ワンピースの主人公・ルフィを狙う海軍の兵士といえばスモーカーですね。
階級は上がり、作中時間で2年経った時には中将になっていました。大出世ですね。
ただ、今回はスモーカーがまだ大佐だった時の話です。
初登場時点でのスモーカーは、東の海(イーストブルー)にあるローグタウンを拠点としていて、偉大なる航路(グランドライン)に行こうとする海賊たちを取り締まっていました。
悪魔の実の能力者であるスモーカーはイーストブルーの海賊たちにとっては脅威的な強さで、スモーカーがローグタウンに来てから、海賊たちはグランドラインに行くことすらできない状態でした。
当時はルフィでも勝てなかったスモーカーですが、スモーカーならばイーストブルー最強の海賊だったアーロンも捕らえることは難しくなかったでしょう。しかし特にスモーカーがアーロンの逮捕に動く様子はありませんでした。
スモーカーはなぜアーロンを捕まえに行かなかったのでしょうか?
その理由を考えてみました。
スモーカーとは?
(引用:ONE PIECE 11巻159P/尾田栄一郎)
白猟のスモーカーとして名をはせる海軍の兵士です。巨大な葉巻を吸い、白髪で強面ですが、部下を思いやったり、時には宿敵であるルフィを見逃したりと、冷徹さの中にも筋を通った一面を持つ男性です。
「モクモクの実」の能力者で、体を煙に変えて敵を攻撃したり捕まえたりできます。
また、背負った巨大な十字架の先端には海桜石(かいろうせき)が仕込んであり、悪魔の実の能力者の力を奪い、有効打を放つことができます。
アーロンとは?
(引用:ONE PIECE 9巻77P/尾田栄一郎)
ノコギリザメの魚人です。ルフィの仲間であるナミの故郷・ココヤシ村を中心に、周囲の村々から金銭を巻き上げていました。
もともとはグランドラインで暴れていた魚人海賊団の一員でしたが、とある事件をきっかけに独立。アーロン一味を結成し、ココヤシ村近くに「アーロンパーク」を作り、根城としていました。
サメの強靭な顎の力や、「キリバチ」という巨大な刀を使って敵を攻撃します。
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知らなかったわけではないはず
アーロンが周辺の村に住む人々へ行った海賊行為は、アーロンと裏で繋がっていた海軍支部大佐・ネズミによってもみ消され、海軍の上層部にまでは伝わっていなかったと思います。
しかし、アーロンの手配書は既に出回っており、ルフィが現れるまでイーストブルーで最高金額だった2000万ベリーがその首にかけられていました。イーストブルーにいる海軍や賞金稼ぎがアーロンのことを知らないとは思えません(賞金稼ぎだったゾロは知っていたかどうか怪しいですが)。
それに、アーロンはもともとグランドラインの海賊でした。しかも強大な力を持つ魚人達が結成した魚人海賊団にいたわけですから、嫌でも目立ったと思います。
スモーカーも海軍本部の大佐ですので、過去にグランドラインで活動していた時期もあるはずです。そうなると、アーロンについて聞いたことはあると思います。
ですので、スモーカーがアーロンの逮捕に乗り出さなかった理由に「アーロンのことを知らなかった」は該当しないでしょう。
イーストブルーでの悪行がネズミによってもみ消されていたので、犯罪の証拠がなかったとしても、手配書が出ている以上は過去の罪で捕らえることはできるはずです。
管轄外だったから
大きな理由として、これがあると思います。スモーカーの管轄外だったからアーロンを捕まえなかった。
現実の警察にも縄張りのようなものがあるそうで、その範囲を超えて犯人を捕まえたりするのはあまりよろしくないとされているみたいです。組織内の暗黙のルールといった感じでしょうか?
ワンピースの世界の海軍も、各地に支部があり、管轄が決まっている可能性があります。モーガン大佐なんて、一つの町を完全に牛耳っていましたからね。
ココヤシ村近海は第16支部大佐のネズミの管轄で、他の支部が無断でその海域の海賊を取り締まることはできなかったのではないかと思います。それに、ネズミはアーロンが逮捕されると自分たちに入る裏金がなくなってしまうので、他の支部の人間を断固として立ち入らせようとはしないはずですし。
スモーカーの管轄は、あくまでローグタウンとその近海で、他の海域には手出しできないルールだったのだと思います。
・・・というかこれが答えなんですよね。作中に、スモーカーの部下が「ローグタウンが管轄で他の海域には手出しできない」旨を伝える台詞があります。
(引用:ONE PIECE 12巻29P/尾田栄一郎)
やっぱり各支部ごとに管轄があって、そこを超えて海賊を取り締まってはいけないみたいですね。大佐クラスが離れたら手薄になってしまいますし。
でもこの後、スモーカーは管轄を無視してローグタウンを出て、ルフィを追っちゃうんですよね。
まぁルフィは海賊王になりうる特別な海賊なので仕方ないですね。アーロンに構っている暇などないのです。
第77支部准将プリンプリンは来たよ!
ただ、この管轄のルールと例外に、ココヤシ村にやってきた海軍もいました。
それが第77支部准将プリンプリンです。
(引用:ONE PIECE 9巻80P/尾田栄一郎)
ココヤシ村が第16支部の管轄だとしたら、プリンプリン准将はルール違反をしています。アーロンも第77支部という名前に聞き覚えはなかったようですので、プリンプリン准将は管轄外にやってきてしまったということでしょう。
ネズミは支部の大佐でプリンプリンは支部の准将。准将の方が大佐より偉いので、「立場が上の者は下位の者の管轄を無視してもいい」みたいなルールがあるのなら、「本部」大佐のスモーカーも管轄を無視してアーロンを捕まえに行けたはずです(作中設定だと、本部大佐と支部大佐では2階級ほどの差があり、本部大佐の方が権限が上になります)。
実はこれにも理由があります。
プリンプリン准将たちは、ゴザの村に住む少年の話では政府に要請を送り、派遣されたとのことでした。
(引用:ONE PIECE 9巻74P/尾田栄一郎)
海軍より政府の方が上の立場にあり、海軍は政府の命令に従わなければなりません。
政府の指示だとしたら、支部大佐に過ぎないネズミの権限ではプリンプリン准将の行為を止めることはできなかったはずです。
一つ忘れてはならないのが、この時プリンプリン准将は、アーロンを捕まえに来たわけではなく、ゴザの村の人々を救助しに来ただけだったんですよね。
しかし正義感の強いプリンプリン准将は、アーロンを放っておくわけにはいかないと、交戦してしまいました。これは政府に対する命令違反だったことは間違いないでしょう。
で、やられてしまい、救助もできませんでした。散々でしたね。
魚人族と人間との因縁
魚人族と人間との間には深い因縁があり、かつて、魚人族をひどく扱ってきた人間に対し敵対視する魚人族はたくさんいました。しかし、オトヒメやフィッシャータイガー、ジンベエらの手によって、なんとか改善しつつありました。
特にジンベエについては、一度捕まったアーロンを釈放するためにあえて人間の傘下に入り(七武海に入ったり、ビッグマム海賊団の傘下に入ったり)、人間と魚人族との間を取り持ってきました。
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アーロンを捕まえてしまったら、ジンベエの行為の意味もなくなってしまいますし、また新たに人間に恨みを持つ魚人族を生み出しかねません。事実、ルフィがアーロンを倒した結果、その影響を受けたホーディ・ジョーンズらが「新魚人海賊団」を結成し、人間に対して海賊行為を働き始めていました。
このような因縁の深さからも、海軍としてはアーロンに手が出しにくい状況にあったのは間違いないかと思います。それを知ったか知らぬか、スモーカーも手を出さなかった可能性はあります。
どのみち他の海賊が潰す以外アーロンを止めることはできなかったわけですね。
よくやったルフィたち!(その結果やや話がこじれかけたけどね)
まとめ
ということで、スモーカーがアーロンを捕まえにいかなった理由は
・管轄外だったから
・魚人族と人間との因縁のため
(スモーカーがそこまで意識していたかは不明)
だと思います。
まぁ管轄外だからって理由が一番でしょうけどね。スモーカーとしてはアーロン程度の海賊はグランドラインでたくさん戦ってきたでしょうから、わざわざ出向いて戦う気も起きなかったでしょうし。
ルフィが現れるまではローグタウンで真面目に仕事をしていたスモやんなのでした。