強者にしか興味がないヒソカですが、成長が見込めそうな相手は命を取らずに見逃すことがあります。
その一人が、天空闘技場の闘士・カストロ。
確かに強くなりそうな気配はあったカストロですが、ヒソカと2度目の戦いでは煽られまくった挙句、遊び半分で殺されてしまいました。
ヒソカを楽しませる相手になりそうだったカストロの命をなぜ取ってしまったのでしょうか?
考察していきます。
カストロについて
まず、カストロについておさらいしていきましょう。
「知っているよ」という方は次の項目まで読み飛ばしてもらって大丈夫です。
カストロは、天空闘技場200階クラスで戦っていた闘士の一人。イケメンで性格も良いしかなり強いという、うらやましいキャラクターです。
手を虎の牙のように構え、相手を攻撃する拳法「虎咬拳」を得意とし、念能力で強化された一撃は、ヒソカの太い腕を引きちぎるほどの威力でした。
原作の時間で、天空闘技場編から2年前にもカストロはヒソカと戦っています。
当時は念が使えなかったようですが、ヒソカからダウンを取るなど大健闘。
それがヒソカの評価につながったのか、敗北したものの殺されずにすみました。
カストロは2年間で念の修行をし、自分の分身を作り出す「分身(ダブル)」を会得。
ヒソカを翻弄しますが、能力の弱点を見抜かれ惨敗。
2回目は命まで奪われてしまいました。
関連記事:【ハンターハンター】カストロと陰獣が戦ったらどちらが強いのか?
ヒソカはカストロをそれなりに評価していたはず
ヒソカはハンター試験中、イルミに「今殺すにはもったいない人だけ生かす」と語っていました。
実際に成長を期待されているゴンは、試験中と天空闘技場でヒソカと戦い、2回とも殺されていません。
天空闘技場でもこのヒソカ理論は健在の様子です。
カストロと戦う前までのヒソカの戦績は、11戦で8勝3敗6KO。KOされた相手は死亡しているとのこと。3敗は全て不戦敗。
ヒソカは全試合でカストロから3ポイント、他の1人から1ポイント取られた以外失点していないそうなので、この2人だけヒソカに生かされている(KOに含まれていない)のでしょう。
自分からポイントを取ったことで、ヒソカもこの2人の成長を見守ろうと決めたのだと考えられます。
ヒソカがカストロの命を奪った理由を考察
ヒソカ的に、少なからず成長を見込んでいたはずのカストロ。
実際に、2年後のカストロはヒソカとそこそこ戦えるほどには強くなっていました(両腕をもぎ取る大怪我もさせましたし)。
それでもヒソカは、カストロを「メモリの無駄遣い」と煽り殺してしまいました。
もう少し見守っていても強くなったと思いますが…その理由を考察していきます。
関連記事:【ハンターハンター】カストロがヒソカに勝つにはどうすればよかったのか?
念の習得期間から素質を測った
王位継承戦編で、念の習得には一般的に「早くても半年かかる」ということが明らかになりました(テータの話)。
さらに第7王子ルズールスの護衛の話だと、オーラや能力が視えるようになるまで1年ほどかかるとのこと。
このことから、念の習得には半年〜1年くらいは最低でも必要と考えられるでしょう。
つまりカストロが修行していた2年間は、念の習得期間としては十分だったと言えます。
しかし、カストロの念能力は穴だらけでした。
強化系を得意としているのに相性の悪い具現化・操作系の能力を会得。
さらに、生み出した「分身(ダブル)」は戦いで衣服についた汚れまでは再現できず、どちらが本体かすぐに見分けがつく致命的な弱点が…
十分な修行期間があったにも関わらず、念の習得が不十分だったため、ヒソカはカストロを見限ってしまった可能性があります。
今後の成長性
カストロと戦う前にヒソカはゴン、キルアの才能を見抜き、期待していました。
その期待通り、ゴンとキルアは数ヶ月で念の基礎をマスター。ゴンに至っては、天空闘技場のルールではヒソカとも戦えるレベルになっていました。
しかもゴンとキルアは当時12歳。成長期真っ只中で年々強くなるであろう年頃です。
この2人と比べてしまうと、カストロの成長性は見劣りするでしょう。
ゴンとキルアは、ウイングさん曰く「1,000万人に1人の才能の持ち主」だそうで、比べるのがかわいそうですが…
新しいおもちゃを見つけたヒソカにとって、カストロはもう捨ててしまう古いおもちゃになってしまったのかもしれません。クロロもいますからね。
マチに奇術を見せたかった?
カストロvsヒソカの一戦は、会場にマチも来ていましたよね。
ヒソカの試合後、マチは「あんたバカでしょ?」と声をかけていたことから、試合内容も見ていたはず。
ヒソカはそれを知っていて、わざと腕をカストロに千切らせましたし、奇術も披露したのかもしれません。
要は、マチにかっこいいところを見せたかったんじゃないですかね?
カストロは確かに強くなっていましたから、ヒソカが手を抜きすぎればやられる可能性は0ではなかったと思います。
作中でも「善戦はできた」と言われていましたし。
あまりに余裕ぶっこきすぎてカストロとの泥仕合をマチに見られたくなかったヒソカは、あえて魅せる試合をして、さらにカストロを始末する強さもアピールしたかったのでは…?
ヒソカはマチのことを気に入っているみたいですからね。
それに、マチから他の団員に「ヒソカ、誰かも知らない格闘家に負けそうになってたぜ!」って言いふらされるのがイヤだったのかも…?
どの道、カッコ悪く戦いたくなかったんでしょうね。
カストロは犠牲になったのだ…
ヒソカがカストロの成長を見守らず殺した理由は、おそらく
・念の修行期間の割に能力に穴が多かった
・ゴン、キルアと比較して成長性が劣っていた
の2つかなと思います。マチへのアピールはおまけってことで。
カストロはもしかしたら独学で念を学んだ可能性があるので、ちゃんとした師匠がつけば、もっと強くなれたと思うんですけどね。
ゴンとキルアという超天才と比較されてしまったことが不運だったってところでしょうか。
…さらにメタ的なことを言ってしまうと、カストロは念能力を読者に説明するための犠牲になったんですよね…
ゴンとキルアの修行パートだけだと冗長になってしまうので、ヒソカのバトルシーンを描きつつ念を説明するパートとしてカストロが使われてしまった…
ゴン、キルアと比べられ、奇術に付き合わされ、念能力の説明にも使われる…
カストロは犠牲になったのだ…犠牲の犠牲にな