クロロとヒソカがタイマンするために選んだ場所は、天空闘技場でした。クロロは観客を利用した作戦を立てていたので、おそらくクロロの提案でしょう。
ヒソカは作中、200階クラスで10勝してフロアマスターへの挑戦権を獲得した描写がありました。その後勝利し、フロアマスターになっていたのだと思われます。
天空闘技場でフロアマスターと戦うには、「200階クラスで4敗する前に10勝して挑戦権を得る」「同じフロアマスターになりバトルオリンピアに参加する」などの方法があります。クロロはヒソカと戦うために、天空闘技場に挑戦してフロアマスターになる方法を選んだようです(2人の戦いがバトルオリンピアとして行われたのかは不明)。
クロロはフロアマスターになるため、天空闘技場の200階クラスまで勝ち上がり、そこで10勝していると思われます。ヒソカもゴンもキルアもいない200階クラス、クロロならボーボボを読みながらでも1回も負けることなく勝ち上がれるでしょう。
しかし、もしあのカストロさんが生きていれば……クロロといえどそう簡単に10勝できなかったのではないかと、思えなくもなくもなくもなくもないのです。
そこで今回は、カストロさんならクロロの200階クラス10勝を防げていた可能性を考えてみます。
天空闘技場200階クラスで無類の強さを誇っていたカストロさん
カストロさんはゴン、キルアより少し前から天空闘技場で戦っていた武闘家です。
200階クラスでの戦績は9勝1敗。ヒソカに負けた以外全試合で勝利している強者でした。しかも、念能力を身に付ける前にヒソカから3ポイントを奪うほど健闘しており、その素質を評価したヒソカはカストロを殺さずに再戦のチャンスを与えています。対戦相手を必ず殺していたヒソカとしては、非常に珍しい行動です。
ヒソカに負けてからおよそ2年後、リベンジを果たすため「分身(ダブル)」を具現化する念能力を習得したカストロさん。得意の虎咬拳も念で強化し、ヒソカと互角に戦え得る力を蓄えました。と思っていたのはカストロさんだけ……いざヒソカにリベンジマッチを挑んだところ、序盤こそ優勢でしたがヒソカの奇術に翻弄され、「分身(ダブル)」を見切られ敗北。しかも命を落とす結果となりました。
そんなカストロさんですが、冷静になればヒソカともっと良い勝負ができたと作中で言及されており、本人も「200階クラスのヒソカ以外の闘士相手には一度も本気を出したことはない」と言い放っていることから、戦闘力だけでいえばかなり高いことが伺えます。
天空闘技場でのヒソカVSカストロさんの試合は大人気。観戦チケットは高額で、キルアが「1枚15万もした」と言っています。ヒソカはもちろん、カストロさんもそれだけ観客に期待される実績があったということでしょう。
もしきちんとした念の師匠を見つけ、カストロさんの得意系統である強化系の能力を伸ばしていれば、ヒソカに勝てた可能性が20%くらいはあったかもしれません。
カストロさんならクロロの快進撃を止められた…わけがないよねぇ!
ヒソカと約束したタイマンをするために、天空闘技場のフロアマスターになったクロロ。
そもそも200階クラスにたどり着くまでに何年も費やす闘士が多い中、クロロはおそらく、ゴンがグリードアイランドをクリアした頃から新会長選挙が終了するまでの1年未満でフロアマスターまで上り詰めています。圧倒的な実力を見せつけ、無敗でなければまず不可能なスピード出世です。
しかしクロロの実力を考えれば、このスピード出世は当然。ゼノ・シルバを相手に余力を残しながら戦えるクロロが、念能力すらまともに習得できていない天空闘技場の闘士に遅れをとるはずがありません。
けれど。もし200階クラスでヒソカ以外に無敗だったカストロさんが生きていて、今も200階クラスにいたのなら、クロロの快進撃を止められた……わけがありませんね。ヒソカに負けるより悲惨な末路を辿っていたことでしょう。
ここからはカストロさんがいかにクロロに及ばなかったのかを考えていきます。
一瞬で見抜かれる「分身(ダブル)」
カストロさんは「攻撃を避けても分身が時間差で攻撃する」という戦法でヒソカにダメージを与えていきました。この戦法はヒソカに看破され、「分身(ダブル)」の存在までも見抜かれることに。さらにヒソカは、カストロさんの衣服の汚れ具合から本体か分身かを判断していました(分身はカストロさんのイメージのため、服の汚れまで全く同じように再現できない)。
しかし、そんな見破り方をしなくても「凝」を使えば念でできたものかどうかは区別ができます。実際にヒソカも戦いの後半からは「凝」を使っているような描写がありました。
念能力者同士の戦いにおいて、怪しいと思ったら「凝」をするのは基本中の基本。ヒソカはカストロさんの成長具合を測りつつ、遊び半分で戦っていたから「凝」を終盤まで使わなかっただけで、本来なら不可解な攻撃を受けた時点で「凝」を使い、仕組みを見破っていたでしょう。
もしカストロさんの対戦相手がクロロだった場合、クロロはカストロさんと遊ぶ必要がありませんから、不可解な攻撃を受けたら「凝」を使い一瞬で「分身(ダブル)」の存在に気付いていたと思われます。
クロロは作中でシズクとマチに「凝を怠るなよ」と指示するシーンがありましたから、「凝」を使うという基本はしっかり心得ているはず。カストロさんから多少攻撃を受けてもクロロならすぐに看破し、対策を練ったでしょう。
体術勝負も分が悪い
もしカストロさんの「分身(ダブル)」がクロロに見破られた場合、カストロさんの勝ち筋は体術勝負でクロロを上回ることくらいしかなくなります。カストロさんの肩書きは一応「武闘家」なので、体術には相当自信があったはず。念と組み合わせた虎咬拳は、ヒソカの筋肉モリモリな腕を切断するほどの威力がありましたし。
けれどクロロ相手に体術勝負を挑んでも、カストロさんが不利なことには変わらない……クロロはシルバからもヒソカからも、その体術・身のこなしを高く評価された描写があります。念能力を使わない素の体術でもクロロは達人級。カストロさんの攻撃を軽くいなし、反撃を加えることくらい容易なはず。
しかもクロロには恐ろしく速い手刀もあります。軽く放っただけでカメラでないと捉えられないスピードを誇り、本気で打てば女の子の首くらいわけなく切り落とす威力。
もしこの手刀に念が乗れば、カストロさんの虎咬拳とさほど変わらないかそれ以上の威力になる可能性も考えられます。
さらに200階クラスは武器の使用が許可されるため、クロロが0.1mgでクジラとか動けなくする薬を塗ったベンズナイフを持ち出してきたら、カストロさんは一層不利です。
念能力のバリエーションが桁違い
自分の得意系統と合致していない「分身(ダブル)」と、念で強化した虎咬拳が主な攻撃手段だったカストロさん。一方でクロロは、「盗賊の極意(スキルハンター)」で盗んだ能力を自在に扱うことができます。クロロはこれまでに数十、数百の念能力を盗んでいるでしょうから、使える念能力のバリエーションが桁違い……!
例えば接近戦がメインのカストロさんが相手なら、クロロは遠距離攻撃用の能力を使えば簡単に有利を取れるでしょう。クロロは相手の戦い方によって使う能力を変えることで、完封することも可能です。
相手の能力を見てから後出しのように能力をチェンジできるクロロ。カストロさんに限らず、どんな敵に対してもかなり有利ですね。
また天空闘技場は闘士たちがお互いの試合を観戦することもできるので、クロロなら次の対戦相手を見て足りない能力を調達することも可能です。
そもそも天空闘技場のシステム自体、クロロにとって追い風過ぎます。
「分身(ダブル)」を盗まれる可能性あり
ヒソカにはディスられまくった「分身(ダブル)」ですが、単純に2対1の状況に持ち込めるのは戦いにおいてかなり有利。そのため、もしかしたらクロロは「分身(ダブル)」を盗もうとするかもしれません。
戦闘中、あるいは戦闘後にクロロが能力を盗む条件を満たせば、カストロさんは「分身(ダブル)」を失い、大幅に戦力ダウン。「盗賊の極意(スキルハンター)」は能力の元の持ち主が死んでしまうと盗んだ能力も消えてしまうので、クロロはカストロさんを殺せなくなりますが、カストロさんとしては生殺し状態。以前の力を発揮できなくなるという、精神的苦痛を味わわされます。
武闘家として戦った結果命を奪われるよりも、よっぽどキツイ末路を辿るかもしれませんね……
カストロさんがクロロを抑えられる確率…0%!
ヒソカは才能がありそうな使い手を育成するというライフワークがあるので、カストロさんの戦いにも付き合ってくれました。
しかし、クロロが天空闘技場にチャレンジした目的はヒソカを始末することだけでしょう。だとしたら、ヒソカ以外の者との戦闘はさっさと終わらせたかったはず。カストロさんも即仕留めにかかったと思われます。
そしてガチのクロロは、最強の暗殺一家ゾルディック家を継ぐゼノですら勝てるかどうか分からない実力。カストロさんがクロロの快進撃を止められた可能性は……0%!
カストロさんが生きていても死んでいても、結果は変わらない!