上でも、ゼノ・シルバ級の強さがあれば充分だと思われます。

 

仮に2人では達成できないハイレベルな依頼だったとしても、ゾルディック家には最強の念能力者と呼ばれたネテロと互角のマハがいますから、最終兵器になってくれていたでしょう。

しかし現在のマハは、基本的にゾルディック家の活動にはノータッチ。実質、暗殺者を引退しており、年齢的にもそう長く生きられず、いつまでもマハ頼りではいかなくなってきています。

そこでゾルディック家としてはゼノ・シルバを超え、マハと同じかそれ以上の才能を持つ家族が必要になったという背景がありそうです。

ゾルディック家には「幻影旅団員の暗殺」など難しい依頼もやってくる

幻影旅団員の暗殺となると、現在の戦力では達成がかなり厳しいゾルディック家。

シルバは幻影旅団員暗殺の依頼を受けた結果、息子たちに「旅団には手を出すな」と釘を刺すほど苦戦した模様。

 

それでも旅団員暗殺の依頼は、ゾルディック家に舞い込んできます。作中ではマフィアンコミュニティーからの依頼で、ゼノとシルバの2人がかりで幻影旅団抹殺の任務に参加しました。

イルミが依頼人である十老頭を先に暗殺したため任務中断となり、ゼノ・シルバもクロロも命を落とすことはありませんでした。が、ゼノとシルバはクロロを確実に仕留めるためにゼノを犠牲にする作戦を立てていたことから、もし戦闘を継続していたら割りに合わない結果になっていたことでしょう。

クロロ1人を始末するためにゼノが死んでしまった場合、シルバだけで残りの旅団員を始末できたかというと……さすがに難しかったでしょうね。

 

このような状況からゾルディック家には、「幻影旅団と同じくらいの実力」では依頼をこなし切れない可能性が顕在化し、より才能のある家族が必要になったという背景もありそうです。

 

ここまでの話を一旦まとめると、

  • ゾルディック家に舞い込んでくる依頼のほとんどはゼノ・シルバ級の強さがあればこなせる
  • すでに2人に近い強さに達したイルミの実力や才能は申し分なし!
  • これまでは「困ったときのマハ頼り」だったが、マハは引退状態
  • マハという切り札的な家族が引退してもなお、幻影旅団のような強い念能力者暗殺の依頼もこなさなければならない
  • そのためにはイルミ・ゼノ・シルバよりもう1歩2歩上の実力者を育成する必要がある

というのが、ゾルディック家の置かれた状況だと考えられます。

キルアの強さ

そんな折、生まれてきたキルア。

ミルキ曰く「ゾルディック家の歴史の中でもピカイチの才能」ということで、キルアは同じ年の頃のイルミやゼノ、シルバ、なんならマハ以上に暗殺の技術が高かった(強さも上?)可能性があります。

イルミやシルバが作中で見せるキルアへの期待度を考えると、少なくとも本人たち以上の見どころをキルアに感じているようです。

 

287期ハンター試験以前のキルアの実力は分かりませんが、6歳で天空闘技場に挑戦し、8歳で200階クラスに到達したという実績があります。

キルアの才能が家族たちから期待されているということは、イルミやミルキもキルアと同じ年齢の頃に天空闘技場にチャレンジしたものの、200階到達までキルア以上に時間がかかったか、到達する前に戦闘準備期間を使い切ってしまったのかもしれません。

その結果、キルアの才能がずば抜けていると証明されたのではないかと。

 

実際に作中で描かれたキルアの実力も、念や戦闘の才能の高さを物語っていますよね。

本格的に「発」を習得してイルミの針を抜いてからは、キメラ=アントの兵隊程度なら余裕で始末できるほどに成長しました。

さらに「神速(カンムル)」発動中であれば、護衛軍のユピーを一方的にタコ殴りにでき、プフの本体にも勝るスピードを発揮します。

条件付きではありますが、護衛軍と真っ向から戦える実力を、13歳くらいで身に付けているキルア。すでに幻影旅団と同等かそれ以上の力があるでしょう。おそらく旅団の非戦闘員ではキルアに勝つのはほぼ無理でしょうね。

 

そんなキルアがイルミと同年齢の20代半ば、つまりあと10年くらい修行して順当に強くなっていったとしたら……末恐ろしいです。

ゴンが自身の念能力を犠牲に数十年修行した後の姿「ゴンさん」になった結果、ピトーを圧倒する強さに到達していました。

同じくキルアも「キルアさん」になったら……まさに「ゾルディック家史上最強」の名にふさわしい存在になるでしょう。

キルアさんは実家に帰ってくるたびに、試しの門をブッ壊しそう

後継者としてカルトちゃんはどう?

念の世界は奥が深く、ネテロが46歳から真の才能に目覚めたケースもあるので、いつ何が起きるか分かりません。

しかしネテロはかなりイレギュラーなケースと考えるべきで、やはり年齢を重ねるほど実力は成熟し、大幅に成長する機会はなくなるでしょう。

イルミはすでに20代中盤くらいのため、伸び盛りは過ぎていると思われます。同じような修行を積んできたゼノ・シルバの実力を考えても、旅団相当が頭打ちではないかなと。

伸び代が残っているとしても、10代の頃と同じような成長曲線を描くことは難しいはず。

 

一方でキルアはまだ10代前半にして、ネテロですら勝てるか危ういキメラ=アント護衛軍に肉薄する強さを見せています。

まだ成長期すら迎えていないことを考えると、自然と期待値は上がりますよね。

ゾルディック家の今後を考えるなら、キルアの才能は是が非でも活用したいところでしょう。

 

だからといって念の針でキルアを操るのはNG!非人道的!

キルアがナニカの力をノーリスクで使えることに勘付いてるイルミは、やろうとしていますね。

この行為の目的は、ナニカの力を使うための道具としてキルアを利用すること。キルアの暗殺者としての才能は関係ありません。

「後継者になるキルアを危険から守り育てるため」という建前でなら、シルバもゼノも針で強制することをOKしたかもしれません。が、ナニカの力を使うためにキルアを針人間にしてしまうのは許可しないような気がします。いや、許可しないで!

シルバはナニカの力を危険視してますし、何よりキルアは家族ですからね。非人道的な扱いはしないでほしいなというのが、個人的な意見です。

 

どうしてもキルアがゾルディック家を継ぐ気を見せず、イルミでも後継者として実力不足だと感じるのであれば、カルトちゃんはいかがでしょう?ゾルディック家の皆さん?

キルアより若くして念能力を習得し、キメラ=アントをなぶり殺せる実力も付けているカルトちゃん。

現状、旅団の他メンバーとは力の差を感じてはいるものの、仲間入りできるくらいには認められている……かなり期待できる逸材だと思うのですが、カルトちゃんを後継者にするのはダメですかね?

カルトちゃん自身もキルア大好きで、キルアに継いでほしそうだから無理かなぁ…