ナミの故郷ココヤシ村を襲撃し、長年にわたり支配し続けてきたアーロン一味。
アーロン一味のボスであるアーロンはもともと偉大なる航路(グランドライン)で魚人海賊団の一員として暴れていた猛者です。
そんなアーロンはグランドラインを後にし、「最弱の海」とも呼ばれる東の海(イーストブルー)にあるココヤシ村を根城にしました。
グランドラインで暴れていたアーロンが根城にするにはあまりにもレベル差がありすぎるような気がしました。
アーロンがイーストブルーに目をつけ、攻め込んだ理由には部下たちの弱さがあったのではないかと思います。その点について考察してみました。
ジンベエと喧嘩別れしたアーロン
アーロンは、元魚人海賊団の船長「フィッシャータイガー」の死後、人間に復讐するべく単身で海軍を襲撃しました。しかし当時海軍中将だった黄猿に逮捕されてしまいました。
結果、フィッシャータイガーの後を継いで船長となったジンベエが七武海に加盟したことと引き換えにアーロンは釈放されたのですが、人間に媚びを売るようなジンベエのやり方が気に食わなかったアーロンはジンベエと喧嘩。魚人海賊団から独立します(この時アーロンはジンベエにボコボコにされました)。
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魚人海賊団はフィッシャータイガーの理念に賛同した魚人達で結成されており、その理念をジンベエは肯定的に受け継いでいました。
一方でアーロンは否定的に解釈し、人間達に復讐することを目標としてしまいました。アーロンについてきたメンバーは、ジンベエのやり方に賛同できなかったメンバーだと思われますが、おそらくごく少数だったのではないでしょうか。
フィッシャータイガーの意志を継ぎ、さらに人徳もあるジンベエについていこうとする仲間が大半だったはず(しかも強いし)。
アーロンについてきた仲間はかなり限られていた上、人材的に優れたメンバーもいなかったものと思われます。
念には念を入れたアーロン
アーロンの傲慢な性格を考えれば、根城とする島はグランドラインの序盤の島にでもしそうなものです。自分が敵わない人間がいるなどと認めたくなさそうですので、それなりに海軍の警備が厳重な島などをあえて選びそう・・・
かと思いきや、最弱の海・イーズトブルーにまで戻り、さらに海軍が張っていないココヤシ村をターゲットにしていました。かなり安全面に配慮している気がします。
島民から搾取するのであればローグタウンなど大きくて人も多い島をターゲットにした方が儲かりそうだと思います。しかしローグタウンはグランドラインのふもととも言える島でしたので、海軍の監視も厳しい島でした。
あえてリスクが低そうな島を根城にしたことからも、アーロンは海軍などを相当警戒していたと思います。
でもアーロンの部下たちの弱さを考えると仕方がない気もします。
手負いのゾロに負けるはっちゃん
魚人島でナンバー2の実力を持つタコの魚人はっちゃん。6本の刀を操り、ゾロと交戦しました。
ゾロはその前に鷹の目のミホークと戦っており、黒刀で斬られ全治2年の超重傷を負っていました。しかもそれを自分で縫合していたというのだから恐ろしい。
重傷でふらふらの状態のゾロが相手でしたが、はっちゃんは致命傷を与えることもできず敗北しました。全快状態のゾロだったら手も足も出なかったと思います。
(引用:ONE PIECE 10巻82P/尾田栄一郎)
魚人島ナンバー2の剣士という割には、かなり弱かったと思います(そもそも魚人島にそんなに剣士がいなかった可能性大)。
絶対的に有利な状況を覆されたクロオビ
魚人空手40段という、すごいのかすごくないのかよく分からない肩書きを持つエイの魚人クロオビ。当時ルフィの仲間になったばかりだったサンジと戦いました。
サンジはクロオビと戦いながら海に沈められたルフィを救助するため、あえて魚人に有利な水中戦に持ち込みます。
クロオビは水中という絶対的に有利な状況でサンジをボコボコにし、追い詰めましたが、サンジの料理人ならではの知識(魚はエラに空気を入れられると死ぬ)で、逆転され、結局陸でサンジの足技コンボをくらい、敗北しました。
(引用:ONE PIECE 10巻107P/尾田栄一郎)
サンジの生命力が化け物じみてますが、魚人に有利な水中ですら仕留められなかったクロオビは、サンジと陸で戦い続けていたら普通に負けていたかもしれません。
戦闘経験ほぼ皆無のウソップに負けたチュウ
口からピストルのごとく水を飛ばすキスの魚人チュウ。チュウはウソップと戦いました。
当時のウソップは、キャプテン・クロ率いるクロネコ海賊団と戦ったくらいしか戦闘経験がありませんでした。しかもその時も雑兵にすら手も足も出ないくらい弱かったです。
チュウも、もちろんアーロンとともに魚人海賊団としてグランドラインで戦った経験があるはず。序盤は戦闘経験の差を見せつけウソップを圧倒しましたが、ウソップの策にはまりまくり、敗北しました。
(引用:ONE PIECE 10巻132P/尾田栄一郎)
この時のウソップは、チュウに酒をかけてアルコールに引火させるなど、キレッキレの頭脳戦を見せていましたが、ほぼ戦ったことのないウソップに振り回されまくったチュウの実力には疑問が残ります。
多分チュウは・・・かなり弱かったでしょう。
それでも部下思いだったアーロン
重傷を負っていたり、あえて不利な状況に追い込んだり、戦闘経験に乏しかったりとある意味ハンデ戦だった麦わらの一味。
一方でアーロン一味は特に手負いではなく、元から人間の10倍以上の力を持つ魚人族の集団。本来ハンデを抱えた人間たちなら一捻りで倒せるはず。しかし麦わらの一味に対し全敗を喫してしまいました。
アーロンは自分たちを高尚な種族だと自負していたようですが、冷静に部下たちの実力を考えると
「こいつらかなり弱いな・・・強い海賊や海軍、賞金稼ぎがいる海に攻めこめば負けかねないぞ・・・安全を考えて最弱の海イーストブルーに行こう」
と、かなりハードルを下げていたのかもしれません。
この場合、アーロンの考え方は逃げ腰とも言えます。しかし、確実に勝てる相手と戦うという考え方は正しいです。結果としてアーロンは長きにわたりいい暮らしをできていたので。
無理に強い相手に挑まなくてもいいんですよね。金があるなら相手は弱いほどいい。海賊らしい考え方です。
もし部下たちが強ければもっと島民が多く、より搾取できる場所を選べたかもしれません。アーロンは部下に恵まれていなかったと言えます。
しかしアーロンはそんな部下たちに対しても、傷つけられれば怒りをあらわにしていました。意外と部下思いだったんですよね。
(引用:ONE PIECE 10巻112P/尾田栄一郎)
確かに弱い部下たちでしたが、魚人海賊団に反発し、独立したアーロンを支えてくれた部下たちはアーロンにとって、とても大切なものだったのかもしれません。
強さに変えられない絆がアーロン一味にはあったのでした・・・(たぶん)